７月２１日〜２７日のオーストリアのニュース
７月２１日（月）
国外ニュース
MH17便墜落 国連安保理は残骸に近づくことを求める
国連安全保障理事会は月曜夕刻に、直前に招集した会議で、旅客機
MH17便が東ウクライナ上空で撃墜されたことに関する決議を、全会
一致で可決した。オーストラリアが提出した決議案は、墜落現場へ
の立ち入りを含め、「包括的、徹底的、かつ独立の調査」を要請し
た。事前には、自らも案を提出していたロシアが賛成するかどうか
疑問であったが、最終的には共同で練り上げた決議案の文書を受け
入れた。この間に犠牲者は身元特定のために、列車で3百キロ離れ
たハルキウに運ばれた。
国内ニュース
美術史美術館はアルチンボルドを新発見
イタリアの画家ジュゼッペ アルチンボルドは、花、果物、動物で
描いた自画像で有名である。今回（ウィーンの）美術史美術館KHM
で初めて2つの作品が見られる。この絵では女神フローラが華麗
に、そしてエロティックに描かれている。この絵は1589年に描か
れ、フローラはニンフおよび女神として描かれている。彼女は風神
ゼフィロスにはらまされて、全世界に花を咲かせている。この絵は
当時の詩人に、熱狂的に支持され、描かれ、歌われ、賞賛された。
「こうした詩の一つは、女神フローラを、実在の女性フローラと取
り違えるのが、どれほど困難であったのかを歌っている。この詩が
歌われため、芸術家アルチンボルドは、もう一人のフローラを描く
気になった」と同美術館絵画館館長シルヴィア フェリーノは述べ
ている。
７月２２日（火）
国外ニュース
「服喪の日」オランダにMH17便の犠牲者第一陣が到着
298人を載せたマレーシア航空の旅客機が撃墜されたとされる事件
から6日、水曜日午後に墜落の犠牲者の第一陣がオランダに帰って
くることになっている。アイントホーフェン空港では、犠牲者の遺
体が、家族、オランダ国王夫妻、首相マルク ルッテの出迎えを受
ける。またオランダ政府は水曜日を、国を挙げての服喪の日と宣言
した。
国内ニュース
アカデミカー舞踏会 ヨーゼフ S.に有罪判決
公判の3日目、ヨーゼフ S. の裁判が終了した。火曜日午後に裁判
官トーマス シュプライツァーは、裁判員評議会の判決を言い渡し
た。このドイツ人の学生は、全ての起訴理由で有罪とされ、12ヶ月
の拘留で、うち8ヶ月は釈放なしの有罪判決であった。この際検察
は、訴訟理由の中で最後まで、唯一の証人の証言にのみ支えられて
いた。
７月２３日（水）
国外ニュース
大幅な欠航 飛行禁止でイスラエルに対する批判は強まる
テル アヴィヴ近郊のベン グリオン空港は人気がほとんどなく、
これはすぐには変わりそうにない。米国航空当局FAAは水曜日、飛
行禁止を24時間延長し、多くの定期便が安全上の理由で、木曜日の
イスラエル便も欠航とした。イスラエルの政界はこれに抗議してい
る。ベン グリオン空港は、イスラエルの「世界への扉」と目され
ているからである。この欠航で被害を受けているのは、観光業だけ
ではない。封鎖が続けば、同国の経済全体も、大きな損害を受ける
可能性がある。
国内ニュース
平和保持令違反 ヨーゼフ S.の有罪をめぐり政界で議論
大学関係者舞踏会に抗議するデモの際の平和保持令違反で、ドイツ
人ヨーゼフ S.に対して、問題の有罪判決が出たことを受け、これ
に関する刑法条項に意味があるかどうか、政治的な議論が始まっ
た。オーストリア国内政治は、この判決に関する不快感ではおおむ
ね意見が一致している。自由党自身も「覆面をした臆病者」に対す
る措置であるとして評価しているが、法改正には賛成している。た
だし政界は、この刑事訴訟そのものを批判では控えめにしており、
外国での報道とは一線を画している。
７月２４日（木）
国外ニュース
多くの航空会社がテル アヴィヴ便を欠航
ヨーロッパと米国の航空安全当局が、緊張を解いたにもかかわら
ず、ヨーロッパの大きな航空会社は当面、テル アヴィヴ空港へは
飛ばさない。ドイツのルフトハンザ社とその子会社オーストリア航
空は、ベルリン航空を含めて、木曜日に「極めて徹底した協議」を
して、イスラエルの同市への飛行を今後24時間中止することにし
た。テル アヴィヴ空港近くに火曜日、ミサイルが着弾したことを
受け、米国とヨーロッパは木曜日まで、飛行禁止を科していた。
国内ニュース
ループレヒトは自由貿易協定TTIPに疑念を表明
農業大臣アンドレ ループレヒト（国民党）は、問題の環大西洋自
由貿易協定TTIPが成立する可能性は、「実際にはもはや十分ではな
い」と捕らえている。2015年までの合意という目標は、「おそらく
