1月6日〜12日のドイツのニュース



1月6日(月)

メルケルは休暇中にスキーで負傷

連邦首相アンゲラ メルケルは、スイスでの休暇中にスキーのクロ
スカントリーで負傷した。骨盤の周辺を骨折した彼女は、今後3週
間で、いくつかの予定と訪問を中止しなければならなかった、と政
府広報シュテフェン ザイベルトはベルリンで述べた。メルケル
は、サン モリッツ近郊のアンガディーンで、クリスマス休暇を過
ごしていた。彼女は滑落し、激しい内出血をしたと見られる、とザ
イベルトは述べた。彼女はベルリンに戻った後、医師に治療しても
らったが、その際に不完全な骨折を固定してもらい、現在彼女は最
もうまく回復するために、医師の助言に従っている、とのことであ
る。もちろん彼女は仕事を続けているが、それは主として屋内から
で、行動や話す能力は完全である、とも述べた。水曜日に予定され
ていたポーランド訪問、新ルクセンブルク首相グザヴィエ ベッテ
ルの木曜日の歓迎会への参加を取りやめた。

     その他のニュース

自由民主党党首リントナーは党に勇気を与える演説を行なう

自由民主党党首リントナーは年頭に、連邦議会議員を出せなくなっ
た同党に、新たな出発を切ると誓うように求めた。恒例のシュトゥ
ットガルトでの自由党の「三王の日の会議」で、彼は党員に対し
て、9月の選挙での敗北を好機と捕らえるように、と呼びかけた。
彼は自由民主党は親ヨーロッパの方針を維持するが、EUの改革にも
賛成しており、そのためEU委員会の縮小と、ヨーロッパ議会の強化
を求めた。リントナーは、移民の社会への取り組みが不足している
のが、ヨーロッパの中心的な問題の一つである、と指摘した。各国
政府は、この問題に対処するために、議論の席に着かねばならな
い、と述べた。自由民主党は2013年に戦後の歴史の中で初めて、連
邦議会議員を出すことができなかった。

イラク政府は市民に対してファルージャでの抵抗を呼びかける

イラクの都市ファルージャがイスラーム教徒に選挙されたことを受
け、首相マリキは住民と部族の代表に、抵抗するように呼びかけ
た。彼は国営テレヴィで、「ファルージャの住民と部族に」イスラ
ーム教徒を追い出すように求めた。テロ組織網カイーダと連携する
急進派組織「イラクとレヴァントのイスラーム教国家」の戦闘員
は、東部のアンバル州にあるこの町を、数日前から支配下に収めて
いる。同国政府は日曜日に、奪還するために大攻勢をかけると予告
し、そのためにすでに特殊部隊を同市郊外に配備し、さらに部隊を
移動させる、とのことである。隣国イランは、イラクのシーア派組
織に軍事支援を申し入れた。国営通信社Irnaが、イラン参謀本部長
ヘジャシの言葉として伝えたところでは、政府の照会に基づいて、
武装と助言者を提供して、テロ組織網カイーダに対する抵抗を支援
するつもりである。ヘジャシは、イラクは直接軍を派遣することは
求めていない、と述べた。

ドイツ外相は南スーダン内戦の当事者への圧力を増すよう求める

ドイツ外相シュタインマイアーは、南スーダンの紛争の当事者が、
「引き延ばし策」を取っていると非難した。諸外国の圧力を強めな
ければならない、との彼の言葉を同省広報が引用した。大統領キー
ルの支持者と元副大統領マシャールの腹心が、12月に戦闘を行なっ
て、血が流れたことを受け、両者はアフリカ諸国の仲裁の元で、停
戦に向けて努力している。隣国エチオピアで計画された会合は、今
までのところ行なわれていない。米国外相ケリーも、訪問中のイス
ラエルで批判を口にし、有利な立場に立つために、何らかの策略を
用いて、時間を稼ぐことは許されない、と述べた。日曜日には南ス
ーダンの首都ジュバで、あら単線党が起きた。推定によれば、過去
数週間で20万人ほどが国外に追放された。外務省の発表によれば、
ドイツは人道支援に49万5千オイロを用意した。




1月7日(火)

