2月29日〜3月6日のオーストリアのニュース



2月29日(月)

     国外ニュース

イラン選挙 ロウハニの改革の方針が勝利

イランが核協定で西側と妥協してから初めて選挙が行なわれた。首
都テヘラン等では、改革派にとって地滑り的勝利同様と見られるこ
の結果は、大統領ハッサン ロウハニの方針を支持する重要な意志
表示と見られている。しかし宗教派組織が、イランでは決定権を握
る権力であるのは変わらない。国会も専門家評議会も、西側の影響
下にあるのではない、と宗教上の元首アリ ハメネイ師は投票の直
後に明言した。

     国内ニュース

グラーツのジハード主義者裁判は延期される

ジハード主義者とされるもにに対するグラーツでの裁判は、月曜日
夕方に少なくとも6ヶ月間延期された。この男たちには、テロ組織
イスラーム教国ISのために働き、新兵を募集したりした、との容疑
が持たれている。




3月1日(火)

     国外ニュース

難民危機 ギリシア政府に菓子パンと鞭

EUの支援策が取りまとめられ、有力政治家は、EUはギリシア政府を
なおざりにするつもりだと考えており、さらにギリシアは最後まで
に努力しなければならない、と求められている。情勢は、ちょうど
1年前のギリシアの金融危機を思い起こさせる。しかし今回は、同
国の上陸した難民数万人の問題で、圧力が強まっている。閉鎖され
たマケドニアとの国境の情勢は、緊迫を増している一方、首相アレ
クシス ツィプラスは、ヨーロッパ全体で、約束通り難民を分散し
て受け入れるよう求めている。彼は改めて、EUとトルコの首脳会談
で頑固な態度をとると威嚇し、首相エルナー ファイマン(社会民
主党)をあてこすった。

     国内ニュース

専門家は年金に関する文書にけちをつける

2016年2月29日は、政府が年金改革の目標として報告してからちょ
うど1年ほどである。それから、5時間の会合が月曜簿夕刻に開か
れ、結果が10頁の文書である。政府は、これは「文化的な突破口」
である、と述べた。専門家にとってこの結果は、「たいしてめざま
しいものではない。」彼らは、特に年金制度の長期的解決がない、
と見ている。




3月2日(水)

     国外ニュース

ドイツ緑の党フォルカー ベックは麻薬所持で逮捕

有名なドイツ緑の党の国会議員フォルカー ベックは、麻薬を持っ
ていたところを逮捕された模様である。警察の検査で、ある物質が
発見された。「ビルト」紙は、これは「結晶メタンフェタミン」で
あろう、と伝えている。ベルリン検察は、この件を確認している。
「彼は検査に抵抗しなかった」とのことである。これが本当に、結
晶メタンフェタミンであるかどうかは、まだ不明である。ベックは
この容疑について詳細を語らなかったが、彼は会派内の役職を辞任
すると申し出た、と説明した。

     国内ニュース

難民の分散受入 ミッターレーナーは「部分的解決」を期待

副首相ラインホルト ミッターレーナー(国民党)は、オーストリ
アは、難民危機のヨーロッパ全体での解決を目指して拍車をかけて
いる、と述べた。彼はEU委員会議長ジャン・クロード ユンケルと
水曜日に会談し、難民の分散受入に関して間もなく進展があること
に自信がある、と述べた。ユンケルは現在作業を進めており、
「私たちは意見を接近させていると思っている」と述べた。既に入
国した16万人は残ることができる、とはミッターレーナーは思って
いない。また彼は、オーストリアのとっている対策を擁護し、「私
たちは解決を邪魔してはいない、逆に解決を進めているのだ」と述
べた。




3月3日(木)

     国外ニュース

公営報道機関「シリア全土で停電」

シリアの大部分で木曜日、数時間にわたって停電した。停電の原因
は当初は不明であった、とシリア・アラブ通信社SANAがエネルギー
省の職員の話として伝えている。それによれば、シリアではイン
ターネットも使用できなくなっている。同国の広い範囲での電力供
給は、突然停止した、との報道がある。

