7月22日〜28日のドイツのニュース



7月22日(月)

シュナイダーハン「ユーロホーク問題は解決可能だった」

国防軍元統合幕僚長ヴォルフガング シュナイダーハンは、無人偵
察機「ユーロ ホーク」の開発では、損害が発生する危険性が当初
から見て取れたことを認めた。彼は一人目の証人として連邦議会の
無人機調査委員会で、全ての関係者がこの問題は解決可能であると
判断していた、と述べた。元国防大臣ルードルフ シャーピング
は、現国防大臣トーマス デ メズィエールを間接的に非難して、
この計画に関して十分に情報を集めていなかった、と述べた。デ 
メズィエールは5月に、大きな問題があるとして、「ユーロ ホー
ク」計画の許可を取り消していた。この時点で、5億オイロ以上が
すでに使われていた。彼は、1年前からこのことを知っていた、と
非難している。

     その他のニュース

税源がさらに潤沢に

連邦と州は今年の上半期に、大幅な税収増を果たした。連邦財務省
の月例報告によれば、最初の6ヶ月の税収は2,770億オイロで、これ
は昨年同期比で3.5%の増加である。労働市場の情勢が引き続き好調
なため、特に所得税が目を引く。被雇用者は1月と6月には、昨年の
同期と比較で、7.2%多い所得税を税務官庁に支払った。

ノルウェイ女性が問題の強姦事件で有罪判決後に再び自由に

アラブ首長国連邦であるノルウェイ女性が恩赦を受けた。彼女は強
姦されたとの告発に基づいて、16ヶ月間の拘留を言い渡されてい
た。24歳の彼女は旅券を取り戻し、同国を出国することができた、
とノルウェイ外相アイデは述べた。この女性は仕事の同僚を強姦容
疑で告発したが、ドバイの裁判所は水曜日に、風紀紊乱で拘留刑を
言い渡していた。この判決は諸外国で怒りを招いていた。

イラクの刑務所を巡る戦いで多くの死者

イラクの刑務所2箇所を蜂起勢力が襲い、治安部隊の20人を含め
40人以上が死亡した。バグダードの法務省公報は、攻撃側はアブ 
グレイブとタジの刑務所から収容者を解放しようとした、と述べ
た。公式発表によれば、戦闘は10時間続いた。政府軍は、戦闘機を
投入してようやく女性を掌握した。釈放された収容者の数に関して
は、情報が錯綜している。攻撃側が「数千人の囚人」が釈放され
た、と述べているが、警察は、逃げ出した7人の囚人は再び逮捕さ
れた、と述べた。




7月23日(火)

米国参謀本部はシリアでの軍事作戦の選択肢を描き出す

米国軍幹部は、シリアへの介入に向け、その構想を発表した。議会
宛の書簡の中で参謀本部長マーティン デンプシーは、偵察および
武器の訓練から、米国の地上軍の派遣に至るまで、5つの選択肢を
説明している。デンプシーは、今後の対処について決断するのは政
治であると強調し、訓練の他に米軍はシリアでは、政府の軍事施設
を遠くから攻撃することができるが、そのためには数百の飛行機と
艦船が必要で、その費用は十億ドルに上る、とも記している。また
彼は、飛行禁止空域と人道物資の輸送路の設置も考えられるとし、
さらに化学兵器の貯蔵庫を監視するために、地上軍を派遣すること
もできる、とも述べた。またデンプシーは、シリアで米軍が活動す
ることによって、急進派が勢力を強める可能性があり、政権の報復
行動も考えられる、と警告した。

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アル カーイダの分派がイラクの収容所急襲の犯行声明

テロ組織網アル カーイダのイラクの分派が、イラクの2箇所の刑
務所を大がかりに急襲したことを認めた。アブ グレイブとタジの
刑務所を日曜日夜に襲撃した際、十数人の看守を殺害し、死刑判決
を受けたもの数名を含め、5百人以上の囚人を釈放していた。数ヶ
月にわたる計画と準備の末、ムジャヒディン旅団が両刑務所を攻撃
した、と「イラクおよびレバントのイスラーム国家組織」が発表し
た。この組織はイラク西部および北部のスンナ派の入植地を、作戦
の基地として利用し、シーア派が中心を占めるイラク政府に対する
流血のテロ戦争を行なっている。