船に積み込まれたシリアの化学兵器の第一陣が国外に

シリアの化学兵器のうち、最初に船に積み込まれた分が、破壊する
ために国がに持ち出された。国連および化学兵器禁止機構OPCWの発
表によれば、港町ラタキアで輸送のためにデンマークの貿易船に積
み込まれた。この船はその後、国際海域に向けて舵を切った。今回
の輸送には、中国、デンマーク、ノルウェイ、ロシアの船が参加し
ている。9月の国連安全保障理事会の決議は、この化学兵器を
2014年半ばまでに完全に破壊するよう定めている。

     その他のニュース

「トルコ政府は数百人の警官を解雇」との報道

汚職事件が明るみに出たトルコでは、政府は警官350人をアンカラ
での勤務か解除した、と報じられている。通信社ドガンによれば、
彼らのうち多くは金融犯罪、密貿易撲滅、組織犯罪対策の幹部職に
あった、とのことである。首相エルドアン率いるイスラーム教に基
づく保守派の政府は、12月中旬から汚職事件に揺らいでいる。捜査
の進展に合わせて、司法は数十人の容疑者を逮捕させたが、その中
には、政界高官およびエルドアン周辺の経営者のが含まれている。
閣僚3人の息子に対しても捜査が行なわれ、エルドアンは内閣改造
を行ない、閣僚を交代させた。エルドアンはこの事件は、自分の政
権を弱体化させるための外国の陰謀である、と述べた。また彼は、
司法はクーデタを試みた、と非難した。これに対して大統領ギュル
は、全容の解明を約束した。

南スーダンの政府と反乱勢力は停戦について話し合い

南スーダンで対立する両勢力は、数日間遅れたが、初めての直接和
平会談を開始した。両者の発表によれば、政府および反乱勢力の代
表は、エチオピアの首都アジス アベバに集まった。話し合いの目
標は当面は停戦である。本来であれば、この交渉は先週始まってい
るはずであったが、議題に関して議論と対立が続いたため、会議は
始まらなかった。紛争の原因は、大統領キールと彼が解任した大統
領代理マシャールの権力争いである。彼らは対立する民族に属して
いる。この戦闘は12月に勃発した。1千人以上が死亡、20万人ほど
が避難している。同国の最重要収入源である石油生産も制約されて
いる。

ソチの治安対策が強化される

ソチ冬季オリンピックが始まるまで1ヶ月、競技施設の近くの安全
対策が再び強化された。今後は車が市外から35万人が住む黒海岸の
同市へ入るのは、特別許可がある場合にのみ認められる。さらにす
でに訪問者と選手の安全を確保する責任を持つ部隊は、大規模に駐
留しているが、これがさらに増強された。先日ヴォルゴグラードで
2件の爆弾事件があり、34人が死亡したため、オリンピックの安全
に対する懸念が持ち上がっていた。イスラーム教徒反乱勢力が、全
力を挙げてこの大会を妨害する、と威嚇していた。2月7日に始まる
冬季オリンピックの安全を確保するために、大統領プーチンは、数
万人の警官と内務省治安部隊をソチに派遣した。プーチンは当初発
表したデモ禁止を、先日緩和したばかりであった。




1月8日(水)

サッカー選手ヒッツルスペルガーが同性愛者であることを公表

サッカーの元ドイツ代表トーマス ヒッツルスペルガーは、同性愛
者であることを公表した。彼は「ツァイト」紙に、この公表によ
り、プロスポーツ選手の間での同性愛に関する議論を前進させた
い、と述べた。同性愛の問題は、サッカー界では今まで「全く無
視」されており、選手を引退した現時点が、そのためのよい時期で
あると感じている、とも語った。最後の数年になってやっと、私は
男とっしょに暮らしたいと言う気持ちが生まれてきた、と31歳の彼
は述べた。かつてVfBシュトゥットガルトとVfLヴォルフスブルクに
所属した彼は、同性愛を主題として取り上げたドイツの有力サッカ
ー選手としては初めての人物である。ヒッツルスペルガーは2008年
からインターネット版「ツァイト」紙に、帰国している。彼は
2004年から10年にかけて、ドイツ代表として52試合に出場した。彼
の同性愛者としての告白は、スポーツ界、社会、政界で大きな賞賛
を得ている。政府広報シュテフェン ザイベルトは、ドイツでは自
分の性的傾向を発表することに不安を持たなくてよい、と述べた。

