１１月１５日〜２１日のドイツのニュース
１１月１５日（月）
キリスト教民主同盟党大会でメルケルへの支持を強める
（カールスルーエ）連邦首相アンゲラ メルケルは、党大会の背面支援を受けた。
カールスルーエで開かれた党大会で、出席した代議員の90.4%が、10年前に就任
した党首の職に留まることを認めた。2年前の前回の投票では、メルケルはほぼ
95%の支持を受けていた。ただし彼女は、自分に対する信頼感が高いことの証明で
ある、と述べた。今後は彼女の代理人は3人となる。党大会では、連邦環境大臣ノ
ルベルト レットゲン、連邦労働大臣ウルズラ フォン デア ライエン、ヘッセ
ン州首相フォルカー ブーフィエが副党首に選ばれた。党首選出の前にメルケル
は、自分の方針を支持するように、と理解を求めた。彼女は党に対して、来年6つ
の州で行なわれる州議会選挙に備えて、社会民主党と緑の党との戦いに精力を注ぐ
と誓い、野党は無責任である、と非難した。夕方には国防大臣カール・テオドール
ツ グッテンベルクが、国防軍の改革計画を発表した。このほかキリスト教民主
同盟も、いわゆる（遺伝子解析を行なう）着床前診断PIDについて協議をする方針
である。
その他のニュース
連邦統計局は1オイロの仕事を批判
（ベルリン）連邦統計局が繰り返し批判を行なったのを受け、政府
は長期失業者に対する1オイロの仕事を検証する。公勤務部門全体
は、2012年から新たに整理を行なう、と社会福祉省は発表した。
労働組合と野党だけでなく、自由民主党も、2005年から数十万回
利用され、巨額の補助金を投入した低賃金の職に対して、批判的な
意見を表明した。1オイロの仕事には、ハルツIV法に基づく補助金
の受給者は、12カ月間を限度として就くことができる。EU委員会はアイルランドが緊急状態であるとは見ていない
（ブリュッセル）打撃を受けたオイロ使用国アイルランドに、財政
支援を行なうかどうかについての議論で、EU委員会は今のところ
は緊急事態であるとは見ていない。EU通貨委員レーンはアイルラ
ンドの信用供与の供給を検討して、来年夏までの必要性は十分満た
されている、と述べた。ただし彼は、同国の公的財政の状況は深刻
であり、同委員会はアイルランド同局と密接に連絡を取り合ってい
る、この場合支援計画について話し合わないのは正常なことであ
る、とも語った。アイルランドは、諸外国と現在の市場の動向につ
いて話し合っていることを認めた。ただし同国大蔵省広報は、外国
の支援を求めたことはないと述べ、政府は2011年予算と、4年間
にわたる計画の策定を続けており、この2つは12月7日に提案され
ることになっている、と発表した。EU加盟各国と欧州議会は予算をめぐって討論
（ブリュッセル）EU加盟各国とヨーロッパ議会の幹部は、2011年
EU予算の交渉の最後の段階を開始した。最後まで合意が成立しな
ければ、EU委員会は新たな予算案を提出しなければならない。EU
当局は、予算案の議論が遅れたため、共同の外交の業務や核融合計
画ITERなどの新たなEUの計画が、当面予定通りに財源が得られな
い可能性がある、と懸念している。先週木曜日には、粘り強い話し
合いの末、意見の歩み寄りが見られた。それによれば、EUの財源
からの支払いは、2.9%増えて1,265億オイロになる、とのことで
ある。
１１月１６日（火）
キリスト教民主同盟は胎児の遺伝子検査禁止を支持
（カールスルーエ）キリスト教民主同盟は、ぎりぎりの過半数で、胎児の遺伝子検
査禁止に賛成した。カールスルーエで開かれた同党の党大会の最終日で、数時間に
渡って議論をした末、代議員の51%が、着床前診断PIDの禁止に賛成した。これに
より同党は、党首アンゲラ メルケルの意見に従ったことになる。首相でもある彼
女は事前に、禁止に理解を求めていた。着床前診断では、試験管で作られた胎児