エジプトでは新たな暴動 数人が死亡

エジプトでは新たに流血の暴動が起き、その末死者が報告された。
失脚した大統領ムルシの支持者と反対派が、カイロのタフリール広
場で衝突し、国に近い新聞「アフラム」に医師が述べたところによ
れば、少なくとも3人が死亡した。首都の北の縁にあるカルジュブ
では、別の暴動でデモ隊3人が死亡した。シナイ半島でも暴力の波
は続いている。軍関係の情報によれば、軍事基地などに対する攻撃
で、月曜日には警官1名と民間人1名が死亡した。これらの暴力行為
では、それぞれ数人の負傷者も発生している。月曜日夕刻には、暫
定大統領マンスールがテレヴィ演説の中で、国民に和解するように
呼びかけていた。

ミャンマー大統領は70人ほどの政治犯を釈放

ミャンマーでは大統領テイン セインが、70人の政治犯を釈放する
ように命令した。彼の顧問シュウェは、大統領は彼らのための恩赦
に署名した、数人はすでに自由の身である、と発表した。人権組織
と当局は、東南アジアの同国では最近、100人から150人が政治的
理由から収容所に入れられている、と推測している。顧問の発表に
よれば、恩赦を受けた人の中には、人種的少数派カチンの者も含ま
れている。彼らはミャンマー北部で、社会的および政治的権利を求
めて、戦いを続けている。現在政府は、彼らと停船に関して交渉し
ている。テイン セインは先週、全ての政治犯を年末までに釈放す
る、と約束していた。米国と他の西側国家は、繰り返し政治犯の釈
放を求めていた。




7月24日(水)

エジプト軍最高司令官が路上での抗議活動参加者へ呼びかけ

エジプト軍最高司令官アブデル ファッターフ アル・シシは、間
接的に緊急事態措置として全権を要求した。国営放送を通じて中継
された演説の中で彼は国民に対して、来る金曜日に大規模抗議活動
を行ない、暴力とテロのと戦いでは軍に全権を委ねるよう訴えた。
アル・シシが指揮する軍は大規模抗議活動を受け、7月3日に選挙で
選ばれたイスラーム教徒の大統領モハメド ムルシを解任し、憲法
裁判所長官アドリ マンスールを暫定的に国家元首に指名した。そ
れ以来ムルシの支持者は、彼の解任への抗議を続けている。この際
には繰り返し両者に対して、暴力がふるわれている。ムルシは軍に
よって、告訴されることなく、ある場所に隔離されている。

     その他のニュース

国連の化学兵器の専門家がシリアで意向を打診する話し合い

国連は、シリアでの化学兵器使用に関する報告書を検討するため
に、新たな段階に入った。国連の代表2人が、国連の査察官の立ち
入り許可を取りつけるために、ダマスカス入りした。国連によれ
ば、シリアでの化学兵器による攻撃と見られるものに関して、13の
報告がある。専門家はずっと以前から、大統領アサドが武器庫にか
なりの量の化学兵器を保有している、と見ている。一方アサド政権
は、神経ガスを使用したのは反乱勢力側である、と非難している。
化学兵器計画は1970年代に、イスラエルを威嚇する目的で、エジ
プトとソ連の支援を受けて始まっていた。大量破壊兵器に関する情
報を収集する中立の機関「核の脅威発議」によれば、シリアは90年
代に化学兵器のさらなる開発に、ロシアの支援を受けており、
2005年からはイランからも支援を受けている。

スノウデンはモスクワの空港を出ることが認められる

米国秘密情報部元職員スノウデンは、モスクワのシェレメーチエヴ
ォ空港を出ることが認められた模様である。ロシアでの報道によれ
ば、ロシア入国当局は彼にそのために必要な書類を発行した、亡命
申請を検討する間、彼はロシア国内を移動可能である、とのことで
ある。米国がスノウデンの旅券を無効と宣言したため、彼は6月
23日から、同空港の乗り継ぎ区域に足止めされていた。情報産業の
専門家である彼は、6月上旬にインターネットと電話通信の監視に
関する米国の秘密計画を暴露して、全世界の注目を集めていた。ド
イツでは彼に内部告発賞が与えられた。国際情報公開反汚職機構に
も属している審査員の見方によれば、彼は米国の情報スパイを暴露
したことで、市民としての勇気を証明した。同賞は1999年以降、
2年おきにドイツ科学者同盟VDWおよび反核兵器部弁護士国際連盟
IALANAのドイツ支部によって授与されている。