     その他のニュース

サッカーの世界選手権カタール大会の期日変更にいらだち

事務長ヴァルケは、2022年世界選手権カタール大会の時期について
発言したが、世界サッカー連盟FIFAはこれを修正した。いつ大会が
行われるかは、まだ確定していない、と同連盟は強調した。これよ
り前に事務長ヴァルケはフランスのラジオで、この大会は今までと
は異なり、夏ではなく、高温のため砂漠の国であるカタールでは、
11月中旬から1月中旬の間に行われる、と述べていた。同連盟は、
これはヴァルケの個人的な見解であって、具体的な日程に関して
は、今まで通り全ての関係者と協議する、この大会は8年後に行わ
れるので、急ぐ必要はない、と強調した。22年大会が初めて冬に開
かれるかどうか、今年のブラジル大会前に決まることはない、とも
発表した。

トルコ政府は警察長官たちを再び交代させる

権力をめぐって争っているトルコ政府は、汚職事件をめぐり、少な
くとも15の州の警察長官を交代させた。アンカラ、イズミール、ア
ンタリヤ、ディヤルバキル等の大都市の警察長官などが交代させら
れた、と通信社ドガンは報じている。国内安全を担当する官庁の副
長官も解任され、火曜日夜にこの警察長官たちは解任され、交代さ
せられた。政府関係者の汚職容疑での捜査が行なわれているため、
首相エルドアンは、司法と警察が、国家の中に別の国家を作った、
と非難した。12月末に容疑が明らかになって以来、数千人の警官が
交代させられた。

ムルシ裁判は再び延期

エジプトの失権した大統領ムルシに対する裁判の2日目は、2月1日
に延期された。その理由として、ムルシが悪天候のため、ヘリコプ
ターでカイロの裁判所へ飛べなかったことが挙げられた。ムルシお
よび彼と共に訴えられた14人は、デモ隊殺害容疑で裁判を受けなけ
ればならない。この裁判は11月に始まったが、裁判所内部で騒動が
起きたため中断されていた。ムルシは、自分はまだ同国の正当な大
統領である、と発表した。ムルシが属しているイスラーム教徒兄弟
団は、裁判の期間中裁判所の建物前で、デモを行なう方針である。




1月9日(木)

EUは中央アフリカ共和国へ部隊派遣を計画

外交官筋の情報によれば、中央アフリカ共和国で、キリスト教徒と
イスラーム教徒の間で暴力が行使されているため、EUは部隊の派遣
を検討している。それによれば、加盟28箇国のEU大使は、金曜日に
ブリュッセルで、EU外務委員キャサリーン アシュトンが、各国政
府首脳の委託で練り上げた提案を、初めて協議する。この計画は、
1千人ほどの兵士の派遣が検討されている。第1回の事前の決定は、
1月20日のEU外務大臣会談で下される可能性がある。フランスは現
在、中央アフリカ共和国に、1千6百人の兵士を派遣しており、彼ら
はアフリカの部隊MISCA(中央アフリカ共和国支援国際活動)と協
力して、同国に平和をもたらそうとしている。

     その他のニュース

チュニジア首相が辞任

野党の圧力に屈して、チュニジア首相ラアレイエドは辞任を発表し
た。イスラーム教徒の政治家である彼は、チュニスで記者会見を開
き、大統領マルズーキに公式に辞任届を提出した、と発表した。野
党との交渉で取りまとめた選挙実施計画によれば、首相は権限を無
所属で今まで産業大臣を務めていたジョマーに譲ることになってい
る。ジョマーはその後、移行政権の長として、選挙の準備を行う。
本来であればラアレイエドはは、憲法と選挙法を可決した後、辞職
するつもりであった。彼は今回、労働組合UGTTの要求に屈さざるを
得なかった。

