5月23日〜29日のオーストリアのニュース



5月23日(月)

     国外ニュース

ブラジル危機が激しさを増す

ブラジルの政治危機は先鋭化している。大統領ディルマ ルセフが
職務停止になってから2週間、計画大臣ロメロ フカは昨日、一時
職務を休止させる、と発表した。移行大統領で、ルセフの政敵ミ
シェル テメルにとっては、フカの停職は重大な打撃である。テメ
ルは経済改革の中心項目の支持を受けるために、彼の経験を当てに
していた。フカは、自分に対する非難を一掃するつもりである、と
述べた。彼は汚職事件に関連した捜査が受けないように計画した、
と非難を受けていた。

     国内ニュース

大統領の計画 改革は「迅速に」進める

次期大統領アレクサンダー ファン デア ベレンは、選挙で勝利
した後も、最重要視するのは、失業との戦いに関して改革を進める
ことである。ただし月曜日午後のテレヴィ番組で、「迅速に」行な
う、と述べた。彼は連邦大統領として、「適切な人々を集める」の
を助けるつもりである、とインタヴューで述べた。この点に関し
て、彼と同意見の人はいる。特にドイツの記者は、隣国からの視点
で、ファン デア ベレンと新連邦首相クリスティアン ケルン
(社会民主党)は、オーストリアが新たに政治的な出発を切る可能
を持っている、と見ている。




5月24日(火)

     国外ニュース

エルドアン「入国査証が免除されなければEUと難民の取引はない」

トルコとEUの意見の違いは、さらに拡大している。トルコ大統領レ
ジェップ タイップ エルドアンは火曜日、イスタンブールで開か
れている国連緊急支援首脳会談で、入国査証の免除に関する話し合
いが進展しなければ、6月1日からの難民の帰還に関する協定を、
6月1日から発行させることはない、と述べた。トルコ人に対する入
国査証の義務を、シェンゲン協定の領域内部で廃止する前に、テロ
対策法を改正するようEUは主張している。エルドアンはこれを拒否
している。

     国内ニュース

世界各地での報道 大統領選挙は「ヨーロッパにとっての実験」

緑の党の元連邦代表アレクサンダー ファン デア ベレンが、連
邦大統領選挙戦で、自由党の候補ノルバート ホーファーに薄氷の
勝利を収めたことで、世界各地の新聞は、投票行動以外にも関心を
抱いている。多くの報道機関は、ホーファーの成果を、右派大衆迎
合主義がヨーロッパで拡大していることの反映である、と見てい
る。ドイツの「ヴェルト」紙とポーランドの「選挙新報」紙は、
オーストリアを「ヨーロッパにとって実験」である、と説明してい
る。その主旨は不安が「政治の支配層」に迫っている、というもの
である。




5月25日(水)

     国外ニュース

ギリシア取引 オイロ使用国は時間を手に入れる

日本でG7首脳会談が開かれるのを直後に控え、資金提供者は、ギリ
シアに今後も巨額の支援をすることで合意した。巨額の負債の山を
減らすとの合意もなされた。義務を果たすことを条件に、大規模な
負債の減免が約束された。ギリシア政府は、夜を徹した長時間交渉
の末、「悪魔の連鎖」に落ち込むのを免れた。ギリシアとオイロ使
用地域は、この取引で時間を稼いだことになる。

     国内ニュース

「転回か終わりか」 政府要人は議論を検証

新首相クリスティアン ケルン(社会民主党)と副首相ラインホル
ト ミッターレーナー(国民党)は、水曜日夕方に、報道陣に公開
する形でそれぞれの計画について、初めて議論を繰り広げた。放送
した番組は、その議論について「転回か終わりか」という題名をつ
けた。政府要人は1時間にわたり、今後数ヶ月の政治的な重要議題
について、態度を明らかにした。この前の数日間で、ケルンとミッ
ターレーナーは、中心的な点で合意するべく努力していた。議論の
間には、もちろん様々な対立する方針が示された。




5月26日(木)

     国外ニュース

G7首脳会談 難民支援よりも経済が重要

経済問題でも、G7各国は意見の違いがある。世界各地で景気刺激が
行なわれているが、7大工業国の大統領と首相は、この意見の相違
を一部だけ克服することができた模様である。木曜日には彼らは、
日本でのG7首脳会談の初日に、「経済的な提案」で合意した。この
提案は、金曜日の首脳会談の最後に提出されることになっている。
EUの幹部は、難民支援のために具体的な金融面での具体的な約束
を、7カ国から手に入れられるのではないか、との期待感を持って
いたが、これは残念な結果となった。