ソフィアでの抗議活動は騒乱に

ブルガリア政府に対する抗議活動で、デモ隊と警察の間で激しい衝
突が起きた。治安部隊は大量動員をかけ、国会議事堂の一体の封鎖
を解除した。ここで動きが取れなくなっていた百人ほどの閣僚、国
会議員、労働組合員、専門家は、安全な場所に移された。国営放送
によれば、警官2名を含め10人が負傷した。今回の封鎖で人々は、
2013年国家予算の増額に抗議するつもりであった。大統領プレヴ
ネリエフは、これ以上の事態の激化を回避するため、平静を呼びか
けた。汚職、身内びいき、貧困の悪化に対する怒りから、6月中旬
から、毎晩数千人のブルガリア人が路上で抗議をしている。南東ヨ
ーロッパの同国は、保守派の前政権が数ヶ月にわたる講義を受け、
2月に白旗を掲げてから、深刻な政治危機に陥っている。予定を早
めて5月に行なわれた国会議員選挙では、政治的な手詰まり状況が
生まれていた。




7月25日(木)

スペインの列車事故の国をあげての服喪

スペインでの列車事故を受けて、首相マリアーノ ラホイは、3日
間の国を挙げての服喪を命じた。彼はサンティアゴ デ コンポス
テーラ均衡での事故現場で、状況の情報収集を行ない、病院に負傷
者を見舞った。急行列車が北部スペインの巡礼者が訪れる町で、駅
の直前にある大きな湾曲部で脱線したこの事故では、少なくとも
78人が死亡、140人が負傷した。前後の車両がお互いに突っ込み、
完全に破壊された。事故原因は速度の出し過ぎである、と見られて
いた。列車の中には機関誌2人が乗っており、両者ともほとんど無
傷で生存している。警察と鉄道の専門家が、この事件を調査中であ
る。ベルリンでは連邦首相アンゲラ メルケルが驚いたと述べ、犠
牲者の家族に弔意を伝えた。

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チュニジアでは野党の政治家が再び殺害される

チュニジアでは、何者かが野党の政治家を殺害した。政党連合「人
民戦線」の広報は、国会議員ブラヒミがチュニス郊外で射殺され
た、と発表した。彼は憲法制定集会では、左派陣営に属していた。
直後には、内務省前で抗議集会が開かれ、イスラーム教徒の与党ア
ンナフダの事務所が攻撃を受けた。今年初めにチュニジアでは、野
党の政治家ベライドが急進派にアンされたばかりであった。かなり
以前からアラブの春揺籃の地である同国では、緊張が続いていた
が、この後それがさらに強まっていた。そのためアンナフダは、内
閣の選び直しに賛成していた。

トーゴでは国会議員選挙

西アフリカのトーゴでは、国会議員選挙が行なわれる。本来であれ
ば2012年10月に予定されていた投票は、野党の抗議と不参加のた
め、数回にわたって延期されていた。合わせて20の政党から1千
1百人を越える立候補者が、91議席を争う。事前にすでに、違法行
為と偽造投票用紙の噂が流れている。西アフリカ経済共同体
Ecowasとアフリカ連合が、選挙監視団を派遣した。元ドイツの植
民地である同国では、独裁的な支配を行なうニャシンベ一家が、
46年前から権力を握っている。重大な人権侵害が行なわれている、
との報告が繰り返し出ている。約6百万人が住む小国トーゴは、世
界で最も貧しい国の一つと目されている。

人権裁判所「ホドルコフスキー裁判は政治的ではない」との判断

ロシア政府を批判するホドルコフスキーの第一審には、批判の声も
あるが、ヨーロッパ人権裁判所EGMRの推定によれば、政治的な動
機に基づくものではなかった。ストラスブールの同裁判所は、ヨー
ロッパ人権協定18条違反は、2004年から5年にかけての裁判で
は、確認されていない、と決定を下した。ただし裁判官たちは、諸
外国が批判するこの裁判では、いくつかの法律違反が証明された、
と見なしており、2003年から拘留されている石油業界の巨人ホド
ルコフスキーに対して、総額1万オイロの損害賠償をするようにと
命じた。2011年に同裁判所は、彼の逮捕の件で、同様の判断を下
している。ホドルコフスキーは2005年に故郷で、脱税で8年間の拘
留を言い渡されていた。第二審では詐欺容疑で6年間の拘留が言い
渡された。




7月26日(金)

