9月3日〜9日のオーストリアのニュース



9月3日(月)

     国外ニュース

文宗派の創設者死亡

70年代と80年代を中心に、自らを救世主と名乗り、統一教会を創
設した男は、宗教指導者の中で最もとらえどころのない人物の一人
であった。92歳の文鮮明は故郷、韓国で死亡した。彼の文宗派は、
特に大量結婚で有名となった。文自身は、これを企業帝国に発展さ
せた。しかし過去数年、この億万長者の周囲は静かになり、彼の宗
派は信徒の減少に悩んでいた。

     国内ニュース

ギリシアのオイロ圏離脱 米国企業は現金取引の意向

ヨーロッパでは一部に密かに、ギリシアがオイロ使用地域から離脱
する可能性があると計算している向きがあるが、米国の企業もそれ
に備えている。「ニュー ヨーク タイムズ」紙によれば、金融機
関メリル リンチ社は、倒壊した場合に備えて、ギリシアに現金を
積んだトラックを送ることを計画している。米国の企業はこのよう
な場合には、一般に現金の使者であり、それによって従業員や取引
相手に支払いを行なう。米国の専門家は、オイロ脱退の発表の理想
的な時期について、頭を悩ませている。




9月4日(火)

     国外ニュース

英国内閣改造 キャメロンの気まぐれな整理

英国首相キャメロンは火曜日に、大規模な整理を行おうとした。ず
っと世論調査で低い評価を受けている彼は、閣僚を大きく取り替え
た。保守党は人材の層が薄いので、大きな驚きはなかった。しかし
いくつかの人事は、いぶかしい気持ちを生んだ。報道界の巨人ルパ
ート マードックの息子、ジェイムズ マードックに近いため、批
判を受けていた報道大臣ハントが新厚生大臣になった。その代わり
に国民に嫌われている大蔵大臣オズボーンは留任した。

     国内ニュース

シュタイアーマルク州は嵐の被害に追加で2千万オイロを受け取る

連邦政府は火曜夕刻に、シュタイアーマルク州に対して、2012年
の嵐の被害を克服し、予防対策を実施するために、追加で2千万オ
イロを支払うと約束した。連邦首相府では、連邦首相ウェルナー 
ファイマン(社会民主党)、副首相ミヒャエル シュピンデレガー
(国民党)、同州首相フランツ フォーフェス(社会民主党)が、
首脳会談を行った。合意には、「例外的な結果」が生じたので、連
帯のための追加の貢献を行ないたい、と記されている。




9月5日(水)

     国外ニュース

EUの値段をつり上げているとの非難をガスプロム社は退ける

EUが反価格統制の手続き取り始めてから、ロシアの巨大エネルギー
企業ガスプロム社は、価格をつり上げているのではないかとの重大
な影響を持つ非難に直面している。最初の反応として同社は、法的
な大枠となる条件を「綿密に」尊重している、との姿勢を取ってい
る。さらに同社は、ロシアの法に基づいて設立されており、「EUの
裁判権の外部」にある、とも述べている。

     国内ニュース

リヒテンシュタイン「BUWOG社書類はオーストリアには渡さない」

元大蔵大臣カール・ハインツ グラサーのリヒテンシュタインの経
済受託者は、最後に優位に立った。1年半に渡る法的な係争のす
え、リヒテンシュタイン公国の最高裁は昨日、連邦住宅供給会社
BUWOG社の、私的な資金の流れに関する最重要書類と見られるも
のは、オーストリアには交付しない、との決定を下した。国内の捜
査陣は、不利な報道にもかかわらず、あえて冷静さを保っている。
リヒテンシュタインの書類がなければ、グラサーに対する訴訟を起
こすのは全く不可能である、との懸念は変わっていない。




9月6日(木)

     国外ニュース

ルフトハンザ社過去最大のスト 多くの便が欠航

ドイツのルフトハンザ社は、客室乗務員は今週2度目となる新たな
ストを行なう。火曜日には数時間、いくつかの空港でストを行っ
た。今回は労働組合UFOは24時間ストを呼びかけた。そのため金
曜日の深夜までは、緊急運航計画を適用し、ルフトハンザ社は3分
の2の便を欠航した。この欠航は同社にとって過去最大で、何千も
の乗客にとって休暇の終わりに大混乱を生んだ。

