７月２５日〜３１日のドイツのニュース
７月２５日（月）
アンスバッハ襲撃犯は「アッラーの名において」攻撃すると脅迫
アンスバッハ攻撃を受け、バイエルン州政府は、背景にイスラーム
教があることを示す証拠がある、と述べた。捜査陣は、犯人の携帯
電話の中に、ドイツ人に対して、「アッラーの名において」テロ攻
撃を行なう、と犯人が脅迫している映像を見つけた、とバイエルン
州内務大臣ヨアヒム ヘルマンはニュルンベルクで述べた。さら
に、犯人は、テロ民兵「イスラーム教国」の指導者アブ バクル
アル・バグダディに「属している」ことを表明していた、と述べ
た。その後ISの宣伝役と目されているアマク通信は、アンスバッハ
襲撃犯は、「イスラーム教国の戦士」である、と説明した。バイエ
ルン州アンスバッハでの音楽祭の間に、爆弾による攻撃が起こり、
シリア出身の亡命希望者1人が自爆、少なくとも12人が負傷した。
27歳の犯人は、おそらく音楽祭の会場に入り込もうとしたが失敗に
終わっていた。このシリア人は、おそらくブルガリアへ追放される
ことになっていたが、麻薬および脅迫の違法行為などで、警察に知
られていた。彼は2階自殺未遂をして、治療を受けていた。
その他のニュース
ミュンヒェン殺人鬼事件 友人が関知していたとして逮捕
ミュンヒェン殺人鬼事件の捜査が進む中、18歳の犯人の友人が、計
画について関知していたとして、逮捕された。彼は精神科で銃撃犯
と知り合い、凶行の直前に犯行現場の近くで会っていた、とのこと
である。この16歳のアフガニスタン人には、犯罪行為を告発しな
かった容疑で、捜査が行なわれており、逮捕命令を請求する、とバ
イエルン警察は発表した。この若者は、9人の死者を出した殺人鬼
事件の後、当局に届け出たが、彼の発言は矛盾を来している。
政権転覆未遂後 批判的な記者に逮捕命令
トルコで非常事態が科されたことを受け、イスタンブル検察は42人
の記者に逮捕命令を出した。その中には政府に批判的な有力女性記
者も含まれている。彼女はイリツァクで、政権転覆未遂捜査との関
連で、行方を追及されていた42人の容疑者の1人である、と国営ア
ナドル通信社も伝えている。DHA通信は、捜査は説教師ギュレンの
組織に属する報道機関に向けられている、と伝えている。政府は、
ギュレンに政権転覆未遂事件の責任がある、としている。さらに
DHA通信は、イスタンブルでギュレン支持者の手入れでは、教授を
含め大学関係者31人が逮捕された、とも報じている。公式発表によ
れば、政権転覆未遂事件後、1万3千人以上の容疑者が逮捕され、う
ち6千人近くが取り調べのために拘留されている。
バグダードの北で自殺攻撃 死者多数
イラクでは自殺攻撃が起こり、少なくとも18人を巻き添えに死亡し
た。当局の発表によれば、負傷者は30人を超えた。犯人は爆弾を積
んだ自動車で、首都バグダード北にあるハリス市の監視所に突っ込
んだ。当初はこの犯行を認める発表はなかったが、最近テロ民兵
「イスラーム教国IS」が、イラクで多数の襲撃を起こしている。日
曜日には、バグダードでISが犯行声明を出した自殺攻撃があり、少
なくとも15人が死亡した。
７月２６日（火）
北フランスの教会で人質事件 司祭が殺される
北フランスのカトリック教会で人質事件が発生し、司祭が殺害され
た。ルーアン近くのこの襲撃事件では、さらに1人の人質が命に関
わる負傷をし、別の3人は無傷であった、とフランス内務省は発表
した。人質犯2人は、警察の特殊部隊によって射殺された。彼らの
動機は、最初は不明であった。パリのテロ対策検察が、捜査を開始
した。人質犯は、ルーアン近くのサンテティエンヌ・ドゥ・ルーヴ
レイの教会で、礼拝が開かれている最中に、複数の人質を取った。
大統領フランソワ オランドが、犯行現場を訪れた。ローマでは教
皇フランツィスクスが、この人質事件を「無意味な暴力」と非難し
た。この犯行に関連して、そのご1人の男が逮捕された。捜査筋は
さしあたり、この男の身元と逮捕理由について、情報を明らかにし
なかった。