を、母親の胎内に着床させる前に、必要があれば選別するために、遺伝子の欠損が
ないか検査する。
党大会の最後に代議員たちは、外国人の統合政策については、今までより大幅に厳
しい方針を打ち出した基本政策に関する動議を可決した。
その他のニュース
イランはドイツ人2人をスパイと非難
（テヘラン）イランは、10月に逮捕したドイツ人記者2人をスパイ
である、と非難した。これにより彼らには、最悪の場合、死刑が言
い渡される恐れがある。同国の司法当局は当初、2人は旅行者用の
入国査証を持っているのに、記者として働いた、との扱いをしてい
た。イランのテレヴィ局では、「ビルト紙日曜版」の職員である彼
らのインタヴューが放送された。イランのテレヴィの翻訳によれ
ば、彼らのうち1名は手違いがあったことを認めた。記者2名はイ
ラン北西部のタブリスで、アシュティアニの息子にインタヴューを
試みた。アシュティアニは、姦通罪で投石による死刑が言い渡され
ていた。彼女の事件は世界各地で抗議活動を生んでいた。オイロ使用国の蔵相はアイルランド危機について議論
（ブリュッセル）アイルランドの負債が危機的な状況になっている
ため、オイロ使用地域の蔵相は、協議のために集まった。ブリュッ
セルで議論されるのは、銀行の危機で国が窮地に追い込まれた場合
の救済の正しいあり方である。アイルランド政府は今までのとこ
ろ、EUによる支援と、その巨額な救済資金を要請してはいない。そ
のため通貨委員レーンはブリュッセルで、EUはアイルランド問題の
解決を見つけるために、国際通貨基金とヨーロッパ中央銀行との話
し合いを行なう用意が既にできていることを認め、この話し合いに
より、アイルランドの金融機関が陥っている窮地を切り抜ける、と
述べた。EU評議会議長ファン ロンパウは協議を前に、オイロ地域
が生き延びることが重要で、それがEUが生き延びることにつなが
る、と述べた。タイは武器商人ボウトを米国に引き渡す ロシアは抗議
（バンコク）タイは武器商人とされるロシア人ボウトを米国に引き
渡した。2年半にわたり司法の駆け引きが行なわれ、タイ政府がよ
うやく最終的に賛成した。数時間後には米国の司法職員が、ボウト
を手配した飛行機の乗せ、バンコクから連れ出した、と現地警察は
認めた。しばしば「死の商人」と報じられるこの43歳の男は、コロ
ンビアの左派反乱勢力を含め、世界各地で違法な武器取引を行なっ
た、と米国は非難した。ロシアはこの引き渡しは「違法」であり、
米国に強奪された、と批判した。世界各地で行方が追及されていた
ボウトは、2008年3月に、米国のスパイの指摘により、バンコクで
逮捕されていた。
１１月１７日（水）
ドイツではテロの警告発表後に警察の警備が強化
（ベルリン）ドイツでテロ攻撃が行なわれるのではないかとの警告を受け、各州の
治安当局も対応を取った。ドイツ全土では、空港および中央駅周辺への武装した警
察官の配備が強化された。各地で私服警官も配備されている。ベルリンではさら
に、危険な物体に対する警察の警備が拡大された。連邦内務大臣トーマス デ メ
ズィエールは初めて、11月末にドイツで攻撃が計画されていることを示す具体的な
証拠がある、と述べた。報道期間が一致して伝えるところによれば、米国の秘密情
報部が、アフガニスタンとパキスタンの国境地域から数人のテロリストが到着し
た、と警告しており、クリスマス市あるいはそのような場所が攻撃される懸念があ
る、とのことである。
その他のニュース
今度はアイルランドは救済の傘の下に入るか？
（ブリュッセル）高額の負債を抱えたアイルランドと、その疲弊し
た銀行の態勢に対して、救済の支援が動き始めている。木曜日から
同国政府は、EU委員会、ヨーロッパ中央銀行、国際通貨基金と、支
援についての話し合いを行なう、と蔵相レニハンはアイルランドの
テレヴィでのべた。市場を安定させるために、おそらく緊急事態に
