8月19日〜25日のオーストリアのニュース



8月19日(月)

     国外ニュース

エジプトは米国の外交にとって大失敗

懸念と警告の言葉。これがエジプトでの流血の大惨事に対する米国
の現時点でのほぼ唯一の反応である。外務大臣ジョン ケリーは、
大統領モハメド ムルシの解任と、軍の権力掌握を民主主義の「復
活」であると評し、いらだちをひき起こした。大統領バラック オ
バマは、共同軍事演習を中止しただけであった。しかし全体として
みると、米国の外交政策は効果を挙げていない。米国が年額12億ド
ルの軍事支援を中止すべきである、との声が強まると見通しであ
る。というのは、少なくとも今までは、エジプトは米国外交の頭痛
の種であったからである。

     国内ニュース

350人の医師が患者の情報を売る

ドイツの報道雑誌「シュピーゲル」が週末に、ドイツの薬品情報を
盛んに売り買いしていたらしいことを暴いたことを受け、今度はオ
ーストリアでも問題が浮上している。350人のオーストリアの医師
が、米国のIMSヘルス社に処方箋の情報を売却していたことを、オ
ーストリア公衆衛生業者業界もテレヴィ番組に認めた。医師会に対
する怒りの声が聞こえる。オーストリアの薬局主たちも、医師とは
異なる態度を取っている。




8月20日(火)

     国外ニュース

エジプトの権力争い アラビア諸国は米国の弱腰を利する方針

エジプトでは軍とイスラーム教徒兄弟団が権力をめぐって争い、流
血の事態となっているが、これがますます激しさを増しており、西
側は困惑して眺めている。火曜日午後には、米国政府はエジプト軍
部に対する巨額の支援を凍結した、と報じられたが、米国政府はこ
れを否定した。しかし米国は、水曜日にエジプトに関して協議をお
こなうEU加盟各国の外務大臣同様、資金源を立つと威嚇する可能性
は極めて高い。しかしこの威嚇は今までのところ効果がなく、逆に
サウジ・アラビアやその他のアラブ石油産出国はすでに、エジプト
軍部の優勢を守るため、準備を整えている。

     国内ニュース

患者の情報 同意のない売却は違法

医師たちが患者の情報を米国の企業IMSヘルス社に販売した事件
で、厚生大臣アロイス シュテーガー(社会民主党)が介入した。
患者の情報は守秘義務で守られており、患者のはっきりした同意が
なければ、販売は違法である、と彼は火曜日に述べた。シュテーガ
ーは、医師会に義務がある、とした。一方医師中央連合は、名前が
あたった350人の医師との保険組合契約の解除を検討している。ウ
ィーン医師会は就業禁止を課す、と威嚇した。ただし薬剤師にも疑
惑が持たれる者もいる、と述べた。




8月21日(水)

     国外ニュース

毒ガスによる大量殺戮 国連はシリア査察をめぐり議論

国連安全保障理事会は水曜日夕刻に、緊急会議を開き、ダマスカス
近郊で毒ガスによる1千人を超える死者を出す大量殺戮を、シリア
政府がひき起こしたとされる疑惑の、調査を開始した。米国からト
ルコ、さらにヨーロッパの多くの国々からなる広範囲の陣営が、国
連の査察団による中立の調査を求めている。現在査察団はシリアに
おり、いつでも新たな事態も調査できる、と強調している。しかし
この案件で最終的な権限を持っているのはシリア自身である。

     国内ニュース

無許可の割増金 労働者会議は隠された賃料値上げを批判

選挙戦の最中に、高額な住居の問題が浮かび上がっている。労働者
会議の調査によれば、ウィーンの古い建物を借りる人は2011年に、
およそ2千1百万おりほど多くの賃料を支払った。その原因は、本来
であれば基準価格に基づいて抑制されている家賃に、高い割増金が
課されているためである。期限付きの契約の場合、認められている
値上げは、平均で53%までである。労働者会議は上限を設定し、基
準価格の規則をより透明な形にするよう求めている。




8月22日(木)

     国外ニュース

実習生が死亡 投資銀行での「奴隷的」な扱いの疑い

若いドイツ人が、ロンドンの投資銀行で夏に実習を受けていた期間
中に死亡した件で、銀行業での表向きの状況と実際の状況に関し
て、激しい議論が繰り広げられている。諸外国の報道機関では、
21歳の彼が置かれていた「奴隷的な状態」「狂気の」労働条件、将
来の銀行職員の24時間労働体制などが取り上げられている。しかし
搾取は一つの側面に過ぎない。もう一つの側面は、巨額の金が動く
世界への切符という夢にとって、見かけの自己活用である。

