１０月２５日〜３１日のドイツのニュース
１０月２５日（月）
ギリシアは不法移民対策でEUの支援を求める
（アテネ）不法移民の数が増えているため、ギリシアはEUに対して支援を求め
た。内務委員セシリア マルムストルムは、ギリシア政府が境界防衛の外庁フロン
テックスの部隊の投入を求めた、と発表した。この部隊はトルコとの国境地帯の監
視で、ギリシア軍の支援を行なうことになる。現地ではアフリカおよび地中海東部
からの難民が、ますます多くEUに入り込もうとしている。フロンテックスは、エ
ーゲ海東部で、ギリシアとトルコの海峡のいくつかを既に監視しており、それによ
って難民は陸路を通じて押し寄せるようになった。
その他のニュース
ニーベルは新たな資金源を開拓
（ベルリン）開発大臣ニーベル（自由民主党）によれば、ドイツは
現在の予算では、新千年紀首脳会談で課された義務を履行すること
ができない。そのため2015年までに国内総生産の0.7%を開発支援
に当てられるように、新たな資金をたとえば工業界から獲得するつ
もりである、とベルリンでの記者会見で彼は述べた。さらに排出取
引の利益を国庫に入れる意向で、工業界をより強く巻き込んで行く
のが中心的な目標であるのは変わらない、と彼は大臣就任1年目の
総括で述べた。野党社会党はこの総括を、「壊滅的」であると評価
し、ニーベルは短時間で、ドイツの開発政策を「度量の狭い国外経
済振興へと縮小した」と述べた。EUの罰則厳格化要求は抵抗にあう
（ルクセンブルク）EU外相会議でドイツとフランスは、国家財政
に大きな赤字を抱える国に対する罰則を厳格化することを求めた
が、広い範囲からの抵抗にあった。オイロ安定包括策をより厳しい
ものにすることを求めたのは独仏両国だけであった、とオーストリ
ア外相シュピンデレガーはルクセンブルクでの会談後に述べた。そ
れに必要なEU条約の改正を、ドイツ首相メルケルは求めたが、木
曜日の首脳会談では過半数を得られない見通しである、ともシュピ
ンデレガーは語った。オイロ使用国は、金融恐慌およびギリシアの
国家としての倒産の危機後に、危機を回避するための持続的な態勢
を作ることを求めている。環境税に関する妥協は連邦予算に巨額の歳入不足
（ベルリン）キリスト教民主、社会同盟と自由民主党の連立は、電
力を大量に使用する企業の負担軽減を計画しているが、それにより
来年には連邦の財政計画に3億5千万オイロの歳入不足が生じる。
2012年から2014年にも、それより少ないとはいえ、歳入不足が
生じることを連邦蔵相は認めた。日曜日には与党の幹部が、電力を
大量に使用する企業の環境税を、当初の計画より大きく軽減するこ
とで合意していた。その代わりにたばこ税が引き上げられることに
なっている。この妥協は社会的ではなく、企業の利益に再び屈した
ものだ、との非難が出されているが、政府はこれを否定した。電力
を大量に使用する産業で働く87万人の雇用確保が重要だ、とベル
リンで政府広報は述べた。
１０月２６日（火）
連立政府は銀行家の給与を押え込む方針
（ベルリン）国家の支援を受ける事態になった銀行の経営陣に対する特別賞与の支
払いが、議論の的となっているが、これに決着がつく。来年からは、国家の資金で
救済された銀行で働くすべての従業員の所得に、上限が設けられる。キリスト教民
主、社会同盟と自由民主党は、経営陣以下の役職の者に対しする給与も、年額
50万オイロを上限とする方針である。この上限の金額は、救済された金融機関の
国内外の子会社にも適用される。首相アンゲラ メルケルは、これは妥当な上限で
ある、と述べた。
今まで50万オイロの規則は、国が救済した銀行の幹部にだけ適用されてきた。た
だし投資銀行などの従業員は、特別賞与の支払いなどで、最高経営陣よりも多くの
