１２月１日〜７日のオーストリアのニュース
１２月１日（月）
国外ニュース
ロシアはガス輸送管「南路線」の建設を中止
ロシアは、南ヨーロッパにガスを供給する輸送管「南路線」の建設
を、突然中止した。ロシア大統領ウラジミール プーチンは月曜日
に、この計画はEUの「封鎖の態度」によって、意味が失われた、と
述べた。ガスプロム社社長アレクセイ ミラーは、「この計画は停
止されている。未来はない」と述べた。ロシアとトルコは、沖合に
輸送管の建設で合意した、ともミラーは述べた。「南路線」は、本
来であれば、ロシアからウクライナを経由して、ヨーロッパにガス
を運ぶためのもので、その建設は先に、ロシアのウクライナ政策に
関して、問題となっていた。
国内ニュース
手入れの後の未決勾留 多くの疑問が呈示
ジハード主義者と見られる8人に、未決勾留か科された件で、その
背景および具体的な犯罪に関して、より詳細な情報は今のところ発
表されていない。グラーツ州刑事裁判所は、逃亡、隠蔽、犯罪の可
能性があるとだけ発表した。容疑者の身元に関して、裁判所は一切
の情報を公表していない。内務大臣ヨハナ ミクル・ライトナー
（国民党）は、捜査戦術上の理由から、詳細を公表しないつもりで
ある。検察によれば、「シリア内戦のために若者を徴募する容疑に
関連して」、テロ組織に参加していた疑いがある。合わせて14人の
逮捕者の内6人が、釈放された。
１２月２日（火）
国外ニュース
イスラエルでは選挙が間近 ネタニヤフは人気ある閣僚を解任
イスラエル政府の危機は、新たな段階に発した。火曜日に首相ベン
ヤミン ネタニヤフは、国会を解散する、と予告した。さらに彼
は、財務大臣ジャイル ラピドと法務大臣ツィピ リヴニを解任し
た。「私は政府内部の反対派を、これ以上容認できない」とネタニ
ヤフは述べた。この政治危機の背景には、ある法案に関する対立が
ある。この法案は、イスラエルの性格を、「ユダヤ民族の国民国
家」と明記し、中道右派連立政権の全ての成員から支持を受けてい
るわけではない。
国内ニュース
不動産銀行の叱責を受け各党は責任を押しつけ合う
イルムガルト グリスを委員長とする不動産銀行調査委員会の判断
は、火曜日に恐るべき状況を生んだ。同委員会は、国内の政治家
は、この問題の扱いの難しさを、以前からは意識していなかった、
「不良債権処理銀行の設立は遅れ、決定は必要な専門知識なしに下
された、と非難している。ただしこの厳しい判断によれば、オース
トリアの政界内部でも、ほぼ誰も責任を自覚しておらず、関係者は
責任は他人に去る、と一貫してみなしている。
１２月３日（水）
国外ニュース
ISとの戦いでの勝利はまだ先
急進派組織「イスラーム教国IS」のと戦いは、空爆がまず成果を上
げたにもかかわらず、イラクでもトルコでも勝利を収めていない。
むしろ戦闘にはまだ数年かかるだろう、と米国外相ジョン ケリー
は水曜日に、ブリュッセルのNATO本部で開かれている反IS同盟の会
合で発表した。この同盟には59箇国とEUが参加している。この同盟
は現在、いくつかの項目からなる長期的な戦略をとっている。そこ
でISの財源を標的にする方針であり、さらに戦闘員の外国からの流
入を遮断する方針である。ISをさらし者にし、「思想の正当性を否
定する」ことが、さらなる目標である。
国内ニュース
汚職問題では院外活動家に対する透明性が批判の対象に
長年にわたって、オーストリアでは国際的な汚職の評価では低い結
果が出ていた。今年はオーストリアは、組織「国際透明性」の指標
では、初めて3位上昇した。ただし「オーストリア透明性」会長エ
ーファ ガイプリンガーは、これを喜んではいられない。オースト
リアは他の工業国と比べて、相変わらず「中位の下」にあるからで
ある。彼女は水曜日に、特にオーストリアの院外活動家法を批判
し、これがあるため透明性が確保されない、と述べた。
１２月４日（木）
国外ニュース
ルーブルの価格、石油価格でプーチンは経済を活性化する方針
石油価格の値下がり、ルーブル下落、西側の制裁で、ロシア経済は
大きな打撃にさらされている。来年には、税収の減少は、1千4百億
オイロになり、さらに激しい景気後退の危険がある。大統領ウラジ
ミール プーチンは、国内の情勢に関する演説を木曜日に行ない、
対抗するために多くの措置をとる、と予告した。彼が通貨暴落を生
んだ、としている外国為替の観測に対して、断固ととして対抗する
方針である。プーチンは銀行に国の資金を投入して支援し、豊かな
