8月16日〜22日のオーストリアのニュース



8月16日(月)

     国外ニュース

パキスタンの洪水犠牲者の支援の遅れに国連は懸念を表明

パキスタンの洪水被災地での破壊的な情勢に鑑みて、国連は諸外国
の支援の支払いが遅々として進まないことに懸念を表明した。西側
諸国がパキスタンに対して抱いている「印象が悪い」ため、2千万
人の被災者に対する支援が滞っている、と国連人道問題調整事務所
OCHAは昨日ジュネーヴで発表した。国連は水曜日に、パキスタン
の洪水で直接の被害を受けた6百万人に、4億6千万ドルを献金する
ように求めていた。今までにはその額の2割の約束しか取りつけら
れていない。世界銀行はパキスタン政府の要請に対して、9億ドル
の信用供与を行なっている。今回の洪水がパキスタンにもたらす影
響は、「暴力的な規模」である、と世界銀行は発表した。

     国内ニュース

ファイマンは教員問題について「何の提案もない」

教員の雇用を州が担当する問題の議論について、今回は連邦首相ウ
ェルナー ファイマン(社会民主党)が、見解を発表した。それに
よれば、州の具体的な提案は行なわれていない、とのことである。
これに反して、ニーダーエスターライヒ州州首相エルウィン プレ
ル(国民党)は、各州の間では、「極めて広い範囲」で意見が一致
している、と指摘した。




8月17日(火)

     国外ニュース

クロアチア元首相サナデルに対して捜査が入る

報道によれば、クロアチアでは検察が、元首相イーヴォ サナデル
に対して捜査が行なわれる。ただしそれは確認されていない。ザグ
レブの当局は昨日、オーストリア司法と協力して、「アルプ アド
リア不動産投資団」がクロアチアの企業「グロブス グルーパ」に
対して行なった信用供与の条件を中心に、調査を行なう、とだけ発
表した。法的調査を行なうにたるような証拠があるかどうかは不明
である、とのことである。クロアチアの週刊新聞「ナシオナル」の
報道では、サナデルに対しては巨額の信用供与に対して、違法な手
数料が支払われていた容疑で調査が行なわれ、彼は1990年代末
に、80万ドイツマルクを受けとった、とのことである。昨年政界
から引退したサナデルは、すべての容疑を否定した。

     国内ニュース

ウィーン市選挙では自由党の選挙活動で騒ぎが発生

10月10日のウィーン市選挙まで8週間を切り、自由党は1千枚の巨
大なポスターを選挙戦に投入した。同党は他の党に先んじて、大規
模な選挙戦を行なっているが、これがそれにふさわしい注目を集め
ている。「我々ウィーンの血にもっと勇気を!」という主張の声が
騒動を招いた。緑の党は、この選挙手法を「ウィーンの選挙戦の最
低点」である、と述べた。ウィーン市長ミヒャエル ホイプル(社
会民主党)は、「極めて不愉快な挑発」である、と述べた。




8月18日(木)

     国外ニュース

ルーマニアにはフランスから追放されたロマの第一陣が帰国

フランスで不法移住に対する措置が強化されたため追放されたルー
マニアのロマの第一陣が、水曜日にブカレストに到着した。およそ
80人が大人1人当たり3百オイロ、子供は1百オイロの割増し手当
てを受け取る代わりに、「自らの意志で」故郷に戻ると述べた。今
月末までに合わせて371人のルーマニア国民が、2機の飛行機に分
乗してルーマニアに帰国する、とロマ問題を担当する政務次官ヴァ
レンティン モカヌは述べた。フランス内務大臣ブリス オルトフ
ーは、これは特別機ではなく、「自由意志に基づく」通常の国外退
去措置であると述べた。彼らがフランスに戻り、再び割増し手当て
を受け取ることがないように、情報を登録する、とも述べた。フラ
ンスのヨーロッパ問題担当の次官ピエール ルルーシュは、ロマが
頻繁に行き来を繰り返すと、この計画は破綻する、と述べた。

     国内ニュース

兵営代替役務者が警官になれることで内閣は意見が一致

今後は兵役代替役務に従事した人も警官になれる。これはおそらく
兵役代替役務に関する新たな法律の修正のもっとも特徴的な部分
で、政府もこの修正に意見がまとまった。ただし兵役代替役務従事
者のなかで、後に警官になりたいものは、銃撃訓練を含め、軍の基
本的な訓練を受けなければならない。その他兵役代替役務従事者
は、今後は幼稚園で働くこともありうる。今回の修正には、柔軟化
した部分も、厳しくなった部分もある。