エジプトではムルシの支持派と反対派の対立が改めて強まる

エジプトでは失脚した大統領モハメド ムルシの支持派と反対派の
間で、新たな対決が始まっている。金曜には抗議行動が予定されて
いたが、検察がムルシに対する逮捕命令を発したとの報道で、これ
がさらに激しさを増した。エジプト当局は、ムルシが急進派イスラ
ーム教徒のパレスチナ人運動ハマースに協力している、と非難して
いる。イスラーム教徒兄弟団と並んで、軍も人々に路上でのデモに
参加するように呼びかけた。軍は国民に、連帯感を示す集会を開
き、暴力とテロとの戦いに向けて軍に全権を委ねるように訴えた。
軍は7月上旬に、選挙で選ばれたイスラーム教徒の大統領ムルシ
を、大規模な抗議活動の後に解任した。ムルシはそれに、秘密の場
所に留め置かれている。

     その他のニュース

チュニジアはブラヒミ暗殺後に全面ストに突入

野党の政治家ブラヒミ暗殺後、チュニジアでは多くの人々が、全面
ストの呼びかけに応じた。ヨーロッパの航空会社は、北アフリカの
地中海沿岸の国である同行への便をほぼ全て欠航とした。大統領マ
ルズーキは、国を挙げて一日喪に服するよう命じていた。国会議員
ブラヒミは木曜日にチュニス郊外で、何者かに路上で射殺された。
58歳の彼は、憲法制定集会では、左派の世俗派陣営に属しており、
「国民運動」党を率いていた。犯行の背後には、イスラーム教徒急
進派がいると推定されている。彼らは2月上旬に、野党の指導者ベ
ライドを殺害していた。政府の発表によれば、この2人の野党の政
治家は、同じ武器で殺害されており、主な容疑者は、リビアからの
武器の密輸容疑で行方を追及されているサラフィストである。

シリアの反政府勢力は米国に武器の供給を迫る

シリアの蜂起勢力は、米国に対して早期に武器を供給するよう求め
ている。さもなければ大統領アサド政権が勝利する恐れがある、と
野党の「シリア国民連合」議長ジャルバは、米国外相ケリーとニュ
ー ヨークの国連で会談した後に述べた。政府軍は化学兵器と集束
爆弾を使用している、とも述べた。ケリーは改めて、政治的な解決
を模索するために、国際平和会議を開くことに賛成した。米国政府
は6月に、軍事支援を行うことを約束していた。

近東カトリック教会の指導者がシリアが分断しかねないとの警告

近東のカトリックの高位聖職者が、内戦の国シリアが分裂しないよ
うにと警告した。総主教グレゴリオス3世 ラハムはドイッチェ 
ヴェレのインタヴューで、統一を守ることが重要だ、もし分裂する
ことになれば、アラブ世界だけでなく、ヨーロッパにとってもきわ
めて大きな危機になるが、それは分裂はスンナ派とシーア派などの
宗教組織間の対立を、さらに深めることになるからである、と語っ
た。シリアで暴力が行使されている責任は大統領アサドだけにある
のではない、外部からの武器供給などにより、対立が激化してお
り、死者の数も増加している、と総主教は述べた。また彼は米国、
ロシア、EUに、シリアのために協力して解決を探るように呼びかけ
た。




7月27日(土)

エジプトの抗議活動では犠牲者の数に関して異なる報告

カイロでは土曜日早朝に、イスラーム教徒と治安部隊が衝突し、数
十人が死亡した。失脚した大統領モハメド ムルシのイスラーム教
徒兄弟団の発表によれば、警察の部隊が抗議活動を行なっていた場
所の一端を襲い、少なくとも120人が死亡、およそ4千人が負傷し
た。エジプト厚生省は、死者は21人である、と述べた。ムルシの支
持派と反対派数十万人が金曜日とその夜にかけて、全国の路上で抗
議活動を行なった。移行政権はこれからは、ムルシの支持者のデモ
を禁止する方針である。内務大臣イブラヒムはテレヴィ局「ハヤッ
ト」に、抗議活動は法律の枠内で停止される、と述べ、司法当局が
これに関する決定を下す、と予告した。

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パキスタンで自殺攻撃 再び死者発生

パキスタン北西部のパラチナルにある市場が立つ広場で、2件の襲
撃事件が発生し、その死者は50人に増えた。地方行政部は、金曜日
の自殺攻撃で負傷した数人は、夜になってその傷が元で死亡した、
今までに犠牲者は150人となっている、と発表した。ラマダン期間
中で人通りの多いこの市場で、近隣住民がラマダン明けに備えて買
い物をしていた金曜日夕刻に、2人の攻撃犯が爆死した。パラチナ
ルはクラムの半ば自治的な部族地域にある。アフガニスタンとの国
境の踏破困難な山岳地帯であるこの場所は、テロ組織網アル カー
イダおよびその他の急進派組織が帰還していく場所と見られてい
る。パラチナルの市場は、主としてシーア派が訪れている。

