2月3日〜9日のドイツのニュース



2月3日(月)

マンデラの遺産は3百万オイロの価値

死去した元南アフリカ大統領でノーベル平和賞受賞者ネルソン マ
ンデラは、総額4千6百万ランド(310万オイロ)の遺産を残した。
150万ランドは家族基金に寄付される、と最高裁判所副長官ディガ
ング モセネケは遺書を開封した際に発表した。遺書によれば、マ
ンデラの9人の協力者はそれぞれ5万ランド、6つの教育施設がそれ
ぞれ10万ランドを受け取る、とのことである。マンデラの政党アフ
リカ国民会議は、元大統領のいくつかの著書の印税を受け取ること
になる。モセネケによれば、マンデラの子供、孫、ひ孫にも、遺産
が贈られると記されている。マンデラは長く苦しい闘病の末、12月
5日にヨハネスブルクで95歳で死去していた。

     その他のニュース

メルケルはNSA盗聴事件で告発される

「ケイアス コンピューター クラブCCC」およびその他の組織
は、NSAの盗聴事件で、連邦大統領メルケルと内閣に対して、禁止
された盗聴活動容疑での告発を行なった。同クラブの弁護士はベル
リンで、この刑事告発は連邦検察に起こしたもので、内相デ メズ
ィエールおよび連邦および各州の秘密情報部長にも向けられてい
る。同クラブと国際人権同盟およびディジタルカーリッジは、連邦
政府と秘密情報部がNSAによる大量盗聴が行なわれた歳に、米国秘
密情報部と密接に協力していた、と非難しており、連邦政府と秘密
情報部は、主として国民の私的生活および秘密領域を侵害し、任務
にある司法の無力化を招いた、と述べた。政府広報ザイベルトは、
態度表明を拒否し、ただドイツでは誰もが刑事告発を起こすことが
できる、とだけ述べた。NSAはメルケルの携帯電話も盗聴してい
た。

シャヴァーンがヴァティカン市国の大使に就任

元連邦教育大臣シャヴァーンが、ヴァティカンのドイツ大使に就任
する。政府広報ザイベルトがこれをベルリンで発表した。現在の大
使シュヴェッペは夏に退職する。デュッセルドルフ大学は1年前
に、58歳のカトリック神学者であるシャヴァーンから、博士論文の
なかで盗作があった容疑で、彼女の博士号を剥奪していた。シャヴ
ァーンはその時大臣を辞任したが、この容疑を否定していた。9月
の連邦議会選挙では、キリスト教民主同盟の政治家である彼女は、
ウルム選挙区で直接選挙により議員となっていた。

モスクワでの人質事件で死者2名 人質は釈放される

モスクワの学校で人質事件が起こり、少なくとも2人、警官1名と教
員1名が殺害された。犯人は逮捕された、とロシア警察は発表し
た。約20人の生徒が犯人に捕らえられたが、無傷で釈放された。通
信社の報道によれば、小銃で武装した犯人は大学生であった。




2月4日(火)

エルドアンはEU加盟の支援を得る方針

トルコ首相レジェップ タイップ エルドアンはベルリンで、トル
コがさらにEU加盟に向けて前進するのに賛成だ、と述べた。彼はま
ずドイツ外交政策境界で演説し、その後ドイツ首相アンゲラ メル
ケルとの共同記者会見で、両者はお互いを必要としており、21世紀
をトルコ抜きで作り上げることは不可能になるだろう、と述べた。
メルケルはトルコがEUの早期に完全に加盟することに関しては、冷
静な態度をとり続けている。彼女は、連邦政府はトルコとの加盟交
渉を、結果を決めない過程であると見ている、と述べた。トルコは
1999年以来、EU加盟候補国である。交渉は2005年から続いている。
先日トルコ政府の警察および司法に対する行動が、EUの批判を呼ん
でいた。汚職容疑で政府に近い筋の操作を行っていた警官および検
察官が、強制的に配置換えとなっていた。エルドアンはこの措置
を、政治の安定に対する攻撃から守ったのだ、と擁護した。外務省
および社会民主党および緑の党の政治家は、事態の解明と首相のは
っきりした意志表示を求めた。

