１０月１３日〜１９日のドイツのニュース
１０月１３日（月）
クルド人はコバネのISに対する大規模攻勢を開始
活動家の発表によれば、クルド人部隊が、シリアの国境の町コバネ
での大規模攻勢を開始した。その際彼らは、ジハード主義者「イス
ラーム教国IS」が南部に持つ拠点2箇所を奪還した、とロンドンに
拠点があるシリア人権監視団は説明した。また戦闘では、ジハード
主義者13人が殺害された、また米国が主導する諸外国による軍事活
動は、コバネ近郊のISの基地に対して、再び空爆を加えた、とのこ
とである。米国は、ISとの戦闘に向けた軍事同盟が、トルコの軍事
基地を利用することができるように、合意が結ばれた、と発表した
が、トルコは昼にこれを否定した。トルコ政府代表はAFP通信に、
新たな協定は結ばれていない、と述べた。
その他のニュース
フランス人ティロールがノーベル経済学賞を受賞
今年のノーベル経済学賞は、フランス人ティロールに贈られる。
61歳の彼は市場の力と調整の分析に対して、同賞を受賞する、と月
曜日にスウェーデン王室科学学会が、ストックホルムで発表した。
ティロールはトゥルーズ大学で教えている。ノーベル経済学賞は、
元々あるノーベル賞の１つではない。同賞は1968年から、スウェー
デン発券銀行が、ノーベル追悼のために資金を出し、そこで初めて
贈られた。本来はスウェーデンの研究者であり、大きな企業を起こ
したノーベルは、物理学、化学、医学、文学、平和の各分野でだけ
賞を与え流刑格であった。87万8千オイロ相当の賞金がつく同賞
は、ノーベルの命日12月10日にオスロとストックホルムで授与され
る。
ウクライナ国防省には国民軍将軍が就任
ウクライナ新国防相には、国民軍将軍ポルトラクが就任する。49歳
の彼は、日曜日に大統領ポロシェンコが解任したヘレテイの後任と
なる。ヘレテイは既に3度に渡り国防相を務め、今年は退任せざる
を得なくなった。キエフの大統領府の発表では、ウクライナ国会は
火曜日に、彼の就任に関して投票を行なうことになっている。9月
上旬にウクライナ軍と親ロシア分離独立派は、ウクライナ東部での
停戦に合意したが、その後もほぼ毎日激しい戦闘が行なわれてい
る。
世界で8億5百万人が食糧不足
世界で飢えている人の数は減少している。ただし今なお、8億5百万
人が食糧不足である、と見られている。全世界の20億人以上が、ヴ
ィタミンおよび無機質などの不足に苦しんでいる。これは世界飢餓
支援がベルリンで発表した、世界飢餓指標の数字である。前年と比
較して、飢えた人の数は3千7百万人減少した。この指標によれば、
1990年以来食糧不足の人の数は減少しており、合わせて39%減少し
た。前向きの展開がある一方、紛争が起きている地域や、極めて高
いHIV感染率のアフリカ諸国は、その例外である。コモロ、スワジ
ランド、ブルンジ、イラクが、打撃を受けている国の上位にある。
イラクは油田があるため、潜在的には豊かな国であるが、特に長期
化する暴力と、シリア難民が流れ込んでいるため、飢餓が増加して
いる。これに対して世界飢餓支援によれば、パナマ、エジプト、タ
イ、ガーナ、メキシコ、ヴェトナムででは、大きな進展があった。
１０月１４日（火）
連邦政府は経済成長予測を大幅に引き下げる
世界各国で多数の危機が起きているため、連邦政府はドイツ経済の
成長予想を、大きく下方修正した。2014年には1.8%ではなく、1.2%
の成長が予想される、と経済大臣ジークマール ガブリエルがベル
リンで発表した。地政学上の危機のため、不安が高まっており、さ
らに控えめな世界経済の推移が、ドイツの景気回復を押さえ込んで
いる、とも語った。ガブリエルは、今後も「労働市場は堅調」であ
る、と前向きに強調し、賃金と雇用は上向きである、と述べた。主
要経済研究所は、オイロ使用地域の不調、ウクライナ危機、その他
の危機を理由として、先週既に経済予測を引き下げたが、ガブリエ
