10月10日〜16日のドイツのニュース



10月10日(月)

ヨーロッパ評議会の人権賞はヤジディ教徒ナディア ムラドに

今年のヨーロッパ評議会の人権賞は、ISテロ民兵に以前とらわれて
いたナディア ムラドに贈られる。23歳のヤジディ教徒である彼女
は、北イラクで「イスラーム教国IS」のジハード主義者が、ヤジ
ディ教徒を集団を奴隷化したことと戦っている。彼女自身は、民兵
によって性的奴隷として暴力を加えられていた。彼女は逃走に成功
し、現在は人身売買の犠牲者の尊厳に関する国連特使となってい
る。
ヨーロッパ評議会の議会集会が、この賞を与えるのは4度目であ
る。同賞は6万オイロの賞金がついており、なくなった人権活動家
でチェコ共和国大統領ヴァツラフ ハヴェルの名がつけられてい
る。過去にはロシア、アゼルバイジャン、白ロシア(ベラルーシ)
の活動家が、この賞を受けていた。

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アンカラ警察が催涙ガスを使って無許可追悼集会の実施を阻止

トルコ警察は、催涙ガスと放水車を使って、アンカラ襲撃記念日の
追悼集会を妨害した。当局は、安全面の懸念から、また現在非常事
態が科されていることを指摘して、この集会を事前に禁止してお
り、犯行現場に続く道を封鎖していた。それにもかかわらず、数百
人が現場にたどり着こうとした。駅前には2015年10月10日に、自殺
攻撃犯2人が、親クルド人デモに参加していた1百人以上を巻き添え
に爆死していた。トルコ政府は、テロ民兵「イスラーム教国IS」
が、この犯行を引き起こした、としているが、ISは犯行声明を出し
ていない。

ノーベル経済学賞は契約の理論家ハートとホルムストレムが授賞

今年のノーベル経済学賞は、ハートとホムシュトレムが授賞する、
とスウェーデン王室科学学会がストックホルムで発表した。英国生
まれの米国の経済学者ハートとフィンランド人ホルムストレムが、
契約理論の問題に関する研究に対して授賞する。ノーベル委員会側
によれば、彼らの研究で契約と契約交渉を行なう機関の理解が進
み、それによって契約の作成の歳の落とし穴も、より容易に見つか
ることになった。受賞者は2人も米国で教えている。ハートはハー
ヴァード大学の教授で、ホルストレムはマサチューセッツ工科大学
で教えている。83万オイロの賞金付きの同賞は、以前からあるノー
ベル賞とは違って、スウェーデン人創設者ノーベルの遺言に基づく
ものではない。スウェーデン国立銀行が、遅れて1968年に同賞を作
り、重要な経済学者を表彰している。

第2回対決 世論調査はクリントンが泥仕合の勝者とみる

米国大統領候補の第2回テレヴィ討論は、当初の世論調査によれ
ば、民主党のクリントンが勝利した。それによれば、彼女が57%の
支持を、共和党のトランプは34%だけを支持した。両候補は激しい
人格的な非難を積み重ねた。トランプは、セント ルイスでの討論
会の冒頭で、女性蔑視の発言を弁護し、自分は今まで一度も女性に
性犯罪を犯したことはない、と請け合った。共和党員である彼はこ
れに関連して、元米国大統領クリントンが今日まで犯してきた虐待
の容疑について言及した。彼はその後彼は、クリントンの電子メイ
ル事件で攻撃し、自分が勝利した場合には、この問題で特別捜査陣
を置くつもりである、と述べた。トランプはクリントンが、数回に
わたって真実を述べていない、と非難した。政治問題としては、今
回の対決では、視聴者が提出した問題で、シリア情勢と移民の扱い
が問題の中心であった。




10月11日(火)