その他のニュース
ニース襲撃事件でさらに逮捕者
フランスの捜査陣は、1週間前に起きたニース襲撃事件を受け、さ
らに2人の容疑者を逮捕した。襲撃犯ブーレルを手助けした者の捜
査で、2人の男が警察に逮捕された、と捜査筋は発表した。当局は
さらに、物資供給で犯人を支援した者を突き止め、さらに共犯者が
いたかどうか見い出そうとしている、とのことである。ブーレルは
7月14日に、ニースの海岸遊歩道でトラックを使って84人を殺害し
ていた。検察は、彼が攻撃を準備した際に支援を受けていた、と確
信している。先週から支援者と見られる5人が、捜査のために拘留
され、うち3人はテロ行為に関連した殺人幇助に責任があり、2人は
彼のピストル調達で、一定の役割を果たした。
患者がベルリンの病院で医師を射殺
ベルリンのベンヤミン・フランクリン病院で、患者が医師を銃撃
し、重傷負わせ、そのすぐ後に犠牲者は死亡した。警察によれば、
72歳の犯人はその後自殺した。警察はこれに関して、テロ攻撃の可
能性を否定した。警察広報は、テロであることを示す兆候はない、
と述べた。この医師は2人の子供を持つ父親で、この病院で顎の整
形外科医として勤務していた。ベルリン南西部の病院は、ヨーロッ
パ最大の大学診療所カリテの4拠点のうちの一つである。ベルリン
厚生相ツァヤは、「不可解なほど卑劣で残酷な行為」である、と述
べた。
連邦政府は予備役の軍を検討との報道
報道によれば、ヴュルツブルク、ミュンヒェン、ロイトリンゲン、
アンスバッハでの凶行を受け、連邦政府内部では、新たな国内安全
策に向けて検討が始まっている。この大差ｋに派、警察を支援する
ために、「予備役」を設置するこも含まれている、とビルト紙が政
府筋の情報として伝えている。それによれば、軍あるいは警察の訓
練を受けた志願者がこれに参加する。この先例となるのは、米国の
国民軍（州兵）、フランスの予備役勤務、英国の予備役軍になりう
る。ドイツ連邦内務省は、この報道を否定し、そのような計画は省
内では知られていない、と説明した。
７月２７日（水）
メルケルは北フランスの教会襲撃について「深い悲しみ」を表明
フランス大統領フランソワ オランドは、宗教的な寛容に向けて、
はっきりと問題提起を行なった。イスラーム教徒が、カトリック教
会の司祭を残酷に殺害した事件から1日、オランドはパリの大統領
府で、キリスト教、イスラーム教、ユダヤ教、仏教の信徒組織の代
表を出迎えた。パリ大司教ヴァン・トロア枢機卿は、テロ民兵ISの
政治的な企みに、引きずり込まれないように、と警告し、様々な宗
教が調和の取れた関係を持つことが、フランス社会の団結を生む重
要な資産である、と述べた。
ドイツ首相アンゲラ メルケルは、この襲撃に深く震撼した、と述
べ、テロ行為と協力して戦う、と強調した。彼女はオランドに宛て
た電報の中で、信仰厚いキリスト教に対する攻撃を、極めて厳しく
非難する、と述べた。
その他のニュース
裏ネットでの武器売買 連邦刑事局は容疑者85人を捜査
コンピューターおよびインターネット犯罪で、昨年4千万オイロ以
上の損害が発生した。連邦刑事局は、これは前年比3%の増加であ
る、と発表した。同局によれば、インターネット犯罪には、極めて
大きな暗部があり、実際の数字ははるかに大きな可能性が高い。こ
の犯罪ではいわゆる裏ネット、つまりネットの中で隠れて暗号化さ
れた部分が、犯罪者にとってますます大きな役割を持っている。同
局長ミュンヒは、同局はすでに、裏ネット市場5つを接続から遮断
し、容疑者85人を捜査している、と説明した。さらに彼は、匿名の
分野では、追跡中の人々に、意志を表明する機会を与えることが重
要であるが、極めて多くの犯罪者によって利用されており、それゆ
え刑事訴追を担当する官庁が、技術的人材的に発展に後れを取らな
いでいることが重要だ、とも述べた。
北シリアでISが襲撃 死傷者発生
北シリアでは過去数ヶ月で最も激しい襲撃事件の一つが起き、死者
の数は少なくとも44人に増加した。国立病院院長は、クルド人治安