備えて、救済計画を拡大すれば充分である、とのことである。ドイ
ツはアイルランドに対して、オイロ使用国と国際通貨基金が申し入
れた支援を受けいれるように、との圧力を強めた。また英国も資金
を提供する。ドイツ蔵相ショイブレ（キリスト教民主同盟）は、ブ
リュッセルでのEU蔵相会談で、各市場での悲惨な状況が、アイルラ
ンドから他の国々、たとえばポルトガルやスペインに飛び火するこ
とがないように、と警告した。ドイツ政府は石炭問題でEUに譲歩
（ベルリン）ドイツ政府は石炭炭坑への経済的な支援を、2018年
で終了し、転換しないことにした。これによりEU委員会の動向に
追従したことになる。支援中止の再検討が2012年に予定されてい
たが、内閣はこれを中止することを決定した。EUは本来、支援の
中止を2014年までに行なうように求めていた。ただしエネルギー
委員エッティンガーは、EU当局が譲歩すると約束した。ドイツ政
府の発表によれば、この間に加盟国の過半数も、ドイツの方針に妥
協した、とのことである。政府は67歳からの年金受給の方針を堅持
（ベルリン）さまざまな抗議と異議提出にもかかわらず、キリスト
教民主、社会同盟と自由民主党からなる政府は、2012年に計画さ
れている67歳での年金受給開始の方針を修正しない。社会福祉大臣
フォン デア ライエン（キリスト教民主同盟）は、中高齢者の就
業機会に関する報告書を提出し、60歳から65歳の労働人口の割合
は、今や38%にまで増加したが、これはまだとても多いというわけ
ではなく、今後はさらに増加するだろう、と述べた。社会民主党、
労働組合、社会福祉連合は、年金受給年齢の引き上げは受給額の引
き下げでしかない、この年齢まで仕事を続けられるのはごくわずか
な人だけだからだ、そのため年金の受給年齢を67歳に引きあげるの
は当面中止すべきだ、と述べた。大連立時代の2007年に政府は、
2012年から法定年金受給年齢を段階的に引きあげることを決定し
ていた。年金受給年齢が67歳になるのは、1964年生まれの人から
である。
１１月１８日（木）
アイルランドは巨額の支援をめぐる対立で譲歩の方針を示す
（ダブリン、フランクフルト アム マイン）巨額の負債を抱えるアイルランド
を、金銭面で救済する行動が取られる可能性が高まっている。大蔵大臣ブライアン
レニハンは、長い間ためらったが、疲弊した銀行の包括的な支援策を受け入れる
可能性がある。貸付の準備を行なうが、それを使う必要はない、とレニハンは国会
で述べた。アイルランド中央銀行総裁パトリック ホノハンは、フランクフルトで
のヨーロッパ中央銀行の会談に出席し、総額数十億オイロの信用供与が、銀行に対
して財政的な緩衝材となるが、この資金は「おそらくそもそも不必要」である、と
述べた。
アイルランド政府はこれまで、国際通貨基金とオイロ使用国に救済ためのの資金を
請求するのを拒否してきた。アイルランドは主権が失われるのを恐れ、諸外国から
支出削減を指示されるのを回避しようとしている。
その他のニュース
ギリシア政府はさらに支出削減の方針
（アテネ）国家財政を十億オイロ単位で削減することで、ギリシア
政府は国家の抱える赤字を押え込む方針である。大蔵大臣パパコン
スタンティノウは議会に2011年予算を提出したが、これには61億
オイロのさらなる支出削減が盛り込まれている。これで全部合わせ
て143億オイロの支出削減となる。中でも、赤字の多い分野、健康
保険制度と軍備の分野での支出が取りやめられた。赤字は2011年
には国内総生産の7.4%に押え込まれる。ロシアもノーベル賞授賞式を欠席
（オスロ）中国の人権活動家劉に対して、12月10日にノーベル平
和賞が授与されるが、この式典への招待を今までに6カ国が拒否し
た。中国自体に加えて、ロシア、カザフスタン、キューバ、モロッ
コ、イラクが拒否している、とノルウェイのノーベル平和賞委員会
