2月13日〜19日のオーストリアのニュース



2月13日(月)

     国外ニュース

オバマ対富裕層 予算案は選挙戦の戦略と捉える

選挙戦の大きな主題が机上に載っている。米国大統領オバマは、月
曜日の予算案呈示を、選挙に向けた自分の主張を示す機会として利
用した。彼は大金持ちに対する増税と、経済活性化のための支出増
に力を注ぐ。支出削減はむしろ小さく取り上げられている。この予
算案が、共和党の抵抗を押し切って実施される見込みはない。オバ
マはこの予算案で、社会的な公正の守り手であるとの立場をとっ
て、自分の利益とするつもりであり、対立者は激怒している。

     国内ニュース

相互の監視 予算監視に対する提案

信頼するのはよいことである。監視するほうが実際にはよりよいだ
ろう。支出削減案の影で国民党が新たに提案に従って、各州は予算
の規律に関して、間もなくお互いに厳しい目を向け合う。自分の帳
簿を外部の目にさらすよう、突然準備をする代わりに、州首相プレ
ル(国民党)とピューリンガー(国民党)は、連邦を監督する権限
も求めた。ただし大蔵大臣フェクターはこれを何度も拒絶してい
た。ただし過去の事例から、連邦と各州が相互に拘束力を持つ予算
に関する規則を持ったため、大きな苦労をすることがわかってい
る。




2月14日(火)

     国外ニュース

スペイン対EU 赤字についてだましているとの噂

スペイン政府とEUの間では、重大な意見の違いが生まれているよう
である。その理由は、スペインがEU委員会に報告した国家財政の赤
字の金額である、とロイター通信は報じた。EU外交官の言葉として
報じられているところでは、首相ラホイは昨年の赤字を幾分「美
化」したのではなく、いくらか実際よりも悪く報告した。その他
に、可決された財政立て直しの措置が、内政上の計算から、ゆっく
り実施されている、とのことである。現在スペインには、制裁が科
される可能性がある。

     国内ニュース

スイスとの課税協定 巨額の不正資金の疑い

政府は10億オイロを越えるスイスとの課税協定を、早ければ
2013年に結べる、と期待している。最大であれば200億オイロの
オーストリアの不正資金が、スイスの銀行にはある、と推定されて
いる。スイスはこれに課税を行ない、脱税者に伝えることなく、オ
ーストリアへと資金を移すことになる。しかしこれはきわめて難し
くなるかもしれない。前例になるのはドイツがスイスと結んだ協定
で、これは現在危ない状態にある。さらにスイスは、オーストリア
の計画に待ったをかけている。批判的な声は、EU委員会内部からも
出ている。




2月15日(水)

     国外ニュース

EU議会は三極と決着を付ける

ギリシアをめぐるEU、ヨーロッパ中央銀行、国際通貨基金の措置に
疑問を呈しているのは、経済の専門家だけではない。EU議会の中で
も、水曜日にはこの三極の措置の激しいやり取りが行なわれた。社
会党、保守党、緑の党は、厳しい支出削減の方針をとることで、ギ
リシアから可能性をすべて奪うことになると批判し、三極は(イス
ラーム教の指導者で)現実の前に宗教を突きつけるアヤトッラーの
集団のように、振る舞っている。現在ギリシアは、次の支援獲得の
ための最後の条件を満たすべく、努力している。オイロ使用国の大
蔵大臣たちは、水曜日の会議を拒否することで、ギリシア政府への
圧力を強めた。

     国内ニュース

調査委員会で議論を呼ぶ証言 電信電話会社社長らが出席

汚職調査委員会は攻撃の応酬であった。オーストリア電信電話会社
をめぐる疑惑が明るみに出たことを受け、木曜日に急遽、現職の同
社社長アメツライターが召還された。彼はなぜ、汚職事件移管する
20万通の電子メールが、検察に渡されなかったのかを明らかにする
ことになっている。電信電話会社法の2009年の成立も、疑問が持
たれている。この法律は証言者によれば、多かれ少なかれ同社が独
断で起草したものである。アメツライター、広報の顧問ホーホエッ
ガーの他に、さらに一人の重要証人も呼ばれている。




2月16日(木)