部隊と、北東の都市カミシュリの役所が爆弾による攻撃を受け、多
くの人が今なお残骸の下に閉じ込められている、と述べた。ISの宣
伝役アマクは、インターネット上の親書の中で、テロ民兵「イス
ラーム教国」を代表して、この犯行に異議を唱えた。シリア人権監
視団の発表によれば、自動車爆弾一発が法務省と治安部隊の建物近
くで爆発した。この地域の活動家は、爆弾を満載したトラックが
吹っ飛んだ、と報告している。今のところ第2の爆発の詳細は、発
表されていない。クルド人が指揮し、米国が支援しているシリア民
主勢力DFSは、テロ民兵ISに対抗して、北シリアに攻め込んでい
る。クルド人たちは、IS戦闘員に対抗する最も効率的な勢力と目さ
れている。カミシュリは、トルコとの国境にあり、一部はクルド人
に、一部はシリア政府軍に支配されている。
スペインでISのテロ支援員と見られる2人が逮捕される
スペインで、IS支持者と見られる2人が逮捕された。彼らには、ジ
ハード主義者民兵「イスラエルIS」のために、資金を集めていた、
との容疑が持たれている。警察発表によれば、22歳と33歳のモロッ
コ人は、カタルニアで逮捕された、彼らはISに送金が届くように手
配し、その金で新たなIS戦闘員の旅行費用などが支払われていた。
どれぐらいの金額が支払われたかは、警察は発表していない。警察
はこの2人がテロ組織の資金源と、テロ組織との協力をしていた、
としている。発表によれば、兄弟の3人目は、すでに妻子を連れて
シリアに受けて復刻し、現地で殺された。専門家によれば、およそ
160人のスペイン人が、イラクおよびシリアで、ジハード主義者組
織に加わった。特にモロッコにあるスペインの飛び地セウタとメ
リーリャ等では、このところ繰り返して、ジハード主義者た逮捕さ
れている。
７月２８日（木）
メルケルはより大きな安全を約束
連邦首相アンゲラ メルケルは、ヴュルツブルクとアンスバッハ攻
撃を、イスラーム教徒によるテロと非難し、最近の暴力行為の責任
を取らせる、と約束した。メルケルは、当局がこの犯行を開映する
ために、あらゆることを行なう、と約束し、さらに単独犯による脅
威により上手く対処できるように、早期警戒態勢を改善する、と約
束した。さらにメルケルは、さらなる安全確保のために9項目から
なる計画を発表した。それによれば、亡命希望者を国外追放すると
きの基準を引き下げ、大規模テロ攻撃に備えて、国内で連邦軍の活
動を準備しておくことになる。日曜日夕刻には、シリア人難民が、
バイエルン州アンスバッハのコンサート会場前で、爆弾に点火し
た。この事件では15人が負傷した。数日前には、17歳のおそらくア
フガニスタンからの難民が、斧と刃物で人々を襲撃していた。
その他のニュース
オバマは後継者にクリントンを推薦
米国大統領オバマは、民主党党大会で、自分の政権で外相を務めた
クリントンに、自分の後継者の資質がある、と受け合った。オバマ
はフィラデルフィアに集まっただいぎんを前に、大統領の職務によ
り上手く準備をしている人は、男性であれ、女性であれいなかっ
た、大統領執務室で自分が最も重要な決断をしたときに、クリント
ンはその場にいて、世界的な危機に対処するすべを心得てい留、と
述べた。さらにオバマは、クリントンは社会的な障害を取り去り、
すべての米国市民によりよい機会を与える具体的な計画を持てい
る、と賞賛した。一方彼は、共和党の大統領候補トランプを非難し
て、大統領としての計画を持っていない、と述べた。これより前に
副大統領バイデンなど著名な民主党員が、トランプに対して厳しく
批判していた。明日夜に、クリントンは演説の中で、民主党の大統
領候補氏名を正式に受け入れる。
ロシアはアレッポに向けて人道回廊を築くと予告
ロシアとシリア政府は、北シリアにある包囲されているアレッポ市
から、民間人向けに、3つの人道回廊を開設する方針である、とロ
シア国防相ショイグは予告した。複数の通信社の報道によれば、こ
の回廊を通って同市を立ち去る者は、食糧と医薬品を受け取る、と