ルはこれに追随したことになる。連邦政府の秋の予想は、2014年
11月に税収評価の基本文書を作成する。これは連邦、各州、市町
村、社会保険組合の、来年の公式の予算作成の土台となる。経済省
は、連邦統計局および連邦銀行とともに、この基本文書を作成す
る。
その他のニュース
エボラ患者がライプツィヒの病院で死亡
ライプツィヒにある聖ゲオルク病院で手当てを受けていた、エボラ
患者が死亡した。56歳の国連職員は、月曜日夜にこの疫病が原因で
死亡した、と病院は発表した。彼はリベリアでエボラに感染し、治
療を受けるために、木曜日にドイツに運ばれた。彼はドイツの運ば
れたエボラ患者としては、3人目である。1人はフランクフルト ア
ム マインで治療を受けており、もう1人は5週間にわたる治療を受
け、健康を回復して、ハンブルクの病院を退院した。米国大統領オ
バマと国連事務総長パンは呼びかけを発表し、諸外国が疫病エボラ
との戦いのために、さらなる努力をするように求め、この危機克服
のための約束を倍増しなければならない、と要請した。エボラウィ
ルスは、西アフリカの数カ国で蔓延している。世界保健機構によれ
ば、最も大きな影響を受けている3箇国ギニア、リベリア、シエラ
レオネでは、8千を越えるエボラ発症の事例が、登録されてい
る。この伝染病で、4千人以上が死亡した。
トルコは国内のPKKを空爆
トルコは、同国南東部にいるクルド人反乱勢力の拠点を爆撃した。
トルコが、1年半前に停戦が発表されてから初めて、同国南東部の
クルド人反乱勢力を攻撃したことを、治安筋は確認した。攻撃の前
には、禁止されたクルディスタン労働者党PKKの戦闘員が、イラク
との国境近くの軍事歩哨を攻撃していた。死傷者に関する報告は、
今のところない。EUと米国がテロ組織と見ているPKKと、トルコ政
府の関係は、先週急激に圧壊した。その理由は、クルド人が多く住
むシリア北部のトルコ国境の町コバネが、急進派民兵「イスラーム
教国IS」によって、包囲されていることである。
米国の空爆は続くもののISはさらに占領地を拡大
米国が指揮する空爆が続いているにもかかわらず、テロ民兵「イス
ラーム教国IS」は、新たに占領地を獲得した。活動家の話によれ
ば、彼らヒスラーム教徒は、コバネの一画の重要な建物を占領し
た。クルドの防衛側は同市の北半分に追い詰められている、とシリ
ア人権監視団は発表した。IS民兵は先陣を切って戦い、以前はクル
ド人の中心都市であった同市の半分をを支配下に置いている。この
町からは、トルコとの国境が目視できる。隣国イラクの西部では、
IS民兵が、戦略上重要なヒット市の軍事基地を占拠した、と中立の
イラクの報道サイト「スマリア ニューズ」が伝えている。米国で
は、大統領オバマがこの火曜日に、約20カ国の軍幹部と会談し、テ
ロ民兵との戦いでの、今後の行動について、話し合う。この会合
は、ワシントン近くのアンドリュース空軍基地で開かれる。ドイツ
を含め、多くの国から参謀長が出席する。
１０月１５日（水）
テキサスでエボラの新たな感染
米国では新たに1人が、エボラの検査で陽性の結果となった。テキ
サスの看護師が、このウィルスに感染した、と保健当局が発表し
た。この人物は、エボラが原因で1週間前にダラスの病院で死亡し
た患者の看護団の1人である。週末には、同じくこの看護団に属し
ていた24歳の看護師が、エボラウィルスに感染していたことが発表
されていた。
ドイツでエボラで死亡した最初の人物の遺体は、この火葬に付され
た。これは、この患者が最後に手当てを受けたライプツィヒ市の広
報が発表した。
その他のニュース
オバマはISとの戦いの長期化を覚悟
米国大統領オバマは、テロ民兵「イスラーム教国IS」に対する空爆
を今後も続け、クルド人を支援する方針である。オバマは諸外国の
反テロ連合の代表と、ワシントンで会談した後で、米国は北シリア
の国境の都市コバネの情勢について「極めて深く憂慮」している、
