6月10日〜16日のオーストリアのニュース



6月10日(月)

     国外ニュース

北アイルランド「G8首脳会談の誤った表面」

世界の大国はおそらく平穏な状態を臨んでいる。来週G8各国の指導
者は、北アイルランドの小都市エニスキレンで会合を開く。ゴルフ
場の豪華ホテルで、米国、英国、ロシア、イタリア、日本、カナ
ダ、ドイツ、フランスの首脳が集まる。大きな安全面の課題を抱
え、周辺から交通を遮断されて、彼らが多くの問題を扱うかどうか
は疑問である。それにもかかわらず、この地域を飾り付けるため
に、当局は2百万ポンドを支出した。数キロ離れた滞在場所では、
特に様々な飾り付けが行なわれた。人のいない飲食店は絵で飾ら
れ、往来が激しくなっているように見える。

     国内ニュース

動物保護裁判 5件の無罪判決が破棄

ウィーン上級州裁判所は、2年前に終了した動物保護裁判の無罪判
決の一部を破棄した。元々は13人いた被告のうち5人は、強要、器
物損壊、動物虐待、検察に対する抵抗のために、もう一度裁判所で
責任を問われることになる。一方「マフィア条項」278条aでの犯
罪組織の結成容疑での裁判で無罪となった。動物業連合会長マルテ
ィン バルッフは、この決定を「民主主義を危険にさらす」と呼ん
た。




6月11日(火)

     国外ニュース

トルコではタクシム広場をめぐり流血の戦闘

警察とデモ隊は、トルコ政府に対する抗議の中心地、イスタンブル
のタクシム広場で衝突したが、これがますます多くの血を流してい
る。火曜日夕刻に警察は、催涙ガスとゴム弾を用いて、数万人の反
政府勢力を広場から追い出した。逆に暴力的な衝突がデモ隊内部で
増加した。トルコ政府の方針は、諸外国の抗議があるにもかかわら
ず、ますます強硬になっている。火曜日には数十人の政府に批判的
な弁護士たちが、テロ容疑で逮捕された。

     国内ニュース

救援隊に支援なし 洪水首脳会談は難問に手を付けない

内務省と社会福祉省が火曜日午後に開いた洪水首脳会談では、政治
的に緊急の課題が決着されないままに終わった。相変わらず、通常
の職務についている自発的な支援者に対する報酬支払いに関する規
則は作られなかった。この分野での労働者と職員の間の不公平も、
そのままに残されている。「経済界は、問題はないと述べた」と消
防署側はあきらめて述べている。年金の加入期間に算入してほし
い、との願いも、「大衆迎合的」であるとして拒否された。




6月12日(水)

     国外ニュース

NSA部長は監視を擁護 「数十件の攻撃を未然に阻止した」

米国秘密情報部NSAの監視活動が引き起こした怒りは、相変わらず
強い。水曜日には暴露があってから初めて、同部長キース アレク
サンダーが姿を現した。彼は米国議会で、この監視計画Prism稼働
中に、米国および外国で、数十件の攻撃を事前に阻止した、と説明
した。その中には、2009年のニュー ヨークの地下鉄攻撃も含ま
れている。新聞報道によれば、暴露した後で地下に潜伏したエドワ
ード スノウデンは、Prismに関する「重大な詳細」を暴露するつ
もりである。

     国内ニュース

電信電話会社裁判で重要証人が発言

オーストリア電信電話会社TAが2004年に、自由党に不正な政党献金
を行なったとされる事件の裁判で、今日証人尋問が続けられる。当
時の同社職員が呼ばれている。最後には元幹部ゲルノート シース
ツラーも発言することになっている。彼は検察に対して、重要証人
としてふるまっている。彼は2004年に、同社の管理部の部長であ
った。検察によれば、彼は自由党の候補者ゲルノート ルンポルト
に対して依頼を行ない、予算を獲得したが、彼はそれが架空取引で
あることを知っていた。また市場調査部長として、本来この委託に
かかわるはずであったシュテファン トウェラサーも召喚される
が、起訴状によれば彼はこの件には関係していない。検察は彼に対
しては、別の事件で横領容疑で裁判を起こしていた。この件では推
定無罪が適用される。




6月13日(木)

     国外ニュース

チェコで大規模な手入れ 謎が深まる

木曜日にチェコ政府に対する大規模な手入れが行なわれ、人目を集
めたが、この前例のない警察の行動の背景に関して、謎は深まって
いる。以前同様、捜査陣が何を捜索し、どのような容疑を掴んでい
るのかはまだ闇の中だからである。政府高官の中で、不透明な任務
の委託、地位のやりとり、汚職が行なわれていたことが言及されて
いる。首相ペトル ネチャスにとって、彼自身はこの疑惑には全く
無関係であるとし、辞任を考えていないと述べてはいるが、事態は
切迫している。