給与を受け取る場合もしばしばある。
その他のニュース
高額所得者に対する子女手当の支給は中止
（ベルリン）高額所得者は2011年からは、子女手当てを受けとれ
なくなる。キリスト教民主、社会同盟と自由民主党は、2007年に
導入された「富裕者税」を支払っている人に対して、子女手当の支
払いを取り消すことで合意した。これにより連立政府は、支出削減
策が社会的に公正さを欠いているとの非難を取り消すつもりであ
る。野党はこれは目をそらすための陽動作戦である、と述べた。支
出削減で連立政府は既に春の時点で、ハルツIV法に基づく社会給付
の受給者に対しては、月額3百オイロの子女手当の支給を中止して
いた。野党は政府の仕事ぶりを壊滅的と総括
（ベルリン）野党各党は、就任1年の連邦政府に、悪い点数を付け
た。社会民主党会派長シュタインマイアーは、これほどひどい出発
を切った連邦政府はかつてなかった、と述べた。緑の党の政府の評
価の点数は「災害」であった。左翼党は、キリスト教民主、社会同
盟と自由民主党は、社会的な緊張を産み出した、と見ている。これ
に対して連立与党幹部は、成果をあげる道筋に乗っている、と見て
いる。連立政権成立から1年で政治の方針転換がはっきりした、と
自由民主党党首ヴェスターヴェレが一般党員に書き送った。キリス
ト教民主、社会同盟は、失業者が減少し、景気予想も良好である点
を指摘した。フランス上院は年金改革を最終的に可決
（パリ）フランスでは反対意見も多い年金改革が、国会の最後から
2番めの障害を乗り越えた。上院はこの法案を賛成多数で最終的に
可決した。最後に残るのは国民議会でのもう1回の可決である。大
統領サルコズィ率いる与党陣営が、はっきりとした多数を握ってい
るため、これは形式的なものである。労働組合は、年金受給年齢に
引き上げを含む改革に反対して、ストライキと抗議活動を行なって
いるが、これは次第に下火になっている。
１０月２７日（水）
好景気で失業者数が3百万人を下まわる
（ベルリン）経済の公共が、ドイツの失業者を1992年以降で最低の水準に押し下
げた。労働大臣ウルズラ フォン デア ライエンによれば、10月の失業者は
294万5千人ほどとなった。これは9月と比べて、8万6千人減少した。失業率は
7%に下がり、これは人々のための大きな成果である、と彼女は述べた。失業者が
3百万人を下まわったのは、2008年10月以来である。
その他のニュース
メルケルはEU条約改正計画を擁護
（ベルリン）ドイツとフランスはオイロ通貨同盟の改革とEU条約
改正を計画しているが、連邦首相メルケルはこの計画を擁護した。
間近に迫ったEU首脳会談に向けた政府声明の中で彼女は連邦議会
で、ヨーロッパは現在今後の危機的状況対策のため、懸念と直面せ
ざるをえない、そのため高額の負債を抱えたEU諸国に対して強固
な危機克服態勢を作り、EUで常習的な赤字を抱える国の投票権を
剥奪することが必要だが、そのためにはEU条約を変えなければな
らない、と語った。野党社会民主党の会派代表シュタインマイアー
は、メルケルを非難して、オイロ安定化包括対策のために、彼女が
フランス大統領サルコズィと意見を一致させたことで、木曜日と金
曜日に行なわれるEU首脳会談での合意成立が困難になった、と述
べた。政府は無理強いの結婚を禁止する法案を可決
（ベルリン）連邦政府は移民政策での対処を強化し、いくつかの法
律の改正を進めた。それによれば、自由意志に基づかない結婚は、
最大で5年の拘留を受ける可能性のある犯罪行為を構成する。今ま
では無理強いされた結婚は、ひどい脅迫である場合のみ、訴追する
ことができた。過去数年で、トルコ人女性あるいは若い女性を中心