8月19日(木)

     国外ニュース

フランスはロマの国外追放批判を拒絶

フランスからルーマニア人およびブルガリア人のロマが追放された
件で、諸外国からの批判に対して、フランス移民大臣エリック ベ
ッソンは昨日、フランスは「教訓を得る」必要はない、全ヨーロッ
パ諸国の中でも、フランスは「外国人の権利をおそらくもっとも多
く」尊重している、と述べた。フランスは昨年17万人に対して長
期滞在許可を与え、米国に続いて世界2位の難民受入国であるの
で、フランスは世界の苦しみを軽減するために、本質的な後見を行
なっている、と元社会党の党員で、2007年に保守的な大統領サル
コズィの軍門に降った彼は述べた。フランスに対しては、国内外や
人権団体の他、EU委員会からも批判が出ている。

     国内ニュース

野党は政府は国を「豚」にしている

野党は、国民評議会の特別会議を来週半ばに行なうようにと申し入
れているが、これをさらに増強した。自由党、緑の党、未来同盟は
昨日、たくさんの言葉と避難の声をあげて、自分たちの要求の理由
を説明した。共和国は「豚」のように卑しくされ、政府は「氷のよ
うに冷たい打算」で行動しているので、特別会議と不信任動議、さ
らに「巨大な調査委員会」の設置が必要だ、と野党側は述べた。




8月20日(金)

     国外ニュース

ベルルスコーニ「年内にもイタリア選挙を行なう可能性もある」

信任投票をガマもなく行なわれるイタリア首相シルヴィオ ベルル
スコーニは、選挙を年内に実施する可能性もある。彼が9月の信任
投票で敗北すれば、国民は年末までに新たな政府を選ばなければな
らない、とベルルスコーニは自らの自由国民党の要人との会談後に
発表した。ベルルスコーニは、今回の選挙で再び勝利できる、と確
信しており、世論調査によれば、連立各党と合わせて、50%以上の
支持を期待できる、と述べた。連立政権は先日、国会議長ジャンフ
ランコ フィニおよび彼の支持者と不和となったため、過半数われ
を起こしていた。信任投票の結果は、フィニの新党の動向しだいで
ある。フィニの新党はベルルスコーニが、選挙綱領の内容を遵守す
れば、ベルルスコーニを引き続き支援すると発表した。

     国内ニュース

バンディオン・オルトナーは共犯者証人の規則を導入する方針

オーストリアの国内司法では、2011年から「米国式のやり方」が
支配することになる。法務大臣バンディオン・オルトナーは年末ま
でに、オーストリアに(犯人の一味に免責する代わりに、共犯者に
不利な証言をさせる)共犯者証人の制度を導入する方針である。す
でに彼女は、「白状するものは自由になる」との標語を掲げて、犯
罪を犯した場合に当局に共犯者を届け出る犯人を募っていた。この
対策は、最近の政治的に大きな影響のある事件の際に、司法の態度
に対する批判に対して、彼女が取っている一連の措置も含んでい
る。この新たな手法は、経済犯罪を中心に捜査陣を助けることにな
る。




8月21日(土)

     国外ニュース

オーストリア選挙結果は「宙ぶらりんの国会」となる可能性

オーストラリアでの国会議員選挙では、首相ジュリア ギラードの
労働党と、保守的な野党の候補者トニー アボットの国民連合が、
緊迫した接戦を行なった。ABC放送によれば、一部分の集計では、
野党側が150議席のうち71議席を獲得し、与党労働党は69議席で
ある。これにより、同国には70年ぶりに、どの政党も絶対多数を
持たない議会が成立する可能性が高い。

     国内ニュース

政党助成金で首相が新たな提案

連邦首相ウェルナー ファイマン(社会民主党)は、「クローネ新
聞」の日曜版で、政党の資金の改革と、汚職対策を強化する、と予
告した。今後は7千オイロを越える政党献金は、会計検査院に報告
するだけでなく、世間に公開することになる。「この問題では暗闇
があってはならない。オーストリアでは政党が秘密の資金提供者
や、圧力団体に政党が屈することがないように、政党助成金が存在
している」と彼は述べた。その他オーストリアは、あらゆる手段を
講じて、汚職および汚い投機的な行動と戦って行かなければならな
い、とも語った。法務大臣クラオディア バンディオン・オルトナ
ーがすでに予告していた司法首脳会談に、より多くの資源を投入す
る、ともファイマンは約束した。




8月22日(日)

お休みです。



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