7月2日〜8日のドイツのニュース



7月2日(月)

民兵がリビアの刑事裁判所職員を釈放

リビアで逮捕されていた国際刑事裁判所の職員は自由の身となって
いる、と反乱勢力民兵の要人は述べた。指揮官アジミ アル・アト
リは、カッザーフィーの息子セイフ アル・イスラームの監視をす
る旅団を率いていたが、シンタンでの国際記者会見で、この措置に
ついて発表し、早期に出国させる、と予告した。オーストラリアの
弁護士メリンダ テイラーを含む4人の裁判所職員は、元権力者ム
アマル アル・カッザーフィーの息子セイフ アル・イスラームと
あった後、3週間以上前に現地でスパイ容疑で逮捕されていた。リ
ビアは、彼らが面会した際に、逮捕されたカッザーフィーの息子
に、多機能カメラのついたピン状のものと、以前カッザーフィー一
族の信頼を得ていたモハメド イスマイルの暗号文書を密かに手渡
した、と非難している。

     その他のニュース

アラブ連盟「シリアの権力交代に向け明確な期限を設定」

アラブ連盟は、先日ジュネーヴで可決されたシリア移行政権の樹立
計画を批判した。同連盟事務長アル・アラビはシリアの反政府勢力
とカイロで会談し、特使アナンの提案は、期待を裏切った、必要な
のは政権交代の明確な期日である、と述べた。アル・アラビは、反
政府勢力の様々な会派に対して、何とか意見の相違を克服し、一つ
にまとまるようにとの緊急の訴えを表明した。離反した兵士が結成
した「自由シリア軍」とその他の武装した活動家は、この会議に参
加していない。その理由として彼らは、この会議では、住民の保護
を目的とした外国の軍事介入の可能性が、当初から排除されている
ことを挙げた。さらに保護地域と人道的な物資輸送路の設置につい
ても、法規勢力の武装についても話し合われていないことも指摘し
た。

イスラーム教徒はマリの世界遺産をさらに破壊

マリ北部では、イスラーム教徒反乱勢力による破壊の猛威が続いて
いる。目撃者の話によれば、彼らはトンブクトゥにある市ディ・ヤ
ハヤ寺院の「聖なる門」を破壊した。週末にはアンサル ディネの
反乱勢力が、アフリカの砂漠の町トンブクトゥに16ある霊廟のうち
7つをすでに破壊していた。イスラーム教徒である彼らの見方で
は、聖人やその墓を崇拝するのは、アッラーだけを崇拝するよう信
徒に求めるイスラーム教に反している。シディ・ヤハヤ寺院は、聖
人の墓同様、国連の文化組織ユネスコの世界遺産の一覧表に載って
いる。国際刑事裁判所の主席告訴人ベンスダは、これは「犯罪行
為」である、と述べた。トゥアレグ族の戦闘員とともに、アンサル
 ディネのイスラーム教徒たちは、4月からマリ北部で国土の3分の
2を勢力下に収めている。この組織はマリの支配権を求めて、政府
軍と戦っている。

コソヴォは9月に完全な主権を得る

独立から4年半ほど、アルバニア人の国家コソヴォは9月に完全な主
権を手に入れることになる。国際管理評議会はこのような決定を下
した、と主催者であるオーストリア外相シュピンデレガーはウィー
ンで発表した。それによれば、コソヴォの支援を支援する同評議会
は、早期に実施することで、以前はセルビアの州であったコソヴォ
の監視を終えることを決定した。国際管理評議会には、ドイツおよ
び多くのEU加盟国、米国、トルコを含め25の国が加わっている。
「監視下での独立」という考え方は、フィンランドの国連特使アハ
ティサリが発案したものであった。首相サチはウィーンで、バルカ
ンの国である同国がNATOとEUに加盟するとの目標を打ち出した。




7月3日(火)