ロシアのジェット機がアレッポ東部をふたたび爆撃

数日間比較的平穏な日々が続いたが、ロシアの戦闘用ジェット機
が、アレッポ東部への攻撃を再開した。反乱勢力は、特にブスタン 
アル・カスルを狙ったものである、と発表した。野党に近い人権監
視団も、新たな空爆があった、と述べた。
シリアの族長3人が、宗教の自由に関するEU特使ヤン フィゲル
に、和平の嘆願書をブリュッセルで手渡した。彼らは、1百万人以
上のシリア人の子供が、この書簡に署名した、と説明した。さらに
子供たちはこの地域の未来であり、学校に通えるようにしなければ
ならない、シリア人は戦争、誘拐、流血の惨事に疲れている、と彼
ら聖職者は述べた。

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サムスン社はギャラクシー ノート7の生産を終了

サムスン社は、問題を抱えるスマートフォン「ギャラクシー ノー
ト7」の生産を中止する。携帯電話の世界市場を牽引する勧告の同
社は、この型の製品を、今後市場に出すことはない、と述べた。こ
れより前に、8月に市場に出たこの電話は、アップル社のアイフォ
ンの競争相手とされており、世界各地で販売が中止されていた。サ
ムスン社はその発表の中で、すべての顧客に同型製品の電源を落と
し、店に戻すように呼びかけた。ギャラクシー ノート7は、燃え
たあるいは爆発したとする、利用者の報告が増加しているのが、そ
のきっかけである。9月初めに同社は、充電池が火事を起こす危険
があるため、同型製品およそ250万台を、全世界で交換し始めてい
た。ただし過去数日、交換された製品も煙を出す事例が明らかにな
った。

メルケルはアフリカ諸国に団結を呼びかける

アフリカの安定が洪水、テロ、経済問題で危険にさらされる中、首
相メルケルは、アフリカ諸国が緊密に協力するよう呼びかけた。彼
女はアフリカ連合AUの本部があるエチオピアの首都アディス アベ
バで、アフリカはますます世界的な意義をましているので、アフリ
カ諸国ができるだけ大きく一致して、利益を主張することが重要
だ、と述べた。彼女は現地で、ドイツが3千万オイロの資金を出し
たAUの平和と安全のためのジュリウス・ニエレレ・ビルの開所式に
出席した。さらに彼女は、「テロ民兵をこの大地からなくすために
は」民主主義、政治の安定、経済成長が重要であり、無法地帯と急
進派が帰還していく場所に打撃を与えるためには、安定した国家の
態勢が結局は必要だ、とも説明した。

マーセンは逮捕されたテロ容疑者の危険性を強調

憲法擁護庁は、ライプツィヒで逮捕されたシリア人にならって、今
後さらに襲撃計画があるとの証拠をつかんではいない、と同庁長官
マーセンは述べた。また彼はドイツ第二テレヴィに、今回の事件で
は、攻撃の「12時5分前」の時点であった、と述べた。ドイツ秘密
情報部の見解では、逮捕されたテロ容疑者アル・バクルは、「イス
ラーム教国IS」とつながりがあった。マーセンによれば、9月上旬
にISがドイツの社会基盤に対する攻撃を計画している、との証拠が
当局に寄せられていた。容疑者のシリア人は、ベルリン空港への攻
撃を計画していた、とのことである。警察は月曜日に、ライプツィ
ヒでこの男を逮捕した。シリア人たちが、22歳のこの男を取り押さ
え、縛り上げて警察に引き渡したが、この男は彼らを買収しようと
した。このシリア人は2015年2月に難民としてミュンヒェンで登録
され、翌日にケムニッツに移送されていた。




10月12日(水)

