１月２２日〜２８日のドイツのニュース
１月２２日（月）
右翼急進派に対するデモに数十万人が参加
ドイツでは数十万人が土曜日に、右翼急進派と右派大衆迎合政党
「ドイツのためのもう一つの選択肢」に抗議した。ミュンヒェンで
の集会は、安全面の理由から中止となったが、それは開催場所が完
全に人で溢れてしまうためである。警察は参加者の数を、10万人ほ
どと集計した。ベルリンでも10万人ほどが、国会議事堂の建物周辺
の抗議活動の場所に押し寄せた。ケルンでの集会には、4万5千人が
参加した、と当局は述べた。ブレーメンとライプツィヒでは、それ
ぞれ少なくとも4万人が抗議活動を繰り広げた。このきっかけにな
ったのは、ポツダムで11月に開かれた右翼急進派の秘密会議が暴露
され、それに「ドイツのためのもう一つの選択肢」の代表も出席し
ていたことである。この会議では、移民の経験がある人々を、大量
に国外追放にする計画が協議された。
その他のニュース
デサンティスは米国大統領候補選びから離脱
米国の極端な保守派の政治家デサンティスは、共和党の大統領選挙
の候補者をめぐる争いから撤退する。勝利につながる道がないので
あれば、支援者に時間を割き、献金を支払うよう求めることはでき
ない、とデサンティスは述べた。彼は今後、元大統領トランプを支
援する。トランプはこれで、党内に1人の競争相手しか持たない。
それは国連の元米国大使ヘイリーである。デサンティスは、以前か
らトランプの競争相手の中で、最有力とみられていた。先頭を切っ
て1週間前にアイオワ州で行なわれた共和党の事前選挙では、彼は
トランプの後塵を拝し、ヘイリーよりわずかに良い結果であった。
EU加盟各国外相は近東紛争およびウクライナ戦争について協議
EU加盟各国の外相は月曜日、近東の外相を交えて、イスラエル人と
パレスチナ人の紛争を仲裁するための提案を協議する。ブリュッセ
ルでの話し合いには、アラブ諸国連合事務長アブル ゲイト、サウ
ジ・アラビアとヨルダンの外相も参加する予定である。さらにイス
ラエル外相カッツおよびパレスチナ自治当局の外相役マリキと、個
別に意見交換する予定である。
ロシアが占領するドネツクが攻撃を受ける 死者多数
ロシア軍が占領する東ウクライナのドネツク市の市場が砲撃を受
け、当局によれば、少なくとも27人が死亡した。ロシア政府に併合
されたドネツク地区の長プシーリンの発表では、負傷者は25人で、
この市場は多くの住民が日曜日の買い物をしていた時に攻撃を受け
た。ロシア外務省は、ウクライナによる「残忍なテロ行為」であ
る、と述べた。ウクライナ政府からは、今のところ反応がない。こ
の情報は、中立の立場からは、検証できない。ウクライナ軍は再
三、ドネツク地域を奪還する、と表明していた。
１月２３日（火）
紅海ではフーシー派に対する軍の攻撃が続く
米国と英国は、同盟国の支援を受けて、イエメンのフーシー派民兵
の拠点を、再び攻撃した。米国国防省によれば、今回の軍事攻撃で
は、フーシー派の拠点8箇所を攻撃し、その中には武器庫とミサイ
ル発射施設が含まれている。EU加盟各国も同曜日、紅海での国際貿
易船航路を守るために、軍の派遣を開始する方針である。EU外務委
員ジョセプ ボレルが、これをブリュッセルで発表した。ドイツは
快速艇を派遣してこれに参加する意向である、と政府筋は発表し
た。イスラエルとハマースの戦争が始まってから、フーシー派民兵
は、イスラエルとつながりがあるとして、イエメン沖で貨物船を再
三攻撃している。
その他のニュース
近東紛争で新たな動きがある模様
イスラエル・ハマース戦争で、イスラエル政府は2ヶ月間の停戦を
提案している、との報道がある。報道サイト「アクシオス」によれ
ば、この提案は、エジプトおよびカタールの仲裁で、伝達されたも
ので、ハマースのテロリストの暴力で、戦闘の続くガザ帯状地帯に
いる人質全員の解放につながるものである。米国の「ウォール街通
信」紙によれば、アラブ諸国は、戦争終了後に2カ国並存による解