政府「ギリシアは今なお深い泥沼の中にいる」

ギリシアの経済動向の見通しは、今まで懸念されていたよりもさら
に暗い。大蔵大臣代理クリストス スタニクラスはアテネで、ギリ
シアの2012年の経済業績は、6.7%縮小するとの調査結果を指摘
した。発券銀行は2ヶ月前に、4.5%の減少と発表していた。EU、
ヨーロッパ中央銀行、国際通貨基金からなる資金を提供する「三
極」は、ギリシアで改めて、現金残高検査を開始した。三極の専門
家は、国家としての倒産に貧しているギリシアが、巨額の債務保証
の引き替えに実施することになっている改革の状況を、調査する方
針である。調査官が悪い結論に到達した場合には、債権者は支払い
を中止する可能性がある。新政権は、支出削減の義務を緩和するよ
うに、奮闘している。

     その他のニュース

国際通貨基金「ドイツは国内需要を増やす必要がある」

ドイツの現在の「かなりのよい状況」は、輸出にあまりに大きく依
存しているため、国際通貨基金は、なんとしても国内の需要と消費
を活性化するようにドイツに迫った。この状況では特に、オイロ使
用地域の債務危機の激化あるいは、世界の経済成長の後退が、ドイ
ツにも及ぶ可能性がある、と国際通貨基金は最新のワシントン報告
の中で警告している。低い失業率、高い賃金、資金調達の際の低利
が、賞賛された。この数字に感が居て、ドイツ経済は2012年には
合わせて1.25%の成長をすると期待している、と国際通貨基金の
ドイツ班班長ラルは述べた。同基金は、緊急の課題として、金融部
門の改革を遅らせないように、とも見ている。

デ メズィエールはアフガニスタン撤兵は困難を極めると見る

ドイツ国防相デ メズィエール(キリスト教民主同盟)は、2014年
末までにヒンドゥクシから撤退するのは困難だ、と見ている。北ア
フガニスタンのクンドゥズにある国防軍の軍営を訪問した彼は、軍
事物資の輸送は「複雑な過程」であり、撤退をうまく準備するため
には、さらにアフガニスタンにドイツ兵を派遣しなければならな
い、と述べた。国防省は、およそ6千のコンテナーと1千9百台の自
動車がドイツに持ち帰られなければならない、と推定している。ま
た彼は、今までの任務である現地軍の訓練と支援の仕事と並行し
て、撤退を進めなければならない、と強調した。またデ メズィエ
ールは、撤退の際の課題は、アフガニスタンの東で故郷を接するパ
キスタンが、数ヶ月前から国境を閉鎖したままになるかもしれな
い、と述べた。

ペルシャ湾での軍事力の誇示

新聞報道によれば、米国は過去数ヶ月、ペルシャ湾での軍事力の配
備を大幅に強化した。「ニュー ヨーク タイムズ」紙によれば、
イランにホルムズ海峡という石油輸送船の重要な通り道を封鎖させ
ないことが、配備の目標であり、そのほか、イラン政府との核を巡
る対立で、圧力をかけており、この地域にイランのミサイル基地や
核施設を攻撃できる戦闘機をさらに配備している。イランは3日間
の演習で、射程距離が長いものを含め数発のミサイルの実験を行な
った。革命親衛隊の司令官サラミ将軍が国営放送の中で、この実験
は、イスラエルと米国が、核計画を理由としてイランを攻撃すると
威嚇しているのに対抗するものである、と説明した。




7月4日(水)

著作権法に関する条約ACTAはEU議会で不成立

ヨーロッパ議会は、問題となっている著作権法に関する国際条約
ACTAを、拒否した。予想通り、ストラスブールの議会では、議員
の広い層がこの条約に反対した。この条約は、EU委員会が米国およ
びその他の9箇国との間の話し合いで、とりまとめたものであっ
た。この条約はヨーロッパ議会の賛成がなければ効力を持たないた
め、EUではこの否決でこの条約には決着はついたことになる。
ACTA条約は、製品と商標の海賊行為を阻止し、知的財産の保護を
改善するためのものである。これに対して、インターネット上の自
由権の侵害であり、情報保護を危険にさらす懸念がある、と批判す
る向きもあった。