連邦軍はトルコでの対IS派遣を拡大

連邦軍は、テロ民兵「イスラーム教国IS」との戦いに、今後は今ま
でよりより大きく参加することになる。6機のトルネイド型哨戒機
と、給油用飛行機1機の他、今後はドイツ兵もNATOのAwacs型偵察機
で、シリアおよびイラクでのISの拠点空爆を支援する。連邦内閣は
これを可決した。連邦議会が11月に、この任務について投票を行な
うことになる模様である。今まで通りに、投入される兵士の数は、
1千2百人を超えることはない、とのことである。今まで対IS作戦に
は、トルコの空軍基地インジルリクに、兵士250人が駐留してい
た。Awacs型機はおそらく、コンヤから出撃することになる。同機
は戦闘爆撃機用の発射機能を搭載していない。連邦軍は、Awacs型
機乗組員の3分の1ほどを出す。ドイツ連邦議会がアルメニア人決議
を下したため、トルコはドイツの同議会議員のインジルリク訪問を
禁止していたが、これを解除することが、派遣拡大の前提条件であ
る。

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連邦憲法裁判所はCETAに関する緊急動議の審理を行なう

連邦憲法裁判所は水曜日、反対意見のあるEUカナダ包括的経済貿易
協定CETAに、連邦政府が賛成することを阻止するための、複数の緊
急動議に関して、審理を行なう。およそ20万人の左派の市民と政治
家が、ドイツとカナダのこの協定は、民主主義にとって危険であ
る、と見ている。原告は、同裁判所が連邦政府に、10月27日に予定
されているこの協定署名を、EU閣僚評議会での反対によって、阻止
するよう義務づけることをもくろんでいる。そうならない場合に
は、この協定は、違憲抗告に関する決定と連邦議会の可決を前に、
少なくともほとんどの部分は発行することになる。連邦憲法裁判所
は、木曜日にその決定を発表する意向である。

ロシアは米国外相ケリーとシリア会談を行うと発表

ロシアと米国は、シリア戦争をめぐり、土曜日に話し合いを続ける
意向である。ロシア外相ラヴロフは、米国外相ケリーとの会談を、
10月15日にローザンヌで行う、と予告した。彼はモスクワで、協力
してシリア戦争の政治的解決への道を話し合う、発表した。米国外
務省は、この会談が行われることを確認した。米国は1週間前に、
攻防戦が続くシリアの大都市アレッポで、ふたたび停戦を実現する
ためのロシアとの対話を、中断していた。両国政府は、根本的に異
なるシリアでの利害を追及しているため、近東およびそれ以外の地
域での事態が激化する恐れがかなり高い、と見られている。

亡命申請の作業が増加 遅れはまだ解消されず

連邦移民難民局BAMFは、今年亡命申請の作業が昨年より倍以上に増
えた。連邦内相デ メズィエールは、その数は9月末までで、46万
2千人で、これは165%の増加であり、9月だけで7万件の申請の作業
を行ない、これは以前にはなかったほど多い、と述べた。彼によれ
ば、今年は、およそ21万3千人の難民がやって来ており、今年は9月
末までに65万8千人が亡命申請を提出したが、2015年に入国した多
数の難民が、今年ようやく申請をしたため、その数が極めて多数に
なっている。およそ6万人がドイツを去った、とのことである。デ 
メズィエールは、傾向が変化しており、申請受理の作業は「成し遂
げられたも同様」である、と述べた。




10月13日(木)

イタリアの有名作家ダリオ フォが死去

イタリア人作家でノーベル文学賞受賞者ダリオ フォがなくなっ
た。劇作家で演出家である彼は、90歳で亡くなった、と長年の友人
がドイツ通信社に確認した。イタリアでの報道によれば、フォは
12日前にミラノの病院に運ばれていた。彼は政治的な活動で知られ
ており、1997年にノーベル文学賞を受けた。首相マテオ レンツィ
は弔慰を発表し、イタリアはフォを失うことで、劇場、文化、同国
の市民の生活の中で最重要人物失うことになる、と述べた。フォ
は、「コメディア デラルテ」の革新者として知られている。彼は
1960年に喜劇『大天使たちはフリッパーで遊ばない』で、世界的に
有名になった。彼の最重要作品『あるアナーキストの偶然の死』は
1970年の作品である。

