6月13日〜19日のドイツのニュース



6月13日(月)

ヴェスターヴェレはリビア反乱勢力を後押し

外務大臣グイド ヴェスターヴェレと発展大臣ディルク ニーベルは、突然リビア
の反乱勢力の拠点ベンガジを訪問し、蜂起勢力を明確に支持した。内戦が始まって
から、ドイツ政府の代表が同国を訪問するのは初めてである。ヴェスターヴェレ
は、移行評議会をリビア国民の正当な代表として承認した。また彼はベンガジにド
イツの連絡事務所を開設し、独裁者カッザーフィーは退任し、自国民に対する戦闘
を終えなければならない、と述べた。ドイツは内戦に苦しむ国民に対して、今まで
に750万オイロの人道支援を行なった。発展大臣ニーベルは、さらなる支援を行な
う、と予告した。独裁者カッザーフィーに対する軍事作戦には、ドイツは、米国、
フランス、英国とは異なって参加していない。

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米外相はアフリカにカッザーフィーに厳しい態度をとるよう要求

米国外相クリントンは、アフリカ諸国に、リビアの権力者カッザー
フィーに対して、断固たる態度を取るように求めた。彼女はエチオ
ピアの首都アディス アベバで、アフリカ連合で演説し、カッザー
フィーに辞任を求めるように迫った。また彼女はアフリカ諸国に対
し、カッザーフィーの外交官を国外に退去させ、リビア国民移行評
議会を支援するように呼びかけた。アフリカ連合は今までは停戦を
要求していたが、3年前からアフリカ連合議長を務めているカッザ
ーフィーに対して、はっきりした態度を表明してこなかった。同連
合は、NATOのリビア空爆を非難し、カッザーフィーと野党の間で
交渉による解決を求めていた。

EUはトルコにさらなる改革を呼びかける

EUはトルコ首相エルドアンに、彼の宗教派の保守的政党が、国会議
員選挙で勝利を収めたことを祝福した。この結果は、トルコの民主
的な組織をさらに強化し、ヨーロッパ的な価値観と基準に照らして、
トルコの近代化続行につながる道を切り開いた、とEU委員会議長バ
ローゾとEU評議会議長ファン ロンパウの共同の書簡には記されて
いる。エルドアンは自らの公正発展党AKPと共に、国会議員選挙で
は明白な勝利を収めたが、憲法改正を単独で行なえる3分の2の多数
には届かなかった。暫定集計結果では、同党は49.9%の得票で、
550議席のうち326議席を獲得した。社会民主主義の共和人民党
CHPが25.9%、右派の民族主義行動党MHPが13%を獲得した。新議
会にはクルド人の政党平和民主党が、36人の議員を送り込む。これ
は無所属の候補者として立候補しているが、トルコでは国会議員を
出すためには、10%の得票が必要な規定があるためである。

シリア軍は野党の拠点に攻め込む

シリア治安部隊がジスル アル・ショグルで反乱と見られるものを
起こしてから1週間、シリア政府は大規模な討伐軍で対応する。2百
台の戦車、ヘリコプター、砲兵隊をもつ部隊が数日前から包囲され
ている同国北西部の小都市で、大統領アサドの独裁政治に対する抗
議運動の拠点の一つと目される同市に進軍した。同市の住民の多く
は既に逃げ出しており、彼らのうち7千人ほどが国境を越えて、ト
ルコに向かった。平静と秩序が回復し、テロリストはこの地から一
掃された、と国営通信社サナは報じた。ジスル アル・ショグルで
の今回の軍事活動は、抗議活動開始以来、政府が自国民に対して取
ってきた行動の中で最大のものである。シリアの野党勢力の発表に
よれば、治安部隊は3月以降、約1千3百人の民間人を殺害した。




6月14日(火)

ヴェスターヴェレは近東が危険な停滞に陥らないよう警告

近東訪問中のドイツ外務大臣グイド ヴェスターヴェレは、パレスチナ人国家建国
問題で、話し合いによる解決を促した。ドイツは「一方的に手段を講ずることは非
生産的である」との意見である、と彼は西ヨルダンランドのラマラで述べた。これ
より前にエルサレムで彼は、直接対話を再開するように要求し、近東紛争が激化し
ないように、と警告した。イスラエルは、問題となっている入植地の建設を断念
し、それに貢献しなければならない、とも語った。ヴェスターヴェレは米国、EU、
国連、ロシアの代表からなる近東四極が、早期に話し合いを行なうよう求めた。発
展大臣ディルク ニーベルは、この間にガザ帯状地帯を訪問した。現地で彼は、パ
レスチナ人居住地域の封鎖を解除するよう求めた。また彼は、武装パレスチナ人組
織に対して、イスラエルとの停戦を遵守するよう要求した。