彼は述べた。シリア政府軍とそれに同盟する勢力は、同国第二の都
市で、人口およそ30万人を擁する同市を、支配下に置いている、さ
らにショイグは、アレッポの北に、自由シリア軍の戦闘員およびテ
ロリストに分類されているヌスラ前線の戦闘員が、同市を立ち去れ
るように、第4の人道回廊を築くつもりだ、とも述べた。一方シリ
ア大統領アサドは、蜂起勢力に対して、武器を捨てるのであれば、
恩赦を与える、と提案し、戦争開始以来認められている国籍選択
を、改めて認める、と述べた。
トルコの高位の将軍2人が辞任との報道
トルコ軍幹部会議を前に、報道によれば、高位の将軍2人が辞任し
たドガン通信社によれば、地上軍参謀長ウヤルと訓練部門の指揮官
バソグルが職を辞した。軍最高評議会の会議では、軍の抜本的な改
造が承認されることになっている。先日149人の陸軍と海軍の将軍
が、不名誉除隊処分を受けていた。彼らには、7月中旬の政権転覆
未遂事件に関与していた、との疑いが持たれている。トルコ軍部に
よる政権転覆未遂事件のあと、合わせて1万5千人以上が逮捕され
た。今なお少なくとも8千人が拘留されている。
７月２９日（金）
教皇はアウシュヴィッツ強制収容所記念施設を訪問
教皇フランツィスクスは、ナチの旧アウシュヴィッツ強制収容所を
訪問した。彼はそこで、ホロコーストを生き延びた人々と面会し
た。第二次世界大戦中に数千人が射殺されたいわゆる死の壁のとこ
ろで、彼はろうそくに点火した。その後フランツィスクスは、アウ
シュヴィッツで父親の代わりに、自らの意志で死に赴いたフランシ
スコ会修道士マクシミリアン コルベが以前入っていた部屋に入
り、祈祷した。また彼は、元絶滅収容所ビルケナオでは、ナチ支配
時代に、ユダヤ人を殺戮から救った人々と、面会する意向である。
ビルケナウだけで、ユダヤ人を中心に、110万人以上が殺害され
た。教皇ヨハネス パウル（ヨハネ パウロ）2世とベネディクト
16世に続いて、アウシュヴィッツ・ビルケナオを訪問した、3番目
の教皇がフランツィスクスである。現在開かれている世界青年
の日をきっかけに、彼はポーランドを訪問している。
その他のニュース
クリントンは大統領就任の暁には雇用を創出する意向
米国民主党の大統領候補クリントンは、当選した場合には、特に雇
用の創出に努力する意向である。彼女はフィラデルフィアで開かれ
た党大会で、自分の最重要任務は、賃上げを伴なうよい職である、
と述べた。この党大会で、彼女は大統領候補候補指名を受け入れて
いた。68歳の彼女は、党内の対立候補サンダースに感謝し、彼は経
済的および社会的問題を、再び中心項目に据えてくれた、と述べ
た。クリントンは外交面では、ロシアからの者を含む脅威に対し
て、NATO諸国を支援する、と約束した。共和党の対立候補トランプ
を念頭に置いて、彼は未来に対して不安をまき散らしており、米国
を世界の中で孤立させ、社会を分断するつもりである、と述べた。
彼に勝利すれば、クリントンは女性として初めて、米国の最高の職
務に就くことになる。
アレッポIIで物資供給情勢が劇的に改善
ロシアは、攻防戦が続くシリアの都市アレッポに、ロシアの監視の
下で避難用回廊を設置するよう提案したが、国連シリア特使デ ミ
ストゥラは、これを拒否した。この種の活動はすべて、国連の監視
下で行われるべきである、と彼は述べた。ロシアはシリアの権力者
アサドを支援している。支援組織「国境なき医師団」は、アレッポ
への物資供給が現在欠乏している、と警告している。この地域を担
当している部門の代表マルコは、同市東部に25万人が閉じ込められ
ているとの推定もあるほか、この地域への唯一の連絡通路は、反政
府組織が押さえており、途中で途切れている、と述べた。これに対
してシリア人権監視団は、反乱勢力はアレッポから人々が避難する
のを妨害しようとしている、と伝えている。さらに野党に近い同団
は、テロ民兵「イスラーム教国IS」は、シリア北部のマンビジュの
拠点の近くで、少なくとも24人の民間人を処刑した、とも伝えてい
