12月24日〜31日のオーストリアのニュース



12月24日(月)

     国外ニュース

北朝鮮は韓国の「クリスマスツリー」をののしる

厳重な監視が行われている国境のところに、クリスマスツリーの形
をした明かりがともされた巨大な展示物を韓国が設置したことで、
北朝鮮の興奮が高まっている。国営放送局は、韓国の教会の代表に
よるこの行動を、「不愉快な挑発」と呼んだ。彼らはこの種の「心
理戦」は朝鮮半島における軍事的な衝突につながりかねない、とし
て行わないように警告した。北朝鮮が12月半ばにミサイルを発射し
たことで、国際的な緊張が再び高まった。

     国内ニュース

選挙の年に向けフィッシャーは公平を目標に

連邦大統領ハインツ フィッシャーは、来る選挙の年に向けて、公
平を目標とするよう要請した。政治家の汚職事件が明るみに出たこ
とによる「怒り」に対して、政治は何事かをなさねばならない、と
彼が月曜日のテレヴィ番組の中で促した。また彼は、政治家と各政
党は新年には、国民に「失われた威信」が取り戻せる、と自信をの
ぞかせた。ただし彼は、これは「間もなく始まる特別な選挙の年」
には、簡単なつとめにはならないだろう、と認めた。




12月25日(火)

     国外ニュース

2013年の株式市場 困難はあるが上向き

2012年も危機が大きな話題であったが、株式指標はこの危機からは
ほとんど影響を受けなかった模様で、オーストリアの指数ATXは特
にそうである。ウィーンの基準指数は、約25%値上がりした。恐慌
は収まって、オイロ使用地域に対する新来は回復した、と第1グル
ープとライフファイゼン中央銀行の主席分析官モストベックとマク
シアンはテレヴィ番組で述べた。今年は急激な値上がりはしたもの
の、さらに値上がりする可能性もあり、基本的には「すべて順調」
である、とも彼らは語った。ただし今までと同じほど円滑に進むと
は限らない、とのことである。

     国内ニュース

ウィーンでは亡命希望者は相変わらずヴォティーフ教会に

数人の亡命希望者は、自分たちが置かれている状況に注目を集めよ
うと、ウィーンのヴォティーフ教会にとどまっている。カリタスの
物資供給の宿泊所には、他の難民が入居している。早朝ミサでは、
ちょっとした騒動も起きた。ウィーンのカリタスの責任者ダンダオ
は、ヴォティーフ教会の難民収容所の状況について知ってもらうた
めに、連邦首相ファイマンをクリスマスに招待した。社会民主党党
首である彼はウィーンのカリタス施設での会談では、この要求には
直接に応えなかったが、一般論として、政治は解決に向けて話し合
いに応じる用意がある、との態度を示した。




12月26日(水)

     国外ニュース

米国の予算を巡る議論は最終段階に

米国では短いクリスマス休暇をはさんで、年末を前に激しく戦われ
ている予算を巡る駆け引きの、仲裁が始まる。ワシントンでは交渉
を前に進めるために、大統領オバマは家族の休暇を早めに終了させ
た。木曜日の新たな話し合いが始まることになっている。オバマが
年末までに、議会との間で合意が得られなければ、自動的に大規模
な増税と支出削減が始まる。それを阻止するために、オバマはま
ず、少なくとも「財政の崖」への転落の結果が、少なくとも低額所
得者に及ばないように、小規模な解決を目指すかもしれない。

     国内ニュース

フォアアルルベルク州地方裁判所は裁判官不足

フォアアルルベルク州のフェルトキルヒ地方裁判所では、最新の見
積もりによれば、4人の裁判官が不足している。裁判所長ハインツ
 ビルトシュタインは、少なくとも1人ないし2人の正規定員増が必
要だ、と確信している、と述べた。




12月27日(木)のオーストリアのニュース

     国外ニュース

ラタン タタ インドの穏健派革命家が引退

インドでは、長い守衛の交代式が行なわれる。これは政権交代同様
の大きな意味がある。ラタン タタは20年以上にわたって、インド
最大の企業の主であり、日常で彼のところによらずに通り過ぎるこ
とができるインド人はいないような人物であったが、彼は引退す
る。申し分のない「紳士」である彼は、インド経済に革命をもたら
した。彼は複合企業を作り、茶やコーヒーから、電力を経て製鉄自
動車に至るまで、ほぼあらゆるものを製造し、遅くとも伝統ある商
標ジャガーを購入した時点で、世界的に著名になった。75歳の彼
は、顧問を後継者として準備している。

     国内ニュース

シュトラーヒェは第1位を目標とする

自由党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェは、
2013年国民評議会選挙の目標は、自分の党を最大勢力にすること
だ、と再び強調した。現在は世論調査の数字は悪く、2割を下回る
ところもあるが、彼は相変わらず、連邦首相ウェルナー ファイマ
ン(社会民主党党首)の、「重大な唯一の対立候補」を自認してお
り、世論調査は信用していない、とテレヴィ番組で述べた。また彼
は新たな政治家フランク シュトローナハに対しては、さほど重要
性を認めるつもりがない。彼の組織あるいは未来同盟が、国会議員
を出せるかどうかは、決定的な問題ではなく、彼の政党が社会民主
党との選挙での対決が問題になるだろう、とも語った。




12月27日(金)