に、無理強いされた結婚の事例が再び世間で見られるようになって
いる。その他、融和のための講座への移民の出席の義務が、今後は
より厳格に監視されることになる。ドイツとスイスは税金に関する協定を締結
（ベルン）ドイツとスイスは長年にわたる対立を終え、脱税との戦
いでより協力を強めて行くことで合意したい。ドイツ蔵相ショイブ
レとスイス蔵相メルツは、ベルンでこれに関する協定に署名した。
これには脱税の容疑がある時に、情報交換をうまく行なうことが中
心となる。今までスイスは、銀行の厳しい秘密保護を盾に、このよ
うな協力を大きく拒否していた。
１０月２８日（木）
連邦議会は原発の運転期間延長を可決
（ベルリン）連邦議会はドイツにある原発17基の運転期間延長を可決した。キリ
スト教民主、社会同盟と自由民主党の賛成多数で、国会は平均で12年間の電力供
給期間の延長を可能にする措置に賛成した。政府は新たな原子力法を、連邦参議院
の議決を経ずに実施に移す方針である。これに対して野党は、憲法裁判所に訴える
方針である。議決に先立ち野党と政府は、激しい応酬を行なった。社会民主党党首
ズィークマール ガブリエルは、連立与党の電力確保計画は、再利用可能な電力へ
の投資を妨げ、大企業の利益となっている、と述べた。緑の党の会派代表ユルゲン
トリティンは、与党三党が安全の基準を緩めている、と非難した。連邦環境大臣
ノルベルト レットゲンはこれに対して、政府は2050年までに環境に配慮した電
力の割合を8割にまで高める努力をしている、と述べた。
社会民主党と緑の党は10年前に、2022年ごろまでに原子力発電から撤退すること
を決定していたが、これが取り消されたことになる。
その他のニュース
連邦労働紹介所所長「好景気が労働市場を活性化している」
（ニュルンベルク）ニュルンベルクの連邦労働紹介所所長ヴァイゼ
は、ドイツの失業者が減っているのは、特に経済の活況のおかげで
あり、この傾向は続くだろう、と述べた。ただし国外での経済の動
向が不透明であるなどの理由で、労働市場には危機がある、とも語
った。労働大臣フォン デア ライエンは既に水曜日に、10月の
求職者の数が、ほぼ2年ぶりに3百万人の大台を下まわり、294万
5千人となり、1992年以来最低の水準となった、と発表してい
た。失業率は7.0%へと減少した。EU首脳会談はオイロ保護に関して協議
（ブリュッセル）EU加盟各国の首脳は首脳会談で、共通通貨オイ
ロが今後見舞われる可能性のある危機を回避するための措置につい
て、協議している。ドイツとフランスは、EU条約を修正し、国家
財政の原則を常習的に踏みにじる国々には、EUの投票権を取り消
すことができるようにする、との提案を行なっているが、これには
2日間の首脳会談が始まる前の時点ですでに、いくつかの国の政府
が反対を表明した。ドイツ首相メルケルは、ブリュッセルに到着し
た際に、この問題を議事から外さない、と述べていた。通信社の報
道によれば、ドイツとフランスのもう一つの提案、高額の負債を抱
える国家に対する危機克服の態勢を作り上げる計画には、意見の歩
み寄りが見られる、とのことである。フランスの年金改革に反対する抗議活動は次第に終息
（パリ）フランスでは、可決された年金改革に対する抗議が、力を
失った。労働総同盟CGTによれば、引き続き全国で行なわれた行動
の日への参加者は、およそ2百万人であった。これ以前の抗議活動
には、350万人ほどの参加者があった、と労組側は見ていた。空
港、鉄道、近距離公共交通では、遅れおよび運休が出ている。水曜
日には国民議会が、年金受給開始時期の引き上げを含む改革を、最
終的に可決していた。
１０月２９日（金）
日本での国連の種の保存会議で合意が成立
