6月18日〜24日のオーストリアのニュース



6月18日(月)

     国外ニュース

メキシコG-20ではヨーロッパに再び圧力

ギリシア選挙の結果は、安堵を持って受け止められたが、オイロ使
用地域の問題が、メキシコのロス カボスで開かれているG20会談
では、中心であるのは変わらない。ヨーロッパは会議の冒頭で早く
も、はっきりした言葉で債務危機を最後には制御するように求めら
れた。ヨーロッパの首脳は、彼らの見方からすれば一方的な責任転
嫁を、精力的に退けた。EU委員会議長バローゾは、忠告を受けるた
めにメキシコに来たのではない、と明言した。

     国内ニュース

会計検査院の青色警告灯事件の批判で当局は自らを弁護

官庁から書類がなくなっていること、高額の顧問料と元官房長官ウ
ルマーの奇妙な旅行。会計検査院は現在問題になっている青色警告
灯事件をめぐる報告書の原案の中で、一連のつじつまの合わない事
件を追及している。担当する内務省はこれに続いて、事業の委託を
広範囲に弁護しようと努力していた。当局の見方によれば、会計検
査院の報告書を見た後でも、「この委託の手続き全体は、公正に行
なわれた」ことには疑いの余地がない。




6月19日(火)

     国外ニュース

共通の戦略は取れず G20首脳会談は明確な声明を出さず終了

大工業国と中進国G20は、協力して危機と戦うつもりであるが、そ
の際に重点を置く項目は、それぞれはばらばらである。20カ国は、
オイロ使用地域の「統合と安定を維持するために、必要なすべての
措置を講ずる」用意がある、と火曜日にロス カボスで発表された
最終声明の中には記されている。当初はヨーロッパの方針に関し
て、意見が一致せず責任転嫁を行なっていたにもかかわらず、首脳
会談は、おもてだっては「協力的な雰囲気で」進んだ。それにもか
かわらず、具体的な計画はまとまらず、ぼんやりした目標の声明が
呈示されただけであった。

     国内ニュース

政党資金透明化法が決定 連立政府は緑の党と合意

長い間議論してきた透明化法案がまとまり、6月末のうちに国民評
議会の特別会議で、連立政府が獲得を努力してきた憲法修正に必要
な過半数で可決されるかもしれない。火曜日午後に、与党社会民主
党と国民党が、緑の党と合意に達したためである。特に今後は、年
間3千5百オイロ以上の政党献金は公表されることになる。交渉に参
加したすべての勢力が、最終的にはこの合意に満足しており、「ヨ
ーロッパ全体の模範」となるような規則である、と述べた。




6月20日(水)

     国外ニュース

連邦準備制度理事会が介入 米国の景気をめぐる不安

経済が疲弊していることを受け、米国の発券銀行連邦準備制度理事
会は、改めて継起し劇作をとる。今月期限を迎える国債の現金化
は、年末まで延期される、と中央銀行は発表した。そのため今後
6ヶ月間で、2,670億ドルが市場に流れ込むことになる。連邦準備
制度理事会議長バーナンキは、さらなる支援を計画しているが、そ
れは彼の米国経済の見通しが暗いためである。

     国内ニュース

青色警告灯調査委員会でテングは「無能な」内務省と決着

水曜日には元経営者であったテングが、汚職調査委員会の場を利用
して、国民党の閣僚シュトラサー率いる「無能な」内務省と決着を
付けた。テングは2003年に、当初の納入業者マスタートーク社の
ために、青色警告灯の契約を維持しようとしたが、最終的には疑問
の余地のある状況下で、新たな納入業者に取り替えていた、とされ
ている。テングはこの計画は、大失敗につながり、完全に間違った
計算に基づく内務省の予算執行であった、と述べた。この際当時
の、国民党と自由党の連立政権内部の動向から得られた認識であっ
た。大蔵大臣グラサー(当時の自由党)は、内務大臣シュトラサー
から予算不足に説明を受け、「何、私からは彼は1ツェントも手に
入れられない」と述べたとされている。




6月21日(木)

     国外ニュース

スペインの銀行は620億オイロを必要としているとの評価

ようやく評価がまとまった。それによれば、スペインの疲弊した銀
行は、最悪の場合620億オイロを必要とし、最低の場合160億ないし
は250億オイロを必要としている。これは、数週間に渡る作業のす
え、2つの顧問会社が作成した中立の評価である。この評価によれ
ば、申し入れた1千億オイロをはるかに下回る額の支援金しか、銀
行は必要としていない。ただしスペイン政府による銀行支援の具体
的な申し入れは、まだ待たなければならない。