北カフカズでテロ警戒

スタヴロポリ地方で射殺された6人の遺体が発見されたことを受
け、ロシア当局は北カフカズの2つの地域で反テロ作戦を開始し
た。治安当局は、この遺体は4台の自動車の中で見つかった、犠牲
者の中には現地のタクシー運転手も含まれている、と発表した。
2台の車からは、爆弾が見つかり、そのうちの1発は爆発したもの
の、被害はなかったが、その構造は、イスラーム教徒テロリストが
北カフカズで使用したものと似ている、とのことである。スタヴロ
ポリは、2月7日に冬季オリンピックが始まるソチから、270キロほ
ど離れている。北カフカズに神の国を作るために戦っているイスラ
ーム教徒は、あらゆる手段を使ってこの大会を破壊するつもりであ
る、と威嚇していた。

ドイツはシリアの化学兵器破壊に参加

ドイツはシリアの化学兵器は会に参加する方針である。これに関す
る技術的な能力を持っている人は誰も、これに協力するのを拒否し
てはならない、と外相シュタインマイアーはベルリンで述べた。そ
のため連邦政府は、化学兵器が米国の専門家によって公海上で分解
された後に発生する残余物質の一部を、ニーダーザクセン州のムン
スターで、化学大量殺傷物質と廃棄された武器を処理する会社に片
付けさせることを決定した、とも語った。確かな筋の情報によれ
ば、数百トンの化学物質が加水分解される、とのことである、この
物質は、毒性のあるからしガスを安全な構成要素に分解する際に発
生する。国連安全保障理事会の決議に基づいて、シリアの化学兵器
はすべて、今年半ばまでに完全に破壊されることになっている。




1月10日(金)

移民問題で政府はEU委員会に異議を唱える

EU委員会は、ドイツの移民がより容易にハルツIV法の給付を受けら
れるようにするべきだ、との見解を発表したが、ドイツ政府はこれ
に答えた。政府広報シュテフェン ザイベルトは、社会福祉の立法
の実施は、国家の権限である、と述べた。同法によれば、EU加盟国
出身の外国人は、滞在の最初の3ヶ月は、一部の例外はあるもの
の、ハルツIV法に基づく支援を受けらない。3ヶ月経過後も、彼ら
は短時間労働について請求権を得ていない間は、支援金を受けられ
ない。これに対してEU委員会は、この大規模な除外はEU法に合致し
ない、との見解を主張している。これはルクセンブルクのヨーロッ
パ裁判所での手続きに対する、同委員会の態度声明に記されてい
る、と「南ドイツ新聞」は報じている。同裁判所では、ハルツIV法
によるEU加盟国の外国人に対する給付に関するドイツの社会福祉裁
判所の手続きで、いくつかの訴訟が起こされている。

     その他のニュース

シュタインマイアーはギリシアにさらなる支援を約束

外相シュタインマイアーは、オイロ危機の国ギリシアをドイツがさ
らに支援する、と約束した。アテネ訪問中の彼は、ギリシア首相サ
マラスと彼の率いる中道左派政権が、国民の中では評判の悪い改革
の道を、今後も歩み続けるように、と鼓舞した。高額の負債を抱え
る同国は、数年前から深刻な危機にあり、諸外国による財政支援
2千4百億オイロを受け取った。5月のヨーロッパ議会選挙まで4ヶ月
となり、世論調査によれば、中道左派の連立政権はもはや過半数の
支持を受けていない。ギリシアは今年初めから、EU評議会長を務め
ている。この訪問と並行して、ドイツは駐アテネ大使を交代させ
る、との発表があった。ドイツ通信社の情報によれば、今までの大
使ドルトの後任に、ショーフが就任する。アテネのドルトの住まい
は、12月末に襲撃の目標となっていた。何者かが建物に向けて、カ
ラシニコフ自動小銃2丁で発砲した。負傷者は出なかった。

イスラエルはさらに1千4百戸の入植地住宅を建設する方針

イスラエルは占領している西ヨルダンランドと東エルサレムの入植
地に、少なくとも1千4百戸の住まいを建設する方針である、とエル
サレムの建設省が発表した、とイスラエルの報道機関が一致して報
じている。建設計画の発表は、すでに2週間前から予定されてい
た。しかし首相ネタニヤフは、米国外相ケリーが近東和平交渉の仲
裁にむけ、このところ努力していたため、発表を延期していた。パ
レスチナ人はこの建設計画を、和平交渉を妨害する、と非難した。