（名古屋）2週間にわたる粘り強い話し合いの末、日本で開かれていた国連の種の
保存会議で、各代表は自然保護のために決定的な役割を果たす措置で合意した。
193ヶ国の代表は、2020年までに種の多様性の喪失を停止する、などとの決議を
行なった。過去数日間、一部では会議が難航していたため、環境保護派は成果をあ
げられないのではないか、と警告していた。名古屋での交渉の対立の中心は、原産
国と工業界の間での生物の作用物質から得られる経済的な利益の公平な分配であっ
た。今後は医療などの生物原料からの利益は、原産国と利用者の間で公平に分けら
れることになっている。
その他のニュース
メルケルはオイロ救済の傘をめぐる議論は厳しくなると予想
（ブリュッセル）EU条約改正で合意が成立したことを受け、ドイ
ツ首相メルケルは、困難な交渉がEU加盟各国を待ち受けている、
と見ている。EUは現在、前人未到後に入っている、と首脳会談2日
目の終わりに述べた。この首脳会談は27カ国の首脳が参加し、銀
行や基金などの民間の債権者を今後、ギリシアで起きたような借金
の危機の克服に参加させる方向に舵を切った。EU評議会議長ファ
ン ロンパウは、EU各国との話し合いで、EU条約の制限つきの修
正を行なえるかどうか意向を打診し、12月の次回の会議までに結
果を呈示するように委託を受けた。ベルリンでは野党社会民主党
が、今回の首脳会談での妥協を未完成の最低限度の解決であると批
判した。同党主ガブリエルは、首脳会談を決裂させると威嚇しなが
ら、ドイツ政府は関係各国から危機克服のための態勢について、若
干の文言を搾り取っただけで、オイロという通貨連合が抱える本当
の問題は解決していない、と述べた。国際貨物便に疑わしい荷物 捜査が行なわれる
（ニュー ヨーク、ロンドン）疑わしい荷物が、国際航空貨物便に
混乱を引き起こした。きっかけになったのは、英国のUPS社の貨物
機で、異常なつめ方をしたトナー容器が押収されたことであった。
当初の報道徒は異なり、爆発物は検出されなかった。その他のUPS
社の飛行機も、米国内のニューアークとフィラデルフィアで捜査を
受ける。さらにドゥバイの当局は、イエメンから送られた疑わしい
小包が、航空貨物会社フェデックス社でも押収していた。当初米国
では、ロンドンで爆弾がUPS社の飛行機で見つかった、と報じられ
ていた。フランスの年金改革反対のストは終了
（パリ）数週間にわたり年金改革に反対する抗議活動が行なわれた
が、フランスの石油産業でのストは終了した。国内の2ある製油所
すべてと、ル アーヴルとマルセイユの重要な石油輸送の拠点で、
封鎖を終了した、と労働組合は発表した。技術的な理由から、製油
所が通常の稼働を再開するまでには、なお数日かかる見通しであ
る。そのため多くの給油所は当面閉鎖されたままになる。一方鉄道
は週末には、遠距離路線での通常の運行を再開する。地方交通での
みときどき、まだ欠便が生じる。国民議会は水曜日に、反対意見の
多い年金改革を可決した。この改革には、年金受給年齢の60歳か
ら62歳への引きあげが含まれている。
１０月３０日（土）
捜査陣「小包爆弾は爆発可能であった」
（ロンドン）英国で見つかったイエメンから送られた小包爆弾は、捜査陣の見方に
よれば、飛行機の中で爆発することが可能であった。ロンドン警察によれば、バー
ミンガム近郊の東ミッドランド空港に行く途中、ドイツでの航空貨物の中心地ケル
ンでUPSの輸送機に積み替えられたが、これは危険な着陸であった。フェデックス
社がドゥバイ空港で受け付けたイエメンから送られた荷物は、現地警察によれば、
発火装置をともなった爆発物を含んでいた。この爆弾の製造法は、「アル カーイ