決を提案する作業を進めている。それによれば、サウジ・アラビア
は、パレスチナ人国家の建国の見返りに、イスラエルを承認する、
と申し入れている。現在の紛争は、10月初めてに武装イスラーム教
徒ハマースが、イスラエルを襲撃し、血が流れて始まった。ガザ帯
状地帯をしたいするパレスチナ人民兵ハマースは、EUなどがテロ組
織に分類している。
国連安全保障理事会でウクライナに関して応酬
ロシアと西側が、国連安全保障理事会で、お互いに激しく非難しあ
った。ロシア外相ラヴロフはニュー ヨークで、これは西側のロシ
アに対する十字軍遠征である、と述べた。彼は再び、西側の武器の
ウクライナへの提供を批判し、ロシアには交渉の用意があるが、現
在のウクライナ政府を残すためではない、と述べた。ウクライナと
ドイツなど数十カ国は、ロシア政府が偽善的で、陽動作戦を取って
いる、と批判した。国連の最高の委員会のこの会議は、ロシアの要
請で招集された。ロシアが支配する東ウクライナのドネツク市が砲
撃を受け、死者が出たのがそのきっかけである。ロシアは2年ほど
前から、ウクライナに対する侵略戦争を開始していた。
米国の事前選挙はトランプとヘイリーの激突
米国共和党の大統領候補をめぐる争いで、次の事前選挙は、ニュー
ハンプシャー州で火曜日に行なわれる。フロリダ州知事デサンティ
スは週末に、この小さな州での争いから、撤退していた。そのため
米国北東の同州での投票は、元大統領トランプと国連元大使ヘイリ
ーの激突となる。世論調査では、トランプは米国全土で、ヘイリー
より優位に立っている。
１月２４日（水）
スウェーデンのNATO加盟は一歩前進
トルコ国会は、スウェーデンのNATO加盟を可決した。トルコの国会
議員の多数が、スカンディナヴィアの同国の、西側軍事同盟への加
入に賛成した。大統領レジェップ タイップ エルドアンが、今後
数日でこの決定に署名する、との見通しである。ロシアによるウク
ライナ攻撃のため、スウェーデンはNATO加盟を決意していた。トル
コは拒否権を行使して、長い間この要求を阻止していた。エルドア
ンは、禁止されているクルド人の政党クルディスタン労働者党PKK
の党員の今までの対処を、スウェーデンが変えるよう求めていた。
ハンガリーが、EU加盟国スウェーデンのNATO加盟に賛成する見通し
はまだ立っていない。
その他のニュース
トランプは事前選挙で再び勝利
元米国大統領トランプは、ニュー ハンプシャー州で、共和党の大
統領候補になるために重要な事前選挙で、勝利を収めた。トランプ
と、元国連大使ヘイリーは、小さな同州で対決していた。ヘイリー
はやや自由な傾向の同州で、世論調査では全国的に優位に立つトラ
ンプに、予想外の勝利を収めることに賭けていた。彼女は、今後の
各州での事前選挙にも立候補するつもりだ、と予告した。その投票
では、11月の大統領選挙で、現職のバイデンの対立候補として、保
守的な共和党から立候補するかが問われる。
鉄道機関士の労働争議で運行中止
ドイツ鉄道との労働契約をめぐる対立で、機関士労働組合GDLは予
告通り、6日間のストライキに入った。貨物輸送では火曜日夕刻
に、旅客運輸は昨夜ストが始まった。鉄道は、遠距離および地域交
通で大きな減便があると予想している、と発表した。労働組合の要
求の中心は、週当たりの労働時間を、賃金をそのままにして、38時
間から35時間に短縮することである。ドイツ鉄道は機関士たちに、
労働時間を減らすか、同じ時間働いて2.7%の賃上げをするか、選ぶ
方法を提示していた。
ドイツはヴェトナムとの労働力協定を締結
ドイツ大統領シュタインマイアーは、訪問中のヴェトナムで、ドイ
ツは東南アジアの同国との間で、労働力協定を結んだ。この協定
は、経験あるヴェトナム人が、ドイツに入国するのを助けるもので
ある。シュタインマイアーはヴェトナムの首都ハノイで、この協定
を歓迎した。多くの分野で専門家を探している、と彼は強調した。
両国はいわゆる戦略的協力関係を結んでいる。ヴェトナムの人口は