     国内ニュース

メルケルはファイマンとシュピンデレガーとウィーンで会談

ドイツ連邦首相アンゲラ メルケルは、金曜日にウィーンを訪問
し、連邦首相ウェルナー ファイマンおよび副首相ミヒャエル シ
ュピンデレガーと、オイロ危機に対する今後の対策を話し合う方針
である。ドイツ首相がウィーンを公式訪問するのは、2006年以来
である。この会談では危機克服のなかでの団結が示される、とオー
ストリア政府は事前に発表した。ギリシアが支出削減の義務を守る
期限を延長するかどうかについては、意見が分かれている。ファイ
マンはギリシア政府に時間的な猶予を与える方針であるが、メルケ
ルとシュピンデレガーは、延長には反対である。




9月7日(金)

     国外ニュース

メルケルがウィーン入り 欧州中央銀行をあからさまに批判せず

ヨーロッパ中央銀行が木曜日に、打撃を受けている国の国債を(発
行市場ではなく)流通市場で無制限に購入する、という決定を下し
たことを受け、新たなオイロ使用国の新たな方針転換を行なわれる
と期待されている。ドイツ首相メルケルは、金曜日にウィーンを訪
問し、この措置について控えめに意見を述べ、あからさまな批判は
しなかった。出迎える側の首相ファイマンは共同記者会見で、ヨー
ロッパ中央銀行の決定を、「政治的には前向きに」評価したが、メ
ルケルは国債購入には条件が付けられている、と強調した。彼女
は、共同の対策を取るように強く呼びかけた。

     国内ニュース

兵役義務に関する国民投票の文言が固まる

社会民主党と国民党は金曜日に、兵役義務に関する国民投票の文言
で合意した。二者択一の質問を両党が手短にまとめ、投票に向けて
作られた。オーストリア全土で国民投票が行われるのは、これがそ
もそも初めてである。連立与党が合意できなかった問題について、
実質的に調整が行われる。一方産業界と元副首相ハネス アンドロ
シュ(社会民主党)は、職業軍人による軍の提案を行った。




9月8日(土)

     国外ニュース

早くもオバマの後継者が取りざた

米国民主党の党大会では、政界の大立て者数人が、大統領オバマの
再選に向け全力を挙げている。しかし最も大きな驚きをもたらした
のは、37歳の男であった。彼はジュリアン カストロ、メキシコ系
の出自のサン アントニオ市長で、演説の歳に、若い時のオバマを
思い起こさせた。それ以来彼は、民主党の彗星と目されている。彼
の双子の兄弟も、今まさに政界の要職に飛び込もうとしている。し
かし彼らは重い荷物を2つ背負わなければならない。キューバの元
仇敵と彼らの故郷の州である。

     国内ニュース

ヴェネチア映画祭 審査員特別賞がサイドルに

土曜日午後にヴェネチア映画祭で、オーストリアの演出家ウルリヒ
 サイドルが、彼の「楽園三部作」の第2部「楽園 信頼」で、審
査員特別賞を得た。彼は「とても誇らしい」と述べた。サイドルは
ヴェネチアでは以前、自作の映画で騒ぎを起こしていた。カトリッ
ク組織は彼を「神を冒涜」をしている、と非難した。金獅子賞は韓
国に行った。キム ギドク(金基徳)の「ピエタ」が審査員を最も
納得させた。米国のポール トーマス アンダーソンは、「主人」
で、最優秀演出の銀獅子賞を得た。




9月9日(日)

     国外ニュース

三局アテネ入り 新たな支出削減策に疑問

ギリシアでは、次の大規模な支出削減策がだんだん形になってきて
いる。日曜日には、EU、国際通貨基金、ヨーロッパ中央銀行の三局
が、115億オイロの支出削減に関する最後の細部を話し合うため
に、大蔵大臣ストゥルナラスのところに集まった。この席上三局
は、いくつかの項目について疑問を表明した。特に脱税との戦いに
よる増収は、「不確実」と判断された。

     国内ニュース

消防とダラボスが新たな災害対策を巡って対立

兵役義務に関する対立は、新たな前線い火をつけた。新たに連邦全
体を担当する消防司令官ケルンは、災害対策に市民兵を投入し、
2週間の出動で5千オイロの割増金を得る、という国防省の計画に反
し、これは34万人いる無給の災害対策活動を行なう消防隊員のやる
気をそぐものだ、と述べた。国防省では、この批判を関知していな
い。一方自由党は、ケルンの見解を支持している。



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