ダのようなテロ組織」が作ったものであることを示唆している、と述べた。この2
つの小包爆弾の宛て先は、シカゴにユダヤ教施設であった。ドゥバイではこの間に
さらに疑わしい荷物が押収された。
その他のニュース
デ メズィエールは治安対策強化は不要と見る
（ベルリン）連邦内相デ メズィエール（キリスト教民主同盟）
は、未然に阻止された米国宛の小包爆弾による攻撃があったにもか
かわらず、これはドイツの安全確保のための予備的な措置を強化す
るきっかけにはならない、と見ている。安全対策は高い水準にあ
り、情勢に見合ったものである、と彼はベルリンで述べた。ドゥバ
イとイングランドでの爆弾の発見は、目の前にある危険の度合を変
えるものではなく、ドイツが攻撃を受ける具体的な兆候は今のとこ
ろない、と述べた。キリスト教社会同盟党大会は移民の規則を厳格化を決議
（ミュンヒェン）キリスト教社会同盟は、バイエルン州の州都ミュ
ンヒェンで党大会を開き、移民政策に関する新たな指針を決定し
た。その中で同党は、外国人労働力のドイツへの移住を増やすこと
を拒否している。さらにこの方針には、移民が長期的にドイツで生
活することを望むのであれば、ドイツの基軸文化に解け込むことを
移民に求める条項が含まれている。この文書は、約8百人の連邦お
よび州政治の議員が全会一致で賛成したもので、ドイツは古典的な
移民国家ではない、労働力不足は「移民の管理を行なわない」ため
の許可書ではあり得ない、と述べた。キリスト教社会同盟は、この
ほかに、移民の家族の呼び寄せに、今までよりも制限した取り扱い
をするべきである、と考えている。ギリシアでの難民対策にEUは175人の国境保護官を派遣
（ブリュッセル）押し寄せる難民の数が増えつづけているギリシア
は、今後数週間支援を受ける。EU内務委員マルムストロームは、
EUの外庁フロンテックスの国境保護官175人をギリシアとトルコ
の国境に派遣する、と発表した。この部隊はドイツを含むEU7カ国
から集まったものである。ギリシアは、トルコとの国境を越えてや
って来る違法難民の波に対処できないため、官庁による支援を求め
ていた。EUの発表によれば、EUへの不法移民の8割以上は、ギリ
シアを経由している。
１０月３１日（日）
小包爆弾捜査陣はサウディアラビアの急進派に疑いの目
（ワシントン）イエメン発の2つの小包爆弾が見つかったことを受け、米国の捜査
陣は、サウディアラビアの市民権を持つイブラヒム ハッサン エル アシリを、
この攻撃の試みの背後にいる鍵を握る人物ダ、と推定している。彼は爆薬に関する
知識を持っているため、彼が「主要な容疑者」である、と米国のテロ対策局の代表
はワシントンで述べた。エル アシリが2009年12月25日に米国の旅客機を狙っ
た攻撃計画で、一定の役割を果たした証拠がある、とも述べた。米国の国内安全の
顧問代理であるブレナンはこれより前に、ドゥバイあるいは英国で見つかったのと
同じような、貨物機で輸送される小包爆弾が、他にも発送される可能性がある、と
警告していた。
その他のニュース
連邦刑事局は小包爆弾の経路を追う
（ベルリン）イエメンから送られた2発の郵便爆弾に関する指摘
が、連邦刑事局から届いた、と連邦内相デ メズィエールは発表し
た。その指摘から見てドイツ治安当局は、その小包の番号を捜査
し、英国当局に情報を伝えた、とのことである。この間に連邦航空
運輸局は、すべての飛行機会社および高速配達会社に対して、イエ
メンからの荷物を遺漏なく監視するように、と指示した。イスタンブルで襲撃 32人が負傷
（イスタンブル）トルコの大都市イスタンブルの中心部で、襲撃犯
が交番を爆破し、32人が負傷した。当局の発表によれば、攻撃犯
は体に爆弾を巻きつけたままで、警察が出動するバスの所まで行こ
