4月4日〜10日のオーストリアのニュース



4月4日(月)

     国外ニュース

石油価格の下落が武器取引の足かせにならない

最も多くの原油を採掘している人が、最も多くの武器を購入してい
る。ストックホルムの平和研究所SIPRIの最新報告によれば、この
「伝統」はもはや続いていない。逆に前年には、「全く反対」のこ
とが起きた。石油価格が世界的な武器取引に、若干減速したにもか
かわらず、2015年には久しぶりに武器取引は増加した。

     国内ニュース

パナマ文書「アリエフのカリブ資金はオーストリアに流入

先日死去したカザフスタンの駐オーストリア大使ラチャット アリ
エフは、生涯を通じて、砂糖、財政、報道の分野で、大きな資産を
積み上げていた。「南ドイツ新聞」に漏洩されたパナマ文書を、
オーストリアでは国営放送と「ファルター」誌が再検討し、彼と
オーストリアのつながりが今まで知られていたよりも、大きな役割
を果たしていたことを示している。カリブの実体のない会社を通じ
て、砂糖取引から、オーストリアにある口座に流れ込み、そこから
再び他の口座に移されていた模様である。




4月5日(火)

     国外ニュース

パナマ文書の暴露でアイスランドは国家としての危機に陥る

パナマ書簡の暴露で、初めて影響が出ている。アイスランドでは首
相シグムンドゥル ダビド グンロイグソンが、不審な金融取引に
関与したことが明らかになり、火曜日に辞任した。これより前か
ら、国家としての危機は明らかであった。大統領オーラブル ラグ
ナル グリムソンは、国会の解散と選挙実施の公告を躊躇している
が、現在の連立政権日々は、いずれにせよ僅かである。というのは
秘密の海外の会社は、グンロイグソンが国民にずっと以前から呈示
していた公約には合致しないからである。

     国内ニュース

パナマ文書にはウィーン投資銀行との取引が記載される

ウィーンの投資銀行ハインリヒ ペチーナは、東ヨーロッパでは大
きな支店網を持っている。パナマ文書からは、内部取引の容疑が持
たれる証拠が浮かび上がっている。OMV社が、ハンガリーの石油会
社MOL社の買収を2007年に目指した事件との関連である。この文書
はペチーナと国に近いある銀行の元重役の、取引でのつながりを裏
付けている。この元重役は、OMV社とMOL社の買収事件に早期から関
与していた。




4月6日(水)

     国外ニュース

EUの亡命計画で加盟国は対立

EU委員会は水曜日に、EUの亡命権を抜本的に改造する計画を提案し
たが、この問題では加盟各国の間の溝がさらに深まった模様であ
る。ドイツ、スウェーデンそしてオーストリアは予想通り賛成した
が、この案は東ヨーロッパ地域からは、予想通りの拒絶にあった。
同委員会自身も、この問題での早期合意を、「困難と予想」してい
た。しかし皮肉なことに、EUとトルコの難民計画が失敗に終われ
ば、方針転換の開始を告げる可能性がある。

     国内ニュース

難民危機で休暇の交通が渋滞

ドイツの角での入国審査に続いて、オーストリア政府は、ブレナー
峠とブルゲンラント州での国境監視を強化する方針である。交通は
この影響を受けている。高速道路資金調達会社ASFINAGは、特に夏
休みが始まる前に、待ち時間が極めて長くなる、と予想している。
オーストリア交通同好会は、オーストリアが20年前にEU加盟する前
よりも長い渋滞が起こる、と警告している。ただし内務省は、情勢
を見守っている。




4月7日(木)のオーストリアのニュース

     国外ニュース

パナマ文書でキャメロンに対する圧力はますます強まる

英国首相デイヴィッド キャメロンは、パナマ文書が暴露されたこ
とを受け、ますます強い圧力にさらされている。保守党の政治家で
ある彼は、木曜日に歯ぎしりしながら、自分の死去した父の名目だ
けの会社の経営に参加していたことを認めざるを得なかった。彼
は、3万ポンド(3万7千オイロ)相当の株式を保有していたが、首
相就任前に売却した、とも語った。たとえ彼には違法な陰謀に疑惑
がないにせよ、キャメロンの印象は不愉快なものであり、それも考
えられる中で最も不利な時点で起きている。