     その他のニュース

シュタインマイアーはウクライナを制裁すると威嚇

外相シュタインマイアーは、ウクライナ政府が野党との対立で、政
治的な解決を今後も拒否するのであれば、その責任を取ることにな
る、と威嚇した。ドイツのテレヴィ局で彼は、情勢が改善しないの
であれば、西側はウクライナ政府に対して、断固たる態度を取り、
政策を科すことを決定しなければならない、ウクライナが火種であ
るのは変わらない、と述べた。また彼は、同国をめぐってロシア政
府と財政的支援を競争することがないように、と警告した。現在EU
と米国は、支援計画に関して議論している。EU外務委員アシュトン
は、火曜日にキエフで両者を、再び仲介する話し合いを計画してい
る。彼女は、新政権への移行を支援し、その後に必要な改革を行な
うのがEUも目標である、とも語った。大統領ヤヌーコヴィチには、
大統領および国会議員選挙を前倒しで実施する用意がある、と彼の
腹心は述べた。大統領はデモ隊に対する軍の動員は断固行なわな
い、との国会議員ミロシュニチェンコの言葉が伝えられた。

米国での報道「カルザイはタリバーンと秘密交渉を行なう」

米国での報道によれば、アフガニスタン大統領カルザイは、急進派
イスラーム教徒タリバーンと、和平協定に関する秘密交渉を行なっ
ている。「ニュー ヨーク タイムズ」紙は、カルザイの広報およ
び西側の政府代表者の言葉として、両者は11月に接触を初め、交渉
の成り行きは前向きのものである、と伝えている。それによればカ
ルザイは、秘密会議開始とほぼ同時に、戦闘部隊撤退後の米兵駐留
に関する両者の間の安全協定計画には、当面は署名しないつもりで
ある、と米国に伝えた、とのことである。タリバーンは、カルザイ
との交渉を行なっている、との報道を否定した。その広報ムジャヒ
ドは、これは噂である、と述べた。タリバーンがカルザイ政権との
交渉を拒否しているのは、政権を米国の手先だと見なしているため
である。

ルワンダでの大衆虐殺に関してパリで最初の裁判

ルワンダでの大衆虐殺から20年、フランスでこの事件の責任者と見
られる一人が、初めて法廷に立つ。元ルワンダ秘密情報部部長シン
ビカングワは、大衆虐殺および人間性に反する犯罪容疑で訴えられ
ている。彼の容疑の中心は、フツ人民兵に武器を供給した点であ
る。54歳の彼はこの容疑を否定している。有罪判決を受けた場合、
彼には終身刑が言い渡される可能性がある。この判決は3月中頃に
出される予定である。今回の裁判はフランスでの司法の開幕日であ
る。フランス政府は当時のフツ人政権に武器を提供し、軍人の訓練
にも関与していたため、諸外国から批判を浴びていた。ルワンダの
大衆虐殺では、1994年に3ヶ月で約80万人が殺され、その多くは、
少数派ツチ人に属していた。国際刑事裁判所はすでに数人の責任者
に有罪判決を言い渡していた。




2月5日(水)

国連は暴行事件でカトリック教会を批判

国連の専門委員会は、ヴァティカンが児童暴行事件を隠蔽した、と
非難した。ジュネーヴで発表された国連児童の権利委員会の報告書
の中には、ヴァティカンはカトリック教会の人物による若者および
少女に対する犯罪の本当の規模を、今なお認めなかった、と記され
ている。同委員会は、教会は被害児童保護に関して、自分たちの評
判を守ろうとしている、と批判した。教会の調査の結果は、それぞ
れの検察当局に引き渡されなければならない、とも記されている。
国連の児童の権利委員会は、国連の児童権利委員会の協定が維持さ
れているか、監視している。この枠組みの中で、ヴァティカンはカ
トリック教会内部での暴行事件に関して、初めて公にそして詳しく
見解を表明し、重大なものも含めて暴行事件があったことを認め
た。