     国内ニュース

緑の党の選挙目標は「若者の中での第一党」

緑の党は国民評議会選挙で、若者の間で「第一位」をめざす。同党
幹部は、木曜日に選挙綱領を発表した際に、これを目標として掲げ
た。環境や再利用可能な電力など、同党の「伝統的な」論題と並ん
で、緑の党は政界の垢落としとしての役割に力を注いでいる。また
同党は、汚職追放の挑戦さえ連立の条件としている。




8月23日(金)

     国外ニュース

英国政府「シリア政府が毒ガス使用の背後にいる」

ダマスカス近郊で毒ガスによる攻撃があったとされる件で、シリア
での戦争は再び外交の中心となっている。英国は金曜日に、この前
の水曜日、ダマスカス近郊で行なわれたとされる毒ガス攻撃は、ア
サド政権が行った事である、との見方を取っているとことを明らか
にした。英国外務大臣ウィリアム ヘイグは金曜日にロンドンで、
これが「唯一の納得のいく説明」である、と述べた。一方米国大統
領バラック オバマは、事態が悪化しているのもかかわらず、今の
ところ軍事攻撃は考えていない、と明言した。国連はこの容疑を検
討できるように、全員が力を合わせている。しかし流血の戦闘は、
弱まることなく続いている。

     国内ニュース

シュトローナハ班選挙綱領「政府に代案を提供することに意欲」

シュトローナハ班は、「職業政治家」抜きのより小さい国民評議会
から、「公正な税」による税制の抜本改革までを求める声まで広い
範囲に応える選挙綱領を掲げて、国民評議会選挙に乗り出す。金曜
日夕刻に党の創立者フランク シュトローナハは、ウィーン王宮で
自分の提案を発表した。比較的小さな綱領は、中心的な要求とし
て、「借金との決別」も含んでいる。シュトローナハ班が、行政で
幾分かの支出削減を強く目指す方針である。共通通貨オイロに関し
ては、全く新しい規則を作り出すことになっている。




8月24日(土)

     国外ニュース

NSA職員は恋人も盗聴

NSA職員は、秘密情報部の盗聴装置を個人的にも利用していた。
「ウォール街通信」紙によれば、同局の職員は、恋人や配偶者も探
っていた。同紙によれば、ただし非合法の照会の件数は限られたも
ので、あらゆる事例で、責任あるものが罰せられた、とのことであ
る。一方新たな暴露により、米国のインターネット大企業フェイス
ブック社、グーグル社、ヤフー社に重大な疑いがかかっている。

     国内ニュース

ファイマンはオーストリアの経済の現状を弁護

連邦首相ウェルナー ファイマン(社会民主党)は、オーストリア
・ズィーメンス社長でIVウィーン会長のウォルフガング ヘースン
と朝食を取りながら会談した後、新聞紙上で、国民党の最新の発表
を批判した。国民党はオーストリアは「疲弊」し、「傷ついて」い
る、と述べていた。また彼は、教育政策で「鳴り物入りの措置」を
取る、と予告した。ファイマンは、「野党はすでにたくさんあり、
今では9党あり、第2党で連立相手の国民党はこの位置を持ち、誇り
を持つことができる」と述べた。彼は、長年にわたって政権の責任
を果たしてきた政党が、国をあしざまに語ることができるのか、理
解できない、オーストリアは競争力に富み、よい状態にある、とも
述べた。




8月25日(日)

     国外ニュース

ドイツの選挙戦は接戦との世論調査

ドイツ連邦議会選挙まで1箇月、与野党のいずれも、はっきりした
多数を握る兆しはない。週末の公表された世論調査によれば、キリ
スト教民主、社会同盟と自由民主党、社会民主党および緑の党並び
に左翼党の間で、手詰まり状態が生まれている。各政党の幹部政治
家は、それぞれの陣営の選挙戦を切迫したものにするよう努力を続
けており、決定的な連立を組む可能性を否定した。ドイツ首相アン
ゲラ メルケル(キリスト教民主同盟)と、緑の党筆頭候補ユルゲ
ン トリティンは、キリスト教民主、社会同盟と緑の党が、9月
22日以降に連立を組む可能性を否定した。自由民主党は、社会民主
党および緑の党については、何ら関知するつもりはない。

     国内ニュース

国民評議会選挙戦の主題としての雇用

有名企業が過去数ヶ月、多くの投資を発表したが、企業倒産が現在
きわめて頻繁であるような印象が生まれている。しかしこれは実態
に即しておらず、単に影響力の大きな例が目立っているだけであ
る。オーストリア経済研究所の専門家ウェルナー ヘルツルは、中
小企業はよい状態にある、とうけあっている。選挙戦に向けて中小
企業は、どの政党を支持する姿勢を示すかなどで、大きな役割を持
っており、政治関係者は国内経済の「大黒柱」に配慮している。し
かし職場の確保が、投票先を決める動機としては最も大きな影響を
与えるのであるが、有権者の間ではこの点では一つの政党に絞るこ
とはほとんどできていない、と政治学者カトリン シュタイナー・
ヘメルレは述べた。




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