6月3日〜9日のオーストリアのニュース



6月3日(月)

     国外ニュース

ウィキリークス裁判 マニングは終身刑の可能性

ブラッドリー マニングは、すでに3年以上に拘留されている。イ
ンターネット上の暴露サイト「ウィキリークス」の情報源とされる
彼に対する裁判が、月曜日に始まった。検察側は、上等兵である彼
が、テロ組織網アル カーイダに、秘密文書を手渡す手伝いをした
ことを証明しようとしている。裁判の冒頭では、検察は25歳のマニ
ングが、ウィキリークスの創設者ジュリアン アサンジと直接連絡
を取ったことを自白した、と避難した。マニングに有罪となれば、
終身刑になる可能性がある。

     国内ニュース

洪水は続く ドナウ川沿岸では避難措置

ドナウ川沿岸の住民は、洪水との戦いを続けている。今までオーバ
ーエスターライヒ州とニーダーエスターライヒ州での洪水対策施設
は洪水に持ちこたえた。対策が取られていなかった場所では、数百
人の住民が安全な場所に避難した。特に大きな打撃を受けたのはヴ
ァッハウで、ここでは月曜日の午後にヴァイセンキルヒェンでも
450人が自宅を退去しなければならなかった。ドナウの水位がどれ
ぐらいまで上昇するか、予想するのは困難である。バイエルン州の
重要な水位計測器が故障したためである。




6月4日(火)

     国外ニュース

「軽い」懲罰関税 EUは太陽光発電問題で中国に圧力を強める

EU委員会は中国との太陽光発電を巡る対立で、圧力を強めた。貿易
委員カレル ドゥ グヒュトは火曜日に、太陽光発電装置に対する
暫定的保護関税を課す、と予告した。これは当面わずか11.8%であ
るが、2ヶ月後には47.6%に増やされる。これは中国を交渉の席に
つかせるものであるが、「軽い」保護関税は、EUにとって扱いの難
しい綱渡りである。ドイツを初めとして多くの国は、この措置に反
対している。彼らは中国との厳しい貿易紛争へと発展することを懸
念している。

     国内ニュース

ニーダーエスターライヒ州の水位上昇 ダムは持ちこたえる

オーバーエスターライヒ州では水位はゆっくり下がったが、ニーダ
ーエスターライヒ州に動員された部隊は、安堵することはできな
い。予想に反して火曜日には、ワッハウのドナウ川はまだ最高水位
に達していない。防護設備は増え続ける水の圧力に持ちこたえた。
投入された部隊は不安を追い払いながら、ワッハウのダムを見守っ
ているが、ウィーンおよびニーダーエスターライヒ州東部での水位
は相変わらず上昇を続けている。




6月5日(水)

     国外ニュース

トルコでの抗議活動は拡大 3人目の死者 

トルコでの紛争は3人目の死者を生んだ。トルコでの報道によれ
ば、アンカラ出身の活動家が水曜日、重いけがが原因で死亡した。
政府を批判する抗議活動は、弱まることなく続いており、早期に解
決する見通しはない。政府は、デモ隊に対して警察が強硬な措置を
とることを決定したが、これではまだ十分ではない。デモ隊は警察
署長の解任を求めている。活動家たちは、二大労働組合の連帯の呼
びかけにより、さらに人を集めている。アンカラでは警察は再び、
デモ隊にきわめて厳しい措置をとった。

     国内ニュース

洪水の後片付けには数週間かかる

ニーダーエスターライヒ州東部では、水位が今なお上昇し、情勢は
さらに悪化しているが、洪水に沿われた他の地域では、情勢は若干
改善した。しかし被害者と支援隊にとっては、ようやく正しい作業
が始まったところである。洪水の後片付けの作業は数週間かかる見
通しである。被害の規模が明らかになるには、まだ時間がかかる。




6月6日(木)

     国外ニュース

「テロの脅威からの防御」オバマは電話通話記録事件を擁護

米国政府によって電話通話数百万の記録が集められたのは、「国を
テロの脅威から守る上での重要な武器」である、と木曜日に米国大
統領府は反対意見もある措置を擁護した。この事件が明るみに出た
のは、ある報道がきっかけであった。それによれば、米国の電話会
社ヴェリゾンは数百万の通話情報を秘密情報部NSAに渡さなければ
ならない。同じような契約が他の電話会社との間にもあるものと見
られる。上院の秘密情報部委員会議長ダイアン ファインシュタイ
ンは、すでに7年前からこの計画は進行している、と述べた。