る。同団の英国からの情報は、中立の立場からはほとんど確認され
ない。
ケルンでのエルドアン・デモに3万人の参加者が見込まれる
ケルン警察は、日曜日のトルコ大統領エルドアンを指示する大デモ
には、3万人ほどが参加すると予想している。同時に多くの反対派
の催しが予告されており、右派急進政党「親ノルトライン・ヴェス
トファーレン」も含まれる。トルコ政府の閣僚が、親エルドアンの
集会に参加すれば、一般の安全を危険にさらさないように、この組
織は、現在寄せられている否定的な声のために、禁止されなければ
ならないかもしれない、とケルン警察署長マティースは予告した。
また彼は、主催者に対して、演説する人の名簿を提出するよう求め
た。警察は2千3百人を動員し、この催しのために数台の放水車を用
意している。
７月３０日（土）
ゼーホーファーはメルケルの「私達はやり遂げる」とは別の意見
バイエルン州首相ホルスト ゼーホーファーは、難民危機克服にあ
たって、連邦首相アンゲラ メルケルとは、全く異なる態度を取っ
た。彼はバイエルン州政府の閣僚の非公開会議後に、メルケルの
「私たちはやり遂げる」の原則には同意することができない、その
ためには問題が巨大すぎ、今までの解決策は満足とはほど遠い、と
述べた。さらにキリスト教社会同盟党首である彼は、難民の流入を
押さえることに理解を求めた。「移住の制限は、国の安全に向けた
前提条件である」とゼーホーファーは述べた。この日公開会議の間
に、バイエルン州の新たな治安対策の原則が決定された。それによ
れば警察は2017年から20年の間に、2千人増員され、最新の武装を
整えることになる。
その他のニュース
検察「エルドアンがドイツで出した告発はそのままに」
トルコ大統領侮辱に関する告発は、ドイツではまだ解決済みとは見
なされていない。報道弁護士で、ドイツでエルドアンの代理人を務
めているヘッカーは、このように発表した。彼は、侮辱容疑でのす
べての訴えを撤回するとの発表は、トルコに関するもののみであっ
て、ドイツでは情勢はしばらくは変わらない、と述べた。エルドア
ンは、善意の表れとして、この訴訟は放棄する、と発表していた。
トルコでは、特に野党の政治家多数に対するものを中心に、1千8百
を越えるこの種の訴訟が係属中である。エルドアンは、西側からは
対処に厳しい批判が出ていることを受け、EUと米国に対して、トル
コに勧告する代わりに、「それぞれの国の案件」に力を注ぐよう呼
びかけた。また彼は2週間前の政権転覆未遂事件後に、関心や連帯
が寄せられていないことに、苦言を呈し、弔意を示すためにEUある
いは西側の国などから、代表がトルコに向かわなかった、と述べ
た。彼は批判勢力に対して、政権転覆未遂を起こした側の味方であ
る、と非難した。
教皇は教会がより謙虚になることを望む
ポーランドのクラクフ（クラカオ）での世界青年の日で、教皇フラ
ンツィスクスは、より開かれより謙虚な教会になるように求めた。
彼は修道士と神学生との礼拝で、イエズスは旅立つ教会を望んでい
る、世界に背を向けるのではなくて、教会はイエズスのように世界
へ出ていくべきである、それも「権力者」としてではなく、「奴隷
として」である、と述べた。フランツィスクスは教皇就任以来、
「貧者の教会」であること望み、しばしばローマ教皇庁の権力追求
をしばしば糾弾してきた。6日にわたる世界青年の日は、日曜日に
大礼拝を開いて終了する。攻防戦が続くシリアの都市アレッポです
ら、数百人の若者が、カトリック教会で世界青年の日を祝った。彼
らは映像による書簡を送り、教皇にあいさつをした。
右派の反エルドアン・デモは実施の可能性が高い
ケルンでは親エルドアン・デモが計画されているが、右派のデモが
結局実施されることになりそうである。ミュンスター上級行政裁判
所は、ケルン警察の公国を退けた、と同裁判所広報は確認した。デ
モ隊の背後には、外国人を敵視する正統「親ノルトライン・ヴェス
トファーレン」などがいる。同党は、「ドイツにはエルドアンに敬