     その他のニュース

バグダードでは新たな襲撃事件で死者

イラクの首都バグダードでは、数件の爆弾攻撃があり、少なくとも
17人が死亡、多数の負傷者が出た。爆弾の一つは、外務省の近くで
破裂した。イラクでは暴力がこのところ、再び大きく増加した。国
連の発表によれば、1月に少なくとも733人が攻撃で死亡した。きっ
かけは、少数派スンニ派が、シーアがは中心のマリキを首相とする
政権にたいして、怒っているためである。多くのスンニ派は、政府
は自分たちを冷遇している、と非難している。

国連はシリアでの児童虐待を弾劾

シリアの内戦では政府と反政府勢力が、子供の重大な虐待を行なっ
ている、と国連は非難している。政府は子供と若者を虐待し、反政
府勢力は武装させて戦わせるために、隣国にある難民収容所にいる
未成年者を新兵として徴募している、と述べている。国連事務総長
パンは、「紛争開始以来シリアの子供たちが受けている悲しみは、
受け入れられない」と述べた。国連がシリアの紛争当事者の児童虐
待を非難するのは初めてであるが、詳しい詳細の多くは報告されて
いない。

マリ増派 フォン デア ライエンはアフリカに飛ぶ

ドイツは西アフリカのマリでの活動を強化する。内閣は水曜日にベ
ルリンで、現地に駐留する国防軍の増強を決定した。連邦議会が賛
成すれば、現地で訓練を行なう兵士の上限が、現在の180人から
250人に増やされる。さらに連邦政府はフランスと協力して、マリ
に対する発展支援を拡大する方針である。国防相フォン デア ラ
イエンは会議後、アフリカ訪問を開始した。そのほか内閣は、年末
に終了する国防軍のアフガニスタンでの活動の最後の延長を可決し
た。現地ではNATOのアフガニスタン保護部隊の一部として、ドイツ
兵3千2百人が活動している。




2月6日(木)

防衛相は国防軍を今後戦闘のために派遣する可能性を否定せず

連邦国防大臣ウルズラ フォン デア ライエンは、将来国防軍を
外国での戦闘に派遣する可能性を否定しない方針である。ヨーロッ
パの同盟国が、支援を切実に必要としていると確信した場合には、
ドイツは責任を自覚している、と彼女は訪問先のマリで述べた。た
だしどんな危機も、軍事的な手段だけでは解決はできない、とも語
った。フォン デア ライエンは西アフリカの危機の国まりを訪問
しているが、これは国防軍のマリ派兵を250人に拡大すると内閣が
決定した翌日であった。現在マリでは、百人ほどの連邦国防軍兵士
が、現地軍工兵の訓練を行なうEUの基地で活動中である。国防軍は
アフリカでの活動拡大など、新たな課題を抱えているが、能力の限
界まで来ているかもしれない、と報じられたが、フォン デア ラ
イエンはこれを否定した。

     その他のニュース

インド訪問中のガオクは国連安全保障理事会の改革を訴える

連邦大統領ガオクは、インド公式訪問中に、国連安全保障理事会改
革に全力を挙げた。ドイツの国家元首である彼はニュー デリーの
ネール大学で、安全保障理事会は1945年の世界ではなく、今日の世
界の現実を反映すべきである、と述べた。改革が最終的に成果を上
げれば、国連の正当性を示す上で重要な兆候である、と述べた。ド
イツとインドは、国連の最高の委員会で常時議席を持つべく努力を
続けている。ガオクはインドに対して、危機を予防するためなど国
際的な議論をより積極的に盛り上げるよう求め、規模が拡大した世
界の中では、全ての人の責任が増えているが、人権が大きく侵害さ
れている場合には、地図上には盲点となる場所はない、とも述べ
た。気候保護に関して彼は、インドの積極的な参加を求めた。