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アサドの部隊はシリア北部への圧力を強める

シリア軍は同国北部で、計画中の大規模な軍事行動を、さらに拡大
した。市民権運動家の話によれば、戦車がマーラト・アル・ヌマー
ンにも押し寄せたほか、イドリブ州およびトルコとの国境地帯にあ
るその他の村落でも、軍事活動への動員が強化された。数日にわた
る攻勢の背景には、大統領アサドの部隊内部での反乱がある、と野
党陣営は発表した。トルコにいるシリア人難民の数は、8千5百人に
まで増加した、とイスタンブル緊急対策本部は発表した。月曜夜だ
けで、2千人が国境を越えた、とのことである。国連事務総長潘は、
アラブ世界のこの騒乱を、1989年のベルリンの壁の崩壊になぞら
えた。滞在先のアルゼンチンで版は、「世界の変動が新たな時代」
に入ったと述べたが、幸福にひたってはいられない、と警告し、民
主化への移行には独裁制の転覆以上のものが必要である、と述べ
た。

リビア反乱勢力は新たな土地をほとんど獲得できず

リビアの蜂起勢力は同国西部で、権力者カッザーフィーの部隊が制
圧しているスリタン市の郊外への攻撃を強化した。カッザーフィー
軍はミスラタの精油工場をミサイルで爆撃し、これにより反乱勢力
のガソリンの供給を断った。数週間に渡って、中心的な拠点の前線
の状況は、大きく変わっていない。NATOの代表は、リビアでの活
動の長期化に対して、懸念を表明した。現地での作戦が6カ月以上
に長引けば、英国は優先順位を改めてつけ直し、その代わりに必要
な費用を節約しなければならなくなる、と英国陸軍司令官スタンホ
ープは述べた。NATO高官アブリアル将軍も、近々NATOの負担と
財源の問題が生じる、と述べた。南アフリカはNATOの活動を批判
した。仲裁に失敗した大統領ズマは、現在認められている国連決議
は、リビア政府の追い落としではなく、民間人保護をも目的として
いる、と述べた。

メルケルは労使の協力のドイツ的なあり方に理解を求める

連邦首相メルケルは、労使協力のドイツ的な契約のあり方を、世界
に広げることに賛成した。そうした場合にのみ、労働の分野での権
利が世界的に守られ、さらに改善できる、と国際労働機関ILOのジ
ュネーヴでの会議で述べた。世界的な経済恐慌から得られた教訓と
して、経済が世界規模化して行く中で、人間にふさわしい労働と社
会福祉の保護が保証されることが必要である、と述べた。ドイツは
この危機から脱出した数少ない工業国の一つである。メルケルはジ
ュネーヴで、国連に近い立場の国際労働機関の第百回国際会議を記
念して講演した。約8千人の参加者の中には、同機関に加盟する
183カ国すべての政府、使用者団体、被雇用者団体が含まれてい
る。




6月15日(水)

国営放送によればパパンドレウは辞任の方針

ギリシア首相ゲオルギオス パパンドレウは、再び巨額の支出削減に賛成を取りつ
けようとして、辞任を申し出た、と報じられている。ギリシア国営放送によれば、
これにより彼は国を一つにまとめる政権樹立を容易にする方針である。現在パパン
ドレウは、保守派の野党と、大連立の可能性があるかどうか、話し合いを行なって
いる。全国では数万人が全面ストと大規模抗議集会を開き、政府の支出削減計画に
抗議を行なっていた。アテネの国会前では、衝突が発生した。警察は、投石と発燃
剤を投げつけてきた暴徒に対して、警棒と催涙ガスを使用して対抗した。EUと国際
通貨基金の財政支援をもう一度得るために、パパンドレウは今月中にも支出削減策
を、国会を通過させなければならない。彼の政党は国会で過半数を握ってはいる
が、党内に反対派がいるため、少数派に落ち込んでいた。