     国内ニュース

フィッシャー「ロシア制裁解除は『熟慮に値する』」

連邦大統領ハインツ フィッシャーは、ロシアに対するEUの制裁の
「段階的解除」は、「熟慮に値する方法」である、と見ている。た
だしこれは、ミンスク和平協定実現の進展を条件としなければなら
ないし、ロシア大統領ウラジミール プーチンと水曜日の会談でこ
のことを協調した、と昨日のテレヴィ番組でフィッシャーは述べ
た。彼は、ドイツ政府もこれについて検討していると考えている。




4月8日(金)

     国外ニュース

テロ容疑者2人がブリュッセルで逮捕される 情報も確認

ベルギー検察は金曜日夕方、パリとブリュッセルのイスラーム教徒
による襲撃事件に関連して、警察がテロ容疑者を逮捕したことを確
認した。長期にわたって行方を追及していたベルギー人モハメド 
アブリニは、金曜日に逮捕された、とのことである。同様に、内務 
アウ・ハメドとして行方を追及されていた男も捉えられた。このと
こはスウェーデン人オサマ K.で、地下筒駅の第2に攻撃犯である。
しかし当局はこの件は、まだ確認していない。

     国内ニュース

「専門家の評価がない」 亡命手続きの迅速化に批判

亡命権の厳格化が計画されているが、これが再び議論を巻き起こし
ている。法律の文言はまだ公式に提案されてはいない時点である。
「シュタンダルト」紙によれば、政府には、亡命を扱う官庁や他の
公的分野で、「職務の妨げになる」ことが予想される場合には、緊
急命令を出すことが認められる。その後亡命希望者は、国内に全く
入ることが認められないか、出国しなければならなくなる、との内
容である。緑の党、社会民主党青年組織、カリタス、社会奉仕組
織、赤十字などの非政府組織は、「掟破り」であり、国際的に保証
されている亡命権の中心的規定が、効力を奪われている、と述べて
いる。しかし迅速手続きによる法律が、専門家の評価を受けていな
いことも、批判を生んでいる。




4月9日(土)

     国外ニュース

ベルギー当局は「帽子の男」を逮捕したと発表

「帽子の男」として知られる第3の暗殺者が逮捕された模様であ
る。ベルギー検察が土曜日、これを発表した。前日逮捕されたモハ
メド アブリニは、行方を追及されている襲撃の暗殺者で、ブ
リュッセル空港にいたことを認めた、と当局は発表した。さらにオ
サマ クライエムとともに、地下鉄のマールベーク駅を襲い、今ま
で行方を追及されていた第2の暗殺者も逮捕された、との発表が
あった。今までは公表されていなかった支援者と目される男の逮捕
のおかげで、テロ組織網がどれほどの範囲であったかが判明した。

     国内ニュース

難民政策で社会民主党内部の亀裂はますます深まる

社会民主党内部で、難民政策に関する方針の対立が、広く知られて
いることは、氷山の一角に過ぎないかもしれない。「プレッセ」紙
が週末に報じたところでは、ウェルナー ファイマンを党首とする
連邦同党は、次回の津緒大会でウィーン市民に「(難民)歓迎の文
化」を捨て去るために、あらゆる口実を利用している。ファイマン
の支持者すべての弱点をさらすという代償を伴っても、ウィーンの
党員はこのことに反論している。国民党と自由党は、さらに炎に油
を注ぐ好機を喜んでいる。




4月10日(日)

     国外ニュース

成功者マルコン フランス政界が再び緊迫

フランスの内政は、テロの危険と経済危機いもかかわらず、数年前
ではないが、数ヶ月前から不振な状況にある。社会党所属で不人気
の大統領フランソワ オランドは、同党を麻痺させている。保守派
陣営は分断されている。ニコラ サルコジの政界復帰計画は、うま
くいきそうにない。急進右派の国民戦線党首マリーヌ ル ペンが
勝利をするとの多くの人の不安が、あらゆる点に暗い影を投げかけ
ている。しかしさらに再び緊迫が増す可能性がある。政界の成功者
エマニュエル マルコンは、自分の運動組織を設立した。その名前
は「前進」である。

     国内ニュース

内務省「国民党は正式に役職交代を確定」

国民党連邦党幹部は日曜日に、内務大臣ヨハナ ミクル・ライト
ナーと、ニーダーエスターライヒ州首相代理ウォルフガング ソー
ボトカの役職交代を、公式に確定した。ミクル・ライトナーは、
ずっと以前からニーダーエスターライヒ州州首相エルウィン プレ
ルの意中の後任候補と目されている。ソーボトカは、内務大臣とし
て、連邦政治の舞台に初めて登場する。この役職交代発表の際に、
国民党内部では、大統領選挙直前のこの時期に発表するよう努力が
払われてきた。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system