1月1日〜5日のドイツのニュース



1月1日(水)

ヴォルゴグラードのテロ攻撃後のプーチン

ヴォルゴグラードの2件のテロ攻撃後、ロシア大統領ウラジミール
 プーチンは、南ロシアの同市を事前の予告なく訪問した。彼はそ
の理由として、テロ組織との戦いについて、地元当局と協議するつ
もりであり、「恐るべき犯罪」を正当化することはできない、と説
明した。月曜日に自殺攻撃犯が路線バスを爆破した場所で、プーチ
ンは道路の赤いバラを捧げた。引き続き彼は、入院中の重症患者を
訪問した。バスとその前にはヴォルゴグラード中央駅を狙った爆弾
攻撃で、合わせて少なくとも34人が死亡、72人が負傷していた。こ
の謀殺のため、黒海の保養地ソチで、5週間後に始まる冬季オリン
ピックの安全に対する不安が増大している。紛争地域北カフカス出
身のイスラーム教徒が、競技を妨害する、と威嚇していた。

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南スーダンの反乱勢力はボル市で優位に立つ

和平交渉の計画を直後に控え、南スーダンの反乱勢力は、戦略上重
要なボル市の支配権を手に入れた。ジョングレイ州の州都である同
市の市長ンヒャルがこれを確認した。政府軍は戦闘勃発後に、「戦
略上の理由から」撤退し、ボルの南3キロの兵営にいる、とのこと
である。元日にはエチオピアの首都アジス アベバで、和平交渉が
行なわれ、両者の代表が出席することになっていた。南スーダンで
は、数週間前から戦闘が激しさを増している。その背景には、大統
領キールと、彼が解任した元大統領代理マシャールの権力争いがあ
る。彼らはお互いに対立する民族組織に属している。今までにすで
に1千人以上が死亡し、20万人ほどが暴力を逃れて避難している。

クロアチア秘密情報部の将軍が逮捕される

ドイツから国際逮捕命令が出され、行方が追及されていたクロアチ
アの元秘密情報部将軍ペルコヴィチが、ザグレブで逮捕された。こ
れは彼の弁護士が確認した。ペルコヴィチには、1983年にバイエル
ンで起きたユーゴスラヴィアの体制批判家ジュレコヴィチの暗殺の
責任がある、とされている。ドイツ政府は、元秘密情報部員ムスタ
シュの引き渡しも求めており、彼も逮捕された、と弁護士は述べて
いる。ペルコヴィチ事件は、クロアチアとEUの関係を深刻に悪化さ
せていた。クロアチア議会は、昨年7月の同国のEU加盟直前に、あ
る法律を可決したが、これは、容疑者が2002年8月までにその行為
を行なった場合には、他のEU加盟国への引き渡しを禁じるものであ
った。これによりヨーロッパでの逮捕命令は、停止された。EUから
は財政支援を削減することを含め、強い圧力でようやくクロアチア
は、この法律を修正し、ペルコヴィチの引き渡し等を可能にした。

北朝鮮から矛盾する方向性が示される

北朝鮮の権力者キム ジョンウンは、国営放送で中継された新年の
演説の中で、相反する方向性を発表した。一方では、もし戦争が始
まったら、韓半島に「今日よくな核災害」をもたらす、と威嚇し、
その場合には米国も安全ではない、と警告した。北朝鮮は小規模で
偶然的な軍事紛争が、大規模な戦争につながりかねない危険な状況
に直面している、とも語った。一方キムは、韓国との関係を改善す
るのが、2014年の目標であると表明し、韓国政府も関係改善に努力
すべきである、と述べた。キムは2年少し前に貧しい共産主義国家
で権力の座について以来、ミサイルと核実験を行なって、韓半島の
緊張を高めていた。




1月2日(木)

難民数百人がイタリアとギリシアの沖合で救助される

イタリアとギリシアの沖合で、新年に救助隊が数百人の難民を救助
した。イタリアの駆逐艦が、ランペドゥサ島沖で、10メートルの長
さの木造船に乗って、たち往生していた233人を捕まえた。イタリ
ア海軍によれば、難民の多くはアフリカ諸国の出身で、パキスタン
からも数人がいた、とのことである。ギリシア湾岸警備隊はエーゲ
海で、帆船に乗って海難に遭った難民85人を夜間に捕まえた。毎年
数千人の難民が、地中海を越えてEUへ到達しようとしている。イタ
リアとギリシアはその主な行き先である。イタリア内務省によれ
ば、イタリアにやってくる難民の数は、2013年だけで4万3千人で、
前年と比べて3倍になっている。