     その他のニュース

スコットランドは独立に関する第2回国民投票を視野に

スコットランド首相スタージョンは、スコットランドの英国からの
独立に関する投票を再び行なうための法案を作る、と予告した。彼
女はグラスゴウでのスコットランド国民党の党大会の冒頭で、この
案は来週中に提案される、と述べた。またスタージョンは、スコッ
トランドは、独立問題をもう一度考える機会を、それも英国がEUを
利達する前に持たなければならない、と強調した。2014年9月に
は、スコットランド人はすでに1度、英国からの独立に関して投票
を行なっていた。この時は、英国残留に55%の人が賛成投票をして
いた。英国のEU離脱が国民投票で、6月23日に可決されたことで、
前提条件が抜本的に変わっていた。この時は英国人の52%がEU離脱
に賛成していた。これに対し、スコットランドはEU残留に62%が賛
成した。

米国のロックの象徴ディランが2016年ノーベル文学賞を受賞

米国のロック歌手ディランが、ノーベル文学賞を受賞する。ス
ウェーデン学会はその理由として、ディランが「大いなるアメリカ
の歌の伝統の中で、新たな詩的表現形式を作り出した」ことを挙げ
た。作詞家が同賞を受賞するのは初めてである。同学会は、「ディ
ランはイコンで」あって、彼の現代音楽への影響力は大きい、と述
べた。75歳のディランはロバート アレン ジマーマンとしてミネ
ソタに生まれ、50年代にデビューした。彼の書いた詞は、フォーク
およびロック音楽にとって、方向性を指し示すものである、と見な
されている。彼のもっとも有名な詩には、「時代は変わる」「戦争
の親玉」「ライク ア ローリング ストーン」「風に吹かれて」
がある。すでに何回か授賞が取りざたされていたディランは、20世
紀でもっとも影響力が多い歌手の一人と見られている。今回の授賞
には、82万7千オイロの賞金がついている。米国人が同賞を受ける
のは、1993年に受賞した作家モリソン以来である。

コロンビア人は和平協定実施を求めてデモを実施

コロンビアでは数万人が、コロンビア革命軍FARCのゲリラとの和平
協定実施を求めて、デモを行なった。この協定は、10月2日の国民
投票で、否決された。首都ボゴタだけで3万人ほどが、中央部のボ
リビア広場への「花の行進」に参加した。長年にわたる内戦の犠牲
者、農家、各地の組織、学生がこの集会に出席した。彼らは白い
花、旗、ろうそくを手に持って、「我々は平和を求めている」と要
請した。カリ、メデリン、マニザレスでも同様のデモがあった。ゲ
リラとの和平協定は、国民投票ではぎりぎりの賛成多数を取った
が、敗北した。この協定に反対する人たちは、左派の反乱組織コロ
ンビア革命軍の元戦闘員に、より厳しい罰を求めている。大統領サ
ントスは、先週ノーベル平和賞が与えられることになったが、反乱
勢力との協定を修正しようとしている。




10月14日(金)

ペギー/ベーンハルト事件で未解決の問題

国家社会主義地下組織NSUのテロリストとされるウーヴェ ベーン
ハルトの遺伝子の痕跡が、女子生徒ペギーの遺体発見現場で発見さ
れたことで、捜査陣は新たな大量の疑問に直面している。主任上級
検察官ヘルベルト ポツェルは、中でも汚れが遺伝子適合につな
がった可能性があるかどうか、検討しなければならない、とバイロ
イトで述べた。そのためには、ベーンハルトの遺体、ペギーの骨、
少女の事件の遺失物が、どの場所で捜査されたのか、解明しなけれ
ばならないが、捜査当局がこの金曜日に、新たな成果を発表できる
とは思えない、とポツェルは語った。木曜日には、2001年に行方不
明となったオーバーフランケン出身のこの少女の遺骨の一部の発見
現場で、ベーンハルトの遺伝物質が発見された、との発表があっ
た。右翼急進派のベルンハルトは、「国家社会主義地下組織NSU」
に属していた。彼は共犯者ウーヴェ ムントロースとベアーテ ツ
ェーペとともに、長年にわたり、外国出身の人を中心に殺人をし
ていたが、築かれることはなかった。