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連邦内閣は初めてアフリカに関する総合的な計画を決定

数年間にわたる議論を経て、ドイツは初めて担当分野を越えたアフ
リカ総合計画を持つ。連邦内閣は、アフリカ大陸との協力を「新た
な段階」に引き上げるための文書を可決した。これにはドイツのア
フリカ政策に関する基本方針と目標が含まれている。「同じ目の高
さでの自覚的な協力」を行なうよう努力する、と外相ヴェスターヴ
ェレは述べた。最初の目標としてこの文書は、「平和と安全」を上
げている。さらに連邦政府は、アフリカが民主主義と法治主義を育
てるのを支援する方針である。さらに対外経済と発展に向けた協力
で、さらに密接なつながりを作る意向である。支援団体は、この文
書には貧困と飢餓の克服ではなく、ドイツの経済的な利益が前面に
でてきている、と警告した。一方、ドイツの経済界の代表はこの計
画を歓迎し、資源の豊かなアフリカ諸国の民主化を前進させるよう
に、政府を促した。

ドイツは南スーダンを承認する方針

連邦内閣は、南スーダンを外交的に承認することを決定した。7月
9日に予定されている独立宣言の正式発表の後に、外交関係は樹立
される。政府広報ザイベルトは、首都ジュバにドイツ大使館を開設
する、と述べた。1月に南スーダンの住民の多数が、同国北部から
の独立に賛成票を投じていた。水曜日には連邦外相ヴェスターヴェ
レが3日間のスーダン訪問に出発し、首都ハルツーム、紛争地域ダ
ルフール、南スーダンで話し合いを行なう方針であった。この訪問
は、東アフリカのエルトリアの火山の煙のため、中止せざるをえな
かった。彼はこの訪問を来週にやり直す方針である。7月にはドイ
ツは国連安全保障理事会の議長を引き受けるが、同理事会は間もな
くスーダンの国連加盟を決定することになっている。

内閣は障碍者のための国民行動計画を採択

連邦政府の方針によれば、障碍を持つ人々は今後はますます労働の
世界に入り込むことになる。内閣は2006年の障碍者の権利に関す
る国連の協定を実施するための行動計画を可決した。10年間にわた
る行動計画は、法律の形ではなく、連邦各省から一部は既に出され
ている約2百の対策を文書化したものである。その中には、重度の
障碍者の就職を中心として、1億オイロを用意することが含まれて
いる。また地域の鉄道交通に、無料で乗れる規則も改善される。ド
イツ全体では960万人の障碍者が暮らしている。社会福祉団体と野
党は、この措置には拘束力がない、と批判した。ドイツ労働組合連
合は、1億オイロの計画は、企業の補償調節税からのみ出されてい
る、と批判した。




6月16日(木)

パパンドレウは没落に抵抗

ギリシアでは国家の危機がさらに先鋭化している。首相ゲオルギオス パパンドレ
ウは、支出削減に反対する大規模な抗議行動の圧力を受けているが、内閣改造を早
急に行なう方針である。彼は自らの社会党の国会議員の集会で、自分の方針を今後
も貫き、あらゆる政党と広い範囲で合意を取りつけるよう努力する、と述べた。彼
は日曜日には信任投票を行なう、と予告した。彼はまず、自党「全ギリシア社会運
動PASOK」の離反した左派の国会議員たちを説得しなければならないので、この
予定を延期する可能性もある。保守派の野党の指導者アントニス サマラスは、
「国を一つにまとめ上げる政府」に関する最初の話し合いが失敗に終わったことを
受け、選挙を行なうよう求めている。
大きな支出削減と民営化の方針を実施するのが、オイロ使用諸国と国際通貨基金に
よる巨額の貸付を行なうための前提条件である。これが受けられなければ、国家と
して倒産の危機にある。

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ギリシア救済は2段階で実施か?

