8月30日〜9月5日のドイツのニュース



8月30日(月)

憲法裁判所はシュレースヴィヒ・ホルシュタイン州で選挙を求める

(キール)シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州は、前回の州議会議員選挙からわ
ずか1年、再び選挙が行なわれる。シュレースヴィヒの州憲法裁判所の決定によれ
ば、ドイツ最北の州の議会の議席の配分は、憲法違反である。そのため裁判官は、
2012年9月までに、選挙を前倒しして行なうように命じた。さらに立法機関は来
年5月末までに、州の新たな選挙法を発効させねばならない。
2009年9月の投票では、キリスト教民主同盟と自由民主党が、いわゆる超過議席
により、州議会で過半数の議席を得ていた。ただしこの2党のほうが、議会に議員
を送る他の政党社会民主党、緑の党、左翼党、南シュレースヴィヒ投票人連合
SSWを合わせたよりも獲得した票の数は、少なかった。緑の党、左翼党、SSWは
選挙結果の取り消しを求めていた。

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連邦銀行幹部サラズィンに対する圧力はさらに強まる

(フランクフルト アム マイン)連邦銀行幹部サラズィンは、イ
スラーム教徒とユダヤ人に関する問題発言のため、ますます強い圧
力にさらされている。発券銀行である同行の幹部会は、サラズィン
のこの主張とは一線を画した。フランクフルトで開かれた臨時幹部
会議の後に声明を発表し、この主張は同行に大きな損害を与えてい
る、連邦銀行はサラズィンとの話し合いの後、近い時期に今後の措
置について決定を下す方針である、と述べた。これより前に社会民
主党の幹部会は、党員であるサラズィンの追放手続を開始する、と
決定していた。社会民主党党首ガブリエルは、元ベルリン市の大蔵
大臣であったサラズィンに、外国人のドイツ社会への溶け込みに関
する問題発言を、一種人種差別的である、と非難した。ガブリエル
は、特に遺伝子的な特質と、知性あるいは教育の受容との関連に関
するサラズィンの主張を批判した。

連邦政府の原発運転期間に対する態度はまだはっきりせず

(ベルリン)連邦政府は、原子力発電所の運転期間の延長に関し
て、まとまった方針を見いだせていない。経済相ブリューデルレと
環境相レットゲンは、今後の電力供給に関する専門家の判断から、
異なる結論を引き出した。ブリューデルレは、12年から20年の運
転期間延長が、国民経済の利益となる、と見ているにの対して、レ
ットゲンは長期間の延長は、更新可能な電力拡大の障害となる、懸
念している。首相メルケルは週末に、10年から15年の期間延長が
事態に即した場合、合理的であるが、これはまだ決定ではない、と
発表していた。連邦政府は、原発会社の利益になるような政策を取
っている、と野党は非難した。

スロバキアでは精神錯乱により8人が死亡

(ブラティスラバ)スロバキアの首都ブラティスラバでは、精神に
異常をきたした人が、7人を殺害し、14人に怪我をさせた。スロバ
キア警察の発表によれば、自動小銃と2丁の銃で武装した男がま
ず、ロマ(いわゆるジプシー)の家族の女性4人と男性2人を射殺
し、その後犯人は路上で周囲に向けて発砲し、窓越しに女性1名を
殺害した。警察が近づいたところ、自らを射殺した、とのことであ
る。負傷者のうち数人は今なお入院中で、少なくとも1人は危篤状
態である。50歳のこの男の動機については、まだはっきりしてい
ない。




8月31日(火)

西ヨルダンの地で攻撃 イスラエル人4人が死亡

(テル アヴィヴ)イスラエルとパレスチナ人は、間もなくワシントンで直接会談
を再開するが、西ヨルダンの地では4人のイスラエル人が攻撃で死亡した。攻撃犯
はヘブロン近くにあるユダヤ人入植地キリアト アルバの近くで、イスラエル人の
車に向けて発砲した、と軍広報は発表した。救護隊の発表によれば、犠牲者のうち
2人は女性、2人は男性である。ワシントンではこの木曜日に、2年ぶりに直接対話
が始まる。イスラエル首相ベンヤミン ネタニヤフとパレスチナ大統領マハムード
 アッバスは、既に米国に向かっている。両者は事前には、近東紛争の持続的な解
決に向けた準備を前進させる、と明言していた。過去には急進派パレスチナ人が、
決定を作り出す交渉を前に、和平過程を何度も暴力で破壊しようとしていた。