     国内ニュース

オーストリア持株会社は国民党の閣僚を仲違いさせる

国営化されたオーストリア持株会社の今後の役割を巡る議論が、国
民党を分裂させている。経済大臣ミッターレーナー(国民党)は、
「現在のような時にオーストリア持株会社が必要とされるかどう
か」検討していたが、木曜日には大蔵大臣フェクター(国民党)の
解答が出された。彼女はこれに反して、「オーストリア持株会社を
整備する」ことを検討している。ミッターレーナーは、同社を拡大
することを検討することができる、との意見を持っており、国有化
された同社の未来について一切議論を行なえないのは残念だ、と述
べている。




6月22日(金)

     国外ニュース

ディーゼルとの比較では電気自動車にはほとんど有利な点はない

電気自動車は今までのところ、最も清潔な交通問題の解決である。
ただしそれは、理想的な前提条件が揃っている場合に限られる。こ
れは4台の電気自動車と節約型のディーゼル乗用車の比較調査の結
果である。電気自動車は二酸化炭素排出では原則的に優位である
が、蓄電する電力と同じ程度で「環境にやさしい」に過ぎない。明
確な欠点は、運転できる距離が少ないこと、購入費用が高いことで
あり、調査結果では、「汚染が少ない」ディーゼル乗用車に対し
て、電気自動車の有利な点が、飛び抜けて大きいわけではない。

     国内ニュース

資金洗浄でメンスドルフ・プイイは訴訟を起こされる

武器の売り込みを陳情するメンスドルフ・プイイは、訴訟を起こさ
れる。ウィーン検察は金曜日、資金洗浄、2つの調査委員会での偽
証、彼に対して現在行なわれている捜査手続きの中での偽造証拠の
提出容疑で、告訴を行なった。有罪判決が出た場合には、彼には最
大で5年間の拘留が言い渡される可能性がある。メンスドルフ・プ
イイに雇われていた人も、同様に訴えられる。推定無罪が適用され
る。




6月23日(土)

     国外ニュース

ギリシア政府は支出削減策をゆるめる方針

ギリシア新政府は、資金提供社との間で合意していた支出削減計画
を、大幅に修正するべく努力している。同政府は支出削減の前提条
件を実行する上で、より長い時間的な猶予を求め、新税の導入を行
なわず、これ以上の解雇を行なわない方針である。土曜日に発表さ
れた連立協定の文言からは、保守派、社会主義者、民主左派党の連
立三党は、オイロ使用地域に残留することを望んでいる、と強調さ
れている。月曜日にはEU、国際通貨基金、ヨーロッパ中央銀行の
「三極」がアテネに戻り、今後の対策について話し合う。

     国内ニュース

メンスドルフのインフルエンザ用のマスクの取引をめぐる疑惑

陳情家アルフォンス メンスドルフ・プイイは、攻撃の的から逃れ
ていない。「青色警告灯」事件と資金洗浄容疑での告訴に続いて、
今度は報道雑誌「プロフィル」が、厚生省による数百万のインフル
エンザ用マスクの買い付けで、怪しげな印象が生じている、と報じ
た。メンスドルフ・プイイは2006年に、製造会社ドレーガー社の
報酬名簿に載っていたとされるが、厚生大臣は当時彼の妻マリーア
 ラオホ・カラット(国民党)であった。「プロフィル」誌は、こ
れは偶然にしてはできすぎている、と見ている。メンスドルフ・プ
イイの弁護士とラオホ・カラットは、不正行為を示す容疑は一切な
い、と強く否定している。




6月24日(日)

     国外ニュース

エジプト選挙勝利者イスラーム教徒兄弟団ムルシは和解を訴える

選挙で選ばれたエジプト大統領モハメド ムルシは、最初の演説で
和解の論調を打ち出した。日曜日夕刻に国営放送が流した演説の中
で彼は、自分は「すべてのエジプト人」の大統領であり、扱いの難
しいイスラエルとの関係を中心に、すべての国際条約を守る、と約
束した。イスラーム教徒兄弟団ムルシの勝利は、その前に発表され
ていた。カイロでは数万人がこの結果に喜びの声を上げた。元首相
シャフィークが勝利していれば、ムバーラク体制に対する革命の失
敗と判断されたところであった。

     国内ニュース

ショイヒ裁判の上級審

「ケルンテン州の自由党」党首ウーウェ ショイヒに対する汚職裁
判は、裁判官ミヒャエラ サーニンが裁判長を務めて、今日から第
2審に突入する。1年ほど前のショイヒの第1審は、グラーツ上級州
裁判所で、形式的な不手際を理由に破棄されていた。汚職検察はシ
ョイヒは、公職にある人による物品の授受の容疑をとがめている。
ショイヒは今まですべての容疑を否定した。彼は最大で5年の拘留
と失職の可能性がある。第1審では彼は執行猶予付きで18ヶ月間の
拘留刑が言い渡されていた。




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