意を払うものはいない。ボスポラスのイスラーム教独裁者を止め
よ」と標語を掲げてデモを行なう方針である。警察は衝突が起きる
のではないか、と懸念している。ケルンでは日曜日に、エルドアン
の支持者3万人ほどが、デモを行なう意向である。合わせて4つの対
立するデモが届け出を行なっている。ケルン警察署長マティース
は、短期的に親エルドアン・デモを禁止する可能性を否定しなかっ
た。彼は西部ドイツ放送に、一日中情勢判断を継続する、と述べ
た。
７月３１日（日）
1千人を超えるトルコ兵が不名誉除隊
トルコで政権転覆が失敗に終わったことを受け、大統領レジェップ
タイップ エルドアンは、緊急命令で、1千3百人を超える兵士
を、トルコ軍から不名誉除隊にした。その中にはエルドアンの元顧
問が含まれている、と国営アナドル通信が艦砲で公表された命令を
引用して伝えている。水曜日にはエルドアンは1千6百人以上の将校
を解任し、その中には150人の将軍位を持つものが含まれている。
アナドル通信はさらに、今回公表された命令で、さらに軍人学校も
閉鎖された、士官の育成のために、国防相の下に大学を創設する、
と報じた。陸軍、空軍、海軍は、同じく国防相の下に置かれる、と
のことである。トルコ政府は、解任された兵士達は、米国で暮らす
説教師フェットフュラー ギュレンとつながりを持っている、と非
難した。エルドアンはギュレンが、7月15日の政権転覆の試みを引
き起こした、としている。
その他のニュース
ケルンでの集会にエルドアン支持者数千人が参加
ケルン警察は、暴力事件が発生する懸念から、トルコ大統領エルド
アンの支持者が問題の大規模集会を前に、機動隊を4百人増員して
2千7百人とした。親エルドアンのデモ隊は「民主主義を支持 武装
政権転覆に反対」には、3万人ほどが参加する見通しである。トル
コ・スポーツ相も発言する予定である。ただし主催者は、大統領エ
ルドアンなどトルコの政治家を生で大スクリーンに映し出すことは
許されていない、との決定を連邦憲法裁判所は下した。左派陣営と
ドイツ各政党の青年組織によるものなど、対抗するデモが4つ届け
出られている。右派の分裂した政党「親ノルトライン・ヴェスト
ファーレン」も、デモを行なう方針である。外相シュタインマイ
アーは、参加者に節度を保つよう呼びかけ、トルコの内政の緊張を
ドイツへ持ち込み、政治信条が異なる人々を畏縮させるのを、政府
は阻止するつもりだ、と述べた。
モガディシオで爆発 死者少なくとも4人
ソマリアの首都モガディシオでは、激しい爆発が起きた。爆発が起
きたのは、交通量の多い市中心部の交差点近くであった。その際に
少なくとも4人が死亡した。現地での報道によれば、ソマリアの刑
事警察本部近くで、２件の爆発が起き、その後に銃撃戦も起きた。
モガディシオは、イスラーム教徒シャバーブ民兵による攻撃に震撼
している。火曜日には、国際空港近くで2件の襲撃事件があり、少
なくとも13人が死亡したばかりであった。シャバーブ民兵は、ソマ
リアで数年前から暴力を用いて、イスラーム教に基づく神の国を作
るべく戦っている。ただしこの反乱勢力は、政府軍とアフリカ連合
AUの兵士によって、首都およびその他の都市からは追い出された。
ただし彼らは今なお、田舎の地域を支配下に置き、頻繁に首都の中
心部にまで攻め込んでいる。
イエメンの和平交渉は1週間延長
行き詰まりを見せているイエメン和平交渉は、1週間延長される。
国連の使節アフメドは、対立する各勢力が、平和に向けた道のりを
さらに前進するために、この時間を利用することを望んでいる、と
述べた。イエメン政府も、この交渉延長に賛成した。フチ反乱勢力
が同国を指導するための「最高評議会」結成を予告したことを受
け、政府はフチとの話し合いを打ち切っていた。アフメドによれ
ば、打ち切りは国連安全保障理事会の決議違反になる。諸外国が承
認した政府とフチ民兵の紛争は、16ヶ月前から続き、6千4百人以上
が死亡し、うち半分近くが民間人である。250万人が故郷を追われ
た。