11月24日〜30日のオーストリアのニュース



11月24日(月)

     国外ニュース

米国防相ヘイゲルが辞任

米国国防大臣チャック ヘイゲルが辞任する。大統領バラック オ
バマはワシントンで、これを確認した。ヘイゲルの辞任の理由に関
しては、今のところ推測しかない。米国の安全政策の今後の方向性
や、テロ民兵「イスラーム教国IS」対策に関して、意見の違いがあ
ったという推測や、オバマの圧力で辞任した、との推測が出てい
る。「ニュー ヨーク タイムズ」は、ヘイゲルは先日の国会議員
選挙の、最初の高官の「犠牲者」である、と表現している。

     国内ニュース

ナーハバウルをめぐる混乱 シュトローナハ班には深い亀裂

カトリン ナーハバウルが、シュトローナハ班TSから離党すること
をめぐって、大きな混乱が続いている。同党の国会の会派は、火曜
日の危機対策会議を前に、ナーハバウルの今後について、意見が分
かれている。彼女を支持する国会議員もいる一方、同党の国会議員
で元会派長のローベルト ルーガルは、投票を働きかける方針であ
る。彼は先日、会派内部で多数派が自分を支持する、と見ていた。
ルーガルはナーハバウルに、離党を「誤り」として撤回するように
求めていた。あらゆる兆候から見て、これは権力争いであり、ナー
ハバウルは最後には会派長に留任するつもりである。




11月25日(火)

     国外ニュース

ファーガソン事件での抗議活動は米国で拡大

白人の警官ダレル ウィルソンの無罪同様の判断と、ファーガソン
市での激しい暴動は、米国警察内部での人種差別とされる事件に対
する抗議活動が拡大している。火曜日夜に再びデモが起きたのは、
大都市セント ルイスにとどまらず、全国1百以上の町であった。
ウィルソンは8月9日に、武器を持たない10代の黒人マイケル ブラ
ウンを射殺した。彼にそもそもこの事件の責任があるかどうか、不
明である。ブラウンの家族とその弁護士は、警察官に対する「不公
正」な行動を、厳しく批判したが、警官は裁判所の判断が出されて
から24時間しないうちに、ABCニューズに最初のインタヴューを行
ない、その中で、ブラウンとの対決で「命に関わる不安」を感じ
た、と述べていた。

     国内ニュース

シュトローナハ班内部で対立 ナーハバウルは当面会派長に留任

カトリン ナーハバウルは、当面シュトローナハ班TSの会派長に留
任するが、連邦同党からは離党する。これに関する決定は、火曜日
午後遅くの緊急会議後に下された。ナーハバウルの子供が生まれた
後は、職務を執行する会派長ワルトラウト ディートリヒが、彼女
の職務を引き継ぐ。会議前には、国会課長は、この問題で若干分裂
の兆しであった。離党と会派長は両立できないとする人と、委任に
対する自由の拡大と党の新たな出発を主張する者もいた。新たな出
発は、妥協点があるにもかかわらず、党の創設者にして後援者フラ
ンク シュトローナハの方針には、おそらくは完全には一致してい
ない。




11月26日(水)

     国外ニュース

独企業の女性割合確定 CDUの「泣き虫の女の子」発言に抗議

数ヶ月にわたって、ドイツのキリスト教民主、社会同盟と社会民主
党の連立政権は、大企業の女性の割合をめぐって、議論を続けてい
たが、火曜日夕方には、3割にすることで合意した。しかしキリス
ト教民主、社会同盟の会派長フォルカー カオダーの問題発言が、
この決定に暗い影を落とした。彼は事前に、女性大臣マヌエラ シ
ュウェーズィッヒ(社会民主党)に、「そんなに涙もろい」のは止
めるように、と助言していたが、これは連立与党内部の調和を大き
く乱した。社会民主党はこれに怒りの対応をし、緑の党は水曜日の
連邦議会で、「泣き虫の女の子」との決めつけに対抗して行動する
ように促した。

     国内ニュース

国立銀行は特権を減らす方針

オーストリア国立銀行OeNB問題と、その職員の特権とされるものお
よび実質的な特権は、すでに長い間問題となっている。数ヶ月にわ
たって「豪華な年金」に関する議論で、発券銀行である同銀は、規
則に従う模範的な例になることになる、と会計検査院RHが「様々な
批判」を含めて発表した、と「シュタンダルト」紙が報じている。
この特権には、臨時の夏休み、高額の社会福祉基金、歯列矯正の事
前貸付、子供および休暇補助金、貯蓄組合が含まれる。幹部会は、
多くの特権を制御するほうしんであるが、事業所評議会はそれに追
随せず、今後は「嵐の予感」がする、とも報じられている。




11月27日(木)