     その他のニュース

フランスは銀行と富裕者に義務を負わせる

国家の負債との戦いの中で、新フランス政府は富裕者に対する増税
を掲げている。追加予算には、高額所得者、大企業、銀行に対する
追加の税金が含まれている。これにより合わせて72億オイロの増収
となる。財産税の引き上げだけで、23億オイロをもたらす。フラン
ス政府は、経済成長が弱まっているため、税収の減少と戦ってい
る。赤字を国内総生産の4.5%に押さえ込むという目標は、困難にな
っている。

スロヴェニアは救済の傘に入らない

スロヴェニアは、国内に経営状態の厳しい銀行があるため、オイロ
救済の傘の元にとどまるつもりはない。スロヴェニアの通信社STA
によれば、首相ヤンシャは、公勤務従事者の給与を引き下げること
を含む支出削減計画のおかげで、国内の疲弊した銀行を救えるのは
国だけである、と述べた。一方スペインでは、マドリードの大銀行
バンキアの過剰な負債に関する捜査が始まった。この捜査は、元経
済相で国際通貨基金総裁ラトを中心におこなわれる。ラトは2010年
から12年にかけて、同行の経営を指揮し、株式市場への上場を果た
していた。

操縦士の遺体は海で発見される

トルコ軍用機が撃墜されてからほぼ2週間、操縦士2名の遺体が地中
海で見つかった。この撃墜のおかげで、トルコとシリアの権力者ア
ル・アサドの緊張は高まっていた。アサドはこの撃墜について謝罪
したものの、自分に責任はない、としている。トルコは、この飛行
機は事前の警告なしに国際空域上で撃墜された、と主張している。
アンカラのトルコ参謀本部は、遺体の発見場所について詳しい情報
は発表しなかった。一方アサドは、トルコがこのように介入するこ
とで、シリアの暴力に油を注ごうとしている、と非難した。トルコ
の新聞ジュムフリエットとのインタヴューの中で彼は、トルコ政府
が「すべての種類のテロリスト」を支援している、と批判した。




7月5日(木)

ドイツのネオナチ事件に特別捜査員投入

ドイツでは連邦憲法擁護庁での文書破棄および右翼運動の情報提供
者の活動に関する疑惑で、特別捜査員が投入される。連邦内務大臣
ハンス・ペーター フリード立地は、憲法擁護部長ハンス・ゲオル
ク エンゲルケに対して捜査を委託した。連邦議会のネオナチ調査
委員会は、非公開で、文書は気に責任がある部長である彼に、質問
をおこなった。憲法擁護庁長官ハインツ フロムは、すでに辞任を
発表しており、同庁に対する影響は大きなものになる見通しであ
る。ネオナチのテロ分子の連続殺人事件は、「ドイツの治安を担当
する同庁にとって重大な敗北で」あって、威信の喪失は甚だしい、
とフロムはベルリンの委員会で述べた。

     その他のニュース

ウィキリークスはシリアに関する数百万の電子メールを公開

インターネット上でアサンジが持つ暴露サイト「ウィキリークス」
は、シリアの権力者に関する2百万以上の電子メールを公開した。
これは政治家、官庁、下部官庁が2006年から12年までに送った電
子郵便である、と文書の先頭に発表されている。ウィキリークスは
この公開にあたって、今回は諸外国の報道機関と協力を行なってい
る、とのことである。その創設者アサンジは、この文書は「シリア
にとって、そしてその敵にとっても不愉快なもの」であるが、責任
転嫁のためのものではなく、紛争を理解するためのものである、と
述べている。

ヴェスターヴェレはモスクワで厳しい対決

ドイツとロシアの外相は、シリア紛争解決のために、共通の土台を
作り出すべく合意できなかった。ただしヴェスターヴェレとラヴロ
フは、モスクワでの会談後、国連特使アナンの和平提案を支持する
と述べた。ヴェスターヴェレは、ロシア政府の方針との対立に関し
て、暴力の主たる責任は、大統領アサド政権の側にあるという見方
をドイツが取っていることには変わりがない、と明言した。ラヴロ
フは西側からのアサドのロシアへの亡命を認めるとの提案を「冗
談」と捉えている。ヴェスターヴェレは、意見の歩み寄りがないま
まパリに飛び、いわゆるシリア友好国連合との会談を行う。