ギリシアの危機から警告を受けて、EUはギリシア救済の2段階に引
き延ばす可能性が出てきた。EU通貨委員レーンはブリュッセルで、
日曜日のオイロ使用国特別会議では、120億オイロを越える緊急貸
付の次回分の分割額の返還が行なわれることを期待している、と述
べた。新たな大規模な1千2百億オイロを越える救済策は、その後
7月11日の蔵相会談で決定される可能性が高い、とのことである。
この2段階の計画で、「破産の成り行きを阻止する」、とレーンは
述べた。国際通貨基金はこれに賛意を示している。今までのとこ
ろ、民間の債権者に関する対立で、突破口が見いだせていない。ヨ
ーロッパ中央銀行、フランス、その他のオイロ使用国は、ドイツが
求めている国債を新たな国債で借り換える計画は、あまりに危険性
が高い、と見ている。EUおよび銀行筋の情報では、ドイツ政府内部
では、2段階での支援計画の決定が下されるのは9月にする方針で、
その間ギリシアの安全が守られ、EUの譲歩に向けて時間を稼ぐこと
になる。

チェコではスト 鉄道が止まる

チェコでも政府の支出削減策に抗議が広がっている。鉄道従業員が
年金および健康保健制度のかい各計画に反対して、24時間ストを行
なっており、鉄道および近距離交通が全土で麻痺している。国際遠
距離列車は、国境でストが終わるのを待っている。首都プラハで
は、通勤の交通で大問題が生じている。首相ネチャス端数界に渡っ
て、自分の中道右派政権は妥協するつもりはない、と述べていた。

ザワーヒリーがビン ラーディンの後継アル カーイダ頭目に

テロ組織網アル カーイダは、エジプト人のザワーヒリーを、新た
な指導者に決めた。これはイスラーム教徒の関連しているウェッブ
サイトが公表した親書による情報である。60歳の医師ザワーヒリー
は、6週間前に米国の特殊部隊によってパキスタンで殺害されたビ
ン ラーディンの右腕であった。ザワーヒリーは2001年9月11日
の攻撃と、ケニアとタンザニアの米国大使館攻撃の黒幕であると見
られている。米国当局は、彼の逮捕に2千5百万ドルの賞金を賭けて
いる。パキスタンでは急進派イスラーム教徒タリバーンが、ザワー
ヒリーの指名を歓迎し、アル カーイダとのつながりを強調した。




6月17日(金)

パパンドレウは新内閣とともに国家の破産を阻止

ギリシア首相ゲオルギオス パパンドレウは、内閣を改造して、国家としての破産
を回避する戦いで、解決のための一打を放った。彼は新大蔵大臣に、今まで国防大
臣を務め、長年にわたって党内の好敵手であったエヴァンゲロス ヴェニゼロスを
指名した。前任のギオルゴス パパコンスタンティノウは、環境大臣となった。パ
パコンスタンティノウは、金融支援をめぐる今回の交渉の中では国際機関から高い
評価を得ていたが、ギリシアでは不人気であった。与党所属の元閣僚たちも、ギリ
シア経済が1年半に渡る努力の末、再び立ち直ることがなかったのは、彼の責任で
あると述べている。新大蔵大臣は、ギリシアを厳しい財政危機から脱出させる打開
策を作る、と見積もっている。彼は就任受託後に、国家財政の目標を達成すること
は可能である、と述べた。ギリシア議会は今月末までに、さらなる支出削減と、大
規模な民営化を決定し、EUと国際通貨基金の支援策の第一回支払いを手に入れなけ
ればならない。

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メルケルとサルコジはギリシアをめぐる対立を解消

ドイツとフランスは、ギリシア救済をめぐる対立で、意見を接近さ
せた。ベルリンでの会合でフランス大統領サルコジはとドイツ首相
メルケルは、民間の債権者に自由意志に基づいて2段階の支援計画
に参加させることで合意した。両首脳は、ヨーロッパ中央銀行と協
力して、これに関する規則を練り上げる、と強調し、どのように行
動するかは両国政府の意見は一致していおり、ギリシアが新たな支
援計画を必要としているのは明らかである、と述べた。フランスは
今まで、ギリシア財政の健全化には、銀行と保険会社の参加に疑問
を持っている、との見解を表明していた。この会議の正式のきっか
けになったのは、来週末にブリュッセルで開かれるEU首脳会談の準
備であった。