うとしたが、失敗に終わった。攻撃後に警察は、犯行現場の近く
で、ほかに爆弾があるかどうかを探した。首相エルドアンは、この
凶行を厳しく非難し、分離独立派が引き起こしたものだ、と述べ
た。イスタンブルでは先に、クルド人反乱勢力のPKK、左派急進派
と急進的イスラーム教徒組織が、爆弾攻撃を行なっていた。ブラジル大統領選挙の決選投票
（ブラジリア）ブラジルの大統領を選ぶ選挙の最後の投票が行なわ
れ、世論調査によれば左派の政治家で政府側の候補者ルセフが優位
に立っている。日曜日の決選投票では、現大統領ダ シルヴァ政権
で閣僚を務めた彼女が、労働党の候補者である。野党の候補者でサ
ン パウロの元知事セラには、かなりわずかな可能性しかない。
62歳のルセフが当選すれば、ブラジル初の女性大統領である。現
職のダ シルヴァは、8年間在職したため、これ以上立国補するこ
とはできない。彼は市場経済志向の政策と、多くのブラジル人の生
活水準を改善するための政策を取った。
１１月１日（月）
ドイツはイエメンからの飛行機着陸禁止
（ベルリン）イエメンからの小包爆弾2発が輸送機の中から発見されたことを受
け、ドイツはアラブ人の国であるイエメンを出発した飛行機すべての着陸を禁止す
る措置を課した。ドイツの空の安全は、イエメンからの直行便および経由便の着陸
を拒否することで確保される、と連邦交通省は発表した。現在イエメニア航空が、
ローマ経由で週一便を運行している。政府広報シュテフェン ザイベルトは補足し
て、現在既に課されているイエメンからの貨物便に対する着陸禁止を、さらにいく
つかの国に拡大するかどうか、検討中である、と述べた。
連邦航空運輸局や治安当局は、協力して荷物の監視の強化を検討している。EU全
域で、米国と協力して対策を取るよう努力を行なう、ともザイベルトは述べた。
その他のニュース
小包爆弾がアテネで爆発 左派無政府主義者の犯行と見られる
（アテネ）ギリシアの首都アテネで小包爆弾が爆発し、運輸会社の
職員1人が負傷した。この荷物の宛て先は、アテネのメキシコ大使
館であった。警察はその後、郵便爆弾3発の信管を抜き、容疑者
2名を逮捕した。ギリシア政府の発表によれば、郵便爆弾のうち
1つは、フランス大統領サルコズィに宛てられたもので、その他は
アテネのベルギーおよびオランダ大使館に送られたものであった。
警察は左派無政府主義者が、この郵便を送ったものとみている。外相はモスクワでホドルコフスキー裁判を厳しく批判
（モスクワ）ロシア訪問中の連邦外相ヴェスターヴェレは、政府を
批判し元巨大石油会社社長のホドルコフスキーの裁判を、厳しく批
判した。彼はロシア外相ラフロフと、モスクワで会談したが、この
裁判が行なわれている状況には、重大な不安がある、この不安を正
当に受け止めることは、ロシアにとって利益である、と述べた。後
には解体された石油会社ユコス社の社長で、逮捕されたホドルコフ
スキーは、2億トン以上の石油を横領した容疑で、改めて拘留刑が
言い渡される可能性がある。ただし専門家は、来年には現在の拘留
が終了するが、その後もホドルコフスキーを冷遇するために、この
裁判は政治的な意図で行なわれイル、と見られている。彼はロシア
首相プーチンをもっとも厳しく批判している1人と見られている。連邦政府は大幅な税収増があると計算
（ベルリン）景気回復をうけ、連邦政府は今後数年、大幅な税収増
があるものとみている。火曜日に始まる税収予想の草案の中では、
2012年までに今までの予想と比べて、およそ620億オイロの増収
がある、と期待されている。この数は、連邦、各州、市町村を合わ
せたものである。財政状況は改善するが、連邦政府は2011年末ま
でに、減税を行なう可能性を否定した。