     国外ニュース

厳しい債権者 「侮辱」がギリシア人を怒らせる

ギリシアに対する貸付の第2弾の決定が、間もなく下される可能性 がある。しかし舞台裏では露骨な声が上がっている。ドイツを先頭 とするオイロ使用各国は、我慢もここまでだ、との方向を示してい る。ギリシアのオイロ使用を中止するという計画は、ますます強ま っている。一方ギリシアでは、債権国の厳しい態度に怒りが増大し ている。この怒りはもはやデモの中で述べられるだけではなく、政 界の最重要の人々の間でも口にされる。

     国内ニュース

ホーホエッガー「政治が乗り出さねばならない」

汚職調査委員会は、オーストリアの政党の資金調達に関する規則に
抜け道がある、とずっと以前から指摘されてきたが、これを再び取
り上げる。専門家は制裁がなく、監視が不十分である、と批判して
いる。院外活動家ペーター ホーホエッガーは、全政党の政治家と
多くの接触をとってきたことを調査委員会で暴露したが、今度はテ
レヴィ番組で、火に油を注ぎ、規則の透明化と監視の強化を求め、
「政治が自ら乗り出さねばならない」と述べた。




2月17日(金)

     国外ニュース

ヴルフ辞任後に後継者問題が動き出す

ドイツ連邦大統領クリスティアン ヴルフが辞任して数時間、彼の
後継者をめぐる観測が流れ始めた。大蔵大臣ショイブレと国防大臣
デ メズィエールなどの閣僚の他、旧東ドイツの人権活動家ガオク
の名前も挙がっている。ガオクは2010年には、ヴルフの対立候補
で、わずかの差で敗れていた。ドイツ首相メルケルは、今度は成功
しなければならない、という重圧にさらされている。ヴルフは2年
前にその候補者であった。そのためばかりではないが、彼女は社会
民主党と緑の党に、候補者探しに加わるように提案した。

     国内ニュース

汚職問題で社会民主党と国民党は明確な規則を早めに作る方針

調査委員会で取り扱われたいくつかの事件の渦中にある院外活動家
ホーホエッガーは、汚職を避けるためには、明確な規則が必要であ
る、と政界を広く叱責した。実際に彼は、「国際情報公開」などの
非政府組織が長年に渡って要請している案を、支持している。政治
はホーホエッガーの「起床ラッパ」に答えるつもりである。計画中
の反汚職法は、政党の資金集めの規則を新たに作るもので、社会民
主党会派長ヨーセフ カープと国民党会派長カールハインツ コプ
フは、予定を早めて決定を下す方針である。




2月18日(土)

     国外ニュース

米国の無人偵察機がシリア上空を飛行との報道

米国の無人機が、シリア政府が国民を攻撃する様を監視した、との
報道がある。米国政府は、大統領アサド政権に対してさらに圧力を
強めるため、無人偵察機の映像と、軍と政府の盗聴記録を用いて、
西側諸国が検討することを求めている、と米国のNBCニュースは報
じた。シリアでの暴力は、首都ダマスカスでますます激化してい
る。活動家によれば、土曜日には治安部隊が、葬儀の最中に参列者
に向けて発砲した。

     国内ニュース

支出削減案 閣議から国会へと進む

政府は支出削減を実施に移している。金曜日から、法律修正の最初
の案を提案している。議会ではこの議案は3月初めに取り上げられ
る。






2月19日(日)

     国外ニュース

メルケルは妥協 ガオクが新ドイツ大統領に

決断は下された。ドイツの与党と野党は、元東ドイツの市民権活動
家ガオクを、連邦大統領の共同候補とすることで合意した。ガオク
に関しては「様々な意見の相違がある」にもかかわらず、彼が大統
領に最もふさわしい候補者である、と首相メルケルは日曜夕刻に述
べた。この決定が得られるのはきわめて難しかった。自由民主党は
突然、ガオクを支持すると明確にしたあと、一時は連立政権の崩壊
の可能性すらあった。

     国内ニュース

新型駐車場の開発 社会的、環境に配慮、おしゃれ

駐車場から汚いという印象を取り去ることを求めた市街設計者がよ
うやく現れた。国際的にもきわめて有名な建築家2人が、数年かけ
て計画を進め、これを実施した。自然光と外気を開かれた空間に取
り入れ、植物を壁に配置し、電気自動車の充電器を備え、商店や飲
食店を入店させる可能性もある。人目を引く構想が承認されれば、
もはや暗いコンクリートの廃墟を思わせるものはなくなる。オース
トリアでも初めての例が誕生する。




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