2月17日〜23日のオーストリアのニュース



2月17日(月)

     国外ニュース

シリアで最も多くの人を殺す武器は飢餓

シリアでは数十万人が十分な食料を持っていない。食糧不足は、内
戦の影響だけではなく、政府が意図的に殺人の武器として使用し
た。数ヶ月前から包囲されているヤルムクやホムス等の都市からの
映像には、多くのやせ細った人と飢えた子供たちが映っている。諸
外国の反応は、再び控えめである。飢餓は化学兵器使用よりも長期
的に壊滅的な影響を持っている。

     国内ニュース

不動産銀行の窮状 緑の党は「国を挙げての連帯」に反対

国民評議会の特別会議は、緊急に国有化された問題のアルペ・アド
リア不動産銀行に関して、きわめて感情的な議論で終わったが、与
党国民党と社会民主党は、調査委員会設置動議を、予想通り否決し
た。ただしこの委員会は国民党が求めている「国を挙げての連帯」
に賛成するための条件として、緑の党が上げているものであった。
緑の党党首エーファ グラウィシュニヒは直後に、一連の特別会談
を召集したい、と予告した。




2月18日(火)

     国外ニュース

暴力が激化 警察はキエフの抗議野営地を排除

キエフ中心部の独立広場の状況は、激しさを増している。「反テロ
動員」の一環として反政府勢力は野営地から排除するために、治安
部隊は放水車を投入している。ただしデモ隊は、すでにこの突撃に
対して準備をしており、花火とガソリン爆弾で対抗した。抗議陣営
のテント村の一部と封鎖の一部が炎上し、爆発音が聞かれた。これ
より前には衝突が起きており、数人が死亡し、負傷者が多数発生し
た。野党の政治家ヴィタリ クリチコは、大統領プーチン ヤヌコ
ーヴィチと話し合う方針である。

     国内ニュース

財相「不動産銀行問題の異議申し立ては神の手の上にある」

アルペ・アドリア不動産銀行の緊急国有化に異議を申し立てる可能
性は、まだ未決定である。財務省では何人かの専門家が、バイエル
ン州立銀行との法的係争に活可能性があるかどうか、検討してい
る。バイエルン州による詐欺が証明されるのが、その前提条件にな
るだろう。財務大臣ミヒャエル シュピンデレガー(国民党)は月
曜日に議会で、これを検討すると示唆したが、懐疑的な態度を示し
た。年末までに政府は、そのような手段をとるかどうか、決定しな
ければならない。そしてそうなれば、「外海で」のような「裁判
所」で、「神の手」の上にのせられることになる。




2月19日(水)

     国外ニュース

ウクライナでは暴力行使の中止で合意が成立した模様

暴力が激化したことを受け、ウクライナ政府と野党は予想に反し
て、停戦に合意した。両者が水曜夕刻にキエフでこれを発表した。
治安部隊が中心部の独立広場を襲ったことは、現在の所議論されて
いない、と野党の指導者アルセニ ヤツェニュクとヴィタリ クリ
チコは大統領ヴィクトル ヤヌコーヴィチとの会談後にこれを発表
した。一方抗議活動は水曜日も続いている。EUと米国からは、さら
に制裁が科される可能性がある。

     国内ニュース

不動産銀行問題でリーブシャーは政治の「怠慢」と発言

不動産銀行特別対策班の班長クラオス リーブシャーによれば、ケ
ルンテン州のアルペ・アドリア不動産銀行が2009年に緊急に国有化
されたことで、おそらくより悪い事態が回避されたのは間違いな
い。しかし、「一連の困難な資産差し押さえ」があるのだから、巨
額の費用がかかる問題を解決することが重要であり、その額は現在
見積もるのは困難であるのも間違いない、とも語った。リープシャ
ーは、政府側は破産の可能性を否定しないとしていることを、「無
責任」である、と評した。さらに彼は、「政治の怠慢」の身代わり
の山羊にさせたくない、とも述べた。




2月20日(木)

     国外ニュース

流血の事態が悪化 ウクライナは「反テロ出動」を終了

衝突で60人ほどの死者が出たことを受け、ウクライナ政府は同国の
「反テロ出動」を終えることを中止した。テレヴィの生放送で公表
されたところでは、すべての部隊が兵舎に帰還するよう命じられ
た。水曜日には停戦に合意されたにもかかわらず、これより前には
市街生徒なり、多くの血が流れた。首都キエフ中心部の独立広場で
は、デモ隊と治安部隊が相互に実弾を使用した。

     国内ニュース

フィッチ社はオーストリアの国債の評価を引き下げると威嚇

米国の格付け会社フィッチ社は、オーストリアの国債の評価を改め
る。緊急に国有化された経営危機の銀行アルペ・アドリア不動産銀
行をめぐる巨額の歳入不足のため、格付けの報告は緊迫感を持って
見守られている。通信社ブルームバーグによれば、フィッチはオー
ストリア国債の信頼性の展望を「下向きに」引き下げる。その理由
はアルペ・アドリア不動産銀行の処理の負担が、国の負債をおそら
く大きく増やす可能性が高い、というものである、と同通信社は状
況に詳しい人の話として引用している。フィッチ社広報は、これに
ついて何も発表しようとしなかった。オーストリアはフィッチ社か
らは、今まで安定した展望をもつ最高の評価AAAを受けている。AAA
は最高の評価であるが、すでに悪い展望となっている。ムーディー
ズ社でも同様である。格付け会社のスタンダード&プアーズ社はオ
ーストリアに2年前の1月に、AAAを剥奪し、安定しているを意味す
るAA+とした。




