２月２１日〜２７日のドイツのニュース
２月２１日（月）
リビア情勢はますます制御不能に陥った模様
（トリポリ）リビアでは治安部隊と政府に批判的な人々の衝突が流血の事態とな
り、次第に激化しているが、この趨勢は首都トリポリから同国東部へ拡大した。テ
レヴィ局ジャジーラは、目撃者の話として、これらの場所でデモ隊は、軍用機から
実弾で射撃を受けた、リビアの固定および携帯電話の通信は途絶した、と報じた。
法務大臣ムスタファ アブデル・ジャリルは、デモを弾圧し流血の事態となったた
め辞任した、とのことである。反体制派はトリポリの重要な官庁の建物に放火し
た、とも言われている。リビアからの中立の情報は全くないに等しいため、こうし
た情報はほとんど確認されていない。今まで蜂起の中心地であった港町ベンガジ
は、現在では抗議運動の手にあると見られている。反カダフィ（カッザーフィー）
政権派の発表によれば、ベンガジでは多くの兵士が政権派から離脱し、ムアマル
アル カダフィが既にリビアを出国した、との噂が広まっている。
その他のニュース
EUはリビア治安部隊の行動を非難
（ブリュッセル）EU加盟各国の外相は、リビア治安部隊がデモ隊を
攻撃し、流血の事態となったことを非難した。ブリュッセルで開か
れた外相会談では、リビアに対して当面は制裁を科さないことで合
意が成立した。北アフリカの同国にいるEU各国の市民をどのように
すれば保護することができるか、共通の方針を探っている。ドイツ
外相ヴェスターヴェレは、すべてのドイツ人に対しリビアを出国す
るように、と呼びかけた。この間に、工場の敷地に対する攻撃が増
加したため、多くの大企業が従業員をリビアからの救出を開始し
た。特に電力および件っ節業では、多くの外国の企業がリビアでは
活動している。今回の暴動が石油価格を2008年9月以来最高の水準
にまで引き上げた。リビアは毎日160万バレルの原油を生産し、ヨ
ーロッパに石油とガスを供給する最重要国の一つである。バーレーンはF1開幕戦を中止
（マナーマ）F1の歴史上初めて、政治的な理由で競争が中止され
た。バーレーンで暴動が続いているため、バーレーン王国はサクヒ
ールの砂漠にある使節で3月13日に予定されていた競争の実施を断
念した。同国は当面、国内の対話に力を注ぐ、とその理由を上げ
た。今年のF1世界選手権は、バーレーンでの競争で始まる予定であ
った。日曜日にはデモ隊が王家に対して、この競争の中止を求めて
いた。エジプトはムバーラクの口座を凍結
（カイロ）エジプト大統領ムバーラクが失脚してから1週間半、検
察はエジプトにある元大統領とその家族の資産を凍結するように指
示した。外相アブル ゲイトは諸外国に対して、大統領一家の資産
があれば、凍結するように求めている。さまざまな集計があるが、
ムバーラクの近親は、30年間にわたる支配で、4百億ないし7百億
ドルをため込んでいる。英国首相キャメロンは、西側の首相として
初めて、政権交代後のエジプトを訪問した。彼はカイロで新たな要
人である国防相のタンタウィと会談し、エジプト人が平和的に民主
主義への意向を達成するのをどのように支援すれば良いのかを知る
ことが、英国人にとっては重要である、と述べた。
２月２２日（火）
カッザーフィーはリビアで殉死する意向
（トリポリ）リビア国家元首ムアマル カッザーフィーは、国内の抗議運動と今後
も戦う方針である。現在68歳で42年前から権力の座にある彼は、必要があれば
「殉教者」としてしぬつもりだ、と述べた。国営放送が中継した演説の中で彼は支
持者に対して、蜂起勢力から町を奪い返すように呼びかけた。また彼は辞任を拒否
した。武装した者たちがデモ隊に対して暴力的に対処している件で、国連の発表に
よれば、全国で少なくとも250人が死亡した、とのことである。しかし北アフリカ
の同国の情勢について信頼できる情報は、全くない。目撃者の話によれば、蜂起勢
力は国内の多くの部分を勢力下に収め、その中にはベンガジ市も含まれている。軍
の部隊と治安部隊が、各地で寝返った、とカッザーフィーと距離を取っている高官
は述べた。多くの有力外交官も、カッザーフィーから離反した。法務大臣は辞任届
を提出した。
