1月1日〜9日のオーストリアのニュース



1月1日(土)

     国外ニュース

エジプト襲撃事件後アラブ世界に動揺

エジプトのキリスト教界が自殺攻撃を受け、21人が死亡したこと
で、アラブ世界では激怒が生まれている。エジプト大統領ムバーラ
クは国民に対して、テロ組織に抵抗するよう呼びかけた。彼は犯人
を見つけ出すつもりであり、「テロ組織の腕をもぐ」と威嚇した。
ヨルダンとアラブ首長国連邦も、テロ行為に対する嫌悪を表明し
た。映像は、この犯行がはるかに大きな被害を生む可能性があった
ことを示している。

     国内ニュース

偏見に左右されない教育改革

連邦大統領ハインツ フィッシャーは、毎年恒例の新年の演説の中
で、最近起きた「手数料疑惑」を早期に解明するように訴えた。
「不愉快な手数料の話題と不透明な金融業界の合併などの業務行為
に、光をあてなければならない」と土曜日に彼は述べた。また彼
は、オーストリアが高校を比較的うまく乗り切ったと確信している
と述べる同時に「党派的な偏見」のない「最高の教育制度」を作る
ように求めた。




1月2日(月)

     国外ニュース

メキシコの麻薬戦争 2010年の死者は過去最高

メキシコの麻薬戦争では、2010年に合わせて1万2,456人が死亡し
た。一年の死者数としては過去にないほど多数の死者であった。死
者の多くは対立する麻薬販売組織に属している者たちである。無関
係の民間人も再三死亡している。4年前に就任した大統領フェリペ
 カルデロンは、麻薬販売組織に対する攻撃を開始していた。それ
以来暴力がますます増えた。世論調査によれば、メキシコの住民の
ほぼ半数が、カルデロンの麻薬犯罪組織との戦いは失敗に終わっ
た、と見ている。

     国内ニュース

EU「賃金の引き下げ競争の不安には根拠がない」

以前からのEU加盟国は、新規加盟国を労働市場から長い間締め出し
ていた規則を、オーストリアはドイツとともに用いていたが、5月
からはこの制約がなくなる。チェコ、スロヴァキア、ハンガリー、
スロヴェニアの企業は、5月からは自社の社員を使って、つまり自
国の賃金水準で、オーストリアで制約を受けることなく営業をする
ことができるようになる。EU委員アンドルは、これによってオース
トリアで賃金引き下げ競争が起きるのではないかとの懸念には「根
拠がない」と強調した。ウィーン経済研究所だけでなく、オースト
リア労働組合連合もこの発言を正当である、と確認している。




1月3日(月)

     国外ニュース

アップル社がマイクロソフト社を打ち負かす

ドイツの経済新聞「貿易新聞」の新しい株式価格の一覧表は、勝者
が誰かを示している。コンピューターと娯楽産業であるアップル社
は昨年、株価を7割上げて、総額2,210億オイロとした。スティー
ヴ ジョブズが経営する同社は、一挙に10位上がって、長年の仇敵
マイクロソフト社すら追い抜いた。一般的には米国の大企業は、ヨ
ーロッパとアジアの競争相手と比べると、勢力を再び拡大すること
ができた。

     国内ニュース

ティロール州ではナチの犠牲者の墓220が発見

ティロール州のハルにある州立病院の精神科の敷地内で、ナチの犠
牲者を含む墓所が発見された、と月曜日に発表があった。見つかっ
た220人ほどの多数が、ナチの「安楽死」計画の犠牲となった模様
である。この敷地には建設の計画があったが、即時中止となった。
専門家は遺体の身元を特定し、墓地を歴史的に見直すことになって
いる。犠牲者は1942年から45年の間に埋葬されていた。




1月4日(火)

     国外ニュース

フランスがEU各国をスパイ

ウィキリークスによれば、ヨーロッパの協力国に関するフランスの
理解があまりにもかけ離れている。、フランスは産業スパイに関し
て言えば、ヨーロッパの「悪しき国」として、ウィキリークスの最
新の暴露の記事には登場する。ドイツなどの国は中国やロシアより
も、フランスから大きな被害を受けている。ウィキリークスが公表
した文書からは、多くの分野でのEUの結束は表面だけで、扉の後ろ
では秘密情報部が戦いを繰り広げている様子がうかがえる。

     国内ニュース

不法労働が若干ながら減少

恐慌の年2009年には不法労働が大幅に増加したが、2010年には
若干ながら減少が記録された。経済が上向きで、労働市場の緊迫感
が薄れているため、2011年もこの傾向が続くことが期待される。
それにもかかわらずオーストリアでも不法労働は巨額に上り、管理
が困難であるのは変わりがない。その理由は、オーストリア人の
3分の2が、不法労働を軽微な犯罪とみていることにある可能性が
高い。




1月5日(水)

     国外ニュース

スウェーデンでの謎の鳥の死

米国で鳥が謎の死を遂げ、専門家が解明に取り組んでいるが、これ
に似た大量の鳥の死亡が、数千キロ離れたスウェーデンでも起き
た。数千匹のカラスが、ファールフェーピング市の上空からまっ逆
さまに落ちた。専門家が解明にあたっている。米国での大量死と直
接的な関係がある可能性はないと見られているが、原因は同じく、
群れで飛んでいる最中に、混乱に陥った可能性もある。この間に米
国では、再び謎の鳥の大量死が起きた。