米国はソチ五輪への飛行機がテロの目標になると警告

米国政府はロシアのソチでのオリンピック冬季大会を前に、飛行機
が攻撃される可能性がある、と警告した。米国秘密情報部が得た最
新の知見では、テロリストは歯磨きや化粧品の容器の中に、気づか
れないように爆薬を入れ、飛行機に密かに持ち込み、飛行中にそれ
から爆弾を製造することが可能であると考えることになる、と米国
国土防衛省は警告した。オリンピック開催国ロシアは、飛行機に対
する襲撃に関する米国からの警告を調査する、と約束した。警官、
兵士、秘密情報部の職員約10万人が、オリンピックでは配備され、
選手と訪問者を保護することに名手いる。北カフカズ出身のイスラ
ーム教徒急進派は、黒海岸のソチ近くで行なわれる大会を破壊する
ために、攻撃を行なうと繰り返し威嚇した。

国連はソチ五輪を前に差別と戦うように求める

ソチでの冬季オリンピック開始を直後に控え、ロシアは同性愛者の
差別と民主主義の欠陥のために、批判を受けている。国連事務総長
パンは、ソチでの国際オリンピック委員会で演説し、諸外国は同性
愛者、両性愛者、性転換者に対する攻撃に反対する声を上げなけれ
ばならない、と求めた。これらの人々を排除する逮捕、拘留、差別
的な制約に諸外国は抵抗しなければならない、とロシアでの同性愛
者差別には直接は言及しない形でパンは述べた。夏にモスクワの国
会で可決された法律は、「未成年者に対する非伝統的な性的関係の
宣伝するの」を罰するものである。これにより未成年者がいる公共
の場所で、同性愛に関して肯定的な発言を行なう同性愛者には、罰
金刑場合によっては拘留が行なわれる可能性がある。




2月7日(金)

メルケルは米国の外交官の言葉による非難を批判

連邦首相アンゲラ メルケルは、米国の幹部外交官ヴィクトリア 
ヌーランドの侮辱的な発言を、「全く容認できない」と批判した。
これは政府広報代理クリスティアーネ ヴィルツが発表した。駐キ
エフ米国大使との電話会談の中でヌーランドは、ウクライナ危機に
対するEUの努力に関して、「ファックEU」と述べていた。これがた
とえば、「EUを今時必要とするやつがいるのか」という意味であ
る。一方国連は、ウクライナの内政問題の解決に介入する模様であ
る。米国外務省ヨーロッパ局長であるヌーランドは、野党の政治家
ヴィタリ クリチコを政府には有用でないと思っている、と述べ
た。この会談は密かに録音され、インターネットで公開された。彼
女はEUの同盟国に謝罪したが、後ほど記者会見を開いてこの件につ
いて見解を述べるのを拒否した。「これは外交に関する個人的な雑
談だ」と彼女は述べた。

     その他のニュース

民間人がホムスを退去できるようにする

ロシア外相によれば、シリア政府と反政府勢力は、3日にわたるホ
ムス市停戦に合意した。この間に支援物資が包囲されたホムス市に
運び込まれることになっている。シリア国営放送によれば、激しい
攻防戦が繰り広げられているホムス市旧市街から、退去が始まっ
た。まずは子供、女性、老人が安全なところに移される、と公式の
発表の中で述べられる。政府と野党の代表がジュネーヴで、初めて
の直接会談を1月末に行なったが、両者は同市の人々に人道的な支
援を与えることで合意した。シリア政府は、計画されているジュネ
ーヴ和平会議の第2回会議に出席することを、初めて公式に認め
た。これは国営シリア・アラブ通信社が報じている。第1回の交渉
は、成果なく終了した。次回会議は来る月曜日に、ジュネーヴで始
まることになっている。

