5月28日〜6月3日のオーストリアのニュース



5月28日(月)

     国外ニュース

大量虐殺の後にシリアから国連を厳しく非難する声

国連安全保障理事会がフラの大量虐殺をあまり真剣に非難したかっ
たことを受け、シリアの反政府勢力は国連に対する声明で深い失望
の念を表明した。国連の最高機関である安全保障理事会は、シリア
国民を守るための責任を引き受けるべきである、とその中では述べ
られている。国連特使コフィ アナンも、月曜日にシリアで、大量
虐殺に「衝撃」を受けたが、誰がこれに責任があるかは不明であ
る、との公式の立場を繰り返しただけであった。シリア政府は、こ
の凶行を引き起こしたのは誰か、発表したが、これはますます不合
理になっている。

     国内ニュース

報道機関はハーネケがアカデミー賞受賞の機が熟したと見る

ミヒャエル ハーネケの凱旋行進。オーストリアの映画監督が二度
目の金のヤシ賞を受賞したことを受け、批評家達も喜びの声を上げ
ている。審査委員長モレッティは、審査員の中には彼の映画「アム
ール」に複数の賞を与えることを求めるものもいたが、規則でそれ
はできなかった、と説明した。諸外国での報道では、ハーネケの受
賞は「大いなる功績」であると、熱狂している。米国からも、アカ
デミー賞も待っている、との声も出ている。



5月29日(火)

     国外ニュース

イタリア北部で連続自身 死者発生 混乱と不安が続く

イタリア北部では火曜日に連続して地震が起き、不安の混乱を引き
起こした。最初の地震は強度5.8で火曜日朝に起こり、少なくとも
17人が死亡した。複数の人が行方不明となっている。お昼頃強い余
震が連続して起きた。「あらゆるものがぐらぐら揺れた」とある記
者は伝えている。人々は混乱して、道路に飛び出した。救助部隊は
おびえた人々を落ち着かせようとした。5月20日の大地震で被害を
受けた家屋と歴史的な建物がたくさん倒壊した。エミーリア・ロマ
ーニャ地域での危険は大きく、専門家はまだ激しい余震がある、と
見ている。

     国内ニュース

汚職調査委員会の次の会合では警告ラジオが主題に

水曜日から汚職調査委員会は、全体で7つある主題のうちの3つめに
取り組む。警告放送をデジタル化する業務が課題である。この業務
は、突然当時の内務大臣シュトラサー(国民党)が取りまとめ、あ
る借款団に依頼されたものである。これによりオーストリア電信電
話会社をめぐる組織が勝利を収める可能性は亡くなった。これに関
連して、院外陳情家メンスドルフ・プイイへ、巨額の金が流れ込ん
だとされる。その他共和国は、3千万オイロの損害賠償を支払わな
ければならなかった。シュトラサーとメンスドルフ・プイイは、汚
職容疑を否定している。




5月30日(水)

     国外ニュース

アイルランドはヨーロッパ財政管理官協定を国民投票にかける

アイルランド人は今日、ヨーロッパ財政管理官協定の国民投票を行
なう。この管理官は、ヨーロッパの国家財政に、より厳しい規律を
生むものである。アイルランドはEU内で、この協定に参加するかど
うかの決定を直接国民に委ねる唯一の国である。最新の世論調査に
よれば、6割ほどがこれに賛成する意向である。EUと国際通貨基金
は、金融恐慌を克服するために、アイルランドに2010年に850億
オイロの援助を行なった。財政管理官協定は、今までギリシア、ポ
ルトガル、スロヴェニア、ルーマニアで批准されている。

     国内ニュース

スイスが税制協定に賛成

スイス国民評議会は、オーストリア、ドイツ、英国との税制協定を
可決した。オーストリアとの不正資金協定が最大の評価を得てい
る。大蔵大臣フェクター(国民党)は、最大で10億オイロの増収が
あると約束している。この協定が発効するまでには、すべての国の
国会が賛成する必要がある。特にドイツとオーストリアでは、反対
の声が大きい。




5月31日(木)

     国外ニュース

クリントン「シリア情勢悪化の責任の一端はロシア政府に」

シリア情勢は行き詰まった。フランス大統領オランドのものも含
め、中期的には軍事介入をもはや排除できない、との意見が出てい
る。しかし国連の委託は、ロシアと中国が抵抗しているため相変わ
らず失敗に終わった。ロシア政府は米国からの無愛想な批判にさら
されている。米国外相クリントンは、シリア情勢の悪化の責任の一
端はロシアにある、と避難し、「ロシアの政策は内戦を生むことに
つながるだろう、と彼らに伝える」と述べた。