と述べた。この会談の参加者は、ジハード主義者ISとの戦いは、長
く続くだろう、ということで意見が一致した。米国外相ケリーは、
米国はISに関する秘密情報を、ロシアと交換することに力を注ぐ、
と予告した。これより前に米国は、サウジアラビアの支援を受け
て、今までで最大のIS空爆を行なった。フロリダの指令本部の発表
によれば、コバネ周辺を20回以上爆撃した、と報じた。トルコとの
国境地帯にあるクルドの飛び地は、数週間前からジハード主義者の
襲撃にさらされている。
アブ サヤフが人質を殺害すると脅迫
フィリピンのテロ組織アブ サヤフは、最終通牒の期限が切れるの
を直後に控え、ドイツ人人質2人の解放に関する交渉に応じる用意
がある、と発表した。このテロリストの1人は、アブ サヤフは、
フィリピン外務省のある代表と交渉をする、と説明している。また
このイスラーム教徒たちは、誘拐したドイツ人医師を殺害する、と
威嚇した。74歳の彼は4月、ヨット旅行中に、妻とともにフィリピ
ン西部で誘拐されていた。アブ サヤフは彼の釈放に対して、約
450万オイロを要求し、金曜日までに支払うよう求めている。急進
派イスラーム教徒組織であるアブ サヤフは、テロ組織網カーイダ
と近い関係にある。
イエメンのフチ反乱勢力が進軍中
イエメンではシーア派フチ反乱勢力が、同国南部にも進軍してい
る。当局の代表によれば、この蜂起勢力は、南西部の大都市イッブ
にある検問所数カ所に到達した、と述べた。公式発表によれば、バ
イダ州で6人が死亡したが、それはフチ反乱勢力とテロ組織網カー
イダの隊員が衝突した際のことである。背景には、両勢力の権力争
いがある。伝統的に北部に居住するフチは、スンニ派が支配する同
国で、より大きな発言権を与えるよう求めている。3週間ほど前に
彼らは、首都サヌアを支配するようになった。
１０月１６日（木）
EUはアフリカの空港でのエボラ検査に乗り出す
流行病得オービーラトの戦いでは、EU全域の空港で、当面体温測定
は行なわない。EU加盟各国の厚生大臣はブリュッセルに集まり、そ
のかわりに、被害の大きな西アフリカ諸国で、飛行機の搭乗客の監
視を強化することに賛成した。ドイツ厚生大臣ヘルマン グレーエ
は会談後、シエラ レオネ、リベリア、ギニアの空港での対策が、
改善されなければならないかどうか、検討する、と述べた。
EU加盟国の先頭を切って英国は先週、大きな空港と鉄道の駅で、予
防的な体温検査を導入した。水曜日にはフランスとチェコも、その
種の監視を取る、と予告した。
この間マドリードの空港では、ラゴス発のフランス航空機が、一時
隔離された。ナイジェリア主審の男性が、機内でエボラ感染の調査
を受けた、と同社は発表した。監視開始後数分で、全ての乗客は同
機から出ることができた、とのことである。
その他のニュース
パキスタンのキリスト教徒が処刑された模様
パキスタンでキリスト教徒に対する死刑が言い渡されてから4年、
上級裁判所は刑罰を確定した。報道によれば、ラホールの裁判官
は、目撃証言は信頼できる、との判断を下した。この女性の弁護士
は、イスラマバードの最高裁判所に上告する意向である。5人の子
供を持つ母親は、同僚との対立で逮捕され、神を冒涜した容疑で死
刑を言い渡されていた。下級審の裁判官たちは、このキリスト教徒
女性が預言者モハメドに関して、否定的な発言をしたことは、十分
証明されたと見なしていた。彼女はそれに対して、絞首刑による死
刑が言い渡されていた。この判決の言い渡しは、諸外国で怒りを招
いていた。当時の教皇ベネディクト16世も、カトリック信徒である
彼女が恩赦を得られるように努力していた。
イラクのISは進軍を続ける
西側とアラブの同盟国が空爆を続けているにもかかわらず、テロ民
兵「イスラーム教国IS」は、イラクでの寮近くに向け進軍を続けて
いる。彼らジハード主義者は、大きな領土獲得を成し遂げた、と米
国特使アレンは述べた。民兵が口にした目標は、首都バグダーのの