守れない」だろう、2016年の米国大統領選挙までには、一切の交渉
は行なわれないと見ている、と彼は木曜日のテレヴィ番組で述べ
た。ループレヒトは、ヨーロッパの食料品清算に関する高い基準、
たとえば遺伝し技術の禁止、牛肉および豚肉へのホルモン使用禁止
などが受け入れら得なければならず、さもなければこの協定は失敗
に終わる。その他この交渉は、透明な形で行なわれなければならな
い、「そうしなければ、いずれにせよ失敗に終わる」とも述べた。
また彼はEUの新委員は、夜透明な形で対処し、EU議会も「重要な役
割をより明確な形で果たす」意向である、と語った。
７月２５日（金）
国外ニュース
イスラエルは米国の停戦計画を拒否
急進派イスラーム教徒ハマースとイスラエルの停戦をめぐる外交的
な駆け引きは、まだ解決が見えない。報道によれば、イスラエル政
府は、米国外務大臣ジョン ケリーの提案を、不十分であるとして
却下し、今後も話し合いを続ける方針である。ハマースがケリーの
計画にどのような態度を取るかは、今のところ公式には発表されて
いない。ケリーは昨日夕方、今までのは突破口が得られていないこ
とを認めた。最初の措置として、12時間の停戦を実現するべく、努
力が行なわれる模様である。一方ガザ帯状地帯では、両者の衝突が
弱まることなく戦われている。
国内ニュース
言語教育 専門家の文書が新たな議論に火をつける
子供特にドイツ語を母語としない子供たちへの言語教育は、教育お
よび社会への溶け込みの政策の厄介な問題である、と見られてい
る。大臣セバスティアン クルツ（国民党）が提出した社会への溶
け込みに関する報告書は、オーストリアにやってきたばかりの子供
たちのために、特別に準備学級を作るよう、専門家に提案してい
る。ただしこの学級は一時的な者で、一種の「対処授業」の役割を
果たす。専門家は「外国人学級」という決まり文句とは関係を絶つ
方針である。ただし自由党は自分の意見が認められた、と感じてい
る。
７月２６日（土）
国外ニュース
エボラの最初の症例がナイジェリアで発生
致死性のエボラ・ウィルスが、西アフリカでさらに拡大している。
すでにギニア、シエラ レオネ、リベリアでは、エボラに感染し
て、6百人以上が死亡し、アフリカで最も多くの人口を抱える国で
も初めて発症している。ナイジェリア厚生省の発表によれば、百万
都市ラゴスでは、リベリアから入国した男が隔離病棟内で死亡し
た。ナイジェリア国境地帯と、空港および港では厳重な警戒態勢が
取られている。
国内ニュース
ヨーゼフ S.の判決に対する抗議が平穏に行なわれる
大学関係者舞踏会の際のデモ参加者に対する第一審裁判所判決に抗
議するデモが、土曜日に平穏に行なわれた。警察の発表によれば、
参加者1千人がウィーンの中心部を横切り、警官百人が警備に当た
った。最終目的地は、ブルク劇場の裏の広場で、ここでは夕方早く
に集会が開かれた。ヨーゼフ S.は1月末のデモに参加したと判断さ
れて、週の初めに、一部仮釈放なしの1年間の拘留刑が言い渡され
ていた。彼は上告する、と予告しており、判決は確定していない。
彼はウィーン中心部での破壊活動に参加した、との責任が問われて
いる。
７月２７日（日）
国外ニュース
近東紛争でオバマは即時停戦を主張
国連事務総長パン ギムンは、数日にわたる停戦と、諸外国の外務
大臣会談の開催を訴えたのに続き、米国大統領バラック オバマも
改めて、近東紛争に介入している。彼は日曜日に、イスラエル首相
ベンヤミン ネタニヤフとの電話で会談し、長期的な停戦を目指し
て、「即時かつ無条件の人道的停戦」を呼びかけた。イスラエルも
ハマースも、土曜日夜からは一方的に停戦を宣言しているが、暴力
が終わる兆しは見えない。
国内ニュース
ミクル・ライトナーは亡命に関して各州に最終通牒を突きつける
5つの州が難民受け入れの割合を実現していないため、内務大臣ヨ
ハナ ミクル・ライトナー（国民党）は、該当する州首相に最終通
牒を突きつけた、と「クリール」紙は報じている。「全ての州が合
意された施設を作ることで、状況を金曜までに改善しなければ、私
たちは民間の宿泊施設を探すつもりである」と彼女は同紙に述べ
た。ニーダーエスターライヒ州のトライスキルヒェンの緊急収容施
設では、現在1,342人の亡命希望者がいる。この収容定員は480人で
ある。ミクル・ライトナーは必要な場合には、兵舎を使用する方針
である。また彼女は、将来的には亡命の緊急申請は緊急収容施設で
はなく、各州にある連邦亡命局の地域監督に申し入れるよう求めて
いる。外国に亡命先を探す場合には、緊急収容施設は「ダブリン事
例」だけを担当することになる。