     国内ニュース

労働者会議の批判「一括請負契約は4人に1人に該当」

自由時間、休暇中、あるいは病気療養中の労働が、ますます多くの
被雇用者に降りかかっている。既に4人に1人は一括請負契約、つま
り残業手当の請求権のない労働契約を結んでいることを、オーバー
エスターライヒ州労働者会議AKの調査は示している。同会議によれ
ば、質問を受けた3分の1ほどが、終業時刻後、単に働き続けるだけ
であり、2割ほどが休暇中にも仕事をしている。労働者会議は、一
括請負契約は「詐欺」であり、しばしば不適切である、と批判し、
被雇用者を常時連絡できる危険にさらすことがないように、と警告
している。




3月4日(金)

     国外ニュース

トルコは首脳会談を前にEUに素っ気ない態度 新聞を買収

EUがトルコと合同の首脳会談を開くのを数日後に控え、イスラーム
教に基づく保守派の大統領レジェップ タイップ エルドアンは、
同国最大の政府に批判的な新聞「ザマン」の経営権を買収した。こ
れには前例がない、というのは過去数ヶ月既に、いくつかの批判的
な報道機関に対して措置をとり、これらを政府の方針に従わせてい
た。EUに対して、エルドアンの措置は、自分はあらゆることを許す
可能性がある、との方向性をはっきり示している。

     国内ニュース

薬局の3分の1は赤字

1,370の営業中の薬局のうち、およそ31%は2015年に赤字経営であっ
た。薬局連合によれば、これを販売収益率の悪さと低い自己資本率
が補っている。




3月5日(土)

     国外ニュース

タイの国王、臨時政府、禁忌

多くの観光客が訪れるタイでは、1年半以上前から、軍が権力の座
にある。同国は数十年来、民主主義とクーデタの繰り返しを経験し
ているので、これは再び起きた事態である。そしてタイはかつてな
いほど深く分断されている。東南アジアで最も重要な国の一つであ
るタイは、国王プミポンによってのみ統一が保たれている。しかし
この安定性の保証は、不確実な要因となっている。重病にかかって
いる89歳の国王の後継者が決まっておらず、これはプミポン周辺の
禁忌に関係している。

     国内ニュース

国民党の提案 総合学校に関する見せかけの議論

副首相ラインホルト ミッターレーナー(国民党)は、フォアアル
ルベルク州を訪問した際に、同州全体を、10歳から14歳の生徒が通
う総合学校を試す地域にすることに関して、妥協の姿勢を示した。
連邦国民党の批判は、すぐに現れた。社会民主党がパスを受けた
ボールを受け止めることは考えられた。首相ウェルナー ファイマ
ン(社会民主党)は、さらにもう一歩先を行っており、この試験に
参加するかどうかは、各州に決めさせる方針であった。しかしミッ
ターレーナーは、これについては何も関知していない。これが議論
されたことはないし、今後も議論されることはない、と彼の事務所
は土曜日に発表した。




3月6日(日)

     国外ニュース

亡命首脳会談を前にマケドニアは入国を難しくする

ギリシアとマケドニアの国境イドメニ・ゲヴェゲリヤには、12万人
の難民が出発を待っているが、日曜日には情勢がさらに複雑になっ
た。マケドニアは、シリアとイラク出身の保護を求める者に対して
も、入国規則を厳しくする。月曜日には、EU加盟各国の首脳は、ト
ルコ首相アフメト ダーヴトオールとブリュッセルで会談し、亡命
問題での今後の対処を話し合う。ドイツ通信社に示された声明案に
は、EUはバルカン経路を閉鎖宣言するつもりである、との内容が含
まれている。

     国内ニュース

「時代の終わり」アーノンクールの死に悲しみ

「別格の芸術家」ニコラオス アーノンクールが、土曜日夜に死去
し、深い驚きをもたらした。反応は、「交流に感謝」「驚き」から
「取り返しが付かない」まで様々である。同じ指揮者のフランツ 
ウェルサー・メストは、アーノンクールの「確固とした創造力は、
私たち全員にとって模範」である、とした。楽友協会総監督トーマ
ス アンギュアンは、「古楽器の音を作り出した人」は取り返しが
つかない、「一つの時代が終わった」と述べた。




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