     国内ニュース

EU議会議長シュルツが大統領ケルンを訪問

ヨーロッパ議会議長マルティン シュルツは、今日午後にウィーン
を訪問し、新連邦首相クリスティアン ケルン(社会民主党)と会
談した。話し合いの議題は、ヨーロッパの社会福祉問題、難民の社
会への溶け込み、利益を他の国に移すことで起こる租税回避の対策
である、とケルンの広報はAPA通信に伝えた。「クリール」紙によ
れば、シュルツとケルンは、EU議会と連邦政府の間の関係も議論
し、ヨーロッパ各国の社会民主党の協力計画を策定するするつもり
であった。




5月27日(金)

     国外ニュース

元対立候補ルビオもトランプを支持

米国大統領の共和党側の候補者になる見通しのドナルド トランプ
と、以前は強力な対立候補であったマルコ ルビオは、和解した模
様である。CNNは金曜日に、ルビオは7月にクリーヴランドで開かれ
る指名党大会で、トランプを支持すると発言する意向で、予備選挙
の期間中に獲得した代議員の票を自由に投ずるようにもとめる、と
報じた。

     国内ニュース

今年の亡命申請は既に2万件を超える

亡命申請の数は、今年は既に2万の大台を超えた。テレヴィと
「シュタンダルト」紙が、内務省の情報として、これを金曜日に報
じた。「シュタンダルト」紙によれば、現在毎週8百から9百件の申
請が提出されている。この状態が続けば、年末までに政府が設定し
た基準値3万7千5百を大幅に上回る。「シュタンダルト」紙によれ
ば、国民党と社会民主党の間では、緊急事態に命令を発するために
交渉が、既に行なわれている。4月末に亡命法を厳格化する中で決
められた計画で、政府は、緊急あるいは既に生じた非常事態の場合
には、国境を通過する地点でオーストリアに提出する亡命申請の取
り扱いを、原則的に中止することができるようになっている。




5月28日(土)

     国外ニュース

ヨーロッパで嵐 落雷で死傷者発生

土曜日ヨーロッパでは、複数の落雷があり、負傷者数十人と死者
1名が出た。ポーランドでは、徒歩両後者が落雷で死亡、ドイツで
は若者のサッカーの試合に、文字通り青天の霹靂があった。この試
合の主審は、蘇生措置を受けなければならなかった。フランスの首
都パリでは、公演で開かれていた誕生会に雷が落ち、6人が重傷を
負った。

     国内ニュース

ミッターレーナーは労使双方に「方針転換」を要求

副首相ラインホルトは、労使双方に「方針転換」を求めている。両
者は「完全に」変わらなければならない、と国民党党首でもある彼
は「クリール」紙日曜版に述べた。「私は彼らに、それぞれの組織
が現在必要としていることではなく、オーストリアが必要としてい
る方向へと方針転換するよう勧告している」と語った。労組双方
は、「自分たちの顧客に有利になるように販売できることだけを重
視するのではなく、現状での利益と国際的な水準を視野に収めなけ
ればならない」とも彼は語った。




5月29日(日)

     国外ニュース

ボアテング侮辱 AfDは解明の必要

「人々は彼をサッカー選手としては高く評価している。しかし彼ら
は(ジェローム)ボアテング(ドイツ代表選手)を、隣人としたく
はない。」「フランクフルト一般新聞日曜版」のインタヴューでの
この発言で、ドイツのためのもう一つの選択肢AfDの副党首アレク
サンダー ガオラントは、日曜日にサッカー愛好家とドイツのすべ
ての政党の政治家に、広い範囲で怒りを招いた。同党首フラオケ 
ペトリは、既に謝罪した。ガオラントは、ボアテングを侮辱したこ
とを否定した。同新聞は、このことを強く否定した。

     国内ニュース

労使双方はミッターレーナーを叱責

労働者会議議長ルードルフ カスケ(社会民主党)と経済会議議長
クリストフ ライトル(国民党)は日曜日、副首相ラインホルト 
ミッターレーナー(国民党)を厳しく叱責した。ミッターレーナー
は、「クリール」紙とのインタヴューで、労使双方は顧客の要求に
だけ応え、提案をしていないので、みずから抜本的に変わらなけれ
ばならない、と述べていた。カスケとライトルによれば、これは正
しくなく、税制改革や教育問題などで提案をした、と述べた。方針
転換を必要とする人がいるのであれば、それは政府の側である、と
ライトルは述べた。




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