ロンドンでテロ捜査が行なわれ逮捕者発生

ロンドンでは警察がテロ容疑者6人を逮捕した。この男5人女1人に
は、テロ攻撃を計画した容疑が持たれている、と警察は発表した。
容疑者の手入れで見つかったのは、かなり以前から計画されていた
秘密情報部の作戦の一部で、7月27日にロンドンで始まるオリンピ
ックとは、関連がない、とのことである。放送局BBCの情報によれ
ば、まもなくテロ攻撃が行われる兆候はない。




7月6日(金)

元ドイツ赤軍のベッカーがブーバク殺害で有罪判決

シュトゥットガルト州上級裁判所は、赤軍分派のテロリストであっ
たヴェレーナ ベッカーに、1977年に連邦検事総長ズィークフリー
ト ブーバク暗殺幇助の容疑で、有罪を言い渡した。裁判官たち
は、彼女に対して4年間自由を奪う刑を言い渡した。ベッカーは当
時赤軍の会合で、「連邦検事総長襲撃を激しい調子で命じた」と裁
判所は認定した。すでに刑期のうち2年半は、以前の有罪判決です
でに償われている。裁判長は判決理由の中で、ベッカーはこの暗殺
を前に行なわれた左翼テロリストの行動計画会議で、その後犯行を
起こした赤軍の隊員に、殺害の実行を「きわめて強く」述べた、と
指摘した。ブーバクおよび彼に同行していた2人は、35年前に極左
赤軍分派によって、カールスルーエで公用車に乗っていたところ、
オートバイから銃撃を受けた。直接手を下した2人が誰であったか
は、裁判所は半年間以上続いた裁判の中で解明することができなか
った。

     その他のニュース

シリア会議はアサドの辞任を求める

パリで開かれているシリア会議では、諸外国はシリア大統領アル・
アサドの退任を求めた。百ほどの参加国と国際機関の代表は、会議
の最終声明の中で、存在していると、移行が実際に行なわれるとの
信頼性を危険にさらす原因は取り除かなければならない、と言うこ
とで一致した。また連絡をとり続けている組織「シリアの友人」
は、国連安全保障理事会のシリアに関する新たな決議を成立させる
よう努力を続ける方針である。国連で拒否権を持つ中国とロシアの
両大国は、シリア政府に対する国連安全保障理事会の決議を阻止し
てきた。両国はパリの会議には参加していなかった。批判的な人た
ちは、「シリアの友人」の決定が反故になるのではないか、と恐れ
ている。一方アサドの腹心が国内から脱出した、との報道がある
が、フランス政府はこれを認め、旅団の将軍トラスは、現在パリに
向かっている、と発表した。

国連はマリ北部のイスラーム教徒に制裁をちらつかせる

国連安全保障理事会は、マリ北部のイスラーム教徒戦闘員に対し
て、制裁を行なうと威嚇した。決議の中で同理事会は、急進派組織
アンサル ディネが先日、トンブクトゥにある歴史的な施設を破壊
したのを非難した。さらに同理事会は、マリの人道的な情勢に関し
て懸念を表明し、3月21日の軍事クーデタ以降に、憲法に基づく秩
序の回復を行なうように求めた。隣国による介入の可能性について
は、この決議では合意に達しなかった。西アフリカ諸国経済共同体
ECOWASとアフリカ連合は、これを提案していた。一方マリ北部か
らの難民の数は増加している。国連の難民支援組織UNHCRの発表に
よれば、すでに20万人が隣国に逃げ出した。マリ北部に新たにイス
ラーム教に基づく支配者が誕生する不安のほか、食糧不足の拡大の
ため、人々は同国から逃げ出している。