     国内ニュース

動物保護裁判 クライダー バオアー社が官庁に介入

10カ月以上前からウィーナー ノイシュタットで、動物保護裁判が
続いている。これに先立つ「クライダー特別委員会」の捜査につい
ては、きわどい詳細が公表された。連邦刑事局の捜査班が作られた
のは、クライダー バオアー社の介入の結果である、と同委員会の
当時の委員長は述べた。クライダー バオアー社は動物保護活動家
が狙っていた繊維会社の1つである。一方隠されていた捜査官「ダ
ニエレ デューラント」の活動にも疑問があり、法的にはまったく
可能ではない範囲であった。




1月6日(木)

     国外ニュース

ワシントン近郊で爆弾に警戒 政府の建物の中で小包爆発

米国当局は、メリーランド州で2つの小包が爆発したことを受け、
慎重に警戒警報の解除を行なった。この小包には発燃剤が含まれて
いた。重大な怪我をしたものはいなかった。首都ワシントン近郊の
政府の建物でこの2つの小包が開封されたところ、炎が噴き出た。
この犯行の背景については、全く解明が進んでいない。

     国内ニュース

法相はなぜためらったのか 人事後退をめぐる混乱

法務大臣バンディオン・オルトナーをめぐり再び混乱が生じてい
る。ウィーナー ノイシュタットの州裁判所所長の人事をめぐる提
案で、連邦大統領フィッシャーのところに遅れて申請書が届いたた
め、フィッシャーはそれまでの間これを承認する状態になかった、
とのことである。この所長職は、今年初めから後任が不在となって
いる。バンディオン・オルトナーは、これを全く意識しないでこれ
を行なったとは考えにくい。退任を求める声が強まる中、駆け引き
をすることで、おそらく法務省を離れた後の未来の職を確保するこ
とができると見られている。




1月7日(金)

     国外ニュース

ハンガリーの報道法は妥協が成立するも条件が多数付される

EU委員会議長バローゾとハンガリー首相オルバンが会談を行ない、
問題となっているハンガリーの報道法を修正する用意がある、とオ
ルバンは基本的な姿勢を示した。「EUの法的な評価」が、この法律
がEUの法律に違反しているとかく呈した時点で、修正を検討する、
と彼は述べた。ただし実際にこの法律を内容的に修正する可能性
は、少ない模様で、オルバンは「EUはこのことを取り上げることは
ないだろう」と確信していると述べた。

     国内ニュース

新型中等学校は新型基幹学校にすぎないか

国民党は手を差し出して、連立相手社会民主党に歩み寄るつもりで
ある。国民党が副首相ヨーセフ プレルと科学大臣ベアトリクス 
カールの言葉として、金曜日に発表した親書の中で、教育に関する
新たな計画を呈示したが、その中でこの方針を示した。その中で、
新型中等学校については、明確に賛成した。これは今までの方針を
撤回したものであるが、一般高等学校の態勢を維持してもいる。複
数の学校のなかで道を選択するのは、14歳になってからとし、中等
学校の試験を受けてからになる。一般校等学校と新中等学校はのよ
うに相互にどのような位置を占めるかについては、まだ決定さえて
いない。そしておそらくこれは連立政権の大きな宿題になると見ら
れる。




1月8日(土)

     国外ニュース

米国では党大会で死者が発生 アリゾナで議員が襲撃を受ける

アリゾナでは米国の国会議員ガブリエル ギフォーズが銃撃を受
け、数人が死亡した。民主党の下院議員である彼は、頭部に近い場
所を撃たれ、当初の報道とは異なるが、重傷を負ってはいるが生存
している。米国大統領オバマはまず、この犯行を極めて強い言葉で
非難し、「筆舌に尽くしがたい悲劇」である、と述べた。当初の報
道によれば、銃撃犯は錯乱した単独犯で、拘留されている、とのこ
とである。

     国内ニュース

ローパトカは諸州に支出削減の意志がないのを残念に思う

大蔵政務次官ローパトカ(国民党)は、「プレッセ」紙のインタヴ
ューで、オーストリアの新たな収支安定策に関する交渉の今までの
進展には、あまり感心しない、と述べた。彼はこの交渉は、「困
難、極めて困難」である、と評した。特に各州に支出削減を義務づ
ける措置については、誰も聞く耳を持っておらず、支出削減の意志
がなければ、政党へ所属していても、なんの役割も果たしていな
い、逆に各州はこの問題で「完全に意見が一致」しており、それは
各州の利益があらかじめ、はっきりしているからである、とも語っ
た。




1月9日(日)

     国外ニュース

ギフォーズ襲撃は計画的なものか 犯人は訴追される

アリゾナ州で民主党の政治家ガブリエル ギフォーズを襲撃した犯
人と目される男は、日曜日に殺人および殺人未遂容疑で訴えられ
た。この事件では10人が負傷、6人が死亡した。行方を追及されて
いる2人目の容疑者の容疑は晴れた。おそらくギフォーズ襲撃は計
画されたものであった。捜査陣は訴追された容疑者ジャレッド リ
ー L.の家で、襲撃計画を含む文書と、議員の名前の乗った書類を
見つけた、

     国内ニュース

兵役義務に関する議論 各州首相は兵役代替役務を憂慮

兵役義務を廃止するかどうかについての議論で、今度は各州首相も
発言の意志を示した。ケルンテン州首相デルフラー(ケルンテン州
自由党)派除いて、各州首相特に社会民主党所属の州首相は、一定
の条件下で、廃止を受け入れることが可能である模様である。ただ
し大きな不安が州首相の間に広がっている。どのようにすれば健康
保健制度および社会福祉制度が、「費用の安い」兵役代替役務従事
者数千人がいなくなった場合に、維持できるか、という不安であ
る。




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