占領である。一方北シリアでは、反テロ連合が、一時ISを押し戻す
ことに成功した。米国国防省の発表では、トルコとの国境近くにあ
るクルド人の飛び地コバネ空爆では、数百人のIS戦闘員が殺され
た。コバネのジハード主義者に対して、今までで最大の空爆が行な
われたが、急進派である彼らが同市を占領する危険性は、相変わら
ず亡くなっていない、と同省広報は述べた。クルド人の大統領バル
サニは、ISとの戦いで、西側がさらに支援するよう求めた。彼は
「ビルト」紙に、特に大型で最新式の軍備が必要だ、と述べた。
香港政府は対話に応ずると予告
香港首相梁振英は、予想に反して、抗議運動参加者に、新たな話し
合いを提案した。できれば来週中に、普通選挙に関する対話を開始
したい、と彼は述べた。警察による無防備なデモ隊に対する虐待を
撮影したテレヴィの映像医に関して彼は、この事件を「政治化」す
ることは許されない、警察は封鎖を解除するだろう、と述べた。水
曜日には道路封鎖を解除した際に、警察とデモ隊の間で、激しい衝
突が起きた。香港の民主化運動は、2017年に自由選挙を行なうよう
に求めている。しかし中央政府は、候補者を事前に選ぶ方針であ
る。
１０月１７日（金）
フィリピンのドイツ人人質が解放される
半年前にフィリピンで誘拐されたドイツ人2人が、誘拐犯の手から
解放された。フィリピンの誘拐出動班の班長ロベルト ファヒャル
ドは、72歳のドイツ人と、55歳の配偶者は、軍基地の中で安全な場
所にいる、と発表した。警官たちは、ホロ島のパティクル市で、彼
らを出迎えた、とのことである。これより前にイスラーム教徒テロ
組織アブ サヤフの広報は、地元のラジオ局に、この人質は身代金
の見返りに釈放された、と発表した。2人ののドイツ人は6ヶ月前、
ヨットで旅行している間に誘拐されていた。イスラーム教徒テロ組
織の誘拐犯たちは、4百万オイロ相当の身代金を要求していた。彼
らは人質を殺害する、と威嚇していた。アブ サヤフは、カトリッ
ク信徒が多いフィリピンの中で、イスラーム教徒が多く住む南部
で、独自国家を求めて戦っている。この組織は、テロ組織ISと同盟
関係にある、と宣言していた。
その他のニュース
ISテロリストは軍用機を入手した模様
人権の専門家によれば、テロ民兵「イスラーム教国IS」は、軍用機
使用の訓練を行なっている。野党に近い「シリア人権監視団」は、
このジハード主義者たちは、ロシア製の奪取したミグ21型機および
23型機を、少なくとも3機保有しており、シリアのアレッポ州の軍
事基地にある、とのことである。さらに、イラクの元将校で、元権
力者フセインのために働いていた者が、操縦士を訓練している模様
である。米国の情報によれば、ISはイラクで進軍を続けている。シ
リア北部の国境の都市コバネでは、諸外国の軍事同盟が先日空から
攻撃を行なった後、クルド人戦闘員が再び失地を取り返した。クル
ド人は、これらのジハード主義者を押し戻したが、彼らは相変わら
ず隣接する地域から、支援を受け続けている
ドイツはイスラーム教徒の出国を困難にする方針
ジハード主義者が戦闘が続く国に出国するのを難しくするため、容
疑者から今後、身分証明書を剥奪することができるようになる。連
邦と各州は、ベルリンでの特別会議でこれに合意した、と連邦内相
デ メズィエールは会議後に発表した。これに該当するのは、身元
証明ができるように、暫定的に変わりとなる文書を発行してもらえ
るが、この文書は出国には使えない、とのことである。デ メズィ
エールは、これは「基本法に違反しない、効果的な手段」であり、
テロ行為が「ドイツから輸出されない」よう望んでいる、とその理
由を述べた。またシリアやイラクのどこであれ、戦闘の経験が豊か
な急進派がドイツに帰ってきて、国内で攻撃を行なうことも、阻止
するつもりである、とも語った。ドイツ治安当局の発表によれば、
今までにドイツから450人ほどがISおよび他の急進派イスラーム教