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イスラーム教徒反乱勢力がラマディとファルージャの一部を支配

イスラーム教徒反乱勢力は、イラクの都市ラマディとファルージャ
の一部の支配権を手に入れた。通信員の報告によれば、重武装をし
た多くの男たちが、トラックに乗ってラマディ東部の道路を走り回
り、歌を歌いながら、急進派組織「イラクおよびレヴァントのイス
ラーム教国家ISIL」を賛美した。治安部隊によれば、テロ組織網カ
イーダとつながりを持つ戦闘員たちは、ファルージャの半分も支配
した。イラク政府はこの間に、特殊部隊を同市に派遣し、軍の情報
によれば、蜂起勢力と激しく交戦した。ラマディとファルージャ
は、紛争が続くアンバル州にある。主としてスンナ派が住む西部の
アンバル州では、先週土曜日にはスンナ派の国会議員が逮捕された
ことを受け、最近暴動が始まった。イラクのスンナ派の多くは、シ
ーア派の首相マリキが、スンナ派を差別している、と非難してい
る。

シーア派が住むベイルート南部で激しい爆発

レバノンの首都ベイルートの南部は、激しい爆発に揺れた。シーア
派のヒズブッラーが多く住むこの一画からは、煙が立ち上ってい
る。事件現場では2人の遺体が見つかった。最新情報によれば、少
なくとも5人が死亡した。先週金曜日には、スンナ派派の政治家シ
ャタハがベイルート中心部で、自動車爆弾で死亡していた。スンナ
派陣営の政治家たちは、攻撃を行なったのはヒズブッラーだ、と非
難していた。

南スーダンは2州に緊急事態を宣言

南スーダン和平交渉開始を直後に控え、大当郎キールは同国の一部
に、緊急事態を課した。政府は、非常事態はジョングレイ州とユニ
ティ州に適用される、と発表した。ほぼ2週間にわたる戦闘で、政
府と反乱勢力は、諸外国からの圧力を受け、和平交渉を始める用意
がある、と発表した。両者は交渉代表団を、エチオピアの首都アジ
ス アベバに派遣し、そこでの交渉は木曜日に始まる模様である。
アフリカ連合AUは、内戦を回避するために、制裁を科すと威嚇して
いた。紛争の原因は、大統領キールと元大統領代理マシャールの権
力争いである。2人は生まれたばかりのアフリカの国家で、対立関
係にある民族組織に属している。戦闘では1千人以上が死亡、20万
人が暴力を逃れて避難している。




1月3日(金)

チュニジアでは新憲法をめぐる協議

イスラーム教徒が野党勢力と長い駆け引きを繰り広げた末、チュニ
ジアの憲法制定集会は、新憲法草案に関する競技を開始した。1月
14日の「革命記念日」までに決定される、と同集会議長ムスタファ
 ベン ジャーファルは述べた、とチュニジアの通信社TAPは伝え
ている。217人の代議員のうち3分の2が、この計画に賛成しなけれ
ばならない。これに達しなければ、国民投票が行われる予定であ
る。大統領の権限を巡る対立で、この協議は遅れていた。本来であ
れば2012年10月までに、憲法の文言は提出されるはずであった。移
行議会で主流となっているイスラーム教政党アンナハダは、大統領
の単なる代表としての役割を与えることに賛成しているのに対し、
他の政党の多くは大統領にいくつかの権限を任せるつもりであっ
た。大統領モンセフ マルズーキは、穏健派の政治家と目されてい
る。

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南スーダン和平交渉開始

エチオピアの首都アジス アベバで、数日前から期待が高まってい
た南スーダン和平会議が始まった。報道によれば、政府と反乱勢力
の代表団が、最初は別々に東アフリカ国家連合IGADの代表者たちと
会談した。この交渉は、大統領キールと彼と長年にわたって争い、
以前は代理を務めたマシャールの対立を解消するためのもので、両
者の対立が、12月15日から数百人の死者を出す激しい戦闘を生んで
いた。この間に南スーダンでは、反乱軍部隊が占領したボル市から
さらに2百キロ南にある首都ジュバへと進軍した。米国大使館は、
大使館員をジュバから引き上げる、と予告した。スーダンも国民を
脱出させる方針である。南スーダンは、世界で最も新しい国であ
る。2011年にスーダンから独立し、世界で最も開発が行なわれて
いない国の一つである。