アルゼンチンの元独裁者は乳児誘拐で有罪判決を受ける

アルゼンチンの独裁時代に子供を誘拐した事件を巡る裁判で、元独
裁者2人ビデラとビニョーネは、長期間にわたる拘留刑が言い渡さ
れた。ブエノス アイレスの裁判所は、86歳のビデラに50年、
84歳のビニョーネに15年間の拘留を言い渡した。同時に訴えられ
た何人かには、15年から40年の拘留が言い渡された、検察は彼ら
が1976年から83年の軍事独裁下で、子供を組織的に誘拐するよう
に命じていた、との容疑を示していた。5百人の新生児と小さな子
供が、反対派として軍によって拉致された女性から、不法に別の名
前をつけられて、たいていは体制に忠実な家庭に譲られた。実の母
親、時には父親たちは、拷問を受けたり殺害されたりした。ビデラ
とビニョーネは、別の人権侵害容疑で、すでに2度に渡り終身刑が
言い渡されていた。




7月7日(土)

メルケルは独仏の団結を推し進めようとする

フランス大統領フランソワ オランドとの会談を前に、連邦首相ア
ンゲラ メルケルは、オイロ債務の危機のさなかで共同歩調をとる
ことに理解を求めた。両者は日曜日に、北フランスのランスで、ド
イツとフランスの和解50周年の記念式典に出席する。メルケルは映
像による親書の中で、シャルル ド ゴールとコンラート アーデ
ナウアーは、1962年にドイツとフランスの友好が、統一ヨーロッ
パに向けた道のりの中で、どうしても欠くことができない一歩であ
ることを見抜いた、両国は今日もなお協力してこれにあたってい
る、と述べた。メルケルとオランドはオイロ危機の中で、最善の解
決策を巡って正反対の見解の代表である。メルケルは厳しい支出削
減を求めているのに対して、オランドは経済活性化を目指して、支
出を増やす用意がある。

     その他のニュース

カッザーフィー失脚後リビア初の国会銀選挙で突発事件

リビア人はほぼ60年ぶりに自由選挙を行なった。権力者カッザーフ
ィー失脚からおよそ1年で行なわれる国民議会の選挙は、同国西部
では平穏に行われたが、東部には妨害行為と暴力が暗い影を落とし
た。全国の投票所のうち6%は、閉鎖されたままとなった。元反乱軍
の指揮官は、デモ隊がアジダビヤ市で、19ある投票所のうち14箇
所の投票箱に火を放った、と述べた。ベンガジでは、法規勢力が投
票所を襲い、見せしめに数百枚の投票用紙を燃やした。270万人の
有権者が、2百人の国会議員を選び、この議員が首相と閣僚を選ぶ
ことになっている。専門家は、エジプトやチュニジアと同様、リビ
アでもイスラーム勢力が勝利する、と予想している。

米国はアフガニスタンを「NATO未加入の同盟国」と発表

米国はアフガニスタンを「NATO未加盟の同盟国」であると呼ん
だ。米国外相クリントンは事前の予告なくカブールを訪問し、アフ
ガニスタンは今後の米国との協力で、特別の優遇を受ける、と述べ
た。大統領府はワシントンで、同盟国としての地位を与えることに
なる大統領オバマの指令を公表した。この指令には、安全保障問題
で、米国とアフガニスタンの間の長期的な協力が含まれている。こ
のような地位を与えられた協力国は、とくに米国製の武器を容易に
入手し、そのための融資も容易に得られるようになる。15ほどの国
がこの地位を得ており、その中にはイスラエル、エジプト、パキス
タン、日本、ヨルダンが含まれている。クリントンは、東京でアフ
ガニスタン国際会議が行われる直前に、カブール入りし、同国の民
事部門再建に必要な資金について協議することになっている。日本
政府は、アフガニスタンに対して、160億ドル(130億オイロ)を
超える資金が集まる、と予想している。