徒組織に参加した。
ウクライナ紛争に関する首脳会談では突破口は見いだせず
ロシア大統領プーチンとウクライナ大統領ポロシェンコは、再びヨ
ーロッパの政界要人と、ウクライナ危機解決に関して協議をおこな
った。ミラノで開かれているヨーロッパ･アジア首脳会談と並行し
て行なわれた話し合いは、予想よりもかなり長く続いた。西側の参
加者によれば、この会談では進展はあった。イタリア首相レンツィ
は、「一歩前進」した、と述べた。一方ドイツ首相メルケルは協議
後に、「突破口」を見つけることは「全く」できなかった、と述べ
た。ロシア政府広報も、この会談の成果を控えめなものと判断し、
この金曜日にはさらに話し合いを行なうと予告し、これにはプーチ
ンとポロシェンコの他、メルケルとフランス大統領オランドが出席
する、と述べた。西側とウクライナ政府は、ロシア政府が、東ウク
ライナの親ロシア分離独立派を支援し、そのため武器を用いた紛争
を過熱させた、と非難している。ロシアはこの非難を退け、西側の
制裁を解除するよう求めた。
１０月１８日（土）
ISの支援者と見られる者たちを捜査
ドイツ治安当局は、テロ民兵「イスラーム教国IS」を支援をしてい
ると見られる者たちに、連邦各地で行動を起こした。そのなかで、
アーヘンでは、2人の男が逮捕された。カールスルーエの連邦検察
は、この2人の他、外国のテロ組織の支援者と見られる者たち13人
の家屋を、連邦各地で捜査した、と発表した。アーヘンで逮捕され
た2人には、17歳の少年をドイツからシリアに送り出した疑いが持
たれている。
その他のニュース
ナイジェリアでは女子生徒たちが週初めに解放されるとの発表
政府とテロ分派ボコ ハラムが、停戦で合意したことを受け、ナイ
ジェリアは、このイスラーム教徒たちが半年前に誘拐した2百人を
超える女子生徒が、釈放されるのを待っている。アブジャの大統領
宮殿の発表によれば、火曜日がその期日として設定されている。こ
れに対イズ手米国の海外向け放送局「アメリカの声」は、この少女
たちは月曜日に解放されるだろう、彼女たちは隣国チャドで、同国
大統領デビーに引き渡される、と報じた。デビーは、ナイジェリア
軍とイスラーム教徒の停戦交渉に、参加したとのことである。西ア
フリカの同国が、その見返りに何かをするのかどうか、いつするの
か、そして何をするのかは不明である。テロ組織であるボコ ハラ
ムは、逮捕された戦闘員の釈放を求めていた。ボコ ハラムは、
2009年から、イスラーム教の神の国をナイジェリア北部に建国する
ために、戦いを続けている。数千人がテロ行為で死亡している。
オバマはエボラに対してヒステリーをおこなさないよう警告
米国大統領オバマは、国民に対して、危険なエボラウィルスのため
に、不安やヒステリーに陥らないように、と呼びかけた。彼は毎週
恒例の映像による演説の中で、米国ではエボラの大量発生や流行は
起きておらず、ただ単に3億人を超える住民の中に、3人の感染例が
出たことが知られているだけである、と述べた。また彼は、エボラ
の影響を特に大きく受けている国からの旅行者に対して、飛行を禁
止するかどうかの議論について、米国は西アフリカを単に遮断する
ことはできない、この地域全体を世界から孤立させようとすれば、
たとえそれが可能であっても、情勢を悪化させる可能性がある、と
述べた。また米国は今後も、リベリア、シエラ レオネ、ギニアで
のこのウィルスとの戦いで、世界が払う努力の先頭に立ち、この病
気を源で断つつもりである、とも語った。
香港で新たな衝突
中国の特別行政地域香港では、政府に批判的なデモ隊数千人が、警
察と衝突した後、中心部を再び封鎖した。警察は当面、棍棒と胡椒
スプレイを使用して、これを阻止しようとしたが、その後一部は撤
退した。数時間にわたる衝突で、多くの負傷者が出た、うち18人は
警官である。少なくとも33人が逮捕された。香港警察長官曽偉雄
は、治安部隊は今まで、抗議活動が自然に治まると期待して、冷静