9千8百万人で、共産党が支配している。意見および報道の自由は厳
しく制限されている。
１月２５日（木）
ゼレンスキーは諸外国が墜落を調査するように要請
ウクライナ国境近くのロシアで、死者のでた飛行機事故の詳しい経
緯は、まだ不明である。ベルゴロド地域では水曜日、ロシア軍の輸
送機が墜落していた。機内には、ウクライナの戦争捕虜65人も載っ
ていた、とのことである。このジェット機を撃墜したのはウクライ
ナである、とロシアは避難している。ウクライナ大統領ヴォロディ
ミル ゼレンスキーは、諸外国による解明を求めた。ロシアの委託
で、国連安全保障理事会は木曜日、この墜落を検討する。
その他のニュース
ドイツ政府は南スーダンと地中海での軍の活動を延長する方針
ドイツ連邦軍は、NATOの海域監視作戦「海の守り手」と、国連南ス
ーダン派遣団UNMISSにさらに1年間参加することになる。首相ショ
ルツの閣議は、この2つの活動の、2025年3月31日までの延長に賛成
した、と政府広報は述べた。作戦「海の守り手」は、船舶と飛行機
を用いて地中海域の監視をするのに貢献し、テロ組織および武器の
密輸との戦いに貢献することになっている。国連軍の作戦UNMISS
は、南スーダンの安定化を目標とし、特に国民nの保護を支援する
ことになっている。
シュタインマイアーはヴェトナムで報道の自由の重要性を指摘
ドイツ大統領シュタインマイアーは、ヴェトナムの人権状況につい
て、懸念を表明した。彼はホー・チ・ミン市にあるヴェトナム・ド
イツ大学で演説し、ヴェトナムとドイツの間には結びつきがある
が、報道および意見公表の自由などに関する不安を引き起こすもの
も1つある、と述べた。この問題をお互いを尊重しながら、主題と
することができれば、協力歓迎がどれほど親密化わかる、と述べ
た。人権団体は、ヴェトナムの共産主義政権が、人権に反してい
る、と避難している。「国境なき記者団」は、報道の自由に関し
て、ヴェトナムを180位中178位にしている。
トゥスクは人工中絶の権利を緩和する意向
ポーランドでは、野に下った保守派民族主義の法と正義政権が行な
った問題の改革が、撤回されることになる。ポーランド新首相トゥ
スクは、人工中絶に関する権利を、再び自由化する方針である。こ
の法案には、妊娠12週までの人工中絶を合法化する、との内容が含
まれている。この新法は、彼の政党で、自由主義保守派の市民連合
の会派の提案である、とトゥスクはワルシャワで述べた。彼の中道
左派政権には、さらに2党が加わっている。さらに、緊急避妊薬を
より容易に入手できるようにることも計画されている。避妊に失敗
した後、この薬は望まない妊娠を阻止することができる。ポーラン
ドでは人工中絶の権利は、2021年の改革以降、他のヨーロッパでは
ないほど厳格になっている。
１月２６日（金）
国連法廷がガザ帯状地帯でのイスラエルの軍事活動に判決
デン ハーグの国際法廷IGHは金曜日、イスラエル・ハマース戦争
に関して、初めてとなる判決を言い渡す方針である。南アフリカは
緊急手続きを取り、ガザ帯状地帯での軍事活動をただちに停止する
よう、イスラエルに命じるように同裁判所に求め、この活動は大量
殺戮条約に違反している、と述べている。イスラエル、米国、ドイ
ツは、この訴えには根拠が欠けている、と見なしている。この軍事
活動は、ハマースのテロリストが10月上旬にイスラエル南部を襲っ
たことに対する報復であった。この時には1,140人が殺され、250人
ほどが誘拐された。そのあとパレスチナ人居住地区では、イスラエ
ルの軍事活動で2万5千人が命を落とした、とガザ帯状地帯を支配す
るハマースは述べている。多くの国々がテロ組織とみなしている民
兵ハマースの発表を、中立の立場から検証することはできない。
その他のニュース
アラバマは異論もある新たな死刑のやり方を取る
米国では、有罪判決を言い渡された殺人犯が、初めて窒素で処刑さ