     国外ニュース

モルドバ選挙 政党の排斥で状況が新たなものに

日曜日には、モルドバは国会議員選挙を行なう。事前に既に、ヨー
ロッパ最貧国での投票は、「命運を決める投票」に仕立て上げられ
ている。ルーマニアとウクライナにはさまれた小国が、今後も独自
の親EU路線を歩むかどうか、そして汚職と身内びいきに失望した国
民が、親ロシアの切り札を切るかどうか、不明である。木曜日の裁
判所の決定は、選挙を前に既に、ある決定を生んでいた。首都キシ
ニョフの裁判所は、問題視されている企業経営者レナート ウサテ
ィ率いるパトリア(故郷)党を、登録させず、これによって親ロシ
ア陣営の最大勢力が、選挙から排除された。

     国内ニュース

国立銀行は特権を減らす方針

未来同盟は財政的には危機状態にある可能性がある。経済調査官マ
ティアス コペツキは、ペーター ウェステンターラーの裁判で提
出した判断の中で、これが示されている。オーストリア宝くじの、
同党の元代理店に対する支払いが問題視されている。オーストリア
宝くじは、未来同盟の代理をつとめるオランジェに30万オイロを支
払っていた。検察の見方によれば、これは国会で賭博の独占を解体
しようとする国会の試みを阻止するための、賄賂である。ウェステ
ンターラーは、この支払いの見返りに何かをしたことはない、と否
定している。




11月28日(金)

     国外ニュース

ナイジェリアではモスクが襲撃され死者120人

ナイジェリアではテロが続いている。ナイジェリア北部の都市カノ
では、金曜日の祈祷の時間中に、モスクが爆弾で攻撃されて、少な
くとも120人が死亡した。さらに負傷者は数百人に上った。爆破は
数回起きた。首長が攻撃目標であった模様である。彼は、テロ組織
ボコ ハラムに対して抵抗するよう呼びかけていた。攻撃の時点で
は、彼はこの町にはいなかった。

     国内ニュース

社会民主党党大会 ファイマンの支持は84%に留まる

首相ウェルナー ファイマンは、金曜日夕刻の社会民主党党大会
で、予想通り代議員によって、党首に再選された。ただし彼は、党
内で最低の基準として設定されていた90%を、大きく下回る支持し
か受けなかった。ファイマンはわずかに、84%の支持しか得られな
かった。これは前回の投票と比べて、若干の改善である。ファイマ
ンは演説の中で、そして活発な議論のあとで、代議員に対して、団
結していることを示すように訴えた。




11月29日(土)

     国外ニュース

サルコジは64.5%の支持でUMP党首に復帰

フランス元大統領ニコラ サルコジは、フランス保守派の長に返り
咲いた。国民運動連合UMPの党員の64.5%が、インターネット投票
で、彼を支持した。彼の最大の対立候補で、元農業大臣ブルーノ 
ル メールは、29%ほどの支持であった。サルコジは、2004年には
85%の支持を受けていたので、遙かに少ない支持となった。同党首
の地位は、サルコジが再び2017年の大統領選挙で、エリゼ宮に再び
入るための一歩である。ただしこの悪い結果で、大統領への復帰は
困難になった、と専門家は見ている。

     国内ニュース

社会民主党は党大会後に意図的な楽天主義を示す

社会民主党党首で首相のウェルナー ファイマンは党大会で痛手を
受けたが、同党幹部は意図的に楽観主義の姿勢を示した。人事の議
論を行なう代わりに、内容的なものと、とくに税制改革に関する議
論に集中することになっている。首相府長官ヨーセフ オスターマ
イアーは、「プレッセ」紙に、ファイマンな相変わらず代議員の
8割から支持を受けておりファイマンが5期目の首相になることも想
像できる、と述べた。ウィーン市長ミヒャエル ホイプルは、「ク
リール」紙に、「自己憐憫を止める用」求め、連立政権が生き延び
るためには、税制改革を成果としてあげる必要がある、と述べた。




11月30日(日)

     国外ニュース

イラク軍 5万人の「お化け兵士」が暴かれる

イラク軍は先日、大きな損害を受けた。これはテロ組織「イスラー
ム教国IS」との戦いばかりでない。数万人の兵士がそもそも存在し
なかったためである。政府の調査は、「お化け兵士」からなる軍隊
が明るみに出た。5万人ほどの兵士は、書類上および兵士名簿上だ
け存在しており、彼らの名前は「でっち上げ」であった、と首相ハ
イダル アル・アバディの事務所は日曜日に発表した。これを取り
除くことで、軍は4師団分縮小する。

     国内ニュース

「原則が重要だ」とニースルは国民党を批判

首相で社会民主党党首ウェルナー ファイマン周辺の防壁は、少な
くとも外部に向かっては堅固である。党大会で低い得票率で再選さ
れた党幹部は、ファイマンをはっきり支持している。「ファイマン
が権力を固めることができたのは適切であった」とブルゲンラント
州州首相ハンス ニースルはテレヴィ番組で、国民党との税制改革
交渉を念頭に置いて述べた。これに関してニースルは、譲歩はほと
んどしない姿勢を示している。3月までに税制改革に関して、合意
が成立しなければ、選挙を行って情勢を変えなければならない、た
とえ社会民主党が現在の世論調査で、第3党となってもである。ニ
ースルは「ただしこれは原則が重要だ」と述べた。




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