ソチ五輪は公式にも開始

南ロシアの都市ソチでは夕刻17時14分(中部ヨーロッパ時間)に、
式典を行って、第22回冬季オリンピックが開会する。87箇国2千9百
人ほどの選手が、2月23日まで金銀銅メダルをめぐって戦う。98の
競技でメダルが贈られる。153人の選手がドイツ代表である。開会
式ではスキー選手ヘフル・リーシュがドイツ国旗を掲げる。開会式
直前には、国際オリンピック委員会議長バッハが、第126回の総会
を終了させることになっている。同委員会の新議長にとっては、
3日間の会議は彼が議長を務める初めての会議である。

ボスニアでは反政府抗議活動で負傷者130人

ボスニア全土では反政府の抗議活動で、130人以上が負傷し、その
うち100人以上が警官である。トゥズラ市では数千人が集会に参加
し、木曜日には暴徒と化していた。デモ隊は、地方政府の本部に押
し寄せようとした。暴徒は窓ガラスを割り、石と照明弾を用いて警
官を攻撃した、と当局は発表した。警察は夜間に催涙ガスを使用し
て、群衆を追い散らした。水曜日から続く抗議活動の原因は、悪い
経済状態と27.5%の失業率である。




2月8日(土)

ホムスの停戦が崩壊 食料品支援は遅れる

シリアでは、包囲されているホムス市で新たな戦闘が起きたため、
飢えに苦しむ人々に対する支援物資の輸送計画と、さらなる退去が
うまくいかない恐れが出ている。停戦合意がはっきり侵害され、ホ
ムス市旧市街は再び榴弾を撃ち込まれた。政府と反政府勢力は、責
任は相手にある、としている。国連は準備した食料品と医療品を運
び込む安全な経路に関して、蜂起勢力と話し合いを行なった。金曜
日には初めて女性、子供、老人などの民間人80人が、包囲された旧
市街からバスで脱出することに成功していた。当局の発表によれ
ば、合わせて2百人ほどの住民を、安全な場所に移すことになって
いる。ホムス市周辺は、ずっと以前から激しい戦闘の場となってい
る。同市は同国の中心部にあり、ダマスカスとアレッポをつなぐ戦
略上重要な高速道路の際にある。

     その他のニュース

キプロス交渉が再開

分断された地中海の島キプロスのトルコ系住民とギリシア系住民
は、交渉の席に戻る方針である。2月11日にトルコ系の代表エログ
ルとギリシア系の代表アナスタシアデスがニコシアに集まる、と国
連が発表した。トルコ政府だけが承認している北キプロス・トルコ
共和国の側からは、政治的な原則と交渉の行程に関して、共同声明
を作成することで合意した、との発表があった。2年前に決裂した
交渉では、1974年から分断状態にあるキプロスの再統一が、長時間
かけて話し合われる。諸外国に承認されているキプロス共和国が、
2012年にEU評議会議長をつとめた時に、トルコ系キプロス人は、国
連の後援を受けての話し合いを一時中断した。深刻な経済および財
政危機のため、交渉の再開は何度も延期されていた。

戦後最悪の暴動がボスニアを揺るがす

ボスニアでは1992年から5年にかけての戦争後、最も激しい暴動が
起き、少なくとも220人が負傷したが、その中には多数の警官が含
まれている。金曜日に暴力的な衝突が起きた後、複数の都市では繰
り返し煙が上がり、安全状況が不確かになっている。首都サラエヴ
ォでは、反政府勢力が大統領府の翼部と地方行政部の本部に放火し
た。トゥズラなど他の都市でも、政府や政党の建物が炎上した。警
察はゴム弾、催涙ガス、発光榴弾を群衆に使用した。危機対策会議
後に政府は、デモ隊に話し合いを呼びかけた。数日前から続くこの
抗議活動のきっかけになったのは、バルカン半島の国であるボスニ
ア・ヘルツェゴヴィナの弱体化した経済、社会福祉の窮状、蔓延す
る汚職である。