の事務長ルンデスタッド発表した。中国は授賞式へ参加しないよう
にとの宣伝を繰り広げているが、これは前例のないことだ、と彼は
と非難した。ロシア大使は日程を理由にして、出席を拒否した。中
国はおそらく、政府に批判的な劉の家族の誰も出国させないので、
ノーベル平和賞授賞式は、授与なしで行なわれる、とオスロで発表
があった。スウェーデンではウィキリークスの設立者に対する逮捕命令
（ストックホルム）スウェーデンではインターネット上のウィキリ
ークスの設立者アサンジに対する逮捕命令が出された。今回の起訴
は、オーストラリア人である彼に対して、国外でも行方を追及する
ことを通達するものである。ストックホルムの検察は、アサンジに
は、強姦、性的嫌がらせ、脅迫の容疑が持たれており、彼は今まで
尋問を避けていたため、措置をとらざるをえない、と述べた。アサ
ンジに対する告発は、8月に女性2人から出されていた。そのためス
ウェーデン当局は、滞在および労働許可を取り上げた。アサンジは
この告発に異議を唱え、米国国防省の陰謀である、と述べた。ウィ
キリークスは10月末に、イラク戦争に関するほぼ40万の秘密文書
をインターネット上で公開し、注目を集めたばかりであった。
１１月１９日（金）
NATO首脳会談はアフガニスタンと戦略について協議
（リスボン）NATO加盟28カ国の首脳が、ポルトガルの首都リスボンで、アフガニ
スタンでの活動とNATOの新たな戦略について協議する。2011年からアフガニス
タン軍と警察への治安の権限を移譲が始まる予定だが、2日間の首脳会談ではこの
開始の合図が出されることになっている。またNATOは新たな戦略を建てること
で、テロ、ハッカーによるさまざまな国の情報伝達網への攻撃、重要な貿易の路程
が危機にさらされる場合などの新たな世界的脅威に対処する意向である。米国が計
画しているヨーロッパでのミサイル迎撃網を、NATOの戦略に転換することも決議
されることになっている。その際にはロシアへも協力を申し入れることになる。こ
の首脳会談は、厳重な安全対策が取られている。
その他のニュース
ヴィントフクからの荷物は模造品 テロの危険に関して議論
（ハンブルク）テロとの戦いで、連邦内相デ メズィエール（キリ
スト教民主同盟）は、警戒が誤りだったことを認めた。ヴィントフ
ク空港で見つかった荷物は、安全検査で引っかかるように作られた
スーツケースで、爆薬は含まれていなかった、と彼はハンブルクで
述べた。旅客航空については、今までのところずっと危険は生じて
いない、とも語った。誰がナミビアの空港で米国企業のいわゆる本
物検査に引っかかるスーツケースを置いたのかは、依然として不明
である。警戒は解除されたが、テロの危険が増大しているため、治
安対策に関する議論は続いている。連邦と各州の内相は、いわゆる
情報蓄積を再び導入する方針である。彼らは連邦内相ロイトホイサ
ー・シュナレンベルガーに対して、電話とインターネット情報の
6カ月間保存を再開できるように、法律を速やかに提出するように
求めた。今までの規定は、連邦憲法裁判所が3月に違憲としてい
た。それ以来電話とインターネットの情報は、容疑のある時間を除
いて、保存されることは禁止となっている。若者に対する滞在権の規定が緩められる
（ハンブルク）外国人の若者はドイツに滞在する特別の権限を得ら
れることになる。連邦と各州の内相は、立法に対して、十分社会に
溶け込んだ若者と成人には、特別に安定的に滞在できるとの見通し
を与えるように訴えた。ただし社会に解け込むことを避けるもの
は、制裁が与えられることも明確にするべきだ、とハンブルク内相
ファールディークは述べた。成人の両親も、十分な社会への順応能
力を身につけ、生活基盤を確保できる場合には、滞在権が得られ
る。各内相も、社会への溶け込みに向けた措置を強化することで合