その他のニュース
メルケルはリビアに制裁を科すと威嚇
（ベルリン）ドイツ首相メルケルは、リビアに対して、これ以上自
国の国民に対して暴力を行使しつづけるのであれば、制裁を科す、
と威嚇した。記者会見で彼女は、元首カッザーフィーのテレヴィ演
説は「極めて不安を生む」もので、「とても懸念を引き起こす」も
のだ、と述べた。彼は国民と戦争を行なうと予告したのがその主な
原因である、連邦政府はカッザーフィーに対して、暴力をただちに
停止するように求め、もしそうしない場合には諸国間で制裁につい
て話し合わなければならなくなる、と述べた。リビアの外国人に対する救援活動
（ベルリン、トリポリ）リビアで流血の暴動が起きているため、多
くの国々が劇的な救援活動を行ない、自国民をリビアから救出しよ
うとしている。外務省の発表によれば、ドイツ人を故郷につれ戻す
ために、リビアの首都トリポリに特別機3機が到着した。トリポリ
のドイツ大使館と緊急対策班は、今なおリビアに残っているドイツ
国民が出国するの助けるべく「全力」を上げて作業している、と外
相ヴェスターヴェレは述べた。現在なお約4百人ののドイツ国民が
北アフリカの同国に滞在している。リビアと近東の騒乱で石油価格が上昇
（ベルリン）北アフリカと近東の騒乱で、石油輸出国および輸入国
はともに神経質になっている。ブレント原油の価格は108ドルを突
破し、過去2年半で最高の水準を記録した。専門家は石油価格がさ
らに値上がりする可能性がある、と見ている。いくつかの企業はリ
ビアでの石油生産を一時停止した。ドイツ経済相ブリューデルレ
は、ドイツ向けの石油供給が不足するとの不安の声を押え込み、リ
ビアはドイツの石油輸入の7%という少ない割合しかもっていない、
と述べた。
２月２３日（水）
バイロイト大学はツ グッテンベルクの博士号を撤回
（バイロイト）バイロイト大学は、国防大臣カール・テオドール ツ グッテンベ
ルク（キリスト教社会同盟）から、盗用の疑いが持たれて問題となっている法学博
士号を取り上げた。同大学長リューディガー ボルマンは、2日間に渡って協議し
た後に、この決定を下した理由として、ツ グッテンベルクが学問的水準に達して
いなかったことを挙げた。今週初めにツ グッテンベルクは、形式面での手抜かり
を理由に学位を撤回するように、大学に対して文書で申し入れていた。ただし意図
的に剽窃したのではないかとの疑いについては、彼は連邦議会の時事問題の時間に
否定し、また野党の辞任要求も退けた。野党は国会での議論の間、彼を「嘘つき」
や「詐欺師」と呼んでいた。
その他のニュース
EUはリビアに対する制裁をまだ行なわないとの決定
（ブリュッセル）EUはリビア政府がデモ隊に対して暴力を行使し、
流血の事態となったにもかかわらず、まだ制裁を行なわないことを
決定した。EU外交使節アシュトンは、暴力が即時停止されないので
あれば、加盟各国はカッザーフィー政府に対する制裁を行なう「容
易」がある、と述べた。EUは当面、武器輸出を中止し、協力条約に
関する話し合いを凍結した。ドイツとフランスを中心に、より厳し
い制裁を科すのを支持している。ただしイタリア、マルタ、キプロ
スは、難民の波が襲うことを懸念して、これに反対している。リビ
ア東部では住民が、カッザーフィー政権からの解放を祝った。ベン
ガジでは、「国民委員会」が、市の統率を担当している。東京は蜂
起勢力の死者の数を3百人と発表したが、人権擁護団体国際同盟
は、640人が死亡した、と述べている。リビア危機のため、石油価
格は110ドルの大台を突破した。リビアは世界で第4位の産油国であ
る。バーレーンは野党陣営を3百人以上釈放
（マナーマ）湾岸の国バーレーンは、政府と王家に対する抗議を押
え込むために、拘留されていた野党陣営の308人を釈放した。釈放
の後、拷問を受けたと述べるものもいた。釈放された中には、シー
ア派の活動家25 人もおり、国王アル・ハリーファは彼らに恩赦を
与えていた。この活動家は、クーデタを企てたとの容疑で訴えられ
ていた。水曜日には再び数千人が首都マナーマ中心にあるルル広場
でデモを行なった。彼らは政権の人ﾝを求めている。抗議活動は多