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メルケルは20年前のドイツ統一の条約を評価

(ベルリン)連邦首相メルケルは、ドイツ統一の条約の署名から
20年前のこの時期に、旧東ドイツの人々の勇気が、再統一の原動
力であった、と高く評価した。彼女はベルリンの皇太子宮殿で行な
われた式典で、この統一条約の文書は全世界の条約の前例となりう
るもので、ドイツは再統一以降、自由と民主主義に諸外国に対する
責任を負っていると演説した。また彼女は、旧東ドイツの住民に行
なわれた不正について考えるまでに、極めて長い時間が必要であっ
たと認め、その例として、年金の規則や犠牲者の年金を挙げた。内
相デ メズィエールは、基本法の枠組の中で成立したこの条約は、
東ドイツの成立の協定を承認しておらず、多くの市民の生活を軽視
していた、と述べた。

司教は虐待事件を早期に告発する方針

(トリーア)ドイツのカトリック教会は、今後は性的虐待の容疑が
ある場合には、今までよりも早く検察に介入させる方針である。犠
牲者のはっきりした求めがある場合にだけ、告発を断念する、とト
リーア司教アッカーマンによって呈示されたドイツ司教会議の新た
な指針の中では述べられている。古い規則の場合よりも、教会の調
査が国の調査の妨げにならないように、という点がはっきり強調さ
れている。聖職者による多数の虐待事件が公表されたことを受け、
連邦法相ロイトホイサー・シュナレンベルガーは、教会には協力の
意志が欠けている、と非難していた。

失業者数は減少 ハルツIV法による生活保護の受給者は増加

(ニュルンベルク)ドイツで登録されている失業者の数は、8月と
しては18年前ぶりの低水準にある。それによればほぼ319万人が
職を探しているが、その数は7月より4千人減少した、とニュルン
ベルクの連邦労働紹介所が発表した。同所長代理アルトは、好景気
が労働市場の情勢を大幅に改善している、と述べた。彼は早くも秋
の時点でも、失業者の数は3百万の大台を下まわる、と見ている。
ドイツ郡会議が発表した数字によれば、ハルツIV法による支援金の
受給者は650万人を越えた。この数は昨年と比べて6万人増加し
た。




9月1日(水)

オバマは近東和平に関する非公式会談を開始

(ワシントン)近東和平に関する新たな会談の冒頭で、イスラエル首相ベンヤミン
 ネタニヤフは、米国大統領バラック オバマと大統領府で会談した。オバマはそ
のすぐ後に、パレスチナ大統領マハムード アッバスとも話し合う意向である。公
式には新和平会談は木曜日に始まる。最高の要人による直接会談が行われるのは、
ほぼ2年ぶりである。先日西ヨルダンの地でテロ攻撃を受けて、イスラエル人4人
が死亡した件が、ワシントンでのこの会談を壊してしまうことがあってはならな
い、と明言した。急進派イスラーム教徒ハマースが、この攻撃を行なったことを認
めた。ユダヤ人入植者評議会は、政府が科した入植の建設作業中止を、抗議のため
に無視して再開する、と予告した。ネタニヤフはさらに、米国外務大臣ヒラリー 
クリントンとの会談では、西ヨルダンの地におけるユダヤ人入植地建設を条件づき
で中止する期間を延長することを拒否する、とのことである。

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内閣は巨額の支出削減策を可決

(ベルリン)連邦政府は、いわゆる予算関連法案を決定した。これ
により2014年までに連邦予算は、およそ8百億オイロ縮小される
ことになる。予算の健全化のために、キリスト教民主、社会同盟と
自由民主党の連立政権は、社会福祉給付を大幅に減額する計画であ
る。いわゆるハルツIV法に基づく社会福祉給付の受給者は、追加
年金給付と両親給付金を受け取れなくなる。また45オイロまでの
路線の飛行機搭乗券税などの、新たな財源も計画されている。工業
および農業に対する電力税などの優遇措置は、縮小される。当面、
原子炉の燃料棒税の問題は棚上げにされる。野党はこの支出削減措
置を、社会福祉上釣り合いが取れていない、と批判した。また政府
は、犯罪者の保安拘禁の改革計画の骨子も決定した。

