6月6日〜12日のオーストリアのニュース



6月6日(月)

     国外ニュース

フランスはサッカー欧州選手権にむけ課題多数

金曜日にはパリで、サッカーのヨーロッパ選手権開始の笛が吹かれ
る。同選手権の主催国が、今回のフランスほど多くの課題と戦わな
ければならなかったのは珍しい。11月の襲撃事件から、非常事態が
宣言され、攻撃の危険は相変わらず高く設置されたままである。月
曜日にはウクライナで、急進右派フランス人の容疑者が逮捕された
ばかりである。彼はこの大会の周辺で攻撃計画を立てていた。さら
に数週間前から、ストライキがフランス全体に影響を与えている。
そしてさらなる課題もある。過去数日、同国北部では、激しい降雨
で高水と荒廃を引き起こしている。

     国内ニュース

難民政策でクルツはオーストラリアの提案を擁護

外務大臣セバスティアン クルツ(国民党)は月曜日、オーストリ
アの先例に倣って、地中海で船に乗った難民を捕まえたら、ただち
に送り返すか、島々に収容するようにとのみずからの提案を、批判
から擁護した。密入国業者が、誰がヨーロッパににやって来るかを
決めるのは、密入国業者ではなく、「我々各国」である、と彼はテ
レヴィ番組で述べた。また彼は、再移動計画に理解を求めたが、こ
の計画の中でオーストリアは、毎年「1万人から1万5千人」を受け
入れ可能である、と語った。この計画の法に則った実施に関して、
疑問の声が憲法学者ワルター オプウェクサーから出ている。




6月7日(火)

     国外ニュース

英国でのテレヴィ対決 英国のEU離脱に関する考え方とEUの論拠

英国がEUに残留するか離脱するか、英国が決定する前に初めて行な
われたテレヴィ対決で、配役ははっきりしていた。英国首相デイ
ヴィッド キャメロンは、EU賛成派で、EUに有利になるようにでき
るだけ多くの論拠を提出しようとした。対立する右派大衆迎合的
で、EUに批判的なナイジェル ファラージュは、もっぱら感情問題
に訴えかけ、英国人は周りから「こづき回され」たくない、などと
宣言し、一方鞄から自分の旅券を出し、表紙が「ヨーロッパ」の旅
券となっていることを嘆き、具体的なここの問題では、一時は情け
ない姿をさらした。

     国内ニュース

クルツに逆襲 ドスコツィルはアフリカに亡命本部を設置する意向

外務大臣セバスティアン クルツ(国民党)は、ヨーロッパの難民
危機を、中部ヨーロッパからできるだけ遠いところで解決すると提
案したが、連立内部でそう考える人はひとりではない。国防大臣ハ
ンス ペーター ドスコツィル(社会民主党)が攻勢に出て、亡命
本部をアフリカに作るように求めた。そこに提出された亡命申請だ
けが有効になるようにする、とドスコツィルは提案した。これによ
り彼は、法治国家の原則に従えば、クルツ同様、そして彼の前にア
フリカの亡命本部の案を持っていた人同様の限界にぶつかることに
なる。クルツはいずれにせよ、自分の意見が認められた、と見てい
る。




6月8日(水)

     国外ニュース

ヨーロッパ中央銀行は批判受けた企業投資を開始

一般の注目を集めることなく、水曜日にはヨーロッパ中央銀行EZB
の新たな巨額の計画が始まった。この計画で、経済を活性化しよう
というものである。同銀行はこれから、株式市場が選び出した企業
に投資している。月あたりの借入額は100億オイロに上る、と予想
されている。ただし批判的な人々は、影響が出ると警告しており、
全く支援を必要としていない企業が支援を受けることになる、と考
えている。また民間の投資家が脇へ追いやられ、危険他投資を強い
られる、との意見もある。

     国内ニュース

自由党は憲法裁判所に訴える ファン デア ベレンは冷静を保つ

選挙に勝利した連邦大統領アレクサンダー ファン デア ベレン
は、自由党の選挙に関する異議に、極めて冷静に反応した。それは
自由党の正当な権利であり、憲法裁判所がそれを担当している、と
彼は述べた。社会民主党は、自由党が有権者の意志を疑問視してい
る、と非難した。緑の党は、自由党が犠牲者にみずからなろうとし
ている、と考えている。テレヴィ番組で、自由党の弁護士ディー
ター ベームドルファーは、異議申し立ての理由として、新たな数
字を挙げた。




6月9日(木)

     国外ニュース

リビアはISに反攻

リビアは遅くともバルカン経路が閉鎖されてから後、再び難民危機
に大きく関与している。数千人が同国で、地中海を経由してヨー
ロッパにたどり着く旅を続けている。EUはこの対策を強化する方針
である。しかしリビアは、政治的混乱とテロ民兵イスラーム教国IS
と戦っている。EUは急進派戦闘員が、地中海を越えてヨーロッパに
密入国するのを恐れている。今回は政府は、リビアにおけるISの拠
点シルテで、戦果を挙げている、と報告している。軍によれば、同
市は「2日ないし3日」で、開放される。