原発廃止に広い層からの支持

2022年までに原子力発電所を廃止する計画で、連邦政府は広い範
囲からの支持をあてにできる。連邦参議院では16州の代表が、原発
からの撤退計画に賛成する方針を示した。ただし彼らは、いくつか
の点で、修正を求めた。各州の考えでは、原発廃止による巨額の賠
償金を支払う可能性があるが、連邦がこれを負担すべきだ、という
ものである。また彼らは、停止した原発の取り壊しの費用分をする
ことになれば、それは連邦が負担すべきである、と要求した。キリ
スト教民主、社会同盟と自由民主党の連立政権の計画を、緑の党も
支援している。ただし緑の党は、再利用可能な電力拡大が、十分推
進されない、と批判している。原発からの撤退には、旧型の8箇所
の原発の即時長期停止と、残りの9基の原発を、段階的に2022年
までに廃止することが含まれている。電力会社RWE、Eon、EnBW
の各社は、原発の一時停止の期間が過ぎた後、古い原発は再稼働し
ないと予告した。これは数週間の間は、法的には可能なことであっ
た。

大統領コモロフスキはドイツ・ポーランド隣国条約を評価

ポーランド大統領コモロフスキは、ドイツ・ポーランドの隣国条約
を、「新たなヨーロッパの基礎の一つ」である、と評価した。フン
ボルト大学で行なわれた「ベルリン演説」の中で彼は、ドイツとポ
ーランドの和解は、今後ヨーロッパが一つになるための道を切り開
いた、とと述べた。またコモロフスキは、ポーランドの民主主義へ
の大変革とドイツ再統一には関連があると強調し、ポーランドの自
由はドイツの再統一を意味している、と述べた。大統領ヴルフは、
コモロフスキがヨーロッパのために行なっている活動を評価し、コ
モロフスキは困難な時代に、ポーランド人とヨーロッパの自由のた
めに立ち上がった、と述べた。コモロフスキは基尿微に、ドイツ・
ポーランド隣国条約署名のちょうど20周年の日に、ベルリンに滞在
した。再統一したドイツとポーランドの隣国条約は、1991年6月
17日に結ばれた。この条約は、国境を変更しないことを中心として
いる。またこの条約は、ポーランド国内にいるドイツ人少数派の権
利も定めている。「ベルリン」演説の伝統は、当時の大統領ヘルツ
ォークが作ったものである。




6月18日(土)

カルザイは米国がタリバーンと和平交渉を行なったことを認める

アフガニスタン政府は、米国と急進派イスラーム教徒タリバーンが、ヒンドゥクシ
での戦争を終わらせることについて、話し合いを行なったことを始めて認めた。ア
フガニスタン大統領ハミド カルザイはカブールで、タリバーンとの和平交渉が行
なわれ、外国軍および米国自体さえこの交渉を行なう、と述べた。外交官は既に、
数ヶ月前から対立する両者の間で交渉が行なわれている、と伝えていた。
一方カブールの警察の派出所が襲撃され、少なくとも9人が死亡、おそらく10人以
上が負傷した。アフガニスタン内務省によれば、この事件は爆弾を腰に巻きつけ、
自動小銃を持った3人の男が、首都カブールの中心にある大統領宮の近くの派出所
を攻撃したものである。急進派イスラーム教徒のタリバーンが、犯行声明を出し
た。アフガニスタンの放送局の報道によれば、攻撃犯の1人は軍の制服を着てい
た、とのことである。派出所の中での銃撃は、2時間以上も続いた。すべての攻撃
犯は死亡した、とのことである。

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NATOはトリポリの昼間攻撃を続行

NATOは土曜日に2日連続で、トリポリの昼間爆撃を行なった。爆
撃が行なわれたのは、首都トリポリ東部のアル・カラマとフェルナ
シュ地域である、とリビア軍広報は確認した。軍も民間の使節も攻
撃を受けた、とのことである。NATOの飛行機は、主として夜間あ
るいは早朝に攻撃を行なっている。数週間前からNATOは、昼間も
爆弾を繰り返し投下する態勢に移行した。リビアの権力者カッザー
フィーはこれより前に、音声による書簡でNATO軍に対し、徹底的
して抵抗する、と威嚇していた。

デ メズィエール「NATOはリビア派兵を近視眼的に計画」

連邦国防相デ メズィエールは、NATOはリビアは兵で誤った対策
をした、と非難した。この派兵はその場しのぎで計画された、とキ
リスト教民主同盟に属する彼は「シュピーゲル」誌に述べた。リビ
アでのNATOの弾薬不足に関する報道に接して彼は、何かが始まっ
た時には、どれほどそれが続く可能性があるか、必ずわきまえてお
かなければならない、とつけ足した。戦争後のリビアにおける平和
部隊の駐留と、ドイツ軍の平和部隊への参加はほとんどあり得な
い、と彼は述べた。国際平和部隊は、リビアが瓦解し、対立する勢
力を引き離さざるを得なくなった場合にのみ必要とされる仮想上の
案件である、とも語った。またデ メズィエルは、リビアが分断さ
れることなく、民主主義へ向けて進んでくれることを期待している
ので、このような派遣が行なわれることがないよう期待している、
とも語った。