     その他のニュース

トルコの観光地アンタルヤがミサイルで攻撃を受ける

トルコの観光地アンタルヤが、2発のミサイルの攻撃を受けた、と
の報道がある。ドガン通信社によれば、ミサイルは、アンタルヤと
海水浴場ケメルの間に撃ち込まれ、負傷者は出なかった。さらにこ
のミサイルは、両地点を結ぶ高速道路沿いにある丘から、発射され
た、とのことである。救急車と警察の特殊部隊が犯行現場に向かっ
ている、とも報じている。

ヴァロン地域は貿易協定CETAに賛成するのを拒否

EUとカナダの間で計画されている自由貿易協定は、ベルギーのヴァ
ロン(ワロン)地域での抵抗で、失敗に終わる恐れがある。現地の
地方議会が、この協定に反対の投票をした。ベルギーの中央政府
は、このEUカナダ包括的貿易協定CETAを支持してはいるが、(フラ
ンドル地方の)フラマン人、(ケルト系の)ヴァロン人、ドイツ人
の賛成が必要である。ヴァロン人の首相マグネテ(社会党)は国会
議員に対して、ベルギー外相レンデルスにこの条約署名に関する全
権を渡すことはできない、と述べた。

連邦と州は財政関係の改革で合意

連邦と州は、最終的に財政関係の新たな秩序に合意した。バイエル
ン州首相ゼーホーファー(キリスト教社会同盟)がベルリンで、こ
れを確認した。彼によれば、合意の土台になったのは、州側の提案
で、それによれば、連邦は2020年からおよそ95億オイロを毎年、州
側に渡すことになっている。連邦首相メルケルは、昨夜すでに財政
均衡策の重要な項目については、基本的な合意に達していたが、午
前から各州首相と協議を続けていた。対立していたのは、国の課題
の管轄分野のうちあるものの、担当を決め直す点であった。詳細は
当初は発表されなかった。連邦と州の財政を改めて調整しなければ
ならないのは、各州の財政均衡と、ドイツ東部との第二次連帯対策
が2019年に終了するためである。




10月15日(土)

インドとロシアが巨額の武器売買

インドとロシアは、いわゆるBrics諸国会議の並行して、総額数十
億オイロの武器売買契約に署名した。ロシアのS-400型ミサイル発
射装置トライアンフのインドへの納入が中心である。これは地対空
ミサイルで、到達距離がおよそ4百キロである。さらにインドは、
2百機の戦闘用ヘリコプター、4隻の高速艇を購入するが、これらは
いずれもインドで製造されることになっている。ブラジル、ロシ
ア、インド、中国、南アフリカの首脳会談は、インドのゴアで日曜
日まで続けられる。

     その他のニュース

各国は温室効果ガスに関する後継協定に合意

各国はルアンダでの会議で、気候に悪影響を世ボス温室効果ガスの
禁止に関して、次期の協定に合意した。国連環境計画UNEPはルアン
ダの首都キガリで、今回得られた妥協は、2015年末のパリ気候首脳
会談以降、最大の成果である、と発表した。目標は、冷蔵庫と空調
機に使用されるハイドロフルオロカーボンFKW(フロン)の段階的
廃絶である。この化学物質は、ハイドロクロロフルオロカーボン
FCKW(フロン)の代替物である。オゾン層の保護のために、ほぼ
2百カ国が1987年にモントリオールで、温室効果ガス、冷却材、あ
るいはフォームプラスティックとして大量に使用されていたハイド
ロクロロフルオロカーボンを、禁止することで合意していた。しか
し数年前から、ハイドロフルオロカーボンは、オゾン層を攻撃はし
ないものの、大きな気候温暖化を招いていることが明らかになって
いる。