れた。この58歳のスミスは、米国のアラバマ州の刑務所で死亡し
た。彼の処刑は、マスクから窒素が流れ込み、酸素不足で死亡す
る、というものである。これより前には試されたこのがない手法
で、極めて強い異論が出ている。国際アムネスティーは、窒息にい
夜死亡を特に残酷である、とみなしている。一方アラバマの首席検
察官ラクールは、窒素を用いた処刑は、知られている処刑法の中で
「最も苦痛が少ない」と述べている。同席した記者の言葉では、死
刑宣告を受けたスミスは、死の直前に、アラバマは人間性を一歩後
退させた、と述べた。
フランスの移民に関する新規則は適法ではない
フランス憲法評議会は、厳格化されたばかりの同国の移住法の一部
を停止させた。パリの9賢人（評議員）は、いくつかの指針が、憲
法に合致していない、と判断した。そのためEU以外の外国人は、フ
ランスに5年滞在してからようやく社会福祉給付を申請できるとの
規則は、否定された。同様に憲法評議会は、家族呼び寄せの条件を
厳格化するのを取り消した。政府陣営が国会でもはや多数をもって
いないので、右派の野党が12月に、厳格化を押し通すことができた
が、それが再び取り消された。
プロテスタント教会の教区で数千件の性的虐待事件
ドイツのプロテスタント教会での性的虐待調査が公表され、責任を
取るようにと求める声が強まっている。連邦政府虐待委員クラオス
は、「ベルリン新編集部協会」のインタヴューで、協会内部には、
性的暴力を検証する機構が欠けている、と述べた。公明な神学者ケ
ースマンはドイツラジオで、プロテスタント教会は権力機構をの背
後を調査するように求めた。木曜日に公表された調査は、1946年以
降ドイツでは、プロテスタント教会および社会福祉活動内部で、
9千3百人を超える未成年が性的に虐待されたことを明らかにしてい
た。
１月２７日（土）
お休みです。
１月２８日（日）
イスタンブルの教会が攻撃を受ける 死者1人
トルコの百万年イスタンブルで、マスクをした2人が教会にいた
人々を襲撃した。今までに1人が死亡した、とのことである。犯人
2人は日曜日に、礼拝参加者1人を武器で攻撃し、死亡した、とトル
コ内務大臣アリ イェルリカヤがインターネット上で発表した。カ
トリック教会サンタ マリアは、イスタンブルのサルイエルにあ
る。市長エクレム イマムオールは、この攻撃を非難した。
ベネズエラ司法は野党のマチャドの立候補を阻止
ベネズエラ最高裁判所は、マリア コリーナ マチャド公職就任禁
止を確認した。ベネズエラ野党の候補者である彼女は、これで大統
領選挙から排除されている。司法のこの判断は、大統領ニコラス
マドゥロに反対する人々及び国外で、怒りを引き起こした。野党は
公職就任禁止を破棄するように求め、米国はベネズエラに、新たな
制裁を科す、と威嚇した。
国連支援組織の支援国はパレスチナ人への資金提供を中止
他の資金提供国と並んで、ドイツも国連パレスチナ難民救済事業機
関UNRWAに対する支払いを、しばらく中止した。その原因は、10月
7日のハマースのイスラエルに対する大規模攻撃に、この組織の職
員が参加していたとの疑いが浮上したためである。ドイツは事態が
解明されるまでは、ガザ帯状地帯の同機関に対する新たな資金提供
に参加しない、と外務省と発展省はベルリンで発表した。これより
前に多くの国が、支払いを停止していた。
ナチの犠牲者の追悼
連邦首相オーラフ ショルツは、国際ホロコースト追悼の日に、す
べての人々が民主主義のために活動するように呼びかけた。さらに
あれは、反ユダヤ主義と人種差別と、断固戦うように呼びかけた。
毎週恒例の映像「首相短信」の中で、「二度と繰り返さない」とい
う言葉は、国に対して向けているだけでなく、すべての人の注意を
喚起している、と述べた。さらに「排除、権利の剥奪、人種差別の
思想や人間の尊厳の剥奪、独裁」が起きてはならない、とも述べ、
ナチ体制下で迫害を受けた人々全てを思い起こさせた。追悼の新た
なやり方を求める声が強くなっている。