トルコ司法はテロ容疑でデモ参加者36人を訴える

トルコ検察は、昨年夏のゲズィ公園での抗議活動参加者36人を、テ
ロ行為で訴えた。彼らには、テロ組織への参加および危険な物体の
違法所持の容疑が持たれている、と「ヒュリエット」紙は起訴状を
引用して報じている。有罪判決が出た場合には、被告には3年から
58年の拘留が言い渡される可能性がある。デモ隊は6月に、イスタ
ンブル中心部のゲズィ公園での建設計画に抗議して、結成された。
警察の行動で血が流れ、首相エルドアンの強硬な態度のため、この
抗議活動は夏の間に急速に全土に広がり、その際政府に反対するも
のに変わった。

マダガスカルではクーデタ側候補が選挙で勝利

政局が不安であるとの印象が持たれる熱帯の島マダガスカルでは、
大統領選挙の決選投票が行なわれ、元財相ラジャオナリマンピアニ
ナが勝利した。暫定集計によれば、55歳の彼は投票の53.5%を獲得
し、対立候補ジャン ルイを破った。元厚生相のジャン ルイは
46.5%の得票であった、と首都アンタナナリボで選挙委員会が金曜
日に発表した。投票率は50%ほどであった。ラジャオナリマンピア
ニナは、クーデタで大統領となったラジョエリナの部下と、ジャン
 ルイは民主的に選挙された大統領ラベロマナナがわの代表と見ら
れている。2人の元大統領は、現行の選挙法では立候補できない。
およそ8百万人が、12月20日に投票を行なうよう呼びかけられた。




1月4日(土)

カーイダ戦闘員がイラクの都市ファルージャを支配

イラク軍はファルージャ市で、カーイダに近い組織「イラクおよび
シリアのイスラーム教国家ISIS」の戦闘員に対して、砲兵隊を投入
した。砲撃により土曜日に、少なくとも8人が死亡した、部族と当
局の代表が述べた。同国西部の同市にいる医師たちは、負傷者がさ
らに30人いる、と報告した。ファルージャはスンナ派イスラーム教
徒と、シーア派に率いられる同国中央政府に抵抗している部族の戦
闘員の支配下にある。この組織の急進派は木曜日にすでに、ファル
ージャの一部を選挙していた。首都バグダードで政府側の報道機関
は、政府軍は急進派を、彼らが選挙していた警察の派出所から追い
出した、と発表した。しかしその後、政府軍は再びファルージャか
ら撤退し、急進派の戦闘員が再び入り込むことができた。州都ラマ
ディから40キロほどの同市の情勢は、まだ見通せない。政府軍が現
地で金曜日に、地元の急進派指揮官1人と、多くの蜂起勢力を殺し
ていた。

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エジプトでは市街戦で17人が死亡

エジプトの複数の都市で、金曜日の祈祷の後、イスラーム教徒兄弟
団の支持者と、国家権力の支持者の間で改めて暴動が起き、血が流
れた。政権に近い新聞「アフラム」によれば、この暴動で少なくと
も17人が死亡した。デモ隊数十人が負傷した。しばらく前に禁止さ
れたイスラーム教徒兄弟団の支持者約260人が逮捕された。特に激
しい衝突は、首都カイロの一画と郊外から報告されている。ファジ
ュム、アレクサンドリア、イスマイリヤでも市街戦が起きた。イス
ラーム教徒兄弟団の幹部は、1月中旬に予定されている憲法に関す
る国民投票に、抗議するよう呼びかけた。さらにイスラーム教徒た
ちは、彼らの仲間で刺客下大統領ムルシに対する裁判が、来週引き
続き行われることに抵抗している。