数派のシーア派住民が行なっており、彼らはスンニー派の王族に冷
遇されている、と感じている。外相ヴェスターヴェレがエジプト入り
（ベルリン）外相ヴェスターヴェレ（自由民主党）は、2日間の訪
問に向け、エジプトに旅立った。彼はカイロでは移行政権との会談
を行なう一方、野党の代表とも話し合う、と予告した。大統領ムバ
ーラクが失脚して数週間、民間企業の再建、民主化だけでなく、産
業面での成果をあげるために、ドイツの提案を伝えるつもりであ
る、と述べた。
２月２４日（木）
カッザーフィー軍が反政府勢力を再び攻撃
（トリポリ）リビアからの情報によれば、権力者ムアマル アル カッザーフィー
の部隊が、反政府勢力を攻撃し、血が流された。トリポリの西の都市サウィージャ
では、兵士がモスクを銃撃した。その際10人が死亡、150人が負傷した、とある
医師が語った。目撃者の話によれば、石油を算出する同国東部にある第三目に大き
な都市ミスラタの空港では、兵士が蜂起勢力に発砲し、数人が死亡した。人権活動
家たちは、カッザーフィーの支持者たちはトリポリの病院で、負傷した反政府の活
動家を狙って殺害した、と報告している。金曜日には脱走兵たちが、カッザーフィ
ーを追放するために、トリポリに進軍する計画である。電話を通じて中継されたテ
レヴィ演説の中でカッザーフィーは、この蜂起を起こしたのはテロ組織アル カー
イダであり、抗議する者たちは麻薬を使用している、と述べた。
その他のニュース
ドイツの軍艦がリビアからの脱出を支援
（ベルリン）連邦海軍の艦船3隻が、緊急の場合にはドイツの国民
の出国を助けるために、リビアに向かっている。国防省はベルリン
で、高速艇2隻と補給船1隻が、今後数日でリビアの北の湾に到着す
ることができる、とのことである。今なおリビアには160人ほどの
ドイツ人がいる。外務省はすべてのドイツ人に出国するように勧告
した。EUは加盟各国に対して、緊急の事態に備えて軍艦を待機させ
て、6千人ほどいる残留ヨーロッパ人を安全に脱出させるように求
めた。「国際移住機関」の発表によれば、今までに少なくとも3万
人がリビアから脱出したが、その多くはチュニジアとエジプトから
の労働者である、とのことである。EUはアフリカ人難民の受入れの分配をめぐって対立
（ブリュッセル）リビア紛争のため、EUの内部では、北アフリカか
らの難民をどのように分配して受入れるかで、激しい対立が生じて
いる。イタリアが負担の軽減と、ヨーロッパの他の国からの連帯を
強化を求めたのに対し、ドイツやその他の北の国々は、このような
移住者の受け入れを拒否した。ドイツ内相デ メズィエールは、他
のEU加盟各国の内相とブリュッセルで会談し、受入れる数を少なく
するように求め、イタリアは必要とされているが、まだまだ過大な
要求がされているわけではない、と述べた。また彼は、難民の波を
呼び込まないように、と警告した。これに対してイタリア内相マロ
ーニは、「人道的な緊急事態」が生じている、と述べた。政治的に
安定したリビアが、北との国境を監視できなくなれば、イタリアに
は30万人ほどの難民が流れこむ、と見られている。ヴェスターヴェレとヴルフはカッザーフィーへの制裁を求める
（カイロ、ベルリン）ドイツ外相ヴェスターヴェレは、リビアの権
力者カッザーフィーに制裁を加えるように求めた。彼はアラブ連盟
の事務長ムーサと会談し、カッザーフィーは自国の国民に対して軍
を動かした独裁者である、と述べた。連邦大統領ヴルフとイタリア
大統領ナポリターノも、EUが団結し、勇気をもって、リビアでの国
家による過度の暴力に反対するよう求めた。両大統領の会談の中
で、ヴルフはリビアの権力者カッザーフィーを、精神病質者である
と述べ、国家によるテロを非難した。
２月２５日（金）
カッザーフィーはトリポリで支持者に対して耐えるように呼びかけ
（トリポリ）リビアの国家元首ムアマル アル・カッザーフィーは、蜂起勢力との
戦いで頑張りぬくように、と支持者に呼びかけた。国営放送は夕方、独裁的な支配
者である彼が、トリポリのある広場で、自分に忠誠を誓う者たちの前で行なった演
説を放送した。彼は群集に対して、リビアとその石油を守るように呼びかけ、必要