な態度を取ってきたが、デモ隊は以前より急進的で暴力的になって
いる、と述べた。香港の民主化運動は、経済上の大都市である香港
の政府長官の2017年の選挙を、自由な者にするよう求めている。北
京の共産党政権は、候補者を事前に選ぶと主張している。
１０月１９日（日）
スウェーデン軍はロシア潜水艦を捜査
スウェーデン軍はストックホルム沖で、「外国が海面下で作戦行
動」を起こした可能性を示す証拠探しを続けた。報道機関は、ロシ
アの潜水艦が大量に海難事故に遭った、と推測している。ロシア政
府は、これを否定している。「スヴェンスカ ダーグブラーデッ
ト」紙によれば、スウェーデンの無線監視局は木曜日すでに、ロシ
アが通常利用する周波数で、ロシア語での緊急通報を傍受したが、
これはカリーニングラードにある基地に向けられたもので、しばら
く後に交通量の多い入り江カンホルムスフィエルデンで、潜水艦が
目視された。スウェーデン軍は、「極めて信頼性の高い情報源か
ら」の情報であると述べ、大規模な捜査活動を続けている。同紙に
よれば、金曜日夕刻には2度目の無線通信が傍受されたが、これは
暗号化されており、これはカンホルムスフィエルデンから、カリー
ニングラードにある軍事基地に宛てたものであった。
その他のニュース
連邦情報局「親ロシア分離独立派がMH17便を撃墜」
「シュピーゲル」誌の報道によれば、連邦情報局は、マレーシアの
旅客機が東ウクライナで墜落した事件の責任は、親ロシア反乱勢力
にある、とみなしている。同局長シンドラーは10月8日に、国会監
視委員会の委員を前に、大量の証拠書類を提出し、その中には衛星
からの映像の鑑定と、様々な写真が含まれている、と同誌は伝えて
いる。同誌によれば、親ロシア分離独立派は、ウクライナの基地で
ロシアのブーク対空迎撃施設をぶんどって、7月17日にこれを用い
て、ミサイルを発射し、MH17便のすぐ近くで破裂した。このボーイ
ング機には、ドイツ人4人を含め、298人が乗っていた。乗っていた
全員が死亡した。ロシア政府とウクライナ政府は、この墜落の責任
は相手にある、と非難し合っていた。オランダの調査委員会は、飛
行記録器の解析をしたあと、9月には責任を明言しなかった。
ボコ ハラムはナイジェリアでの停戦を破る
停戦合意が成立したにもかかわらず、イスラーム教徒民兵ボコ ハ
ラムの戦闘員と見られる者が、ナイジェリア北東部で、多くの人を
殺害した。これは目撃者とナイジェリアの報道祈願が伝えている。
金曜日に停戦が発表されたことを受け、ボルノ州のいくつかの村が
襲撃を受け、少なくとも18人の民間自が殺害された、と「ヴァンガ
ード」紙と「サンデイ パンチ」紙が報じた。公式発表によれば、
政府とボコ ハラムは、4月に誘拐された2百人を超える女子生徒の
釈放に合意していた。このイスラーム教徒たちは、少女たちを火曜
日に自由にするつもりである、と政府代表はしばらく前に伝えてい
た。ただし最新の暴力行為は、この取り決めを疑問視させるもので
ある。
コバネ周辺で激しい戦闘
シリアの国境の町コバネでは、クルド人とイスラーム教徒が、過去
数日で最も激しい戦闘を繰り広げた。急進派イスラーム教徒民兵IS
は、クルド人の防衛隊を、再び激しく銃撃した、とロンドンに本部
とするシリア人権監視団は伝えた。土曜日だけで、クルド人民兵
YPGの拠点に44発の榴弾が発射され、2発の自動車爆弾で攻撃を開始
した。目撃者の話によれば、ISテロリストは、3方向から攻撃して
いる。ただしクルド人の有力政治家ナッセンは、IS戦闘員は、トル
コ国境に続くクルド人の補給路を断つことには成功しなかった、と
述べた。クルド人は隣国トルコから武器が供給されることを期待し
ているが、大統領エルドアンはそれを拒否した。トルコ政府は、シ
リアのクルド人民兵と彼らの政治的な部門を、禁止されているトル
コのクルド人政党PKK同様のテロ組織とみている、とエルドアンは
述べた。