意した。緑の党党大会 不正資金の境界を厳格化
（フライブルク）世論の高まりを背景として、緑の党は連邦代議員
会議を開始した。日曜日まで同党はフライブルクで、政権担当にむ
けて準備を進める方針である。会派代表キューナストは党大会の直
前に、緑の党が現実的な方針を取るように宣言した。党首エツデミ
ールは、緑の党が現在勢力を伸ばしているのは、キリスト教民主、
社会同盟と自由民主党の連邦政府が弱いためだけではない、と述べ
た。金曜日夜には、古い原子力発電所を早急に停止させるよう求め
る要求を可決することになっている。これにより緑の党は、連邦政
府とは厳しい対決の道を歩むことになる。週末には同等の執行部が
選ばれる。世論調査では緑の党は全国的に24%ほどの支持がある。
ベルリンとバーデン・ヴュルテンベルク州では、2011年に行なわ
れる選挙で、政権の座に就く可能性がある。
１１月２０日（土）
NATOはアフガニスタンからまもなく徐々に撤退
（リスボン）NATOは来年始めに、アフガニスタンからの部隊の撤退を開始する。
安全確保の責任を同国政府に委ねるのは、おそらく2014年末に完了する、と事務
長アナス フォー ラスムセンはリスボンでの首脳会談で述べた。撤退に向けて加
盟国は、具体的な戦略を決定した。ラスムセンは、現在の戦闘状況だけでなく、テ
ロ克服のために、アフガニスタンとの長期的な協力関係を取る、と予告した。さら
に事務長ラスムセンは、NATOがミサイル迎撃網参加を申し入れていたロシアが、
これを受け入れた、と発表した。これはNATO評議会の会合で決定されていた。同
じくリスボンで開かれた評議会の会議には、ロシア大統領ディミトリ メドヴェー
ジェフも参加していた。
NATOはこのほか異論のある支出削減策も可決した。これにより本部の数が大幅に
削減されることになる。
その他のニュース
連邦刑事局長官ツィールケ「具体的なテロの兆候はない」
（ハンブルク、ベルリン）ドイツ国内でのイスラーム教徒のテロリ
ストの具体的な攻撃目標に関する情報を、連邦検事局は持っていな
い、と同局長官ツィールケは発表した。彼はハンブルクで、特定の
場所、人、時間に関する攻撃の兆候はない、とも述べた。これは報
道雑誌「シュピーゲル」が、テロ分子が来年始めに、ベルリンの国
会議事堂の建物への攻撃を計画している、と報じたのに応えたもの
である。ツィールケはこの報道を「推測に基づきすぎて」おり、混
乱したり激情に駆られたりする必要はない、と述べた。リスボンで
のNATO首脳会談に出席している連邦首相メルケルは、実際の危険
はないが、当局が国民を守るためにあらゆる措置を講ずる、と述べ
た。水曜日には連邦内相デ メズィエールが、イスラーム教徒によ
るテロの脅威がある、と警告していた。「シュピーゲル」誌によれ
ば、過去数日間に数回に渡って連邦刑事局に電話をかけてきて、国
会議事堂が攻撃を受ける可能性がある、と伝えてきたドイツ人イス
ラーム教徒の発言が、決定的な重要性を持っている。ナミビアでの爆弾警戒の誤報事件で逮捕者
（ヴィントフク、ベルリン）ナミビアでは爆弾が発見されたとの警
告が出されたが、これが誤りであったことが判明した事件で、現地
空港警察の所長が逮捕された。この男には、水曜日に同国の首都ヴ
ィントフクの空港で、荷物運搬のベルトコンヴェアに疑わしい荷物
をおいた疑いがある、とナミビア警察の捜査に基づいてドイツ内務
省が発表した。逮捕された男はこれを自白したが、なぜ偽物をおい
たのかはまだ不明である。この発見は混乱を生み、テロ攻撃の懸念
をあおったが、それはベルリン航空のヴィントフク発ミュンヒェン
行きの飛行機に、爆発の可能性がある爆弾がある可能性が否定でき
なかったためである。ロートとエツデミールが緑の党の幹部に選出される
（フライブルク）緑の党はロートとエツデミールを、2年の任期で