な場合には、すべての部族を武装させるため、武器倉庫を空にするつもりである、
と威嚇した。首都トリポリは、数日前から続く暴動の末、カッザーフィーに残され
た最後の拠点である。トリポリではこれより前に、民兵がデモ隊に発砲し、少なく
とも4人が死亡した。反カッザーフィー側は既に、東部の広い地域を掌握してお
り、その中にはリビア第二の都市で、カッザーフィーに対する暴動の中心地である
ベンガジも含まれている。ここには改めて数十万人が集まり、反政府デモを行なっ
た。同国第三の都市ミスラタも、蜂起勢力の管理下にある、と通信員は伝えてい
る。
その他のニュース
諸外国は反カッザーフィーに動く
（ベルリン、ニュー ヨーク）リビアでの反乱の勃発からほぼ1週
間、諸外国はカッザーフィー体制に反対する行動を起こしている。
EU加盟各国は、制裁案に合意した。形式的な決定は来週中に下され
る。渡航の制限、銀行口座の凍結、武器および警察の装備の輸出禁
止が計画されている、とベルリンの外務省は発表した。この間に国
連人権評議会は、緊急会議をジュネーヴで開き、リビアを同評議会
から一時除名するよう勧告し、同国のデモ隊に対する暴力を調査す
るように命じた。リビアの一時除名は、国連総会が最終的に決定を
下す。ニュー ヨークでは金曜日午後に、国連安保理が緊急対策会
議を行なう。EUは3百万オイロを難民のために調達
（ブリュッセル）EUはリビアからの難民とその隣国にために、3百
万オイロの緊急支援を調達した。この資金は人道目的に使われ、医
療用品、テント、敷ぶとんを発送する、とEU委員会はブリュッセル
で発表した。リビアでの暴力行為のため、逃げ出している人々は、
この恩恵にあずかれる、とのことである。またリビアそのものの人
道面での緊急事態を解消するために、情勢の評価ができるようにな
れば、EUはこの資金をすぐに調達する方針である。アラブ世界の「怒りの日」 各地で抗議行動
（チュニス）アラブ世界では「怒りの日」が起きている。チュニス
からバグダードまで、金曜日には再び数万人が路上に繰り出し、汚
職と貧困に抗議し、民主的な変化を求めるデモを行なった。1月に
民衆蜂起の波が起きたチュニジアでは、数千人の国民が、失脚した
大統領ベン アリの支持者を、移行政権から解任するように求め
た。エジプトでもカイロのタフリール広場に集まったデモ隊が、移
行政権の改造を求めた。イエメンでは数千人が、国家元首サレヒに
対する抗議の行進を行なった。イラクでは人々が、劣悪な経済情勢
に抗議し、雇用の確保を求めた。バーレーンとヨルダンの首都アン
マンでは、数千人のデモ隊が、政治改革と選挙を要求した。
２月２６日（土）
フランス外相が辞任との報道
（パリ）フランスでは間もなくまた内閣改造が行なわれる。チュニジア問題で批判
を受けた外務大臣ミシェル アリヨ・マリは、就任わずか3カ月、日曜日に辞職願
を提出する、とフランスの通信社AFPが匿名の大臣の言葉として報じた。またフラ
ンス政府は日曜日夕刻に、大統領ニコラ サルコズィの演説を全国に中継する、と
予告した。フランスの報道機関は一致して、国防大臣アラン ジュペがアリヨ・マ
リの後任に就任する、と報じている。豊富な経験を持つアリヨ・マリは、チュニジ
アで革命が始まった時に、休暇旅行に出ていて、利害関係の観点から信頼を失う恐
れを生んでいた。
その他のニュース
国連安保理はリビアに対する制裁を協議
（ニュー ヨーク）リビアでの流血の衝突に関連して、国連安保理
は、民主化運動に対する暴力を人間性に対する犯罪と分類する決議
を権力者カッザーフィーに突きつける件を協議している。ドイツと
英国がフランスと協力して練り上げた決議案には、武器の禁輸、渡
航の禁止、支配者一族の数人に限った資産の凍結を含んでいる。米
国は制裁をリビア指導部に対して、すでに金曜日に科していた。そ
の他には外交関係と軍事協力も中止していた。トリポリの米国大使
館は閉鎖された。カッザーフィーは政府に忠実な民間人を武装させる模様
（トリポリ）リビアでは国家元首カッザーフィーは、政府に忠実な
民間人を武装させ始めた模様である。首都トリポリの住民の話によ
れば、多くの民間人が町のあちこちを巡回しており、監視所を作
