4月30日〜5月6日のオーストリアのニュース



4月30日(月)

     国外ニュース

ティモシェンコ事件でウクライナのサッカー選手権は失敗の危機

ウクライナはまだ動いていない。野党の政治家で元首相ティモシェ
ンコは、拘留を解かれておらず、また国外にも出されていない。首
相ファイマン(社会民主党)と外務大臣シュピンデレガー(国民
党)を含め、多くのヨーロッパの政治家がウクライナへの旅行を取
りやめる。特にサッカーのヨーロッパ選手権が近づいているため、
ティモシェンコ事件は同国に取って政治的な崩壊を生むかもしれな
い。ウクライナは既に、新たな「冷戦」に陥らないように、と警告
した。

     国内ニュース

オーストリア航空の交渉が決裂 ティローリアンへの譲渡が開始

数週間に渡ってオーストリア航空と、その乗務員の事業所評議会の
間で駆け引きが続いているが、決着がつきそうである。支出削減の
集団契約をめぐる交渉は、月曜日午後に破綻した。航空会社全体
は、経営陣が望んでいる通り、7月1日にティローリアンへ譲渡され
る。オーストリア航空の発表によれば、この交渉手続きは月曜日に
既に開始された。操縦士と客室係が、この解決に満足するかどうか
は不明である。事業所評議会議長ミンハルトは、不満な操縦士はオ
ーストリア航空を退社する、と見ている。同社社長アルブレヒト
は、同社はこの件への準備を整えた、と見ている。




5月1日(火)

     国外ニュース

ル ペンはサルコジの要求を拒否

フランス大統領サルコジが、決選投票で社会党の対立候補オランド
に勝利するためには、フランス大統領選挙の第1回投票で右翼急進
派の国民戦線を支持した有権者の7割を、自分の側に引き込まなけ
ればならない。しかしサルコジが先日取り入ろうとしたにもかかわ
らず、国民戦線党首ルペンは、5月1日に演説を行ない、どちらに投
票を行なうか推薦を行なうことを拒否し、ル ペンは「白票」を投
ずる意向である。

     国内ニュース

オイロ安定策 フェクターは各州と交渉

大蔵大臣マリーア フェクター(国民党)は、新たなオイロ安定化
策に関して、各州との合意を取り付けようとしている。先週には、
かなりの意見の擦り合わせが行なわれ、未解決の問題をはっきりさ
せようとした。シュタイアーマルク州大蔵大臣ベッティーナ フォ
ルアト(社会民主党)が議長を務めて、各州が指名した交渉団が合
意に達することができない場合は、この問題はさらに上の代表に委
ねられる可能性が高い。木曜日にはシュタイアーマルク州のシュタ
インツで州首相会談が行なわれる。




5月2日(水)

     国外ニュース

陳は米国大使館を退去 圧力を受けることに

米国外務大臣クリントンは、中国の体制批判者陳 光誠をめぐる米
中問題で、中国の動向を監視する方針である。中国は水曜日に北京
の米国大使館を退去した人権活動家陳の安全を確保する、と約束し
た。ただし米国はこれにより、泰然とした態度を取ったことにな
る。米国大使館は今後は、中国の体制批判家にたいして「門を閉じ
る」ことになる、協定の一部には記されている。当局に近い人物に
よれば、陳自身も圧力をかけられていて、彼が米国大使館を出なけ
れば、妻が殺害される危険性があった。彼自身はインタヴューの中
で、中国では自分の声明が不安である、と述べていた。

     国内ニュース

最後の対立点が解消 連邦と各州は財政安定化協定を確定

新たなオーストリア国内の財政安定化協定が成立する。大蔵大臣フ
ェクター(国民党)と各州の代表は水曜日にグラーツでの会合で、
最後まで未解決だった点に合意した。制裁を科す方法と、安定化協
定の期限の問題で、最後の対立点が取り除かれた。それによれば
2016年までに連邦、各州、市町村は、国家全体としての赤字をな
くさなければならない。全方面にとって「かなり大きな挑戦」であ
る、とオーバーエスターライヒ州首相ピューリンガー(国民党)は
述べた。




5月3日(木)

     国外ニュース

スペインは中南米への投資に不安を持つ

アルゼンチンとボリビアの2つのスペインの電力会社が国有化され
たことで、スペインは中南米への投資を不安に思い始めている。さ
らなる国有化が起こるかもしれない、との不安が大きくなってい
る。スペインのある新聞は既に、「没収というお化け」が企業の上
にちらついている、と報じている。スペインは中南米で2番目に大
きな投資国であるので、没収は記録的な失業率と景気後退という困
難な局面にある同国に影響を与えている。