     国内ニュース

政府はゴラン高原からの撤退を「できるだけ早く」行なうと発表

オーストリアの国連兵は、できるだけ早くゴラン高原から故郷に戻
ることになっている。これを木曜日に、副首相ミヒャエル シュピ
ンデレガー(国民党)が、連邦首相ウェルナー ファイマン(社会
民主党)および国防大臣ゲーラルト クルーク(社会民主党)との
共同記者会見で発表した。その他第一陣は数日中にも出国し、遅く
とも4週間語には全員が出国する。情勢が悪化すれば、撤退を数時
間のうちに行なうことも可能である。国連はこの決定に懸念を示し
ており、この作戦はオーストリアを失うことで、国連軍の「大黒
柱」を失うことになる、としている。




6月7日(金)

     国外ニュース

NSA盗聴事件でオバマは批判勢力を叱責

秘密裏に大規模な盗聴計画が秘密情報部NSAによって起こされてい
たことが発覚し、憤慨の声が上がっているが、米国大統領バラック
 オバマは金曜日に、これを収拾しようとした。オバマはこの計画
は、数百万人の米国人の携帯電話情報と、ひょっとすると非米国人
数百万人の携帯電話およびインターネット情報を探り出したもの
だ、として擁護した。彼は批判的な人を叱責し、彼らは「仮定」に
基づいて真実でないことを広めている、と非難し、「完全な安全
も、個人生活の完全な保護」もあり得ない、と述べた。

     国内ニュース

洪水の後には泥との戦い

オーバーエスターライヒ州とニーダーエスターライヒ州では、金曜
日にはようやく水位が下がった。今度は泥との戦いが始まった。
1千5百人の兵士が、ニーダーエスターライヒ州では動員されてい
る。ワッハオの消防署長は、至る所で「極端に多くの泥」がある、
水がゆっくり減少しているのはよい点である、と述べた。一方ティ
ロール州とザルツブルク州では、新たに土石流と地滑りの危険が高
まっている。




6月8日(土)

     国外ニュース

アルジェリアの未来は不透明に 大統領が重病

「アラブの春」は痕跡も残さず、アルジェリアの傍らを通過した。
北アフリカの他の場所では体勢が崩壊したというのに。しかし今マ
グレブの同国の今後も不透明である。大統領アブデラジス ブーテ
フリカは、重病でフランスの病院に入院しており、同国ではすでに
彼以降の時代に向けて準備が進んでいる模様である。しかしどのよ
うになるかは、全く決まっていない。見た目は安定している体制
は、あらゆる至る所でもろくなっている。

     国内ニュース

シュピンデレガー「ゴランからの撤兵は選挙対策ではない」

外務大臣ミヒャエル シュピンデレガー(国民党)は土曜日に、ゴ
ラン高原での国連の平和活動からオーストリアが撤退することを、
改めて擁護した。オーストリアはきな臭い情勢から逃げ出している
のではなく、その前提条件が抜本的に変わったのだ、シリア政府軍
も反政府勢力も、非軍事地域を戦闘地域にしてしまった、と述べ
た。彼の見解によれば、そのため国連は、この任務全体を今後も指
揮できるかどうか、熟考しなければならない。政府は選挙戦の一環
として、国連軍を撤退させている、との非難が上がっているが、シ
ュピンデレガーはこれを退けた。野党は改めて喝采しているが、よ
りによって国民党内部からは批判の声が出ている。




6月9日(日)

     国外ニュース

米国の盗聴問題の情報提供者が姿を現す

米国の秘密情報部によるインターネット情報の監視に関して、先日
暴露の情報源が、匿名を守るのをやめた。英国の新聞「ガーディア
ン」は、29歳の技術者エドワード スノウデンが情報源である、と
明らかにした。彼は過去4年間、米国の秘密情報部NSAで、別の企
業の従業員として活動していた、とのことである。「私はそのよう
なことを行なう社会の中で暮らすつもりはない」と動機を説明し
た。米国政府は現在、彼に対してきわめて厳しい措置をとるつもり
であることを、彼はわきまえており、自分良心を持っているので、
米国官庁の「巨大な監視機構」を、これ以上秘密にしておくことは
できない、とも述べた。

     国内ニュース

ゴランからの撤退でイスラエルはオーストリアを批判

オーストリアはゴラン高原での国連平和活動から部隊を引き上げ
る、と予告したが、イスラエルはこれを喜んでいないと、駐ウィー
ン大使は発表した。しかし最も責任がある人々の間で、この決定に
関する怒りが、明らかになっている。首相ベンヤミン ネタニヤフ
は、オーストリアの態度は、危機の事態にある国際部隊を信頼でき
ないことを示している、と述べた。イスラエルに秘密情報を担当し
ている大臣は、さらにはっきりした態度を取った。




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