フランスはニース襲撃事件の犠牲者86人を思い起こす

フランスは、ニース城の丘で国を挙げての追悼式典を開き、地中海
の町である同市の7月14日のテロ攻撃の犠牲者を思い起こした。同
市オペラ座の歌手2人が、死者86人の名前を朗読し、生徒たちが死
者1一人ずつに白いばらを手向けた。31歳の男が、フランス国民の
祝日である7月14日に、トラックでニース沿岸の遊歩道で群衆の中
を暴走し、警察に射殺された。追悼式には、大統領オランドの他、
犠牲者の家族数百人が出席した。

バグダードで自殺攻撃 死者多数

イラクの首都バグダードで、自殺攻撃犯が、少なくとも31人を巻き
添えに爆死した。警察と衛生兵によれば、犯人は同市北部のアル・
シャーブ地区で、シーア派の集会の中で爆弾を巻いたベルトに点火
し、そのほかに60人ほどが負傷した。今までのところ、このテロ攻
撃を起こしたと発表した組織はない。スンニ派のジハード主義者
「イスラーム教国IS」は、今年すでに多数の襲撃事件をイラクで起
こしてきた。




10月16日(日)

トルコのガズィアンテプで自殺攻撃犯が爆死

トルコ南東部のガズィアンテプで、警察の捜査が行なわれているさ
なか、自殺攻撃犯が爆死し、警官3人を巻き添えにした。放送局CNN
テュルクが、知事の話として伝えているところでは、シリア人4人
を含め、8人が負傷した。犯人はテロ組織「イスラーム教国IS」に
属していると見られている。複数の人が逮捕された、とのことであ
る。国営アナドル通信社は、複数の自殺攻撃があった、と報じてお
り、逮捕を免れるために、手入れ中に爆弾に点火した、と述べてい
る。トルコ政府は、8月にクルド人の結婚式が襲われ、50人以上が
殺された事件の責任はISにある、としている。

     その他のニュース

スコットランド独立を問う住民再投票の可能性は「かなり高い」

英国のEU離脱投票を受け、スコットランド首相スタージョンは、今
後3年以内にスコットランド独立に関する第2回住民投票を実施する
可能性は「あり得る」と見ている。彼女は、EU離脱投票以降起きた
ことはすべて、住民投票の再実施の必要性があることを、さらに確
信させた、と述べた。彼女は来週、住民投票案を提出する方針であ
る。スコットランド人は2年前に第1回の独立を問う住民投票を行な
い、多数が英国残留に賛成した。EU離脱に関する6月の国民投票で
は、同国の他の地域とは異なり、スコットランド人は、過半数がEU
残留に賛成していた。

英国のEU離脱賛成派ジョンソンの戦略的行動

英国外相でEU離脱に向けて先頭を切って戦ったジョンソンは、EU反
対派陣営へ公式に転身する僅か数日前に、英国はEUに残留すること
を強く支持していた。「サンデイ タイムズ」紙は、当時のジョン
ソンの発言を公表した。その中で彼は、英国がEUに属していること
は「ヨーロッパと世界のための祝福」として賞賛していた。英国が
EUを離脱すれば、「経済に衝撃」を与え、英国の分断につながりか
ねない、と当時のジョンソンの文章には記されている。ただしこの
文書は公表されなかった。彼がこの文書を書いて2日後、彼は保守
派の党友で当時首相であったキャメロンに、自分は英国のEU離脱支
持に与する、と伝えていた。

イラク軍はモースル住民に攻勢に準備させる

イラク軍は、ISの拠点モースルの住民を、間もなく予想される同国
北部の同市に対する攻勢に向けて、準備した。空軍は数万枚のビラ
を投下したが、これには自宅の安全を確保するように求めている、
とイラク軍中央市営部は発表した。西側の専門家は、ジハード主義
民兵「イスラーム教国IS」の戦闘員3千人から4千5百人を追放する
ために、攻撃は10月中にも始まる可能性がある、と見ている。国連
は、モースル周辺の戦闘があれば、冬が始まろうとする次期に、
1百万人ほどが非難を強いられる可能性がある、と懸念している。




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