     国内ニュース

会計検査院新長官クラーカーの方針は連立政権の維持を義務づける

国民党は、会計検査院の新長官の方針で、社会民主党との連立を崩
壊させる方に近づくかもしれない、との事前の観測は、正しくな
かった。指名をした際に国民党は独断的な態度を取って、社会民主
党を驚かせたが、第2位であった国民党の候補者マルギット ク
ラーカーに賛成した。今後は彼女が、女性として初めて会計検査院
の長官になる。彼女の任命が実現するには、社会民主党、国民党、
野党が、極めて様々な形で評価している。そしてこの決定は影響力
を持つ可能性がある。




6月10日(金)

     国外ニュース

英国のEU離脱は世界的な影響 投資家は不安に

英国のEU離脱に関する国民投票は、国際的な金融市場に、早くも影
を投げかけている。金曜日にはヨーロッパで投資家は、保有する大
量の株式を売却し、安全手重くされている国債と現金に取り替え
た。ロンドンの金融市場では、不安がかなり大きくなっているよう
である。イングランド軍港によれば、3月4月だけで、650億ポンド
がロンドンから引き上げられた。いつもと同様、国民投票は、金融
政策などで、世界的な影響を与えている。

     国内ニュース

労働市場政策 古い要求が新しい装いで

連邦首相クリスティアン ケルン(社会民主党)は、機械税と労働
時間の短縮要求を要求したが、これに対して大きな悲鳴を受け取っ
た。彼はこの措置で、当初短期間ながら守られていた連立内部の平
和に揺さぶりをかけた。労働大臣アロイス シュテーガー(社会民
主党)は、金曜日に追随して、オーストリアはどのようにすれば失
業を再び押さえ込むことができるか、自分の計画を発表した。この
問題での決まり文句は、「短時間労働はそれだけで給与であり、さ
らに打開策を含んでいる」というものである。もちろんこれには新
しい点はない。




6月11日(土)

     国外ニュース

アルメニア人決議 ドイツの政治家14人が警察の保護を受ける

ドイツ連邦議会が決議を可決し、オスマン国家におけるアルメニア
人大量殺害を、民族殺戮としたため、興奮がさらに高まっている。
トルコ系の国会議員11人が、暗殺予告と侮辱を受けたことで、より
厳重な警察の保護を受けている、と「フランクフルト一般新聞日曜
版」の先行版が報じている。「シュピーゲル」誌によれば、ドイツ
外務省は該当者に、トルコへの旅行を思いとどまるように勧告し
た。政治家自身は、トルコ大統領レジェップ タイップ エルドア
ンに対してだけでなく、ドイツ連邦政府にも厳しい批判をしてい
る。

     国内ニュース

ウィーンでデモ 警察の対処が議論を呼ぶ

デモ隊9人、警官4人が負傷し、7人が逮捕された。土曜日にウィー
ンでは、急進右派の集会の周辺で、激しい衝突が起き、警察のこの
措置に関して激しい議論が行なわれている。特に急進右派のデモの
経路を封鎖しようとして、対抗デモを行なった人々に、からしスプ
レーを使用したことが批判を生んでいる。警官と出動部隊の指揮官
が、「過大な反応をして、混乱を招いた」と緑の党は批判した。
ウィーン市警察署長は、この出動をインターネット上で弁護し、内
務大臣ウォルフガング ソーボトカ(国民党)も、それを支持し
た。




6月12日(日)

     国外ニュース

フロリダで50人の死者 ISとのつながりを示すものが増加

米国のフロリダ州オーランドの同性愛者が集まるクラブが襲撃され
たことを受け、29歳のお琴のこの犯行が、テロ民兵「イスラーム教
国IS」とつながりがあることを示す証拠が増えている。IS事態が、
50人が死亡、53人が負傷したこの攻撃を起こしたのは自分たちであ
る、と主張した。しかし攻撃犯も、事前に電話で、これに関する発
言を取り消していた。ロス アンジェルスでの「ゲイ プライド」
の行進を前に、もう一人の重武装した男が逮捕されたのが、この事
件と関連しているかどうかは不明である。

     国内ニュース

自由党は選挙への異議 インターネット上で「精神的圧迫」

連邦大統領選挙での異議申し立てのもう一つの理由として、自由党
党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヘは、ファン デア 
ベレンの支持者のインターネットへの書き込みが、「精神的圧迫」
を生んでいたことを挙げた。具体的には、選挙の当日に「くそ少な
いかもしれない」との標語を掲げて、一杯になった投票箱を表示し
た選挙への呼びかけである。シュトラーヘは、そのような書き込み
は自分自身も行なっていないが、ホーファーを支持するものだとは
考えていない。




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