     国内ニュース

グラサー基金問題で弁護士がリヒテンシュタインで有罪判決

証拠を隠蔽した容疑で木曜日に、元大蔵大臣グラサーの基金の幹部
が、リヒテンシュタインで罰金刑を言い渡された。裁判所の判決に
よれば、この弁護士は、連邦住宅供給会社BUWOGの押収された書
類を、閲覧した際に持ち出し、数週間後にようやく返却した。首都
ファドゥーツの同国の裁判所は、彼に対して換算しておよそ10万
7千オイロの一部条件付きの罰金刑を言い渡した。




6月1日(金)

     国外ニュース

ギリシアは今度は電力不足の危機

ギリシアは財政的および経済的に最低水準にあるだけではない。今
度は電力供給の危機にさらされている。多くの発電会社に納入して
いるガス会社DEPAは、支払い不能に直面している。数日中に総額
1億オイロの請求書が支払い不能になる。深刻な場合には、大規模
な停電が全土で起こる可能性があるが、それも電力の需要が高まる
季節の始めにである。解決の可能性はあるが、いままでのところ
EU、国際通貨基金、ヨーロッパ中央銀行がこれを阻止している。

     国内ニュース

飢餓会議 オーストリアの開発に批判

ウィーンで開かれるカリタスの飢餓会議がきっかけとなって、開発
支援が議論の的となっている。まさにこの会議では、主催者のオー
ストリアがまた雲半とはなっていない。国際支援のための資金は前
年、大きく減らされたが、その中にオーストリアが含まれている。
オーストリア以上に支援を減らしたのは、厳しい打撃を受けた国ギ
リシアとスペインだけである。カリタス会長キューベルルは、飢え
た人が10億人いるので、「支援にてこ入れ」をするよう期待してい
る、と述べた。枢機卿シェーンボルンと連邦大統領フィッシャー
も、政府に対して、これ以上の削減を計画しないように、と呼びか
けた。




6月2日(土)

     国外ニュース

秘密情報部事件 米国と中国の関係が試される

中国の国家安全の副大臣の秘書が、CIAのスパイであると見られる
と暴露された、と報じられている。彼は「最高機密」を米国に漏ら
していた、とのことである。今まで中国政府も米国政府も沈黙を続
けている。米国と中国の間で過去30年間で最大のスパイ事件であ
る、との非難が確認される。この事件がなくても傷ついていた両国
関係が、今後さらに試されることになる。

     国内ニュース

グラーフ事件 シュトラーヒェは「おかしな印象」を持つ

国民議会第三議長マルティン グラーフ(自由党)の基金をめぐる
疑惑で、同党主ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェは、グ
ラーフの兄弟が、基金の所有する家屋の一つの間借り人であるとい
う事実は「単におかしな印象」以上のものである、ことを認めた。
個人的な不当利得にかかわり合いがある、との非難があたっている
のであれば、「辞任がふさわしい」と「エスターライヒ」紙に彼は
述べた。また彼は、自分にはこの件を検証することはできないし、
そのつもりもない、これは裁判所の案件である、と述べた。また
「プレッセ」紙で彼は、この件全体は「自由党にとってきわめて不
愉快」であり、反グラーフの「宣伝活動はいつも行なわれている」
とも述べ、ストロース・カーン事件の時に予断があったことを指摘
した。




6月3日(日)

     国外ニュース

英国女王戴冠記念日 テームズ川の催しで祝う

英国人は日曜日、1千隻の船がテームズ川に繰り出し、エリザベス
女王の戴冠60周年記念式を祝った。数十万人が岸辺から、様々な休
暇用の船や手こぎボート、ヨット、カヌー、古い艦船が、ロンドン
の象徴となる多数の場所がある川を航行するのを眺めた。86歳の女
王は、花で飾られた王室用の大型の船で、この催しに参加した。
4日間の式典が最高に盛り上がる時が悪天候になったが、彼女も見
物人もそれでがっかりすることはなかった。

     国内ニュース

スカイリンクの長い醜聞の歴史

ウィーン・シュヴェヒャト空港の第3ビル「スカイリンク」は、計
算上は4億オイロの建設費で、本来であれば2008年に使用を開始
しているはずであった。ようやく2012年6月に使用開始となる
が、建設費は倍となった。この建設は財政的に計画がうまくいかな
くなっただけではなく、検察と会計検査院が担当する案件となっ
た。建設中止が命じられ、空港の役員達は辞任せざるを得なくなっ
た。2011年までにスカイリンクの醜聞の歴史は、4千冊の書類束と
なった。この事件の整理にはしばらく時間がかかりそうである。




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