ロシア人には、外国に蓄えた資本をロシアに戻せば、特典を与える
方針である。
国内ニュース
社会民主党は賃貸権利に関する議論に抵抗
政府の綱領の中では、賃貸権の改革が計画されている。今まで社会
民主党とと国民党は、どのようにして住居をより望ましいものにす
るか、合意ができていない。社会民主党は木曜日に案を提出し、あ
らたな試みを示した。同党は、築20年を超える住居に対して、基本
的家賃5.50オイロを、状況と設備に応じて、また契約期間に応じ
て、追加料金や割引料金で値引きする方針である。不動産分野で
は、社会民主党は、その案に対して、全面的な批判を受けた。一方
国民党は、あきらめて発言せずに、交渉を開始するつもりである。
１２月５日（金）
国外ニュース
EUの領空の計画 巨額の財源
15年前からEU委員会は、ヨーロッパ全体の領空を作り出そうとして
いる。EUはそのうち長所だけをあてにしている。短い飛行と安い搭
乗券によって、環境汚染が減るということである。担当する委員会
は、出発をしなおし、30億オイロのこの計画を軌道に乗せるつもり
である。ただしいくつかの国からは、抵抗が続いている。そうなれ
ば領空監視の仕事の多くが、いずれにせよ危険にさらされる、とい
うものである。EUは深い対立を解消することができるかもしれな
い。
国内ニュース
不動産銀行の国有化 欧州中央銀行は仲裁に入る
不動産銀行の国有化は、オーストリアの納税者に、さらに数十億オ
イロの負担を強いるかもしれない、と調査委員会は発表した。倒産
の方がましな方法なのかどうかは、観測に留まっている。国営化を
求める圧力が大きい、と国立銀行総裁エーワルト ノウォトニーは
金曜日に述べていた。彼は当時のヨーロッパ中央銀行総裁ジャン・
クロード トリシェは、玉突き的な影響が出て、国営化に向けて仲
裁していた、と述べた。ノウォトニーは、本来の失敗は、政界から
この計画がなされた、という点である、と強調した。
１２月６日（土）
国外ニュース
ムガベの妻がジンバブエ大統領に名乗りを上げる
8月の時点で既に、グレイス ムガベは、女性同盟の議長に指名さ
れていた。土曜日にジンバブエで長期にわたって権力を握っていた
ロバート ムガベの妻が、公式に与党「ジンバブエ アフリカ国民
連合・愛国前線Zanu-PF」の内部で重要な職に、正式に選ばれた。
彼女はこれで、自動で同党の幹部会である政治局に属すことにな
る。彼女の氏名とその選挙の間の4箇月ほどの間で、大統領夫人は
今までの副大統領ジョイス ムジュルと、厳しい戦いを繰り広げて
いたが、最後には勝利を収めた。
国内ニュース
ルプレヒターはヘキサクロロベンゼン事件で危機管理を批判
環境大臣アンドレ ルプレヒター（国民党）は、火曜日の朝まで
に、食料品に含まれ、環境に有害なヘキサクロロベンゼンHCBの扱
い方に関して、今までの対策に関する包括的な報告書を受け取れ
る、と期待している。これは「命令」である、とルプレヒターは異
例の強い言葉で述べた。しかしケルンテン州で今まで行なわれてい
たやり方も、「異例のもの」である、とケルンテン州政府の危機管
理を、彼は激しく批判した。乳製品だけでなく、該当するケルンテ
ン州ゲルチッツ渓谷産出の赤鹿や牛肉、豚肉も、かなり高いヘキサ
クロロベンゼンが検出されている、との発表があった。
１２月７日（日）
国外ニュース
人種差別の議論 米国では警察の暴力に対する怒りが拡大
米国の警察は、数週間前から批判にさらされている。数千人が、白
人警官の黒人に対する暴力に抗議して、路上に繰り出した。抗議活
動が終わる見通しはまだない。ただしこれはもはや、最近の単独の
事例に留まらない。むしろ、米国警察が大幅な人種問題を抱えてい
ないかどうか、が問われている。処罰されなかった警察の暴力の背
後に、深刻な社会的な問題が隠れているかどうか、も問われてい
る。
国内ニュース
オーストリアの環境政策に対する批判
ペルーの首都リマでは、2015年世界気候協定にむけて、最も重要な
会議が現在開かれている。そして貧困国と豊かな国々の間の対立は
激しさを増した。オーストリアも、他の工業国と並んで、さらしも
のになっている。「緑の気候基金」に対する高権が賭けているた
め、オーストリアは会議の冒頭で、「会議の化石」という否定的な
賞を受けた。またオーストリアの気候政策も批判を受けている。
「ブラジルは、オーストリアが二酸化炭素を1グラムを節約しなか
ったし、そうするつもりもない、とはっきり非難した」と緑の党の
環境問題の専門家クリスティアーネ ブルナーは述べた。