中央アフリカ大統領と首相が辞任

紛争に揺れる中央アフリカ共和国では、現職大統領と首相が、隣国
からの圧力で辞任した。1年ほども阿恵の反乱勢力の暴動後に権力
を握った暫定大統領ジョトディアと首相チャンガイは辞任した、と
隣国チャドの首都ンジャメナで発表があった。ここでは木曜日か
ら、中部アフリカ諸国経済共同体CEEACの元首たちが、中央アフリ
カ共和国の危機解決について協議している。大統領ボジゼが2013年
3月に、反乱勢力セレカによって解任され、アフリカ中央部の同国
はイスラーム教徒民兵とキリスト教徒民兵の暴力が、激しさを増し
続けている。アフリカ連合の部隊は、平静をもたらすのに失敗した
ため、元植民国フランスが部隊を派遣した。




1月11日(土)

イスラエル元首相シャロンが死去

元イスラエル首相アリエル シャロンは、8年間に昏睡状態にあっ
たが、85歳で死去した。イスラエル大統領シモン ペレスは、シャ
ロンはイスラエル最大の守り手であり、最も重要な立案者のひとり
であると賞賛し、困難な決断を下し、実行に移すにはどのようにす
ればよいかを知っていた、と述べた。元将軍であったシャロンは、
2001年から首相を務めていた。2006年に彼は脳卒中を起こし、それ
以来昏睡状態にあり、人工的に栄養を与えられていた。アリエル 
シャロンは長年にわたり、イスラエル入植運動の宣伝の看板であっ
て、2000年にはエルサレムの神殿の丘を訪問して問題となり、第二
次インティファーダ(蜂起)をひき起こしていた。しかし2005年に
は彼は、イスラエルのガザ地区からの一方的撤退を実行に移した。
そのほか彼は、自らの政党リクード陣営を去り、新たな中道政党カ
ディマを設立した。

     その他のニュース

シリア野党は分裂に抵抗して戦う

シリア野党連合は、国外に亡命している組織がイスタンブルでの会
合で、計画中の大統領アサド政権との和平交渉に参加するかどうか
に、合意できなかったことを受け、分裂しないように戦っている。
イスラーム教徒兄弟団は、分裂を回避するために、シリア国民連合
からの離脱を予告している全ての勢力との対話の可能性を探る、と
発表した。シリア対抗政府の国防相ムスタファは放送局「アラビ
ヤ」に、シリアの反アサド勢力は、価値観の方向性が違っても、シ
リア自由軍に加わることができる、例外は唯一テロ組織「イラクと
レヴァントのイスラーム教国家ISIL」だけである、と述べた。反乱
勢力の中には、過去数ヶ月イスラーム教徒の組織化が拡大してお
り、その中にヌスラ前線が含まれているが、この組織は西側の秘密
情報部が「テロ組織」に分類している。

イエメンではシーア派とスンニ派の停戦が成立

イエメン北部では、(スンニ派の)サラフィー主義者たちが、シー
ア派のホウティ運動と停戦で合意した。イエメン軍は、サーダ州で
の停戦を監視することになっている。この合意は大統領ハジがもた
らしたものである。彼は10月に戦闘が勃発した後、過去数週間で数
回、仲介役を北部に派遣していた。ホウティを中心人物とする反乱
勢力は、イスラーム教シーア派に属している。彼らは、イランの支
援を受けている、との疑いが持たれている。サラフィー主義者たち
は、急進派スンニ派で、紛争ではイエメン政府の側に攻撃を加えて
いた。