パキスタンではタリバーンの潜伏場所を攻撃 民間人の死者多数

(ペシャワール)パキスタン軍は先に、カイバル地域のタリバーン
の潜伏場所と見られる地域を空爆したが、民間人の中にも多くの死
者が出た模様である。治安部門の発表によれば、木曜日の爆撃によ
り死亡したおよそ45人には、タリバーンの戦闘員、その家族、そ
の他の民間人が含まれている。戦闘機とヘリコプターが、アフガニ
スタンとの国境地帯にあるテーラフ渓谷の目標地点を爆撃し、住居
にも命中した、とのことである。また水曜日には隣接するオラクザ
イ地域を空爆し、15人の急進派が殺害された、と治安部隊は発表
した。また公式発表によれば、ラホーレの爆弾攻撃では少なくとも
18人が死亡した。この件は、爆弾3発がシーア派の行列の近くで爆
発したものである。

オバマはイラク派兵の後は経済の強化に重点

(ワシントン)米国大統領オバマは、イラクでの戦闘行為を正式に
終了した後、国内政治および経済政策に注意を注ぐ方針である。オ
バマは国民に向けた演説を行ない、過去十年、経済の基盤を強化す
るために、十分な措置が行なえなかったが、今では数百万人の米国
市民が再び職を見つけるために、経済を上向きにするのが「もっと
も緊急の課題」である、と述べた。イラク侵攻後およそ7年、米国
は今なお5万人の兵士を駐留させている。彼らは現地部隊の育成に
力を注ぐことになっている。完全撤退の予定は2011年末の予定で
ある。4千4百人を越える米兵がイラクでは死亡した。この戦争に
米国は今までに、およそ10兆ドルをつぎ込んでいる。




9月2日(木)

連邦銀行はサラズィンの解任を提案

(フランクフルト アム マイン)ドイツ連邦銀行は、問題の理事ティロ サラズ
ィンとは距離を取る方針である。発券銀行である連邦銀行はサラズィンが欠席する
中、フランクフルト アム マインで会議を行ない、全会一致で彼の解任を連邦大
統領クリスティアン ヴルフに申し入れる決定を下した。また理事会はサラズィン
からすべての職権を奪った。65歳のサラズィンは、イスラーム教徒の移民は社会
に解け込む意志を欠いているとの意見を述べ、またユダヤ人の遺伝子と称するもの
に関する発言を行なって、激しく批判されていた。連邦首相アンゲラ メルケル
は、理事会のこの決定を歓迎した。理事の解任は連邦銀行の歴史で、過去1度だけ
しかなかった。社会民主党は元ベルリン市の大蔵大臣であるサラズィンに対し、党
からの追放手続を開始した。

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イスラエルとパレスチナ人は和平交渉を再開

(ワシントン)米国の仲裁で、イスラエルとパレスチナ人はほぼ
2年の中断を破産で、直接和平交渉を再開した。この会談は米国外
相ヒラリー クリントンの事務所で始まった。彼女は、イスラエル
人とパレスチナ人にとって「厳しい決断」を下す土岐がやってき
た、と今日移牒した。イスラエル首相ネタニヤフは、この会議では
両者が「辛い妥協」をしなければならない、と述べ、パレスチナ人
に対して、イスラエルを「ユダヤ人国家」として承認するように求
めた。パレスチナ大統領アッバスは、近東に「平和の時代」を実現
するために努力すると明言したが、イスラエルに対して、ガザ帯状
地帯に対する禁輸措置を解除し、これ以上入植地を建設しないよう
に求めた。交渉は9月中旬にこの地域で引き続き行なわれ、その後
は2週間おきに行なわれることになっている。

カールシュタットに救済の可能性

(エッセン)数ヶ月にわたる努力の末、破産した従業員2万5千人
を抱える百貨店網カールシュタットの救済が、良い方向に動きだし
た模様である。国際借款団ハイストリートの投資家全員が木曜日に
ロンドンで、カールシュタットの店舗が入っている建物の賃貸料を
引き下げることに賛成した。広報の発表によれば、資金をハイスト
リートに投資したいわゆる中期型の投資家も、基本的にはこれに賛
成している。賃貸条件に関する合意は、ドイツ系米国人の買い手で
あるベルググリューエンと破産管財人ゲルクの間で契約が発効する
ことが条件である。合意の期限は金曜日の夜に切れる。