     国外ニュース

強姦されたインド人女性は死亡

12月中旬に複数の男によって強姦されたインド人女性が死亡した。
この女性は重傷が原因で死亡した、と手当てをしたシンガポールの
病院が発表した。彼女の状況はこの2日で悪化していた。23歳の彼
女は複数の男により、バスの中で強姦され、殴られ、その後走行中
の車から突き落とされていた。政府はス実遅れでようやく、対応を
取った。数千の似たような事例を代表する23歳の女性の死を受け、
新たに大規模な抗議活動が行われる可能性がある。

     国内ニュース

緑の党「亡命希望者収容所撤去の責任はミクル・ライトナーに」

連邦緑の党広報エーファ グラウィシュニヒは、ヴォティーフ教会
前の難民収容所の撤去の責任は、内務省にあると確信している。社
会民主党と緑の党のウィーン市政府の中には、この件について知っ
ていた人はいなかったと思う、と彼女はテレヴィ番組で述べた。ヴ
ォティーフ教会前の公園にいる亡命希望者は、人間らしい宿泊施設
と働く機会を求めているが、グラウィシュニヒはこれを支援した。
野営地はウィーンの野営に関する規則に違反しているため、警察は
野営地を撤去する責任を持っているが、グラウィシュニヒは、これ
は「隠れ蓑」である、と見なしている。教会の代表はこれより前
に、教会内部では立ち退きは議題になっていない、と強調してい
た。




12月28日(土)のオーストリアのニュース

     国外ニュース

模範的な債務国アイルランドがキプロスに代わってEU議長に

2013年1月1日から、アイルランドがEU評議会議長を引き継ぐ。ア
イルランドがEU評議会議長をつとめるのは7回目であるが、同国に
とって重要な一年になる。不動産危機は、銀行組織にとって重荷と
なっており、同国は巨大な債務の山を抱えているため、EUの救済措
置を得ているが、これは2013年末に切れる。たとえアイルランド
が問題を抱える国の中では模範生として通用していても、経済成長
時代に「ケルトの虎」というあだ名がついた同国にとっては、この
課題はきわめて大きい。

     国内ニュース

フィッシャーは「ガラス張りの財政」に賛成

連邦大統領ハインツ フィッシャーは、ザルツブルク州の投機事件
に関して、「公的資金が使われる」あらゆる場所の「財政をガラス
張り」にするように迫った。彼は「クライネ新聞」のインタヴュー
で、憲法で財政資金の投機的な投資が「実際に禁止される」可能性
があると述べた。フィッシャーは国民評議会選挙の後で、組閣が困
難になる事態に備えており、3党による連立の可能性も否定しなか
った。各州は、財政の自主性が空洞化されるのではないか、との懸
念を持っているが、フィッシャーはこれは誤解に基づいており、重
要なのは、予算の裁量余地を制限することではなく、「権限がある
期間がガラス張りの財政という原則に基づいて、管理しながら監視
をすることができるようにすることである、それが私たちが納税者
に追っている責務である」と述べた。




12月30日(日)

     国外ニュース

冷戦の負の遺産 核兵器が米国の重荷

米国政府は老朽化した核兵器庫を、抜本的に新型のものにする計画
である。景気後退が進み、大統領オバマが武器削減を目標としてい
るにもかかわらず、この計画は1千億ドル単位の金額が必要で、1兆
ドルもあり得ないわけではない。冷戦終結後、この分野は20年にわ
たって放置されていた。老朽化した核弾頭と、放置された施設は、
大きな危険となっている。米国での報道では、この改造はこれ以上
先送りにはできない。一方米国は再び核実験を計画している。

     国内ニュース

難民収容所問題でミクル・ライトナーは亡命者の要求を拒否

内務大臣ミクル・ライトナー(国民党)は、ウィーンのヴォティー
フ教会の難民収容所の状況が悪化しているにもかかわらず、厳しい
態度を変えるつもりはない。彼女は難民の「非現実的な」要求には
応えるつもりはない、とAPA通信に述べた。また直接対話も拒否し
た。ミクル・ライトナーはオーストリアには「十分機能している亡
命制度がある」と見ている。また彼女は、すでに交わした約束があ
ることを指摘し、不十分とされる難民宿泊施設を調査する、と述べ
た。




12月31日(月)

     国外ニュース

米国の予算を巡る対立に展開 火曜までは決断は下されず

米国の予算を巡る暑い対立、いわゆる「財政の崖」に転換が訪れ
た。テレヴィ局CNNによれば、下院では合意が得られる萌しがある
ものの、大晦日にはもはや合意ができず、下院が再び招集されるの
は火曜日になる。これにより米国では形式上、火曜日には、懸念さ
れていた大規模な増税と支出削減が発動しする。これにより米国は
景気後退に陥る可能性があり、世界の経済に重大な影響をもたらす
かもしれない。

     国内ニュース

亡命希望者収容施設をめぐり教会は政府への圧力を強める

大晦日の夜を前に、カトリック教会とプロテスタント教会は、亡命
政策で政府に対する圧力を強めている。ディアコニーとカリタスの
両組織は今日政府に対して、関係者と直接話し合うように求めた
が、内務大臣ヨハナ ミクル・ライトナーはこれを拒否している。
枢機卿クリストフ シェーンボルンは、この通告を数時間後にはっ
きり抵抗する形で繰り返した。彼は日曜夕刻に自ら難民を訪問し
た。彼らは数週間前から自分たちの要求を強調するために、ヴォテ
ィーフ教会に立てこもっている。シェーンボルンは政界に対して、
困窮した人間への配慮は、疑うべからざる核心的な任務である、と
述べた。




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