CDU/CSUは移民をめぐる議論でEU委員会を激しく批判

移民に対する社会福祉給付を巡る対立で、キリスト教民主、社会同
盟の会派長カオダー(キリスト教民主同盟)は、EU委員会を強く批
判した。失業中のEU加盟国出身の移民が、ハルツIV法に基づく給付
をより容易に受けられるようになれば、「おそらくきわめて多くの
人の波が」ドイツに押し寄せるだろう、と「ビルト」紙に述べた。
EUはこれより前に、おおくのEU加盟国の外国人が、ドイツの社会福
祉制度から全面的に除外されている、と批判していた。キリスト教
社会同盟党首ゼーホーファーは、EU委員会の発言は、「反ヨーロッ
パ勢力の水車小屋に水を与える」ようなものだ、と述べた。キリス
ト教社会同盟は、移民をめぐる議論では、EU内の移動の自由の枠内
で、貧しいEU諸国からドイツの社会福祉制度を得ようと移民してく
る可能性がある、と警告して、議論を行なっていた。EU議会議長シ
ュルツは、「経済週報」誌で、「社会に溶け込まない、あるいは溶
け込むのが困難で、責任を自覚しないで行動している」移民の少数
派との間で問題が生じている「町がいくつかある」ことを認め、こ
の問題を「右派や大衆迎合主義者」に委ねてはならない、と警告し
た。




1月12日(日)

シリア野党は和平会議の約束をさらに先延ばしに

シリアの穏健派野党は、スイスで開かれる予定の和平会議に参加す
るかどうかを、まだ決定していない。パリでのいわゆるシリア国民
友好国会議では、11箇国の外務大臣たちは、出席した野党の代表者
に、はっきりした約束をさせることはできなかった。会議後には、
最終的な決断が下されるのは、1月17日になりそうである、と発表
があった。これに対して、シリアの権力者バシャール アル・アサ
ドが、同国の未来にはいかなる役割も果たすことはない、という点
では意見が一致した。フランス外務省での会議に参加したのは、米
国、ドイツ、フランス、英国、サウジ・アラビア、トルコの外務大
臣である。
和平会議にはシリア政府の代表が、野党の代表と同じ席に着くこと
になっている。この会議は1月22日に、モントルーで始まり、その
後ジュネーヴでより低い代表者での会議が続けられる。

     その他のニュース

イスラエルはシャロンに別れを告げる

元イスラエル首相シャロンの棺は、エルサレムの国会前に運び出さ
れた。大統領ペレスは、ダヴィデの星が描かれた白と青のイスラエ
ル国旗のに包まれた棺の前に、追悼の花輪をそなえた。一般大衆は
夕方まで、国会前の広場でシャロンに最後の栄誉を表した。数百人
の市民は広場にやってきて、行列をしてシャロンに別れを告げた。
シャロンは長い闘病の末、土曜日に85歳で死去した。元軍人で政治
家である彼は、脳卒中で8年間昏睡状態にあった。月曜日には、国
会では公式の葬儀が予定されており、引き続きシャロンはネゲヴ砂
漠にある自分の農場で、軍隊式の栄誉を示して埋葬が行われる。米
国はこの葬儀に副大統領バイデン、ドイツは外相シュタインマイア
ーを代表として送ることになっている。

教皇フランツィスクスは19人の新枢機卿を任命

教皇フランツィスクスは、就任して初めて新枢機卿を任命した。
19人の紫衣を着る人の中には、2012年からヴァティカンの聖省長官
を務めるドイツ人のミュラーも含まれている。新枢機卿のうち16人
は80歳以下であり、これにより教皇選挙で投票権を持っている。他
の3人は80歳を超えている。フランツィスクスはローマでのお告げ
の祈りに引き続いて、枢機卿の名前を発表した。枢機卿の位は2月
22日に授けることになっている。新枢機卿は12箇国、世界各地の出
身である。

ウクライナ人は警察の暴力に抗議

ウクライナの首都キエフでは、野党の政治家ルツェンコに対する警
察の扱いへの抗議から、数万人が路上に繰り出した。親ヨーロッパ
の野党支持者約5万人が、同市中心部の独立広場に集まり、元内相
に対する鑑賞に抗議した。49歳のルツェンコは金曜日の夕方、裁判
所の建物前でのデモで、警察に殴られ、頭部にけがを負い、病院の
集中治療室に運ばれていた。野党の指導者クリチコは、他の野党の
指導者と共に声明を発表し、大統領ヤヌーコヴィチに対して、さら
に抗議するように呼びかけた。ルツェンコはこの間に、集中治療室
から出ることができた。数週間前から続くこの抗議活動のきっかけ
になったのは、11月にヤヌコーヴィチが、EUとの連携協定に署名し
ないことを決断したことであった。




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