り、反政府勢力に対峙することになっている。カッザーフィーは金
曜日に、国民がリビアを防衛できるように、武器庫を開く、と予告
していた。通信員の報告によれば、トリポリは昨日激しい衝突が起
きていたが、現在はおおむね平穏である。住民の多くは警戒して家
に閉じこもっている。商店の多くは閉じており、開店しているパン
屋の前だけには、長い列ができている。未確認情報によれば、カッ
ザーフィーの部隊は、首都トリポリのほか、ガダミス、セブハ、シ
ルテで優勢を保っている。連邦大統領ヴルフはクウェート訪問
（ベルリン）連邦大統領ヴルフは、クウェートとカタールに向けて
飛び立った。アラブ地域で紛争が起きているが、ヴルフはこの地域
の諸国との結びつきを確保する意向である。出発前に彼は、現在ド
イツのアラブ世界への関与をより多くすることが必要であり、減ら
してはならない、との信念を表明した。最初の訪問地は首長国クウ
ェートである。そこで彼は妻ベッティーナと共に、クウェート建国
50周年記念式に出席する。夕刻にはヴルフはカタール入りする。カ
タールではドイツ経済が巨額の受注を得られる、と期待されてい
る。
２月２７日（日）
フランス外相アリヨ・マリは辞任を発表
（パリ）フランスでは外相アリヨ・マリ（64歳）が、就任わずか3ヶ月で辞任を発
表した。。パリで発表された大統領サルコズィ宛ての辞任の書簡で、彼女は自分が
誤った行動をしたことはない、と強調した。アリヨ・マリは、失脚したチュニジア
大統領ベン アリ周辺と接触を持ったとして、激しい圧力にさらされていた。彼女
に代わって外務省の長に就任する有力候補は、今まで国防大臣であったアラン ジ
ュペと見られている。国防大臣には、今まで「国民運動連合」UMPの上院会派長を
務めていたロンゲが就任する、と言われている。大統領サルコズィは、日曜日夜の
テレヴィ演説で、自分の見解を表明する、とのことである。
その他のニュース
リビア野党は国民移行評議会を設置
（ベンガジ）リビア野党は、国民移行評議会を結成した、と発表し
た。権力者カッザーフィーに反対する勢力が支配しているすべての
都市が、これに参加している、とベンガジで開かれた記者会見で広
報が発表した。これより前に元リビア法相ジャリルが、移行政権は
選挙の準備をする、と述べていた。リビアで暴動が始まってから
12日、反カッザーフィー派は、ミスラタおよびアル・サウィヤも制
圧した。これにより68歳のカッザーフィーの一族は、トリポリ市街
と一族の出身地であるシルテだけを支配しているに過ぎない、とア
ラブ系の放送局ジャジーラが目撃者の話として伝えている。一方ド
イツ外相ヴェスターヴェレは、国連が可決した制裁を「リビア指導
部の凶行に対する世界各国からの明確な解答」である、と歓迎し
た。制裁の内容は、武器の禁輸、カッザーフィー一族の渡航禁止と
資産の凍結である。ヴルフとカタール首長はリビアでの流血の事態の終結を求める
（ドーハ）ドイツ大統領ヴルフは、リビアでの流血の事態を終わら
せるように求めた。彼はカタールの首長アール サーニーとドーハ
で会談した後、自国の住民に発砲し、彼らを敵をと呼ぶ権利は誰に
もない、と述べた。アール サーニーも同様の発言を行なったが、
リビアでアラブ世界の一部が仲裁行動を取ることは拒否した。月曜
日にはヴルフは放送局ジャジーラで、アラブ諸国の若者に向けて呼
びかけを行ない、その中で「もろもろの宗教と文化の共存」と少数
者の保護に理解を求める方針である。彼は当初隣国バーレーンを訪
問する予定であったが、暴動のためにこれは中止した。エジプト人は新憲法について3月末までに投票を行なう
（カイロ）エジプト人は3月末までに、民主的な新政権に向けた憲
法の修正について、投票を行なう。はっきりした期日は来週中に発
表する、と憲法委員会はカイロで発表した。国民投票のあとに、ま
ず議会が、そしてその後大統領の選挙が行なわれる、とのことであ
る。この2つの投票の日程はまだ発表されなかった。大統領ムバー
ラクが失脚した後、2月11日から政権を持つ軍事評議会は、6カ月
以内に選挙を行なう、と予告していた。憲法改正計画には、大統領
の任期を最長8年に制限する条項が含まれている。