ヨーロッパでは金融監視の抜本的な改革が計画される

(ブリュッセル)ヨーロッパ議会とEU加盟国は、長い議論の末、
ヨーロッパに於ける金融監視の改革に合意した。EU域内市場委員
バルニエは、ヨーロッパは金融監視の新たな枠組を作り出す、EU
はこれにより、金融恐慌からさらに教訓を引き出す、とブリュッセ
ルで述べた。来年には銀行、保険会社、有価証券市場を監視する
EUの官庁が作られることになる。さらにフランクフルト アム 
マインのヨーロッパ中央銀行に、「危機評議会」を移し、ヨーロッ
パの金融体制全体を常時観察し、場合によっては警告を発すること
になる。




9月3日(金)〜4日(土)

お休みです。




9月5日(日)

首相府で原発問題に関する首脳会談

(ベルリン)連邦政府はドイツの原子力発電所の運転期間延長に向けて、最終的な
舵を切る。そのために関係大臣との協議を行なった後、連立与党キリスト教民主同
盟、キリスト教社会同盟と自由民主党の党首が首相府で会談を行なった。経済大臣
ライナー ブリューデルレ(自由民主党)と環境大臣ノルバート レットゲン(キ
リスト教民主同盟)はこれまで、原子力発電所の今後に向けて異なる見解の持ち主
を代表するじんぶつであった。連邦首相アンゲラ メルケルは、数ヶ月にわたる原
発の運転期間をめぐる対立は、この日曜日に終了する、妥協点が見いだされるまで
今日は話し合いを行なう、と述べた。運転期間の延長および原子力発電所の安全性
の他、国家財政立て直しのために、電力会社の収益に追加課税をするのはどの金額
で、そしてどのような形で行なうかが問題となっている。さらに連邦参議院の決定
への関与の権限にどのように対処できるかが、今一つの問題である。現在連立与党
は、連邦参議院では過半数を持っていない。

     その他のニュース

バラクは入植地をめぐる対立で妥協を示唆

(エルサレム)イスラエルの入植地建設をめぐるパレスチナ人との
対立で、国防大臣バラクは、妥協を行なうと示唆した。ただし彼
は、10カ月にわたる西ヨルダンの地での建設中止を、9月26日以
降も延長することはないが、イスラエルが猶予期間を完全に破棄す
ることがあるとは思わない、とも述べた。首相ネタニヤフは、木曜
日に始まったパレスチナ人との直接会談をうまくまとめるために、
創造的な解決が求められている、と述べた。パレスチナ人は、入植
地建設が再開されるのであれば、交渉をただちに中止する意向であ
る。一方、エジプトへと続く密輸用のトンネルがガザ帯状地帯に掘
られているが、イスラエルがこれを空爆し、少なくとも2人が死亡
した。軍は、先週起きたこれはパレスチナ人のミサイル攻撃と、西
ヨルダンの地のイスラエル人に対する数件の襲撃事件への報復であ
る、と述べた。

バスクのETAは停戦を予告

(ビルバオ)バスク地方の地下組織ETAは、今後はテロ攻撃を放棄
する方針で、新たな停戦を呼びかけた。これに関する映像が、英国
の放送局BBCとバスクの新聞「ガラ」に届けられた。この中でETA
は、バスクの地に独立国家を建設するために、「民主的な過程」を
導入するつもりである、と述べている。2006年末に和平の話し合
いが失敗に終わった後、スペイン政府は分離独立派のETAとの会談
を中止していた。ETAは40年前から、スペイン北部とフランス南
西部のバスク地方の独立を求めて、戦いを続けてきた。彼らは
850人の死を引き起こした、とされている。

バグダードでは軍の建物が攻撃を受け死者発生

(バグダード)イラクの治安部隊の本部と新兵募集所が攻撃を受
け、警察の最新情報によれば、12人が死亡、40人ほどが負傷し
た。犯人は爆弾を搭載した小型バスを、この建物前で爆発させた。
引き続き数人の武装したものが、この建物に押し寄せ、治安部隊と
銃撃戦を行なった。




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