2月21日(金)

     国外ニュース

ウクライナ改革案 ティモシェンコは拘留を解かれる

ここ数日で80人の死者を出した激しい争乱の末、金曜日にはウクラ
イナ情勢は、再び大きく転換した。ただし今回は政治の場面でであ
る。問題の大統領ヴィクトル ヤヌコーヴィチが、今年中に大統領
選挙を行うことに賛成したことを受け野党と政府は、政治危機解決
のための協定に署名した。憲法改正が行なわれると発表され、内務
大臣ヴィタリ サシャルチェンコは退任することになった。さらに
新たな展望をもたらす象徴的な前進もあった。国会は拘留されてい
た元首相ユーリア ティモシェンコの釈放に向け、方針を転換し
た。それにもかかわらず、路上に出た人々の声は熱さを増した。

     国内ニュース

不動産銀行問題の特別対策班長リーブシャーは辞任

経営が悪化したアルペ・アドリア不動産銀行の事後処理で、オース
トリアは、同銀行監査役会と同銀特別対策班長クラオス リープシ
ャーの判断を今後は当てにすることはできない。リーブシャーは意
見の対立があることを理由に、責任を取って辞職する。元国立銀行
総裁に対する批判は、最近ますます強くなっていた。オーストリア
国立銀行の現総裁エーワルト ノウォトニーが、リーブシャーの後
継者となることになっている。




2月22日(土)

     国外ニュース

ティモシェンコはキエフで「最後まで戦え」とよびかけ

ウクライナ野党の政治家ユーリア ティモシェンコは、キエフのマ
イダン(独立広場)で、釈放されて僅か数時間後に、10万人ほどを
前に、さらに戦いを続けるよう呼びかけた。蜂起が始まってから亡
くなった80人を越える人々を追悼したティモシェンコは、「最後ま
で戦え」と述べた。「あなた方は新しい国に仕えた」とも述べた。
彼女は強く感情に訴える演説で、国会が5月25日に予定している大
統領選挙に向けて、周囲の人に対する選挙演説で立場を打ち出し
た。これより前に土曜日に、事態が大展開し、大統領ヴィクトル 
ヤヌコーヴィチは事実上権力を奪われた。

     国内ニュース

ノウォトニーは不動産銀行問題の「期限が迫っている」と述べる

国立銀行総裁エーワルト ノウォトニーは、不動産銀行緊急対策班
の班長の職をクラオス リーブシャーから引き継ぐ。リーブシャー
は、政府との意見が対立したため、金曜日に辞任していた。ノウォ
トニーは、この辞任に理解を示し、不動産銀行の危機管理に関し
て、早急に決定を下すよう迫っている。「時間は切迫している。私
たちは、諸外国からの監視を受けている」とも述べた。国立銀行は
不動産銀行事件で、「重大な手抜かり」をした、との疑いを否定し
ている。彼はテレヴィ番組のインタヴューで、不動産銀行事件を再
検討するために、諸外国が評議員を出す賢人評議会を支持した。




2月23日(日)

     国外ニュース

ウクライナは「ほぼ倒産状態」 移行政権は危険な綱渡り

週末には全てのことが急速に進展した。大統領ヴィクトル ヤヌコ
ーヴィチは解任され、野党、特に拘留を解かれたユーリア ティモ
シェンコの政党が、ウクライナの最重要職を引き受けた。ただしこ
れは、ウクライナを重大な試練に立たせる危険な綱渡りである。日
曜日に暫定大統領に指名されたアレクサンダー トゥルチノフは、
夕方のテレヴィ演説の中で、曲芸を披露した。彼は親西側路線を取
る、と予告したが、同時にロシアとの関係の重要性を強調した。遅
くとも火曜日までに、新政権が成立することになっている。これは
急いで行わなければならない。トゥルチノフによれば、ウクライナ
は「支払い不能の瀬戸際」にある。

     国内ニュース

不動産銀行の処理 州首相はケルンテン州「抹消」を警告

ケルンテン州首相ペーター カイザー(社会民主党)は、大きな負
債を抱えるアルペ・アドリア不動産銀行の事後処理へ、ケルンテン
州が積極的に貢献することがあり得る、と述べた。彼は日曜日のテ
レヴィ番組で、それについて話し合うことはできるが、それは現時
点ではない、と述べた。カイザーはまず、「実際の損失合計」を知
る方針であり、「犯罪的な側面」も無視するべきではない、と述べ
た。また彼は、追加の支払をすると、ケルンテン州を廃墟にする可
能性がある、と警告し、「一つの州を抹消する」ことは目標となり
得ない、とも語った。




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