ロシアがオリンピックでの抗議を容認

ソチでの冬季オリンピックまで5週間、ロシア大統領プーチンは大
会中のデモ禁止命令を撤回した。プーチンは、デモ活動と抗議の行
進を許可する命令に署名した。ただしこれらの活動は、事前に黒海
岸のソチ市当局に届け出なければならず、抗議活動の場所あるいは
区間については治安部隊が決める。この命令によれば、当局はデモ
への参加者の数を制限することができる。国内秘密情報部FSBは、
すでに修正を示唆していて、オリンピック憲章にふさわしいものに
なるために、修正が必要である、と強調した。ただし批判勢力は、
ロシア政府はオリンピックとその後行われるパラリンピックを、
1月7日から3月21日までの期間、全例のない規模の治安地域を設定
して守っている、と非難している。

バングラデシュでは選挙を前に新たな暴力 死者2名

バングラデシュ国会議員選挙を前に、新たな暴力が発生し、2人が
死亡した。警察は土曜日に、与党アワミ連盟の主要政治家と、その
青年組織の1人が死亡した、と発表した。十数カ所の投票所が、金
曜日以降、最大野党BNPの支持者に放火された、とのことである。
敵対する陣営の暴力行為で、日曜日の投票を前に1百人以上が死亡
した。その背景には首相ハシナとBNP党首カレダ ジアの対立があ
る。彼女たちは、貧しい同国の政治を20年以上にわたって握ってき
た。




1月5日(日)

ケリーは近東対話後に楽観的な見解を示す

米国外務大臣ジョン ケリーは、イスラエル人とパレスチナ人の間
に、和平に関する規則を結べるかどうかについて、集中的な仲介交
渉を行なった後、楽観的な見解を表明した。彼はエルサレムで、両
者が疑念を抱いていることは自覚しているが、残っている意見の相
違を橋渡しし、2つの民族に2つの国家を認める最終的な和平の規則
を成立させられる、と述べた。彼はこの後、会談のためヨルダンと
サウジ・アラビアに向かう。パレスチナ人大統領マハムード アッ
バスとイスラエル首相ベンヤミン ネタニヤフは、「すでに重要で
勇気ある決断を下した」ともケリーは述べた。

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南スーダン停戦移管する直接交渉が日曜日に実施予定

南スーダンの平和的解決を求める議論では、今度は敵対する両陣営
の直接交渉が行われる見通しである。政府と反乱勢力の交渉役は、
エチオピアの首都で会談し、この話し合いは日曜日に始まるかもし
れない、と発表した。南スーダンでは、大統領キールと解任された
副大統領マシャールの舞台の間で、戦闘が続いている。アジス ア
ベバからの情報によれば、この交渉では、停戦の時期等が取り上げ
られ、停戦自体には原則的に両者は賛成した。反乱軍の代表団長ガ
イは、政界の要人の釈放とキールが科した戒厳令の解除が、マシャ
ールの要求である、と繰り返した。

テロリストはシリアで拘束した兵士と反乱勢力を殺害

シリアではイスラーム教徒の戦闘員が、拘束した兵士と穏健な反乱
部隊の家族を殺害した模様である。少なくとも兵士10人と反乱勢力
17人が殺害された、とロンドンに本部がある「シリア人権監視団」
が発表した。さらに同団は、テロ組織「イラクとレヴァントのイス
ラーム教国家ISIL」に属する者とシリアの反乱勢力が、イドリブ州
とアレッポで戦闘を行った、とも伝えた。このテロ組織は、フライ
タン村では、自動車爆弾を破裂させ、反乱勢力を5人殺害した。ま
たテル リファート村近郊も攻撃し、反乱勢力14人が死亡した。こ
のテロ組織と、ほとんど外国人からなる戦闘員たちは、厳密なイス
ラーム教国家をシリアとイラクの国境地帯に建国しようとしてい
る。シリア反乱勢力の中には、カーイダと連合した組織が、大統領
アサドに反対する蜂起を、自分たちの目的実現に悪用している、と
非難している人も多い。

イラク軍はファルージャ奪還の方針 バグダードで新たな謀殺

イラク軍は、イスラーム教徒反乱勢力が制圧したファルージャ市を
奪還するための構成を計画している。「イラク軍はファルージャ大
攻勢に向け、準備している」と政府職員がAFP通信に述べた。軍の
特殊部隊はすでに、同市で活動しているが、住民は当面「テロリス
トを打ち負かすための攻撃」が始まるまでに、同市を去ることがで
きる、とも語った。一方イラクの首都バグダードからは、新たな爆
弾攻撃が報告された。少なくとも14人が死亡したが、その多くはシ
ーア派が多く住むシャーブ地区の住民であった。




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