     国内ニュース

銀行券および保証印刷所OeBS賄賂問題 国立銀行副総裁を告訴

ウィーン検察は、国立銀行の銀行券印刷所OeBSの汚職事件で、オ
ーストリア国立銀行副総裁ウォルフガング ドゥハツェクを訴え
た。彼とその他の8人に対して、背任、買収、資金洗浄およびその
他の刑法上の犯罪が問われる。彼らにはそれぞれ最大で10年の拘留
が言い渡される可能性がある。告発によれば、同印刷所は、シリア
とアゼルバイジャンからの委託で1千4百万オイロの賄賂を支払っ
た、とのことである。




6月14日(金)

     国外ニュース

チェコ政権の不祥事 ネチャスは辞任に抵抗

チェコ与党「市民民主党ODS」とその首相ペトル ネチャスは、解
任を求める声にますます絶望的な抵抗を試みている。政権内部の不
祥事の詳細が明らかになればなるほど、弁明が疑わしくなってく
る。国の供給担当者による、同党所属の好ましからざる国会議員
が、平静を保ったことを、ネチャスは日常的な「政治的な協定」で
ある、として正当化した。彼の内閣の閣僚とその愛人とされる人
が、秘密情報部を個人的な復讐のためのスパイ行為に利用した、と
の疑いについては、ネチャスは沈黙を守った。彼が野党の提出した
不信任動議を、政治的に乗り越えることができるかどうかは、きわ
めて疑わしい。

     国内ニュース

自由党はシュトラーヒェを国民評議会選挙の筆頭候補に選ぶ

自由党は今日、リンツ デザイン センターで、連邦同党首ハイン
ツ・クリスティアン シュトラーヒェを、秋の国民評議会選挙に向
けて、筆頭候補に選出する。内容的には同党は、おそらく社会民主
党の方針に追随する方針である。党大会は「自由党と共に公正に」
という標語を掲げて行われる。この党大会の議題に関しては、基軸
となる道議が採決される見通しである。621人の代議員が出席する
予定である。




6月15日(土)

     国外ニュース

警察はイスタンブルの抗議陣営を排除

トルコ警察は2週間前からデモ隊に占拠されているイスタンブルの
ゲズィ公園を急襲した。催涙ガスと放水車を使用して、警察は土曜
日夜、ごく短時間でこの公園から人を排除した。目撃者は、劇的な
状況であって、負傷者数人も発生した。夕方には他の一画や他の都
市でも、衝突が発生した。首相レジェップ タイップ エルドアン
は、デモ隊に本来は日曜日までの最終通告を行っていた。また対立
が終わる見通しはないようである。現在エルドアンの支持者も行進
している。

     国内ニュース

コプフは労組連合を激しく批判

国民党国会会派長カールハインツ コプフは、労働組合連合の会議
が火曜日に開かれるのを前に、労働組合、特に社会民主党労組員会
派FSGを、厳しく批判した。新たな税、休暇延長、時間外労働の賃
上げなどの要求は、「オーストリアの経済および労働状況に対する
全面的な攻撃」である、とフォアアルルベルク州選出の彼は「プレ
ッセ」紙に述べた。




6月16日(日)

     国外ニュース

不祥事を受けチェコ首相は辞任

チェコ首相ペトリ ネチャスは、彼の政権がスパイおよび汚職事件
で、日曜日夜に辞任を発表した。ネチャスはプラハで、「その瞬間
が来た。私はそのために政治的責任すべてを取る」と述べた。この
数時間前には彼は、あらゆる呼びかけにもかかわらず大統領職に留
まる、と挙徴していた。しかし今回の辞任は完全に自由意志で行わ
れたわけではないようだ。火曜日には議会で彼に対する不信任動議
の提出が計画されており、もしそうなれば首相はおそらくそれを乗
り越えることができなかった。

     国内ニュース

社会民主党と国民党が税と最低限の社会保障をめぐり応酬

与党両党は、ますます選挙戦体制を整えている。昨日は社会民主党
と国民党の党中央は、税金と最低限の社会保障を巡って応酬した。
国民党事務長ハネス ラオホは、最低限の社会保障を攻撃し、社会
民主党と緑の党によるウィーン市政府を非難して、社会福祉の乱用
を見ない振りをしている、と述べた。社会民主党の政務次官アンド
レアス シーダーは、同党は「億万長座税」を求め手いる、と強調
した。




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