ヴェスターヴェレはルーマニアのEUへの溶け込みを疑問視

連邦政府は、ルーマニアの政治動向に懸念を表明し、重大な影響が
出るかもしれない、と示唆した。EU加盟国である同国の紛争は、決
着をつける際に、ヨーロッパの基本的な価値観を犠牲にする恐れが
ある、と外相ヴェスターヴェレは述べた。民主主義の基本的な原
則、法治主義、憲法に基づく権力の分割は、議論を議論の対象にす
ることはできない、ルーマニアはこれ以上EUに溶け込めなくなるか
もしれない、とも語った。ルーマニアはまだ、シェンゲン条約の完
全な加盟国ではない。首都ブカレストでは金曜日に、大統領バセス
クに対する解任手続きが始まった。政権を握る中道左派連合は、バ
セスクが、権限を逸脱した、と非難している。バセスクは現在30日
間、職務を停止されている。彼の今後については、国民投票で決定
されることになっている。




7月8日(日)

メルケルとオランドは独仏の和解を祝う

ドイツ首相アンゲラ メルケルとフランス大統領フランソワ オラ
ンドはランスで、ドイツとフランスの和解50周年を祝った。メルケ
ルは演説を行ない、コンラート アーデナウアーとシャルル ド 
ゴールが、かつては戦争で敵対していたフランスとドイツの間で、
理解をするメル政策を進めるよう活動したことを、高く評価した。
この2人は、2度の世界大戦に苦しんだことを受けて、「ドイツとフ
ランスの友好の構築」を、50年前に開始していた。オランドは、現
在そのさなかにあるオイロ債務危機の中で、両国の密接な協力の意
義を強調し、ヨーロッパの真価を明らかするこの試練は、これで最
後ではない、と述べた。メルケルとオランドは日曜日のランスでの
会合で、ドイツ・フランス年の祭典を開会した。これは公式には
9月22日にルートヴィヒスブルクで始まる。

     その他のニュース

バローゾはイスラエルの入植政策を批判

EU委員会議長バローゾは、西ヨルダンランドを訪問し、イスラエル
の入植政策を批判した。彼はパレスチナ大統領ファイヤードとラマ
ラで会談し、国際法上は、この入植は違法であり、和平の障害とな
っている、と述べた。EUはパレスチナ自治当局最大の資金提供者で
ある。バローゾが、パレスチナ人居住地域およびイスラエルを公式
訪問するのは初めてである。彼は3日間の訪問で、2箇国併存に理解
を訴える方針である。

リクード党は一般兵役義務への道を開く

イスラエル首相ネタニヤフ率いる保守派のリクード党は、兵役義務
を巡る対立で、方針転換を行なった。同党は、兵役義務を厳格な宗
教派のユダヤ人にも拡大することに、一致して賛成した。アラブ系
の国籍保有者は、今までイスラエルでは兵役義務がなかったが、非
軍事の活動には参加させるべきである、とも主張している。ネタニ
ヤフは、これは「歴史的な一歩」である、と述べた。これより前に
最重要の連立相手である副首相モファスのカディマ党が、連立を離
脱する、と威嚇していた。ネタニヤフとモファスは、一般兵役義務
あるいは代替役務に関する法案を練り上げる委員会を作ることで、
合意していた。超正統派のユダヤ人は、1948年の建国からずっ
と、兵役義務を免れていた。しかし多くのイスラエル人はこれを拒
絶しており、土曜日のは数千人がテル アヴィヴで、例外規定の廃
止を求めてデモを行った。

アサドは権力放棄を再び拒絶

シリア大統領アル・アサドは、あらゆる批判を無視して、大統領職
にとどまっている。彼はドイツ第一テレヴィの番組「世界の鏡」の
独占インタヴューの中で、大統領は「国民の求めから逃げ出して」
はならない、と以前からの発言の要点をまず述べた。彼は米国を非
難して、シリア反乱勢力を支援することで、テロリストの協力者と
なった、と語った。一方国営通信社SANAによれば、シリア軍は数
日間にわたる軍事演習を開始した。地上軍、空軍、海軍が参加し
て、「軍の応戦能力」を試している、とのことである。シリアの人
権活動家によれば、反政府勢力に対する暴力はまだ続いており、少
なくとも11人が殺害された。ただしこの報道を中立の機関が確認し
てはいない。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system