シリア軍はトルコ国境の村を占領

シリア政府軍は、戦車を投入して、トルコ国境近くの村落に攻め入
った。兵士たちは家屋を焼き払い、およそ70人の住民を逮捕した、
と野党は発表した。この村は政府軍の兵士が1週間前に制圧したジ
スル アル シュグルの近郊にある。金曜日には兵士は、同国北西
部の都市マーレット アル ヌマンを占領していた。3カ月にわた
る大統領アサド政権に対する蜂起では、今までに1千4百人以上が死
亡した、と人権活動家は発表した。




6月19日(日)

パパンドレウはギリシア国会で信任投票を実施

ギリシア首相ゲオルギオス パパンドレウは、国会で信任投票を行なった。彼は、
ギリシアは「岐路」に立っていると述べ、議会に対して新政権へ信任投票を改めて
行なうように求めた。最大野党市民階級の支持を受ける「新民主主義党」の党首ア
ントニス サマラスは、パパンドレウに信任するつもりはない、と即時予告した。
サマラスは、パパンドレウの支出削減策は成果を生まなかった、と非難し、ギリシ
ア人は1年にわたり節約をしたが、無駄であった、と述べた。信任投票は火曜日夜
に予定されている。政権を握る社会党は、国会では300議席中、155議席のぎりぎ
りの過半数を持つに過ぎない。
日曜日に夜には、オイロを使用する各国の大蔵大臣が、ギリシアについて協議する
ために、再び集まった。1千2百億オイロのさらなる支援計画と、2010年の第1回
救済計画の120億オイロの返済をめぐり、話し合いが行なわれる。

     その他のニュース

アフガニスタンの国防軍に対する攻撃

アフガニスタン北部では、国防軍へ医師に対する自殺攻撃が発生し
た。アフガニスタン内省の発表によれば、この事件では少なくとも
3人の民間人が死亡、9人が負傷した。ドイツ兵2名が軽傷を負っ
た、とポツダムにある派遣部隊の指揮部は発表した。自動車に乗っ
た犯人はクンドゥズの周辺部で、軍の輸送車列の近くで爆死した。
この輸送車には、クンドゥズの野営地の指揮官ザブラツキの外出用
の車であった。急進派イスラーム教徒のタリバーンが、犯行を行な
ったことを認めた。タリバーンは先週、国防軍を標的とする攻撃を
強めていた。

米国防相 タリバーンとの対話は「初期段階」

米国と急進派イスラーム教徒タリバーンが接触したとの報道が流れ
たが、国防相ゲイツはこれを確認した。彼は放送局CNNとのインタ
ヴューの中で、この接触は「初期段階」にあると評した。ただし彼
は、これが米国外務省が担当する「和平交渉」と呼ぶには時期尚早
であり、特にタリバーン側の信頼できる交渉相手を見つけるのが、
問題である、と述べた。米国は代表する権限を持たない者とは誰で
あれ、話し合いをするつもりはなく、この戦争も他の戦争と同じ
く、最終的には政治的な解決で決着する、とゲイツは強調した。ア
フガニスタン大統領カルザイは土曜日に、彼の政府のだけでなく米
国も、イスラーム教と蜂起勢力と話し合いを行なっていることを認
めた。ゲイツの他、西側の外交官もカブールで、接触をする際に
は、タリバーン指導部との接触する経路を作り出すことが重要であ
る、と述べていた。

発展大臣ニーベルがアフガニスタンに到着

EU発展委員ピエバルグスと共にアジアを訪問している連邦発展大臣
ニーベルは、アフガニスタン入りした。ニーベルはカブールで、今
回の両者の訪問は、EU内部で緊密な連携が取れていることを協調す
るものだ、と述べた。首都カブールで2人は大統領カルザイ、蔵相
ザヒルワル、民間企業の代表と会談を行なう意向である。またドイ
ツとヨーロッパの支援団体の訪問も予定されている。現在ドイツは
ヨーロッパ最大のアフガニスタン支援国である。




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