国連の報告書「アフガニスタンでは子供の死者が増加」

アフガニスタン戦争で殺されたり負傷した子供の数は、昨年3分の1
増加した。カブールで発表された国連の民間人保護に関する最新の
報告では、2013年にはテロ攻撃あるいは戦闘行為によって、13年前
から続く紛争の中で、最も多くの血が流れた年の1つとなった。と
のことである。2,959人の民間人が死亡し、うち子供は561人、
5,656人が負傷した。これは前年比で14%の増加である、と国連は訴
えている。ドイツ政府は今週、アフガニスタンに関するいわゆる
「前進報告書」の中で、アフガニスタン軍および警察の死者数は、
2013年にはおよぼ4,600人に倍増した、と記していた。




2月9日(日)

スイス人は移民数の制限に賛成

確定した最終集計によれば、スイス国民は国民投票でぎりぎりの多
数が賛成票を投じ、移民を今後は制限することを支持した。この国
民投票を呼びかけたのは、民族主義・保守派のスイス国民党SVPで
あった。スイス政府は、3年以内に関連する法律を成立させるよう
に、求められている。これにより同国政府はEUに、1999年に署名し
た個人の移動の自由に関する協定の修正を迫らなければならない。
移民の制限に関する具体的な数字は、示されていない。国民投票の
文言では、割り当てはスイス全経済の利益を顧慮して決めることに
なっている。

     その他のニュース

国連「ホムスへの食料品輸送は銃撃を受けて停止」

包囲されたシリアのホムス市へ、緊急に必要な支援物資の輸送は、
当面中止となった。国連とシリア赤新月の自動車が土曜日に銃撃を
受け、支援物資は計画された量を旧市街に運び込むことができなか
った、と国連調整官事務所OCHAがジュネーヴで発表した。支援隊は
2台のトラックを置き去りにせざるを得なかった、とのことであ
る。いつ輸送が再開できるかは不明である。旧市街への輸送では土
曜日に、4人の支援隊が銃撃を受けて負傷していた。250包みの食料
品が飢えに苦しむ人々の所に届けられた。ホムスは2012年中頃か
ら、政府軍によって包囲されている。2千5百人が紛争地域に閉じ込
められている。月曜日にはシリア和平会議の2度目の交渉が、ジュ
ネーヴで始まることになっている。

国防軍は間もなくソマリアでの兵士訓練を開始する

報道雑誌「シュピーゲル」の情報では、国防軍はソマリアでも間も
なく兵士の育成を行なう。国防省では、ドイツの兵士が首都モガデ
ィシュでのEU兵士育成活動に参加する計画を具体化している、と同
誌は欠いている。同省広報は、この報道を基本的なところでは確認
した。ただし彼は、まず政治からの命令がまとめらレなければなら
ない、と強調した。「シュピーゲル」誌によれば、兵士の第一陣は
4月にモガディシュでの活動を開始する可能性がある。ドイツは
2013年末まで、ソマリア兵のウガンダでの訓練に参加していた。今
年初めに兵士たちはソマリアへ移されたが、治安が不安定であると
見なされたため、この動員に国防軍は参加していなかった。この評
価は最近変化した。国防相フォン デア ライエンは、国防軍は将
来、もっとアフリカに関与していくことになる、と予告していた。

米国との協定をめぐり外相がカルザイに緊急の訴え

ドイツ外相シュタインマイアーは、アフガニスタンに、外国人兵士
の法的保護に関する米国との協定を、速やかに締結するように要請
した。シュタインマイアーはカブールでの会談で、大統領カルザイ
に対して、交渉で取りまとめた合意に、できるだけ早く署名するよ
うに訴えた。これが、国防軍が戦闘部隊を撤退した後、2014年以降
も、アフガニスタンに訓練担当者を残すための前提条件である、と
語った。カルザイは諸外国からの圧力にもかかわらず、この協定へ
まだ署名していない。現在まだ3千1百人いるドイツ兵を、ヒンドゥ
クシには8百人ほどに減らす計画である。その際にはこの兵士たち
は、アフガニスタン軍を訓練し、助言を与えることになっている。
シュタインマイアーはアフガニスタン北部のマザリシャリフも訪問
したが、ここには国防軍の最大の野営地がある。




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