     国内ニュース

各州の首相は財政安定化協定を誇る

前日新たなオーストリア国内財政安定化協定は、大蔵大臣マリーア
 フェクター(国民党)との間で交渉がまとまったが、木曜日には
各州首相も全員一致でこれを指示した。現在各州の首相は、これに
満足以上の意を示した。シュタイアーマルク州首相フランツ フォ
ーフェス(社会民主党)は、「歴史的な協定」であると述べ、オー
バーエスターライヒ州首相ヨーセフ ピューリンガー(国民党)
は、「劇的な変革」である、と述べた。野党はいくつかの欠点を指
摘しているが、専門家の見方は割れている。この協定を「前進」と
見る専門家もいれば、予想通りに起きた問題についての無気力な合
意である、と見る者もいる。




5月4日(金)

     国外ニュース

セルビア選挙 ミロシェヴィッチの元幹部が有力

セルビアでは日曜日に国会議員と大統領選挙が行なわれるが、現職
の大統領タジッチと彼の民主党、対立候補で先に転校した極端な国
民主義者ニコリッチが優位に立っている。次期セルビア政権の座に
誰がつくのかを決する役割は、現在内務大臣を務め、ミロシェヴィ
ッチ政権の元幹部であったダチッチが握る可能性が高い。社会党党
首を務める彼は、国民に対して、この両候補は、いずれにせよ社会
党抜きでは政権を作ることができないのだから、2人のどちらかに
は投票しないように、呼びかけた。

     国内ニュース

教員の権利は労組にとっては期待通りの「大きな協定」ではない

政府は「大きな協定」を結ぶと予告していたが、教育大臣クラオデ
ィア シュミート(社会民主党)、大蔵大臣マリーア フェクター
(国民党)公務員大臣ガブリエレ ハイニシュ・ホーセク(社会民
主党)は、新たな教員の権利を規定した26ページに渡る案を労働組
合に手渡したが、教員の代表パウル キンベルガー(キリスト教労
働組合会派)は、この案を一瞥した後で、これは「大きな協定」で
はない、と「クリール」紙とテレヴィ番組で述べた。予定されてい
た行政職員の増員による教員の負担軽減派、単なる計画発表に留ま
り、これを学校制度とどのように連携させるかは確定していない。
さらに労働組合の教員連合会長が教員のための行なう活動の性格
や、学校の質をどのように高めて行くかについて詳細も述べられて
いない。さらに教員養成を改革すると予告していたが、それも含ま
れていない、と彼は述べた。




5月5日(土)

     国外ニュース

グアンタナモ湾では9月11日裁判が混乱の中で始まる

犠牲者の家族は、10年以上に渡ってこの日を待っていた。9月11日
の攻撃の黒幕と目される者たちに対する裁判手続きが、ようやく始
まった。ただし大きな騒ぎを巻き起こしながら。3千人の人命を犠
牲にしたテロ攻撃の黒幕と見られるシェイク モハメドを含めた被
告たちは、裁判官を無視した。彼らはこれ見よがしに雑誌のページ
を繰ったり、祈りを捧げたりした。米国政府が、被告たちの責任を
問い、世界にこの裁判が通常のものであることを示す、という目的
を達成するのは、おそらく困難になるだろう。

     国内ニュース

「クリール」紙はグラサー事件で新たな証拠が出たと報道

「クリール」紙はインターネット版で、検察は連邦住宅供給会社事
件で、なかでも元大蔵大臣カール・ハインツ グラサーが手数料を
受け取ったかどうかを捜査している中で、新たな情報を得たもよう
である、と報じた。この報道に関して別の機関による確認は、今の
ところ得られていない。グラサーの信頼が厚い元閣僚のハインリヒ
 トラウミュラーが、よりにもよって、捜査陣に対して、新たに細
部について述べた、とのことである。推定無罪が適用されているグ
ラサーは、連邦住宅供給会社の民営化で資金を受け取ったとの情報
を、自ら激しく否定している。




5月6日(日)

     国外ニュース

フランス新大統領オランドは「転換」を約束

日曜日の大統領選挙の後の勝利宣言で、フランスの次期大統領フラ
ンソワ オランドは、改革を進めるとの選挙での約束を守ると述べ
た。オランドは歓声を上げる支持者を前にして、フランス人は自分
とともに「変革」を選んだ、「この変革は今始まる」と語った。彼
は、内政上の重点項目である司法と若者問題の他、自分の当選は他
のヨーロパ諸国の多くの人にとって、「安堵」と「希望」であり、
「支出削減は運命的に定められたものではない」ということを示し
ている、との確信を述べた。

     国内ニュース

ピューリンガーは透明化に関する一元的な規則導入に賛成

オーバーエスターライヒ州州首相ヨーセフ ピューリンガー(国民
党)は、テレヴィ番組に出演し、オーストリア全土に(財政を)透
明化に関する規則を導入することに問題はない、連邦全土の規則を
引き継ぎ、オーストリア全土で透明性を同じように規則として義務
づける側の代表である、と述べた。ただし当面彼は、政府の提案を
待つつもりである、とも語った。汚職および政治倫理の関連で、ピ
ューリンガーは、宗教の授業を退学した人に対して、倫理の授業を
行うのに賛成である、と述べた。




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