チュニジアでは野党政治家暗殺への抗議活動で死者

チュニジアでは野党の政治家ブラヒミ暗殺に抗議する活動で、1人
が死亡した。通信員の報告によれば、デモ隊が政府の施設に押し寄
せるを阻止しようとした時、この男には催涙ガスの弾薬筒があたっ
た。抗議活動の原因は、野党の指導者ブラヒミが、木曜日に自宅前
で射殺された事件であった。内相ジェドウは、急進派サラフィスト
がこの犯行をひき起こした、と述べた。一方ブラヒミの家族は、与
党アンナフダに属するイスラーム教徒を疑っている。ブラヒミは土
曜日に埋葬されるが、再び大規模抗議活動が予想される。金曜日に
は全面ストライキで、チュニスの公共生活が大幅に麻痺していた。

国連とシリアは化学兵器査察に関して合意

国連はシリアとの間で、化学兵器の査察に関する合意に達した。国
連の情報によれば、シリア内戦でこの種の兵器が使用されたことを
示す証拠を調査することになっている。合意の具体的な内容につい
ては、今のところ何も発表されていない。国連事務総長潘はシリア
に対して、専門家が化学兵器の使用に関する全ての情報を調査する
機会を与えるように求めていた。内戦を戦う両陣営は、化学兵器を
使用しているのは相手側である、とお互いを非難し合っている。




7月28日(日)

エジプトをめぐり諸外国が懸念を表明

エジプトでは最近暴力沙汰が続いているが、これが世界各地で懸念
をひき起こしている。国連事務総長潘基文は、カイロでの流血の凶
行を非難した。彼は移行政府に対して、全てのエジプト人を守るよ
うに訴えた。EU外務委員キャスリーン アシュトンは、暴力行使を
行わないように呼びかけた。失脚した大統領モハメド ムルシの支
持者に対する断固たる措置をとったエジプト治安部隊に対して、米
国は冷静な行動を取るように呼びかけた。エジプト軍の指揮官アブ
デル ファッターフ アル・ジージーと電話で会談した米国国防大
臣チャック ヘイゲルは、暴力的な衝突に関して深い憂慮を持って
いる、と米国政府は発表した。米国外務大臣ジョン ケリーも同様
のことを述べた。カイロの厚生省の最新の発表によれば、土曜日に
72人が死亡した。これに対してイスラーム教徒兄弟団は、死者は
1百人を超えると述べ、警察はムルシ支持者を狙って射殺した、と
非難した。

     その他のニュース

マリで大統領選挙

西アフリカのマリでは日曜日に、昨年3月に軍の反乱が起きてから
初めて、民主的な選挙が行われる。イスラーム教徒の民兵とトゥア
レグ反乱勢力は、政治的な空白を利用し、同国北部を占拠したが、
フランス軍の力を借りて押し返された。新大統領の選出で、元フラ
ンスの植民地である同国は、政治的に新しい出発を切ろうとしてい
る。今回の投票は、和平実現の中で重要な一歩と目されている。有
権者は680万人ほどである。選挙には27人が立候補している。元
首相ケイタと同じく元首相シディベが有力候補と見られている。

カンボジア国会議員選挙には欺瞞の非難が暗い影を投げかける

カンボジアでは、欺瞞が行なわれているとの非難が暗い影を落とす
中、国会議員選挙が行なわれた。およそ960万人の有権者が票を投
じた。123議席をめぐって8つの政党が候補者を立てた。数十年前
から政権を握っている首相フン センが勝利するものと見られてい
る。批判勢力は与党が、有権者名簿の操作、脅迫、票の売買を非難
している。カンボジア王国は、人口1千5百万人の住民を抱え、ア
ジアで最も貧しい国の一つで、繊維などを輸出している。

ブラジルでの世界青年の日が終了

ブラジルでの(カトリック教会の)世界青年の日は日曜日、大ミサ
を開いて終了する。この礼拝はリオ デ ジャネイロのコパカバー
ナ海岸で、教皇フランツィスクスによって祝福された。ここには
3百万人ほどが集まる、と予想される。カトリック教会の長である
彼は、土曜日の夕方の礼拝で若者たちに、公正な社会を作るのに貢
献するよう呼びかけた。教皇は巡礼者たちに、「仲間に加わろう。
君たちはよりよい世界の建設者である」と呼びかけた。6日間の世
界青年の日には、175箇国から訪問者がリオ デ ジャネイロに集
まったが、その中にはドイツからの2千人の巡礼者も含まれてい
る。




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