党の幹部に再任することを決定した。フライブルクで開かれた連邦
議会の党大会で、ロートは約79%の支持を受けたが、これは前回
2008年より若干低い数字である。これに対してエツデミールは
88.5%で、前回よりもはっきり良い結果であった。また2人は、キ
リスト教民主、社会同盟と、自由民主党の連立政権に対して激しい
攻撃を加え、来年行なわれる6つの州議会選挙に向けて、心構えを
させた。ロートは、2011年は同党の歴史上もっとも実り豊かな年
になる可能性がある、と述べた。世論調査では、緑の党は最近記録
的破りの支持率をあげていた。
１１月２１日（日）
アイルランド蔵相は支援計画の要請を勧告する方針
（ダブリン）アイルランドは、オイロ使用国と国際通貨基金の救済の傘を用いた金
融支援を、正式に申請する。大蔵大臣ブライアン レニハンはアイルランドの放送
局RTEの番組で、数十億オイロの支援になる、と述べたが、具体的な金額は挙げな
かった。専門家の推定によれば、アイルランドが銀行の危機に対処するためには、
4百億から1千億オイロを必要とする。諸外国からの支援を受ける見返りに、同国
は厳しい支出削減が義務づけられる。
この日曜日にも内閣は緊急会議を開き、新たな支出削減の地ならしをする。4年で
150億オイロを越える支出削減を行なうのが、アイルランド政府の目標である。こ
れにより国家財政の赤字は中期的には、EU安定化法案で示されている国内総生産
の3%に下げられる。アイルランドの金融機関の巨額の保障を行なうために、現在
の赤字は32%である。
その他のニュース
アッバス「東エルサレムの入植地建設を中止が交渉再開の前提」
（カイロ）西ヨルダンの地のユダヤ人入植地の建設を90日間停止
するように米国は提案したが、パレスチナ大統領アッバスはこれを
拒否した。彼はエジプト大統領ムバラクとカイロで会談した後、こ
の猶予期間が、東エルサレムを含め、パレスチナ人の領地すべてに
適用されないのであれば、この提案を受け入れるつもりはない、と
述べた。期限つきの建設中止提案を行なうことで、米国は行き詰ま
っているパレスチナ人とイスラエルの間の和平交渉を、先に進める
意向である。イスラエルの入植者は、この間に西ヨルダンの地での
新たな入植停止に対する抗議活動を激化させた。数千人の入植者が
日曜日には、エルサレムのネタニヤフの首相府前でデモを行なっ
た。ここではイスラエル政府の閣議が毎週行なわれている。緑の党は高所得者の健康保険の負担を引き上げる方針
（フライブルク）緑の党は連邦党大会を終了するにあたって、健康
保険政策の態勢を買えるように求めた。バーデン・ヴュルテンベル
ク州のフライブルクに集まった約7百人の代議員は、いわゆる市民
保険の導入に賛成した。基本理念は、現在とは異なりすべての国
民、つまり自営業者や公務員が加入し、さらにはあらゆる収入形
態、つまり家賃収入や金利収入を加えたものにすることである。こ
れにより今まで法律で規定される健康保険と私的に加入する保険が
並立していたが、これが廃止される。算定した加入料の上限を緑の
党は5千5百オイロに引き上げる方針である。党首ロートはこの政
策を、「公正に関する問題」としていた。キリスト教民主、社会同
盟と自由民主党の連邦政府は、医薬品業界の利益、医療の2つの階
級、均等な加入料を主張しているが、緑の党はすべての人にとって
良い医療に肩入れをしている。ニュルンベルク裁判の展示を長期間開催
（ニュルンベルク）ニュルンベルクで1945年から6年にかけて行
なわれた戦争犯罪裁判に関して、長期的な展示が行なわれ、その開
会式がニュルンベルク地方裁判所で行なわれた。外相ヴェスターヴ
ェレは、ナチの元要人に対して行なわれたこの裁判は、国際法の発
展にとって指標となったと述べた。この式典には、ロシア外相ラフ
ロフを含め、第二次世界大戦の連合国4ヶ国の代表も参加した。